寝たら起きない伝説。
いつだって「寝てほしい」と思いながら、絵本を読んだり、体をとんとんしてあげたり、添い寝をしながら自分も寝落ちしそうになっていたあの頃が懐かしい。
だって。今、目の前にいる息子(中学生)は、隙あらば「寝ようとする」。つい先日、様子を見に行った塾で問題を前にして白目になっている息子に心の底からつぶやいたばかり。
「起きろ!」
そういえば息子は、いつでもどこでも、ふと気がついたら寝てしまう子だったと思い出す。そして、一度寝落ちしたら、なかなか目を覚まさない。「寝たら起きない伝説」をいくつも残していたんだっけ。
通っていたスイミングスクールのお迎えバスで寝てしまい、バスの運転手さんと一周したあげくに我が家まで送ってもらった伝説。
家族旅行で訪れた、山口県の小さな島に上陸した瞬間に寝落ちをし、夕方離島するまで一度たりとも目を覚まさなかった伝説。
バス遠足の帰り、到着前に寝落ちしてしまい、クラス中のみんなや先生が起こしても全く目を覚まさないから、「お母さん、ちょっと起こしてくれますか?」と言われバスまで乗り込んだ伝説。
…うーん。どうやら、これは根が深い。何しろ、目の前に立っている先生の怖さよりも「ねむい」が勝っているんだから。まさに「ねむいねむいねずみ」の状態なのです。
ねむいねむいねずみ
目がとろーんとして、今にも寝てしまいそうな「ねむいねむいねずみ」。
それもそのはず、旅をしているねずみは1日中歩いて歩いて、すっかりくたびれて夜になってしまったんだ。
すると、一軒の古い家が目の前に。
「今夜はここでぐっすり寝ようっと」
中はボロボロ、荒れ果てているようだけどねずみはおかまいなし。
二階のベッドに寝転がって眠りかけた、その時。
ドタン!ゴトン!
バタン!ガタタン!
「な、な、なんだ!?」
ベッドやタンスが踊りだした。ねずみが驚いて階段をかけおりると今度は・・・?
この家はおばけ屋敷なのでしょうか。不思議なことが次々と起こるのです。
でも、ねずみくんときたらねむくてねむくて仕方がない。
何があっても眠ろうとするねずみくんを見ていると、見ているこちらの目までとろーんとしてきて。
結局、朝になったらどうなっていたのでしょう。
うーん、やっぱり佐々木マキさんのお話は不思議で面白くて可愛らしい!
この「ねむくてねむくてたまらないねずみ」の旅の物語はまだまだ続きます。
今度はどんなゆかいな事件に出くわすのでしょう。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
どこにいても、何があっても、気分は夢の中。こんなに眠くて仕方ないのは、小さい頃に私が催眠術をかけすぎたから? まさかね。ねずみくんと同じく、きっと思春期は眠くて仕方ないものなのでしょう。
でも…白目をむきながら机に向かう息子の様子に微かな既視感が。あれ、これって普段の私? もしかして、遺伝? 急に現実に引き戻されて、思わずまた叫んでしまったのでした。
「起きろ!!」
ねむいのに意外と行動派のねずみくん。
磯崎園子(絵本ナビ編集長)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |