【ランキング】2021年11月の児童書人気ランキングBEST10は?
今、絵本ナビで売れている児童書は? 話題になっているのはどんな本? なかなか見えづらい児童書の売れ傾向ですが、少しでも旬の情報をお伝えできるよう、1ケ月分のランキングを発表していきます。さて、2021年11月は、ロングセラーの読み物のなかに少しずつクリスマスのお話がランクインしてきました。今回は、小学生へのクリスマスギフトの参考にもなるように、おすすめのセット商品なども合わせてご紹介してきたいと思います。また記事の最後に、11月の新刊情報もあわせてご紹介します。
2021年11月の児童書売上ランキングBEST10【2021/11/1~11/30】
第1位は、10月に続いて、がまくんとかえるくんが繰り広げる友情のお話が人気!
みどころ
仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。
そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。
春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?
がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。
続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。
すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。
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小学1、2年生へのクリスマスプレゼントにおすすめのセット♪
第2位は、クリスマスの新刊がランクイン!
出版社からの内容紹介
誰もが心躍るクリスマス!
華やかで騒がしい街並みをよそに、寒さに凍えるネズミのウィンストンはポストの前で手紙を拾いました。
宛名は「サンタさんへ」。
「サンタさんに届けなくっちゃ」ちいさなウィンストンの大冒険がはじまります!
クリスマスを楽しみにしている子どもたちへの贈り物におすすめ。
クリスマスに向けて毎日少しずつ、ワクワクしながら読み進めていけます。
もちろん一気に読んでもいいですよ。
1章あたりは3ページ程度で読みやすい分量。毎日の読み聞かせにもぴったり。
章の間にはクリスマスを楽しめる飾りの作り方や、レシピを紹介。
カバーのタイトルはシルバーの箔押し。綺麗で豪華な、贈り物としてもおすすめです。
読み聞かせなら 幼稚園年長頃から
自分で読むなら 小学校中学年頃から
映画製作も決定。
解けそうでなかなか解けないナゾに繰り返し読みたくなります。
みどころ
こちらは、1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。
すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!
(秋山朋恵 絵本ナビ編集部)
全17巻の人気セット! こちらも小学1、2年生へのクリスマスプレゼントにおすすめ♪
第4位 ルドルフとイッパイアッテナ
読み継がれる人気のロングセラー。イッパイアッテナが教えてくれる大切なこととは?
出版社からの内容紹介
猫と人間、それぞれの愛と友情の物語。
ひょんなことから、長距離トラックで東京にきてしまった黒猫ルドルフ。土地のボス猫と出会い、このイッパイアッテナとの愉快なノラ猫生活がはじまった……。
第5位は同数の売れで、3タイトルが並びました。
第5位 番ねずみのヤカちゃん
みどころ
ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?
それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。
たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。
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第5位 おおきなおおきな おいも
みどころ
いよいよ明日はいもほり遠足。あおぞらようちえんの子ども達は、それはそれは楽しみにしています。ところが…当日は雨。いもほり遠足は一週間延期です。先生は仕方ありませんねって言うけれど。
「つまんない つまんない」
でも大丈夫。おいもは7つ寝ると、いっぱい大きくなって土の中で待っててくれるんですって! そのおいも、どのくらい大きくなっていると思う? 子ども達は想像しているうちに紙に描いてみたくなりましたよ。大きな大きな紙を用意して、それでも足りないからのりで貼り合わせてもっと大きくして。絵具を筆で「ごし ごし しゅっ しゅっ」「ぴちゃ ぴちゃ しゃっしゃっ」…もっと紙を足して。もっともっと。
ああーーーすごい!!
絵の具で描いたおいもの大きいこと、大きいこと。
先生もびっくり仰天。
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第5位 おはなし きょうしつ
みどころ
学校に通う子どもたちが教室でふだん目にしている、たくさんの道具やものたち。
ページを開くと、なにやら楽しそうなひそひそ声が聞こえてきますよ。
ちょっと聞いてみましょう。
「ふでばこ」―ふでばこがしたじきに、もんだいを出しています。
「さて、もんだいです。きょう、ぼく ふでばこの なかには、なにが はいっているでしょうか?」
したじきはすぐに こたえます。「えんぴつと けしごむと ものさし、それから、あかえんぴつも はいってる」
「せいかいです。でも、まだ、なにか はいっています」…。
(さて何がはいっていたのでしょうか?)
「うわぐつ」―うわぐつの かたほうが いいました。「あした、おやすみだよね」「うん、そうだよ」もうかたほうが答えると、
「もうすぐだね。もうすぐしたら、いえに かえって きれいに あらって もらえるんだね」「たのしみだね」…。
(うわぐつたちは、このあと無事に洗ってもらえたのでしょうか?)
教室で使われているものたちがどんなことを考えているのか、それぞれの特徴がよく表れていて、なるほど!と思ったり、くすっと笑ってしまったり。他にも、リコーダーとピアニカ、あかしろぼう、ランドセル、給食のパン、黒板消し、通知表など、教室でおなじみのものがつぎつぎに登場してきては、楽しいお話を繰り広げていきます。
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第8位 エルマーのぼうけん
子どもに読んであげたい、本格冒険ものがたり!
みどころ
さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!
これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。
エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。
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可愛い箱に入った3冊セットもおすすめ♪
エルマー少年とりゅうの子の冒険物語3部作。ユーモアたっぷりのお話は、読むものの心を空想の世界に羽ばたかせながら、物語のリアリティーに引き込みます。幼年童話の最高峰として読みつがれているロングセラー。
第9位も同数の売れで、3タイトルが並びました。
第9位 新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル
みどころ
ヒキガエルのウォートンが、恐ろしいミミズクにつかまった! 誕生日のごちそうに食べられちゃうの!?
