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月別児童書ランキングBEST10

【ランキング】2023年の児童書人気ランキング! 部門別に発表します。

2023年児童書売上ランキング【2023/1/1~2023/12/31】

小学生の読書の本選びのご参考に。2023年の1年間、絵本ナビでよく動いた児童書の人気ランキングを発表しながら、2023年の児童書まわりのニュースを振り返ります。人気ランキングは、ロングセラー作品部門、新刊部門(2021年~2023年に刊行された作品より)、子ども実用部門、図鑑部門に分けてそれぞれご紹介します。

ロングセラー読み物部門(総合ランキング)

1位 ふたりはともだち

2023年に絵本ナビで最も人気のあった児童書は……?

2020年のランキングから引き続き、4年連続で『ふたりはともだち』! 

 

 

2023年ロングセラー読み物部門の年間第1位は『ふたりはともだち』

ふたりはともだち

仲良しのかえる、がまくんとかえるくん。ふたりの間で繰り広げられるのは、濃くて、可笑しくて、ちょっぴり切ない……様々な愛すべきエピソード。アーノルド・ローベルの「がまくんとかえるくん」シリーズは幼年童話の傑作として、子どもから大人まで、たくさんの人たちに40年以上も愛され続けています。

そのシリーズ第1作目が『ふたりはともだち』、5つのお話が収録されています。

春が来たからと大急ぎでがまくんの家に走っていき、「おきなよ!」と大きな声で呼びたてるかえるくん。お日さまがきらきらして、雪も溶け、新しい一年がはじまったかと思うと、いてもたってもいられないのです。ところが、がまくんは布団の中。もう少し寝ていたいのです。11月から眠っているがまくんは「5月半ば頃にまた起こしてくれたまえよ。」なんて言うのです。そこで、かえるくんは……?

がまくんを外に連れ出して遊ぶためなら頭の回転だって早くなるかえるくんと、カレンダーに合わせて簡単に5月だと思い込んでしまうがまくん。最初のお話「はるがきた」で、幼さと可笑しさがたっぷり詰まったふたりのキャラクターを存分に味わうことができます。

続く「おはなし」と「なくしたボタン」では、それぞれのやり方でお互いを思いやっている様子(大いに巻き込みながらね)を、「すいえい」ではちょっぴりブラックな面をのぞかせつつ、思いっきり笑えるエピソードを披露してくれます。

すっかりふたりの世界観に夢中になった頃、登場するのが最後の「おてがみ」です。

悲しそうな顔で玄関にすわっているがまくん。なんでも「もらったことのないお手紙を待つ時間」なんだと言うのです。それを聞いたかえるくんは、がまくんに内緒でお手紙を書くことにします。ところが、配達を頼んだのがかたつむりくんだったので……。

国語の教科書に採用されたことで、今では多くの子どもたちに知られているのがこのお話。いずれ届くことも、その内容までもわかっているお手紙をじっと待つがまくんとかえるくん。その幸せそうな様子に、「手紙」の持つ力を感じずにはいられませんよね。

シリーズ4冊。がまくんとかえるくんのキャラクターを知れば知るほど、どのお話も読み返したくなる珠玉のエピソードばかり。日本では三木卓さんの翻訳で楽しむことができます。
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=373 国語の教科書に載っている「おてがみ」のワンシーンより。

昨年12月、「がまくんとかえるくん」シリーズをはじめとしたアーノルド・ローベル作品や、他たくさんの子どもの本の翻訳と創作を手がけられた詩人で作家の三木卓さんの訃報が届き、大きな悲しみに包まれました。けれども作品を通して、これからも三木卓さんの温かなユーモアや子どもの本への思いに触れることができるのは、とてもありがたいことだと感じています。

絵本ナビでは、2018年に三木卓さんに、がまくんとかえるくんとの出会いや、翻訳のこと、ローベルの作品についてなど、たくさんの貴重なお話を伺うことができました。こちらは何度でも読むことができます。三木卓さんに会いたくなったら、いつでも開いてみてください。

https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=416 「がまくんとかえるくん」 三木卓さんインタビュー

2位 ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

2023年ロングセラー読み物部門第2位は、こちらも不動の人気シリーズ。名探偵ネートと一緒にナゾを解こう!

