ノロノロでコミコミ。 2017年12月2日
ノロノロでコミコミ。
なにかと言えば、今朝の通勤電車の話。途中の駅でトラブルが発生、「のろのろ」運転になりダイヤが大幅に狂い、乗客がどんどんたまって車内が「混み混み」…つまり「のろのろ」で「混み混み」というわけです。よくある事なので、テンポよく言ってみました。状況を受け入れられる気がします。
ゴクゴクでグルグル。
これは、毎朝いきおいよく牛乳をごくごく飲んでは、お腹がぐるぐるしてきてトイレに駆け込む息子の話。今朝もまた「ごくごく」で「ぐるぐる」です。何歳になったら「やめた方がいい」と気がつくのでしょうね。
ビクビクでベラベラ。
緊張する仕事をする時はいつも「びくびく」。怖がりな性格だからこそ攻撃的な気持ちになり、気がつくといつの間にか自分ばかりが「べらべら」しゃべっています。でも、だんだんと「びくびく」することも減っていき、大事な場面なのに「かみかみ」で「ぐだぐだ」、緊張の糸が切れれば「うとうと」で(頭を)「ごちごち」。これはよくない。さらに悪いループは続きます。疲れてくれば「もやもや」で「ぶつぶつ」。帰りたいのに「のびのび」で「いらいら」……終わりが見えません。
そんな時はこれ。
コロコロでポーン!
どうですか、この突きぬけ具合。
無邪気な子どもの心が、現状を軽やかに「ころころ」で「ぽーん!」と突破していきますよ。
ころころぽーん
新井洋行さんというと、どの作品も表紙の絵からそそられてしまうものばかりですが、今回もまた、ご覧の通りのとびっきり可愛らしい絵本が出来上がったようです!
大きく「ころころぽーん」とあるタイトルどおり、この“声に出して楽しいひびき”こそが最大のチャームポイントなのです。
「たったかたったか」「ぐぐぐっ」「ぴょーん」....何だか聞いているだけで一緒に体が動いちゃいそう。
そして更に...表紙の絵をよーく見てみてください。小さくて、まん丸で、黒くて、ふわふわして、耳みたいなものがついている不思議な物体が飛んでいますよね。
これがこの絵本の主人公なんです!!
もう後は説明不要ですよね。気になって仕方がなくなった方はどうぞ中身をご覧くださいね。
親子で読んでも、みんなで読んでも楽しそうな一冊です。
本人が自分の特性を意識しているのか、していないのか。それはともかく、誰かがこんなふうに「ぽーん!」とどこかに突き抜けて行く瞬間を見るのは嬉しくて楽しいものです。もちろん「ぐるぐる」で「どぼーん」の場合もありますけどね。
磯崎 園子(絵本ナビ編集長)
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |