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月別児童書ランキングBEST10

【ランキング】2021年12月の児童書人気ランキングBEST10は?


今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、今年も旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。さて、毎年12月は、ギフト需要もあり、絵本と同じように児童書も盛り上がる時期。今回のクリスマスはどんな本が注目を集めたのでしょうか。ランキングとともに、12月の新刊おすすめ情報もあわせてご紹介しますので、小学生の読書のご参考に、ぜひご活用下さい。

2021年12月の児童書売上ランキングBEST10【2021/12/1~12/31】

第1位は『ふたりはともだち』! 12月も不動の人気を誇りました。

ふたりはともだち

みどころ

仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?

がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。

続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。

すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
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第2位は、同数の売れで、こちらも毎月不動の人気を誇る2タイトルが並びました。

今年もネートと一緒にナゾを解こう!

ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

みどころ

こちらは、1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。

すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

楽しく個性的な登場人物がいっぱい!

シリーズ全巻セット(全17巻)新1年生の入学祝いや、新2年生への進級祝いに♪

子どもに読んであげたい、本格冒険ものがたり!

エルマーのぼうけん

みどころ

さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!

これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。

エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。

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可愛い箱に入った3冊セットもおすすめ♪(小学1、2年生に)

エルマーのぼうけんセット

エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。

第4位も同数の売れで、3タイトルが並びました。

第4位 番ねずみのヤカちゃん

番ねずみのヤカちゃん

みどころ

ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?

それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。

たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。

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第4位 はれときどきぶた

はれときどきぶた

みどころ

三年三組。畠山則安。あだなは、十円やす。じまんは毎日、日記をつけていること。けれどもある日、大事な日記をお母さんが勝手に読んでいるところを目撃してしまった則安くんは、腹を立て、「あしたの日記」としてへんなことを書き始めます。トイレに大蛇がいた! お母さんが鉛筆を天ぷらに! 金魚が飛び回る、お母さんの首がのびた、そして空からぶたが降る!? はたして日記を書いた後に起きたこととは?

1980年に刊行され、40年近くにわたり読み継がれてきた『はれときどきぶた』。子どもの頃に読んだという大人の方もたくさんいらっしゃることでしょう。大人になって『はれときどきぶた』を思い出した時に頭をよぎったのは、本の中のエピソードの記憶。

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第4位 ふたりはいつも

ふたりはいつも

出版社からの内容紹介

がまくんとかえるくんのユーモラスな冒険物語が5編。「そりすべり」「アイスクリーム」「クリスマス・イブ」など春夏秋冬、一年間のふたりの生活が盛りこまれています。

第7位 しっぱいにかんぱい!

しっぱいにかんぱい!

みどころ

表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?

「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。

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第8位も同数の売れで、2タイトルが並びました。

第8位 ルドルフとイッパイアッテナ

ルドルフとイッパイアッテナ

出版社からの内容紹介

猫と人間、それぞれの愛と友情の物語。
ひょんなことから、長距離トラックで東京にきてしまった黒猫ルドルフ。土地のボス猫と出会い、このイッパイアッテナとの愉快なノラ猫生活がはじまった……。

第8位 ネコのタクシー

ネコのタクシー

みどころ

ネコ専門動物病院の、キャットドクター!?
異色の経歴を持つ著者が描くのは、タクシードライバーになったネコの物語。

黒くてピカピカのタクシー。
1ポンド硬貨の乗車賃。
ランチのフィッシュ・アンド・チップス。
そう、舞台はイギリス!
主人公のトムは、足の速いのが取り柄のネコ。
港の倉庫で生まれましたが、今ではタクシー運転手であるランスさんの飼いネコです。

ある朝、うっかり階段から落っこちて、ランスさんが足の骨を折ってしまいます。
とてもタクシーを運転することはできません。
そこで、トムはランスさんにこう提案します。

「ぼくにも運転できるタクシーを作ってください。小さなネコのタクシーを。そうすれば、ぼく、仕事をしますから」
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第10位 なぞなぞのすきな女の子

なぞなぞのすきな女の子

みどころ

なぞなぞ遊びは好きですか? 答えるのも楽しいけれど、なぞなぞを出すのも楽しいですよね。特に答えられないような、なぞなぞが出せたら!

