【ランキング】2019年8月の児童書売上ランキングBEST10は?
今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも児童書の旬をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを毎月発表していきます。
さて2019年8月は、どんな児童書が人気だったのでしょう? 1年のうちでも児童書が特に盛り上がる夏、目新しい作品もぞくぞくランキング入りして、ちょっと面白い結果となりました。
2019年8月の児童書売上ランキングBEST10【2019/8/1~8/31】
原爆投下の是非を問うこの1冊に、課題図書としてだけでなく大きな注目が集まりました!
広島、長崎への原爆投下は、必要だったか——
大人でも、この問いをきけばギョッとして身構えてしまいませんか?
原爆投下は正しい、あるいは仕方がない判断だったと考える人々がいて、反対にそれを、まったく邪悪で愚かなまちがいだったと考える人々がいる。
どちらも、決して少なくない意見として、この世界に存在しているのです。
主人公は、アメリカに住む15歳のメイ。
日本人の母と、アメリカ人の父をもち、四歳まで日本に暮らしていた女の子です。
彼女はひょんなことから、とあるイベントに参加することになります。
そのイベントとは、「ディベート」。
ひとつの議題についてふたつの陣営で討論して勝敗を決める、スピーチの格闘技!
そしてその議題こそ、「広島、長崎への原爆投下の是非」だったのです。
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課題図書低学年の部からランクイン! 家族をあらためてちがう角度から見つめ、とらえなおすきっかけになる1冊
第4位は、同数で2タイトルが並びました。
第4位 『サイド・トラック』
課題図書中学生の部よりランクイン!
中学1年生のジョセフは、集中力を保つことが難しいADD(注意欠陥障害)を有し、あらゆる運動が苦手である。そんなジョセフが、ひょんな成り行きから陸上競技チームに入り、クロスカントリー走に挑戦することとなった。いつも前向きに励ましてくれるT先生、スポーツ万能な優しい友人ヘザーなど、魅力あふれる人物とともに、ジョセフはさまざまな困難を乗り越えていく。陸上競技を通して自身の成長に向かって奮闘するさわやかな物語。
第4位 『かみさまにあいたい』
第6位は、同数で3タイトルが並びました。
第6位 『ぼくとニケ』
第6位 『ぼくはアフリカにすむキリンといいます』
この後もどんどんお手紙がつながっていきます。続巻もおすすめ!
手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わるお話です。キリンがペンギンのことを想像して真似する姿はユーモアたっぷり。地平線のこちらから向こうまでなが―い距離を行き来する手紙のことを想像したり、手紙をやりとりするそれぞれの気持ちを想像しながらゆったりとした気持ちで楽しんで下さい。
第6位 『先生、しゅくだいわすれました』
「しゅくだい」を忘れても怒られない方法とは!?
ある朝、宿題を忘れてしまったゆうすけくん。
このままだと、先生に「追加の宿題」をさせられる!
とっさに、おなかが痛くて宿題ができなかったとウソをつきますが、話すうちにどんどんボロが出て、結局バレてしまいました。
「ウソつくなら、すぐばれるようなのはだめだよ。もっと、ばれないようなので、それから、聞いた相手が楽しくなるようなのじゃなくちゃ」
そう言ってニヤリと笑う、えりこ先生。
それなら、よーし、見てろよ!
「先生、しゅくだい忘れました!」
次の日、さっそくはりきってそう報告したゆうすけくん。
理由をきかれて、さあ、待ってました!
ぼくが宿題できなかったのは・・・宇宙人のせいなんです!
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つづく第9位も、同数で2タイトルとなりました。
第9位 『しっぱいにかんぱい』
しっぱいしても大丈夫! 読むと元気が出るお話です
表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?
「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。
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第9位 『かあちゃん取扱説明書』
子どもたちの笑いと大きな共感をよぶ1冊。まだ読んでない子はぜひ!
ぼくんちで、一番いばっているのはかあちゃんです。今朝も朝からガミガミうるさくって、ぼくはハラがたちました。かあちゃんにいいたいのは、何日も同じごはんをつくらないでほしいです。さいごに、かあちゃんはすぐ「早く」っていうけれど、ぼくが「早く」っていうとおこるのは、やめてほしいと思います。
……ぼくの作文を読んだ父ちゃんは大笑いして「かあちゃんはほめるときげんがよくなるんだ。とにかくほめること。パソコンもビデオも扱い方をまちがえると動かないだろ、それと同じさ」
扱い方! そうか、扱い方さえまちがえなければ、かあちゃんなんてちょちょいのちょいだ!
哲哉はこうして、かあちゃん取扱説明書を書きはじめたのだが…。
8月は、第11位から第20位にランクインした作品もご紹介したいと思います。PCでご覧になられる場合には、左→右→左下→右下の順となります。
8月の児童書売上ランキング第11位から第20位
いかがでしたか?
7月につづいて、8月も定番の作品だけでなく、さまざまな話題作がよく動きました。これから秋の読書に向けて、引き続きたくさんの児童書と出会ってほしいなと思います。最後に8月の児童書新刊のおすすめをご紹介します。こちらもぜひチェックしてみて下さいね。
2019年8月発売新刊のおすすめ情報!(小学生から中高生向けの新刊です)
秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)
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