ぼくはめいたんてい(1) きえた犬のえ(新装版)

9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。

すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。

一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。

こちらは、1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。

すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=11928 楽しく個性的な登場人物にも魅力がいっぱい♪
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=84 「ぼくはめいたんてい」シリーズの魅力とは!?

3位 エルマーのぼうけん

2023年ロングセラー読み物部門第3位は、PLAY!の展覧会でも盛り上がった冒険物語の名作

エルマーのぼうけん

さあ、リュックサックに道具をつめて、エルマーと一緒に冒険の旅に出発しよう!

これは僕の父さん、エルマーが小さかった頃のある冒険のお話です。ある雨の夜、エルマーは、年取ったのらねこから、「どうぶつ島」に捕らえられているかわいそうなりゅうの話を聞きます。りゅうは、空の低いところに浮いていた雲から落っこちてきたちっちゃな子どものりゅうで、ジャングルの猛獣たちに捕まえられて、川を渡るために働かされているというのです。

エルマーは、すぐに助けに行こうと決心します。早速ねこにどうぶつ島のことや、持っていくものを教えてもらい、旅の準備に取り掛かります。エルマーがリュックサックにつめたのは、「チューインガム、ももいろのぼうつきキャンデー二ダース、わゴム一はこ、くろいゴムながぐつ、じしゃくが一つ、はブラシとチューブいりはみがき‥‥‥」などなどたくさんの道具。そして「どうぶつ島」へと繋がる「みかん島」行きの船に忍び込んだエルマーは、六日六晩たってようやく「みかん島」へ。ここで食料のみかんをリュックいっぱいに詰め込んで、夜の間に「どうぶつ島」へと渡ります。

「どうぶつ島」へ着くと、早速りゅうがつながれている川を探しに、気味の悪いジャングルの中を歩いていくエルマー。ジャングルでは、おかしな喋り方をするねずみや、うわさ好きのいのししに出くわしたり、とら、さい、ライオンなど恐ろしい猛獣たちにつぎつぎと出くわします。猛獣たちはたいていお腹をすかせていて、食べられそうになることもしばしば。さてエルマーは、どんな風に猛獣たちの危険をくぐり抜け、どうやってりゅうを助け出すのでしょうか?

特に注目したいのは、リュックサックに詰めた道具たちの活躍と、見返しに描かれた「みかん島とどうぶつ島のちず」。

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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=534 エルマーはどうぶつ島でつぎつぎにおそろしい!?動物たちと出会います。

2023年ロングセラー読み物部門第4位 はれときどきぶた

2020年に40周年を迎えた『はれときどきぶた』。いつ読んでも何歳で読んでも変わらぬ面白さが魅力!

はれときどきぶた

三年三組。畠山則安。あだなは、十円やす。じまんは毎日、日記をつけていること。けれどもある日、大事な日記をお母さんが勝手に読んでいるところを目撃してしまった則安くんは、腹を立て、「あしたの日記」としてへんなことを書き始めます。トイレに大蛇がいた! お母さんが鉛筆を天ぷらに! 金魚が飛び回る、お母さんの首がのびた、そして空からぶたが降る!? はたして日記を書いた後に起きたこととは?

1980年に刊行され、40年近くにわたり読み継がれてきた『はれときどきぶた』。子どもの頃に読んだという大人の方もたくさんいらっしゃることでしょう。大人になって『はれときどきぶた』を思い出した時に頭をよぎったのは、本の中のエピソードの記憶。特に、鉛筆の天ぷらの記憶は五感とともに残っていて、食べたことはないのに口の中で鉛筆の味がしたり、ガリガリと固い感触がしたり、則安くんのお父さんと同じようにお腹が痛い気までしてくるようで、子どもの頃にお話を読んで感じた感覚がそのまま蘇ってくるようでした。さらに、空からぶたが降るのか、降らないのか、という場面では、心配そうに空を眺める則安くんと同じく、この後どうなるのだろうと不安とワクワクが混ざったような気持ちになったことを思い出したりも。そんな風に、子どもの頃に読んだ記憶が心の深いところに残り続けることがこの作品の持つすごい力ではないかと思います。

