ひとりっ子はうらやましい?
小さい頃、ひとりっ子のお友だちがいると、なんだかちょっと憧れたものです。きっと、「なんでも一人占めできていいなあ。部屋もひとり、お洋服だって全部新品、おやつだって全部自分のもの」なんて軽い気持ちで想像していたのでしょうね。いや、夢を託していたのかもしれません。
そんな私は末っ子。別に不便を感じたこともなく、兄弟のいる恩恵を受けることの方が多かったかもしれません。
息子はひとりっ子。
いざひとりっ子を育ててみると、別に優雅なことは何もないことにすぐに気がつきます。確かに競争はないけれど、ひとりの時間を過ごす戦いがあります。ひとりで知らない子ばかりの公園に乗り込むことも日常茶飯事です。私には未経験のことばかり。「兄弟が欲しいなあ」なんて漏らすこともあったっけ。
でも、みるみるうちにひとり遊びが上手になっていき、知らないお友だちと一緒に遊ぶことも難なくクリアしていきます。これも私にはなかなか出来なかったこと。そんな様子を見ていると、申し訳ないような気持ちは少し薄れ、頼もしく思えてくるものです。
そうは言っても「ひとりっ子の恩恵」、もうちょっと考えてみなくちゃね。
かばのかこちゃんも言ってます。
「ひとりっこだと つまんない。いつも ひとりぼっち」
かこちゃんはひとりっこ
かばのかこちゃんは、ひとりっこ。
「ねえ ママ。どうして わたし ひとりっこ なの?」
かこちゃんは、兄弟がいるお友だちがうらやましくてたまりません。
いつも一緒に遊んだり、おやつの取り合いができるから!
「そうねえ。みんなで おやつを たべるのって やっぱり たのしいわよね。」
そう答えながらも、ママは自信満々。明日はきっと楽しい一日になるはずだって。
そして、つぎの日…。
そう、この日はかこちゃんの誕生日。
みーんながお祝いに駆けつけてくれましたよ!
ひとりっ子も、ひとりっ子の親も、共感するところのあるお話です。
やっぱり、にぎやかな毎日って楽しそうですものね。
でも、ひとりっ子はひとりっ子なりの良さがあるはず。
その証拠に、かこちゃんはお友だちがたくさん。
そしてみんな、かこちゃんをうらやましがっていますよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
お友だちを「うらやましい」と思う気持ち。いつも心の奥底にしまわなきゃって思い込んでいたけれど、こんな風に口に出して言い合うってことが、お互いの背中を押すってこともあるのかもしれないね。
ひとりっ子のかこちゃんに、いいこと教えてもらっちゃった!
だから大きな声で言わなくちゃね。
「かこちゃん、うらやましいな」
ひとりっ子も兄弟のいる子も、それぞれ悩みはあるのかな
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
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