この本は、そんな、なぞなぞが大好きな女の子が主人公のお話です。女の子は、一緒に遊べるお友達を探しに森に出かけ、はらぺこオオカミと出会います。お母さんとなぞなぞ遊びをいつもしている女の子は、オオカミにぴったりの、何やら長いなぞなぞを出しました。オオカミは一生懸命考えるのですが、長いなぞなぞに、答えがいっぱい出て来てしまい…あらら? なぞなぞの答えは一つ、ですよね。さあ、オオカミは答えられるでしょうか? 
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クリスマスタイトルの12月人気ベスト6は・・・・・・

2021年12月新刊情報(小学生から中高生向け)

最後に2021年12月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。

はじめての「赤毛のアン」との出会いに。

はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック

みどころ

おとうさんもおかあさんもいないアンは、緑の切り妻屋根の家に住むマリラとその兄マシューに引き取られて「プリンス・エドワード島」で暮らしています。
ある日、日曜学校のピクニックで、アイスクリームが出ると聞いて、大興奮! なぜならアンはまだ一度も、アイスクリームを食べたことがないのです。ピクニックへも行ったことがありません。
ああ、食べてみたい。行ってみたい。

けれどもピクニックを水曜日にひかえた月曜日に事件が起こります。
マリラがとても大切にしているアメジストのブローチがなくなってしまったのです。
はたしてアンは、ピクニックへ行くことができるのでしょうか。

『赤毛のアン』は、世界中で愛されている、孤児の女の子の物語。カナダの作家、L.M.モンゴメリが1908年に発表した長編小説です。こちらの『はじめての赤毛のアン アイスクリームのピクニック』は全38章からなる『赤毛のアン』から13章と14章をもとに構成されています。特徴として挙げたいのが、全体を短くまとめたあらすじではないということ。長編の『赤毛のアン』を短くして全体を伝えるのではなく、2章分を丁寧に描き出すことで、原作『赤毛のアン』から感じられる魅力をたっぷりと伝えてくれています。

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たかどのほうこさん人気のお話が嬉しい新装版になって登場です♪

白いのはらのこどもたち 新装版

人気シリーズの冬のお話。雪のつもったある日、のはらクラブのおばさんとのんちゃんは、かんじきをはいて自然観察をはじめます。すると動物のあしあとを発見しました。たどっていくと、クラブのメンバーのこんちゃんと出会います。

小学生のレンちゃんに骨董屋の高田さんが語る冒険と人生における大切なエッセンス。実際に手にとってほしい、とても美しい装丁の1冊です。

銀杏堂 スフィンクスのつめ

小学校2年生になったレンちゃんの将来の夢は、骨董屋さん。銀杏堂の店主の高田さんのように「ものがたりをうる人」になりたいのです。その高田さんが、買いつけに行っていたエジプトから帰ってきました。そして、長年さがしもとめていた「スフィンクスのつめ」を暗闇のオークションで手に入れた顛末や、ナポレオンも体験したという、ピラミッドの中の「すごいこと」について話してくれました。そのほか、虹を集めて作るちとせあめ、絵のカナリアがときどき抜け出す茶わん、忘れていた記憶をよびさます杯、星空の音楽をかなでるオルゴール、高田さんが少女のころに天狗からゆずりうけたうちわなど、銀杏堂にはふしぎな物語を秘めた宝物がずらり。レンちゃんは、いつか高田さんといっしょに冒険の旅に出ることを夢見ながら、また新学期を迎えました。うっとりするような美しいイラストがふんだんに入った、目にも嬉しい贅沢な1冊です。

話題のファンタジー「イアリーの魔物」シリーズ、第2巻の登場です。

イアリーの魔物<2> ガーガンティス

気弱少年と強気少女の最高バディが町を救う

<ガーガンティス>が目覚めたとき、イアリーの町に異変が起こる?!
稲妻と落雷の激しい嵐の夜。魔海ホテルの忘れもの係ハービーの元に、フードをすっぽりとかぶって顔を見せない怪人がびしょぬれでやってきた。
「何をなくしたか、ではなく、何を見つけたか」という意味不明な言葉と、不思議な貝殻を残して消え去る。その直後に、魚の形のビンを抱えて気を失っているフォッシルさんが、ずぶ濡れの状態でホテルに運びこまれ・・・・・・。
好奇心旺盛なバイオレットと一緒に、イアリーの町を揺るがすガーガンティス伝説の謎に迫る冒険物語。

著者はイギリス版「ハリーポッター」のイラストを手がけたことで知られるトーマス・テイラー。世界20か国以上で翻訳出版が決定している、大注目のファンタジー小説。
日本版の装画・挿絵は、コンセプトアーティスト・長砂ヒロ氏。

他にもおすすめが盛りだくさん♪ 12月刊行の新刊情報

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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