小学校の国語の教科書にも長い間取り上げられているこちらのお話。大人の方には懐かしく感じられる方も多いのではないでしょうか。1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに手にとりやすく、読みやすくなりました。
土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある冬の日、ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも? と淡い期待を持つウォートン。読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付をいちにちいちにち「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて‥‥‥。
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全7巻セットも人気です♪
ウォートンとモートンはヒキガエルの兄弟。そうじが好きで冒険家のウォートンのことを、料理好きのモートンはいつも心配しています。シリーズの中で、2匹はいろいろな動物に出会います。ミミズク、ビーバー、クマ、イタチ…。危険にさらされることもしばしばだが、2匹の誠実な心が窮地を救う。
第9位 ホーキング博士のスペースアドベンチャー 1 宇宙への秘密の鍵
出版社からの内容紹介
あのホーキング博士が、子どもたちのために書いた、スペース・アドベンチャー。物語の力で「科学する心」を育てる画期的な本!物語を楽しく読みながら、宇宙の起源、太陽系、ブラックホールなどの最先端の知識が身につき、19のコラムと32頁の美しいカラー写真が、科学の基礎として、すぐれたガイドになっている。
全6巻のセットは、小学4、5、6年生への贈り物に。
物語の力で「科学する心」を育てる画期的な本!
ジョージの冒険物語を楽しく読みながら、宇宙の起源、太陽系、ブラックホールなどの最先端の知識が身につきます。
物語の途中にはさまれたコラムと美しいカラー写真も読みどころ。
科学のすぐれた基礎ガイドとしても楽しめます。
第9位 ぼくはアフリカにすむキリンといいます
みどころ
手紙を出したり受け取ったりする楽しさや、新しい誰かとの出会いの喜びが伝わるお話です。キリンがペンギンのことを想像して真似する姿はユーモアたっぷり。地平線のこちらから向こうまでなが―い距離を行き来する手紙のことを想像したり、手紙をやりとりするそれぞれの気持ちを想像しながらゆったりとした気持ちで楽しんで下さい。
こちらも、5冊セットがあります。小学2、3年生におすすめ♪
アフリカに住む退屈なキリンが、ある日手紙を書いた。「水平線のむこうにすむきみへ」。配達したのは、やはり退屈していたペリカン。手紙を受け取ったのはペンギン。お互いの姿を知るための文通が始まる。想像することの楽しさ、知らない相手を知ろうとする気持ち、手紙がつなぐ友だちの輪は、その後もどんどん広がっていく。1巻目は2018年に、日本の作品としては初めてのドイツ児童文学賞を受賞。
<内容>
ぼくはアフリカにすむキリンといいます
わたしはクジラ岬にすむクジラといいます
オットッ島のせいちゃん、げんきですか?
おいらはコンブ林にすむプカプカといいます
ぼくは気の小さいサメ次郎といいます
クリスマスのお話、11月の人気ベスト3は‥‥‥
2021年11月新刊情報(小学生から中高生向け)
最後に2021年11月の新刊の中から、おすすめの作品をご紹介します。
オリジナルケースに特製ポストカード付きの特別セットが発売になりました!
出版社からの内容紹介
発刊50周年を記念し、愛され続ける名作『たんたのたんけん』『たんたのたんてい』改訂版2冊をセットに。なぞを追いかける小さな冒険物語には、等身大の子どもの気持ちに寄りそった喜びがたくさん詰まっています。オリジナルケースに特製ポストカード付き。
しんぱいしょうの一年生ももと、かろやかなかずまくん、あなたはどっち派?
出版社からの内容紹介
ももっち、ヤドカリ みたいだな!
かずまくん、なんで そんなに かるそうなの?
ももは忘れ物をしたくなくて、教科書やノートを全部ランドセルに入れました。翌朝、ももは両手に荷物を持ち、ヤドカリみたいと、かずま君に言われます。かずま君は全部学校に置いてあるんだって。そんなのずるいよ!
ロングセラーシリーズ「魔法の庭ものがたり」が美しい特装版で登場!
出版社からの内容紹介
「魔法の庭ものがたり」に初めて出会うあなたへ、
「魔法の庭ものがたり」が大好きなあなたへ、
「魔法の庭ものがたり」を子どものころに読んだというあなたへ、
いつ開いても心に響く珠玉のメッセージ。
ふつうの女の子ジャレットが、ハーブ魔女トパーズの財産を相続し、
悩みながらも、たくさんのお客さまの役に立とうとしていく成長物語。
ジャレットが見知らぬ町でひとりの生活をはじめ、
6ぴきの子ねこたち、魔法の庭の守り神・ガーディ、
親友のスーとエイプリルといった
「魔法の庭ものがたり」の仲間たちと出会う、
まさに「はじまり」の1巻~3巻の物語をこの1冊に収録。
箔押し、函入りの美麗な豪華装丁本。
ブックデザインは佐藤亜沙美氏。
引っ越してきた家には、不思議であやしい気配がいっぱい。 5年生の少年・拓の奮闘がはじまった!
出版社からの内容紹介
母の再婚で拓が住むことになった古い家では、おかしなことが次々起こる。この家には、幽霊でも妖怪でもない〈なにか〉がいる…!家の守り神と少年拓が繰り広げる、エンタメシリーズ第1巻!
11月の児童書新刊、こちらもご注目下さい♪
秋山朋恵(あきやま ともえ)
絵本ナビ 副編集長・児童書主担当
書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。
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