空をとぶ夢をみたい。 2017年3月3日
「そんな高いところに!?」
オフィスの引っ越しが決まった時、まず最初に出た言葉がこれ。
だって、今まで5階建てのビルの4階で仕事していたのが、いきなり28階になるわけです。
社長は「高いところで仕事をすると、はかどるんだよね」と言うけれど。
高所恐怖症の身になってみれば、その意味がわかりません。(怖いのです)
だけど、確かに28階にある大きな窓から見下ろす景色は面白い。
なんというか、不思議な気持ちになります。
当たり前だけど、下から見上げる景色とは全く違います。
恐怖を忘れて「高いところにいる」気持ちよさを実感してしまうのでしょうか。
そういえば、高所恐怖症とは関係なく、子どもの頃ってよく空を飛ぶ夢を見ますよね。
あれって、普段出来ないことが出来ちゃう喜びもあるけど、
見ることのできない景色を見たい、っていう欲求もあったのかな。
空を飛びたくて、何度も見ようとするけど、なかなか滅多に見れなかった空を飛ぶ夢。
もしかして、空から見る俯瞰図の想像力が追いつかなかっただけだったりして・・・。
ということは。
もしかして、この絵本を読めば、すぐにでも空を大きく羽ばたく夢を見られるかも!?
そらからみると
ひゅる ひゅる ひゅうー
ゆったりのんびり、ふわりふわりと風まかせ、自由気ままな空の旅。
大空から地上を見下ろすと、
小さくなっていく海に浮かぶ緑の島。
どこまでも続く広く雄大な青い海、港に集まってくる小さな白い船。
大きな緑の山のふもとには、ぎっしりとひしめくミニチュアのおもちゃのような家々。
道路は、流れる川のように交差してつながって、
その上をたくさんの車が走って向かっていく先には大きなビルが立ち並ぶ大都会、東京。
その視点を通して描かれるのは、何ページにもわたる見事な景観のパノラマ図。
実は、表紙で目を奪われる鳥の目から見たものではないのです。
その横に並んで飛ばされている「イチョウの葉っぱ」がこの絵本の主人公です。
イチョウの葉っぱは、伊豆諸島の新島から出発して、熱海、小田原城の付近を
飛びながら、海岸線の江ノ島、横浜みなとみらい、新横浜の新幹線に挨拶しながら、
東京スカイツリーへと向かいます。
ひゅるひゅるひゅうーっと一人ぼっちの気まぐれな風の旅。
行く先々で楽しい出会いがたくさん待っています。
やっこ凧やきいろい風船、飛行船にカモメさん。
作者のみねおみつさんが、小型飛行機から見た風景をもとに描かれたという鳥瞰図。
すべては実在する地形なのだそうです。
見返しでは、葉っぱがどんな経路を通って旅したか、地図でも追えちゃいます。
地面に落ちている葉っぱにもいろいろな物語があるのかもしれませんね。
ぜひ、葉っぱからみた空の旅、絵本で一緒に楽しんでくださいね。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
改めてこの絵本を読みながら、もしかして……と思っていたら。
やっぱりあるじゃないですか!!
空から見える、三角ビル(絵本ナビオフィスのあるビル)が描かれているんです。
久しぶりにちょっと興奮してしまいました。
(いつのまにか三角ビルにかなりの愛着がわいているようです。)
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
俯瞰が楽しめる絵本
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