マスクの下は…… 2017年3月9日
駅からオフィスまでの長い通路を、今日もマスクをしながら黙々と歩きます。
本当につらい花粉の季節が来る前の予防です。
煩わしいので、あまり好きではなかったマスクでしたが、顔の半分を隠してくれるという事実は、気持ちをかなり油断させます。
最近ふと気がついたのですが、顔の緊張が緩んだ結果……笑っているのです!マスクの下はちょっとゆるんだ笑顔だったのです。どうやら私はマスクで笑い顔(ニヤニヤ顔?)を隠していたのでした。
社会人たるもの、歩いている時はしかめっ面がいいのでしょうか。それともすまし顔、いや微笑み顔? 混乱してきました。だけど、もしもすれ違う人たちのマスクの下の表情がみんな笑っていたら。やっぱり怖い。社会人の笑顔の使い方って、意外と難しいものです。笑顔にも色々な意味がありますからね。
そう考えると、意味なんてない笑顔、タイミングなんて関係ない笑顔を披露できる場所、というのがとても貴重に思えてきます。子どもたちやあかちゃんにとっては、それが一番大切なことだし、絶対に守らなくてはいけない笑顔でもあります。
理由は簡単、大人を助けてくれるからです。
あかちゃんがわらうから
かあさんは ときどき すごく よわくなる
かなしいニュースを見るたびに 世界はどしゃぶりのように感じられ
未来はどこまでも はいいろの雲でいっぱいで
そんなとき あかちゃんが おしえてくれる「うれしいこと ここにあるよ!」――
おーなり由子さんの描いた、絵本の中のあかちゃん。
見ているだけで、そのぬくもりが伝わってくるよう。
わらっている顔、ぎゅっと服をつかんでいる小さな手、腕の中で抱かれているまあるい身体。
どの場面でも、まるでおひさまのように明るい光を放っているあかちゃん。
ふとした時にやってくる不安の心は、いつだってこの子たちが救ってくれるのです。
「ぼくらを よわいと 決めつけないでよ!」
「ぼくらは、生きたい。愛したい。いっぱいあそびたい!」
それらの力強い言葉が、すべてのおかあさんの胸に優しくささります。
読み終わったら、わが子をぎゅっと抱きしめたくなりますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![](https://style.ehonnavi.net/wp-content/uploads/7-b2eb79784893095909_600.jpg)
私も息子の笑顔に助けられてきたものです。
マスクの下で、緩んだ笑顔をもてあましている場合じゃありませんね。
恩返しをしなくては。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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