子どもたちは、とにかく一度手にとってページをめくったら、あとはもうどんどん読めてしまうでしょう。
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=12827
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=462 貴重な矢玉四郎さんインタビューもお楽しみ下さい♪

第5位は同数で2タイトルが並びました。

2023年ロングセラー読み物部門第5位 番ねずみのヤカちゃん

とてつもなく声が大きいヤカちゃんが大活躍! 声に出して読んであげるのがおすすめ。

番ねずみのヤカちゃん

ドドさん夫婦の家の壁と壁のすき間に住む、おかあさんねずみと、四ひきの子ねずみ。そのうち四ひき目は、「やかましやのヤカちゃん」とよばれていました。
どうしてこんな名前がついたかって?

それはね…このヤカちゃん、とてつもなく声が大きかったからなんです。

たとえばこんな風。おかあさんねずみが、ドドさん夫婦に存在を気づかれないよう「けっして音をたててはいけない」と注意している時も「うん、わかったよ、おかあさん」と答える声のなんと大きいこと!他にもおかあさんねずみの注意に対して、全部うんと大きな声で答えるヤカちゃんのお返事の繰り返しが何とも愉快でたまりません。でもお返事のしかたから、ヤカちゃんがとっても素直でまっすぐで良い子だということが伝わってきて、どんどんヤカちゃんを応援したくなってしまいます。けれどもやっぱりその大きな声のせいで、ドドさん夫婦の家にねずみがいることがばれてしまって…。

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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=6564

2023年ロングセラー読み物部門第5位 大きい1年生と小さな2年生

子どもたちへの応援の気持ちを込めて、1、2年生に読んであげたい名作

大きい1年生と小さな2年生

お話に登場するのは、体は大きいけれど弱虫の1年生のまさやと、体は小さいけれどしっかり者でけんかも強い2年生のあきよです。読む子どもたちは、それぞれどちらに親近感を覚えるでしょうか?

まさやは1年生になったばかり。家から学校までの「がけのあいだのみち」がこわくて仕方がありません。狭くて暗いし、木はしげっているし、時々カラスも鳴いていてこわいのです。けれどもお母さんからひとりで学校へ行くのよ、と言われ困っていると、次の日、2年生の子どもたち四人が迎えにやってきて、まさやはあきよに手をつないでもらい、登校するようになります。まさやはあきよがいるだけで心強い気持ちになり、だんだんあきよの強さとしっかりとした様子に憧れるように‥‥‥。一方であきよもまた、まさやを見守ることによって、体は小さくても自分は大きいのだという自信が湧いてくるのでした。

そんなある日、事件が起こります。
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

2023年ロングセラー読み物部門第7位 おおきなおおきな おいも

毎年ベスト10入りする、大人気の幼年童話。絵本ではない、読み物の形態とはじめて出会う作品としてもおすすめ。

おおきなおおきな おいも

いよいよ明日はいもほり遠足。あおぞらようちえんの子ども達は、それはそれは楽しみにしています。ところが…当日は雨。いもほり遠足は一週間延期です。先生は仕方ありませんねって言うけれど。

「つまんない つまんない」

でも大丈夫。おいもは7つ寝ると、いっぱい大きくなって土の中で待っててくれるんですって! そのおいも、どのくらい大きくなっていると思う? 子ども達は想像しているうちに紙に描いてみたくなりましたよ。大きな大きな紙を用意して、それでも足りないからのりで貼り合わせてもっと大きくして。絵具を筆で「ごし ごし しゅっ しゅっ」「ぴちゃ ぴちゃ しゃっしゃっ」…もっと紙を足して。もっともっと。

ああーーーすごい!!
絵の具で描いたおいもの大きいこと、大きいこと。
先生もびっくり仰天。

「こーんな大きなおいも、どうやって掘り出すの?」
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(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=241

2023年ロングセラー読み物部門第8位 しっぱいにかんぱい!

成長の過程で「しっぱい」を繰り返し体験する子ども達を励まし、勇気づける一冊。

しっぱいにかんぱい!

