【news】大注目の若手絵本作家、ザ・キャビンカンパニーの才能が大爆発した新刊5月発売
火山の誕生を赤ん坊に例え、自身の体験を元に作った絵本
5月に『あかんぼっかん』(偕成社)が発売されます。
絵本作家のザ・キャビンカンパニーのおふたり(阿部健太朗さんと吉岡紗希さんのご夫妻)が、2016年に熊本地震に見舞われたことから生まれた絵本。
九州・大分で創作をつづけるおふたりは、以前から火山をテーマにした作品をすすめていましたが、知人が阿蘇山噴火による観光客激減で落ちこんでいるのを見てためらいがうまれ創作がとまります。そんななか吉岡さんが妊娠し、熊本地震さなかの2016年4月に出産。吉岡さんは、陣痛と大地震(当地は震度6弱)の両方を経験し、生命と大地のつながりを強く感じたそうです。また地震で車中泊を余儀なくされている友人を見舞い、話をきいたことで、このテーマを絵本にすることに対する意義を改めて見い出すことになったという、力強い命と大地の絵本です。
おはなしは、小さな島の火山から「ぼっかーん!」と生まれた、大きな赤ちゃんからはじまります。
煙をはきあげ、大岩をなげつけ、くさいおならも、ぶっべっばっ。したいほうだい、大あばれ!
でも温泉、湧き水、きれいな景色と、火山の赤ちゃんはいいこともいっぱい生みだすのです。
やがて赤ちゃんは、もっともっと大きくなって……
山を赤ん坊に見立てた本作品では、生まれる前の陣痛が大地震となり、その赤ん坊の泣き声は灰を降らせ、おならは硫黄の臭いを大地にふりまきます。そのいっぽうで湧水や温泉、迫力のある景観などの観光資源など、多くの恵みももたらし、大地をまたあらたな段階へと再生させていきます。
本作品はそうした、いきものたちと密接なかかわりのある山のなりたちを、子どもたちにも親しみやすく感じることのできる絵本であり、また大地の鳴動を赤ん坊に見立てた「国生み神話」ともいえるでしょう。
大分に生まれ育ち、根をおろして活動するおふたり(と赤ん坊)がつむぐ、九州の雄大な自然への賛歌、そしてそこに暮らす人々への応援歌となる絵本です。
発売は5月になります!
イベント情報 in 九州
九州では4月から夏にかけて、原画展とイベントも開催される予定です。
● 2018年4月28日(土)〜5月27日(日):絵本原画展『あかんぼっかん』 <熊本:ギャラリーetu>
● 2018年5月10日(木):コープおおいた主催『映画館で読み聞かせ』 <大分:T・ジョイ パークプレイス大分>
● 2018年7月18日(水)〜8月26日(日):絵本原画展 <熊本:不知火美術館>
【著者紹介】ザ・キャビンカンパニー
阿部健太朗・吉岡紗希夫婦による絵本作家ユニット。1989年大分県生まれ。大分大学教育福祉科学部卒業後、地元大分県を拠点に、全国のギャラリーやショップにて展覧会、絵本やイラスト、ワークショップ等、様々な分野で幅広く活動している。TURNER AWARD2010未来賞、第7回日本童画大賞準優秀賞受賞。現在、廃校となった小学校をアトリエに改装して日々制作中。絵本に『だいおういかのいかたろう』(鈴木出版/第20回日本絵本賞読者賞受賞)『しんごうきピコリ』(あかね書房/第23回日本絵本賞読者賞受賞)『よるです』『ハテナはかせのへんてこいきものずかん』(偕成社)『ボンボとヤージュ』(学研プラス)『ゆびさしちゃん』(小学館)など。
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