【2歳におすすめ】空想が広がる絵本『なにをたべてきたの?』
赤くて、つやがあって、美味しそうなりんご。
ページをめくると、ぶたさんの大きな体に「赤いまる」が浮かびあがっています。
これを指さして、子ども達は言います。
「あ、りんごー!」
どういうことかと言えば、ぶたさんがりんごを食べたから、お腹には食べたりんごが「赤いまる」となって残っているのです。でも、これは大人の理屈。子どもはりんごと赤いまるを見比べただけで、なんとなく理解してしまうのです。子どもって、私たちが思っているよりもずっと「空想の天才」なんですよね。もちろん、全然違うものを想像する子もいるかもしれない。それだってすごい事です。
そんな子どもの自由な空想力に委ねている絵本が『なにをたべてきたの?』です。赤いまるにつづいて、ぶたさんのからだには黄色、黄緑、紫…つぎつぎとまるが増えていきます。一体なにをたべたのでしょうね?
ペロリと食べ終わるとお腹に…!?想像する隙間が楽しい『なにをたべてきたの?』
なにをたべてきたの?
ころんと太って、体は真っ白のしろぶたくん。そんなにいそいでどこへいくの?
しろぶたくんが見つけたのは、美味しそうなきれいなりんご。
「いただきまーす」
ペロリと食べ終わったしろぶたくんのおなかには…きれいな赤い色!
今度はレモンをペロリ。まだまだお腹の空いているしろぶたくんは、更に大きなメロンもぶどうもペロリ。
するとおなかには、どんどんきれいな色が並んでいきます。
おや、今度見つけたのは…せっけん。しろぶたくん、それ食べちゃうの!?
1978年の発売以降、35年以上も子どもたちに愛され続けてきたこちらの絵本。
読んでみれば人気の理由はすぐにわかります。
話しかけられているような優しい言葉にのって、お話はリズミカルにすすんでいきます。
ぱっと見ればシンプルな絵。でも、ページをめくっていくと、その鮮やかな色が大きく目に飛び込んできます。
何よりしろぶたくんの表情が可愛くて、くだものがとっても美味しそう!
そして、せっけんを食べた後のしろぶたくんの愛らしいこと。
何でもやってみないとわからないものね。すっかり絵本の世界に夢中になってしまいます。
もう一つの大きな魅力は、子どもたちの想像する隙間を作者のお二人がたっぷりと作ってくれていること。絵本を読みながら、子どもたちの頭の中にはたべもののこと、きれいな色のこと、ぶたくんたちの体の模様のこと、せっけんのこと(!?)など、みんな自由に思い描きはじめているはず。それはきっと、読むたびに違う内容になって。だから、何度でも読みたくなっちゃうのでしょうね。
そんなところにも、作者の子どもたちへ対する優しい眼差しが感じられるのです。
お気に入りの絵本のひとつに加えてみてくださいね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より「レモンは酸っぱいのに…!」
実際に親子でこの絵本を読んでみると、子どもたちには、どんな反応があったのでしょう?絵本ナビユーザーから寄せられたレビューをご紹介します!
わが子が小さい時に、一番読んだ絵本です。
しろぶたくんの食べる果物の美味しそうなこと!レモンは酸っぱいのに…と心配しながらも、食べるたびにキレイな色になるんです。うわーっ、きれいだね、って 目を見張ります。
石鹸の時は本当にドキドキして心配になります。石鹸なんか食べちゃダメ!って。
でも食べちゃって、コロコロしちゃって、どうするのぉ…ってハラハラして。
何度も何度も読みました。幼い子どもの心の動きが分かって、読んでいる私も楽しかったです。
(ジェネビエーブさん 50代・ママ)
色って子どもが大好きなもの。息子も黄色が大のお気に入り。自分の好きな黄色がレモンだったので「すっぱいよ~」と顔をしかめながらしろぶたさんの表情を見ています。絵本を見終わった後でも、赤はりんご、黄色はレモン。緑はメロン、紫は…というように楽しんでいます。
色を楽しむ絵本は色々ありますが、この本はストーリーが分かりやすいが驚きも隠れていて色もストーリーも楽しめる絵本です。
(コトーさん 30代・ママ 宮城県 男の子)
娘が2歳になる前くらいに大好きになりました。当時の娘にとっては少し長めのように思えたのですが、週に3回くらいは読んでいました。今でも思い出したように、時々読んで欲しいと言います。子どもにとってとても魅力的な本のようです。
絵も本物みたいで綺麗だし、こどもが興味を持ちやすい「食べること」「くだもの」「ぶたさん」が出てくるのも、興味を持ちやすいポイントかもしれません。せっけんを食べるところもおもしろいようで、「○○ちゃんもせっけん食べる~」とよく言ってました。
一番のおもしろさは、りんごを食べるとお腹の中が赤くなる、ぶどうを食べるとお腹の中が紫になる…というところでしょうか。
(じっこさん 30代・ママ 女の子2歳)
合わせて読んでね!「イベントレポート&長野博一さんインタビュー」
1978年発売以来じわじわと売れつづけ、ついに販売数50万部を突破した絵本『なにをたべてきたの?』。しろぶたくんが食べたものが、つぎつぎとおなかのなかできれいな色になる(?)お話ですが、みなさんは読んだことがありますか? 文は、詩的かつリズミカルなことばでたくさんの人に愛される作品を生んだ岸田衿子さん。絵は、デザイナーとしての経験もある長野博一さん。全体に漂うやさしい色合いとユーモラスな展開が人気のロングセラー絵本です…(続きはこちら>>)
『なにをたべてきたの?』と合わせて読みたい【2歳におすすめ絵本】
いろいろバス
あかい バスが やってきました
きいろい バスが やってきました
みどりの バスが やってきました
バスからおりるのは だあれ?
バスにのるのは なあに?
色とりどりのバスに乗り降りする、あんなモノや、こんなモノ。思わずクスッと笑っちゃう!?
えーっ!とびっくりぎょうてん!!
ユーモアたっぷり、おしゃれな色あそび絵本です。
合わせて読みたい2歳におすすめ絵本
2歳の子にはどんな絵本がおすすめなの?
2歳になると、驚くほど色々なことが出来るようになっていきますよね。なんでも自分でやろうとするのもこの頃です。見立て遊びだってするようになります。中でも、一番大きな変化は簡単な会話ができるようになること。だからこそ、親子で一緒に絵本を読みながら、たくさんの会話をしたり、発見をさせてあげてくださいね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
ここで紹介した絵本を、ご家庭やオフィスに毎月お届けする定期購読サービスがあります。
絵本ナビの「絵本クラブ」、お届けするのは「幸せな時間」です。
今回ご紹介した『なにをたべてきたの?』は絵本クラブ2歳コース2月の配本です。
2月配本スタート の入会受付は 1月31日 まで。
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