表紙には、リレーのバトンを持って走る女の子。運動会でしょうか。タイトルが『しっぱいにかんぱい!』ですから、何か嫌な予感が…?

「おねえちゃんは、けさも牛乳をのんだだけでした。そのまんま口もきかずに自分の部屋へ、ひっこんでいってしまいました」という始まりの文から、予想通り?何かショックな出来事がおねえちゃんの身に起こったことがうかがえます。ゆうべから何も食べていない、というおねえちゃん、このおねえちゃんこと6年生の加奈は、前日の運動会のリレーで失敗をしてしまったのです。落ち込んだ加奈には、おとうさんやおかあさんの慰めの言葉も全く届きません。弟の達也は心配でおろおろするばかりです。そこに、おじいちゃんから1本の電話が入ります。おじいちゃんにお昼によばれて集まったのは、親戚のおじさん、おばさんと、いとこの洋とまなみ。ふとしたきっかけからみんなのしっぱい話が始まります。洋のしっぱい、まなみのしっぱい、弟達也のしっぱい、おばさんのしっぱい、そしておじさんのとんでもないしっぱい…。それぞれ大変な思いをしたけれど、今は笑いながら明るく語る姿を見て、加奈も自分のしっぱいを語り出すのでした。

大人になればしっぱいの1つや2つは当たり前。けれど子ども達にとっては初めて経験するショックな出来事でしょう。このお話は、そんな子ども達を励まし、勇気づけてくれる頼もしい存在です。

『しっぱいにかんぱい』は、「かんぱい!シリーズ」の1作目。シリーズには他にも「うそ」「ずるやすみ」「わすれんぼう」「けんか」「0てん」をテーマに現在6作品があり、そのどれもが子ども達が直面するであろう身近な問題を取りあげています。「かんぱい!シリーズ」を通して出てくる、子どもたちをさりげなくサポートする大人たちのように、子どもたちの近くにそっと置いておくようなさりげない手渡し方をしたい作品です。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=22317

2023年ロングセラー読み物部門第9位 ネコのタクシー

タクシーを走らせるのはエンジンではなく、ネコの足!?

ネコのタクシー

ネコ専門動物病院の、キャットドクター!?
異色の経歴を持つ著者が描くのは、タクシードライバーになったネコの物語。

黒くてピカピカのタクシー。
1ポンド硬貨の乗車賃。
ランチのフィッシュ・アンド・チップス。
そう、舞台はイギリス!
主人公のトムは、足の速いのが取り柄のネコ。
港の倉庫で生まれましたが、今ではタクシー運転手であるランスさんの飼いネコです。

ある朝、うっかり階段から落っこちて、ランスさんが足の骨を折ってしまいます。
とてもタクシーを運転することはできません。
そこで、トムはランスさんにこう提案します。

「ぼくにも運転できるタクシーを作ってください。小さなネコのタクシーを。そうすれば、ぼく、仕事をしますから」

ネコにタクシーができるものだろうかと疑いながらも、熱心なトムのために小さなタクシーをこしらえるランスさん。
ハンドルはついていますが、エンジンはありません。
駿足自慢のトムが、足を使って走るのです!
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(堀井拓馬  小説家)

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=15263

第10位は同数で2タイトルが並びました。

2023年ロングセラー読み物部門第10位 大どろぼうホッツェンプロッツ

大どろぼうホッツェンプロッツに、少年カスパールとゼッペルが挑む!

大どろぼうホッツェンプロッツ

盗まれたコーヒーひきを取り戻すため、大どろぼうホッツェンプロッツに、少年カスパールとゼッペルがあれこれ作戦をたて挑みます。さらに悪い魔法使いも登場し、どちらが勝つのか最後までハラハラドキドキ、一気に引き込まれます。本当に面白いと思える本との出会いのために、ぜひ小学生のうちに出会わせたい傑作です。

2023年ロングセラー読み物部門第10位 新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル

ウォートンが恐ろしいミミズクにつかまった! 誕生日のごちそうに食べられちゃうの!?

