これは…本当に怖いです。怪談・おばけの絵本<コワイ度★★★★★>
怖いのに、なぜか惹かれてしまう恐ろしい世界。そこには、人の心の根源にあるものや、文化や習俗の深みがあって、私たちはそれにひきつけられてしまうのかもしれません。
その魅力を存分に味わえる、「怖い絵本」。
刺激、美しさや哀しさ、ユーモア…いろいろな表情を秘めた、「怖い、でも面白い!」絵本を中心にセレクトしてみました。
小さい子には怖すぎる絵本もあります。
どうぞ心の準備をしてから本を開いてくださいね。
小学校での読み聞かせ
小学校での読み聞かせ会に持参しました。
対象は高学年。5年生が4.5人、6年生が20人強来てくれました。
暑くなってきたので、夏休み前最後の高学年対象の読み聞かせ会のテーマは、
「これってホラー?!な絵本」でいこう!といろいろ読みあさって、ついに見つけました!
これはヒット!
評価が分かれていますが、私は文句なしの最高評価。
だって、ホントに怖い!ゾッとします。
最低限の短い文章で、少ないページ数で、これだけ怖がらせてくれるなんて…
すごいの一言です。
どなたかがおっしゃっておられますが、ほんと、怖すぎて…逆に笑けます。
面白いだけの絵本もあるんだから、怖いだけの絵本もあっていいと、私は思います。
読書・読み聞かせは、教育ではなくエンターテイメントだと思うから。
ということで、本日のイチオシの一冊に採用。
最初に来た5年生が「これから読んで」とリクエストしてくれたので
一番最初に読んで、間に一冊はさんでこの絵本を見ていない後から来た6年生たちのために
もう一度読みました。
「これは怖いで~!おしっこもらしなや~」
なんて言いつつ(笑)反応は上々でした。
「ゾッとしたやろ~?」って聞いたら
うなずく子が多数、
「そんなことない、怖くない!
もう一回最後のページ見せて!」なんて
強気な子もいて、最後のページ、もう一度めくって見せてあげました。
うちの子供たちも「これは怖い」と喜んでいました。
長女がじっくり眺めて「おばあちゃんの顔が一度も見えない。
だから余計に不気味に感じるやわ」と言ってました。
恥ずかしながら、私は気がつかなかったわ~。
所要時間約2分半。確かに低学年にはお勧めしませんが
高学年~大人に、怖がりサンには大勢で読むのがお勧め(笑)
怖いのが平気な人は、夜に一人でじっくりどうぞ(笑)
(将軍亭琴音さん 30代・ママ 女の子12歳、女の子10歳、女の子7歳)
「くうきにんげん をしってるかい?」
誰も気づいていないけれど、くうきにんげんは世界中にたくさんいる、らしい。
目には見えなくて、形も自由自在。
だから、どんなに戸締りした家だって、かぎのかかった部屋の中にだって……。
「くうきにんげんは ふつうの にんげんに おそいかかって、
くうきに かえてしまうのさ。」
空気にかえられるってことは、見えなくなるってこと?
お父さんにも、お母さんにも、誰にも気づかれなくなるってこと?
「ほら、きみの そばにも」
そこにいるのか、いないのか。
なんだかわからない、目に見えない。
だけど、とてつもなく恐ろしいような。
本格ミステリー作家と絵本作家がタッグを組み、極上の「怖さ」を生み出す「怪談えほん」シリーズの新作は、綾辻行人と牧野千穂が見えない魔物を描き出す。
澄んだ青空に飛んでいく、黄色い風船。とても美しい風景は、だけど「知ってしまった」子にはどんな風に見えているのだろう。うさぎの子の、まっすぐに見開いた輝く赤い瞳の先に見えているものは?
どうしてこんなに怖い絵本が描けるんだろうと思う一方で、その怖さは想像力があるからこそ味わえる世界なんだということも知っている。いや、もしかしたら本当にこういう事態に面することだってあるかもしれない。存在を感じているからこそ、広がっていく世界というのもある。
知っている方がいいのか、知らない方がいいのか。
良質な本物の怪談の世界、触れてみても損はないかもしれませんよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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