新版ヒキガエルとんだ大冒険(1) 火曜日のごちそうはヒキガエル

小学校の国語の教科書にも長い間取り上げられているお話。大人の方には懐かしく感じられる方も多いのではないでしょうか。1982年に日本で初めて刊行された後、2008年に訳を新たに装丁も大きく変わり、さらに手にとりやすく、読みやすくなりました。

土の中で暮らしているヒキガエルのきょうだい、ウォートンとモートン。ある冬の日、ウォートンはモートンが作った美味しい砂糖菓子をおばさんに届けるため、寒い雪道をスキーで出かけます。しかし途中で足をケガして、たちの悪いミミズクにつかまってしまうのでした。ミミズクは6日後の自分の誕生日の特別なごちそうとして、ウォートンを食べるといいます。けれどもウォートンとミミズクは毎晩、お茶を飲んでたくさんおしゃべりをするように。もしかしたらミミズクの気が変わるかも? と淡い期待を持つウォートン。読者である私たちもウォートンがどうか食べられませんように、と祈らずにはいられません。そうするうちにもミミズクは、カレンダーの日付をいちにちいちにち「×」で消していき、誕生日はどんどん近づいて‥‥‥。
はたしてウォートンは食べられてしまうのでしょうか?
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(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

2023年のロングセラー読み物部門売上ランキング 第12位から20位は?

新刊読み物部門(2021年~2023年刊行の新刊より)

次は、児童書の新刊読み物部門の人気ランキングを発表します。直近3年間で刊行された作品から集計しています。

さてどんな新刊が話題となっていたのでしょうか。

新刊読み物部門第1位 メメンとモリ

ヨシタケシンスケさんが描く 「人は何のために生きてるの?」の3つのお話。

メメンとモリ

身もふたもない言葉の中にだけ、
希望を見出せるときもある。
ヨシタケシンスケが描く
「人は何のために生きてるの?」の3つのお話。

『メメンとモリとちいさいおさら』
メメンが作ったお皿を割ってしまったモリ。
「世界にひとつしかないお皿なのに…」といつまでもクヨクヨしているモリに、
メメンは「大丈夫よ、また作ればいいんだから」と励まします。

『メメンとモリときたないゆきだるま』
夜のうちに降った雪。メメンとモリは次の日の晴れた朝、張り切ってゆきだるまをつくりました。
でも雪は足りず、晴れて溶けかかり、できあがってゆきだるまは想像していたものと違いました。
複雑な顔をしてゆきだるまを見つめるメメンとモリ。
でもゆきだるまは、そんなふたりの顔を冷静に見ていたのです。

『メメンとモリとつまんないえいが』
つまらない映画を見てしまったメメンとモリ。「時間を損しちゃったね」と話しているうちに、
モリは「みんなは楽しいことをしているのに、ぼくだけ損をしているみたい」と思いはじめます。
そんなモリにメメンは「いきものはべつに楽しむために生きているわけじゃないからね」と言うのですが…。

新刊読み物部門第2位 それでいい!

2023年課題図書【小学校低学年の部】選定。まわりを気にせず自分らしく進むことの大切さを教えてくれる一冊。

それで、いい!

きつねは絵を描くのが大好きです。何かにすごい! と気持ちが動いたら、勢い良くどんどん描いていきます。けれども、絵を見たやまねこから「ほんものとは ずいぶん ちがうな、へんなのー。」と言われたり、あひるからも「もっと きちんと いろを ぬらなくては だめですよ。」と言われてから、急に周りの目が気になるようになってしまいます。

そんな中、展覧会に絵を出品することになったきつね。みんなを見返したくて、「すごい絵」を描いてやるぞ! と意気込みますが、描いても描いてもこんな絵じゃだめなんじゃないか、もっとすごいものを描かなくちゃと焦ってばかり。描けば描くほど楽しくなくなってきて、みんなにどう思われるかばかり心配になって、とうとうきつねは絵を描けなくなってしまいました。
その後、ためいきをついてばかりのきつねでしたが、てつぼうができずにからかわれている友だちのうさぎとのやりとりを通して、大切なことを思い出していきます。
そして展覧会の日がやってきて……。

自分の好きなこと、やりたいことに対してただ気持ち良くやればいいのに、つい周りの目が気になってしまうこと、子どもたちにもきっとたくさんあることでしょう。なかなか自信が持てなくて、周りの意見が気になってしまうきつねの姿に共感する子も多いのでは? きつねの姿と友だちのうさぎのやりとりを通して、とても大切なメッセージが伝わってきます。

絵本から童話、紙芝居まで、子どもたちの心の動きを丁寧に綴った作品をたくさん生み出されている礒みゆきさんが描くとっておきのおはなしは、うさぎが登場するあたりからの展開に驚きがいくつも隠されていて、何度もハッとさせられると同時に、温かい気持ちが充満してきます。はたこうしろうさんが描く、きつねの表情や動きも生き生きとして、なんて魅力的なのでしょう。さらに、きつねが描いた絵もおはなしの中で見ることができるのですが、その絵もとっても素敵なんです。

「かきたいから かく。かきたいものを かく。」
きつねが自分に向けてつぶやくこのセリフは、絵のことだけでなく、いろいろなことに共通する大切なこと。小学1、2年生向きのおはなしではありますが、小学生全員に伝えてあげたいメッセージが詰まっています。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

新刊読み物部門第3位 ちいさなトガリネズミ

みやこしあきこさんが初めて手がけた絵童話。2023年9月に、「第72回小学館児童出版文化賞」を受賞しました。

ちいさなトガリネズミ

はたらきもののちいさなトガリネズミの1日は、毎朝6時の目覚まし時計からはじまります。朝ごはんははちみつビスケットを3枚、お気に入りのお皿で食べて、決まった時間に、決まった電車で、決まった仕事場にいき、きちんと仕事をはじめます。同僚の信頼も厚くて、ちょっとした会話も楽しげです。帰り道のお買い物もまた、ふわっといい香りが漂ってきそうで……。

本書はボローニャ・ラガツィ賞優秀賞、NY公共図書館絵本賞など、国内外でいくつもの絵本賞を多数受賞しているみやこしあきこさんのはじめての絵童話。「トガリネズミのいちにち」「トガリネズミのあこがれ」「トガリネズミのともだち」の3つのお話が入っています。静謐で、ささやかな楽しみとおかしみの漂う、やさしい日常の空気感に満ちています。

冒頭でまずトガリネズミのかわいいあくびに心を掴まれるし、まじめな仕事ぶりには好感しかないし、おまけに首に巻いているチェック柄のえりまきがまたおしゃれでたまらないのですが、なんと2番目のお話ではえりまきを手放してしまうんですね。トレードマークかと思ったのに、いったい、なぜ!? 気になる方、ぜひ本をお読みください!

みやこしさんが今回水彩と木炭で描いたという陰影のある美しい絵は、今作も期待を裏切りません。
親しみさえ感じる温かい闇の色、モノクロのタッチの美しさはもちろん、晴れた日にトガリネズミが仕事場まで歩くひらけた道や、トガリネズミのつぶらな目に思いがけずうつった美しい景色など、カラーページのはっとするほどの透明感も見どころです。

みやこしさんは10年ほど前、南ドイツの友人を訪ねたとき、散歩中に森でトガリネズミを見かけたそう。その繊細で美しい毛並みが忘れられなかったそうです。本書は、そんな繊細な毛並みのちいさな生きものの愛らしさが、まさにぎゅっと詰まった作品! そばに置いてときどきページをめくりたくなります。たとえば、夜寝る前、明日のいい1日を願って子どもと本を開くひとときにも、ぴったりの絵童話です。
(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=177281
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=177281

新刊読み物部門第4位 一年一組せんせいあのね こどものつぶやきセレクション

全国に広まり、数多くの児童と先生の間を温めつなげてきた<あのね帳>から選ばれた子どもたちの珠玉のことば。

一年一組せんせいあのね こどものつぶやきセレクション

鹿島和夫と担任した小学校一年生たちとの、いわば交換日記であった「あのね帳」からセレクト。笑いをさそうもの、胸をうつもの…こどもたちから生まれた生のことばがヨシタケシンスケの絵とタッグを組み、新たに心をゆさぶる。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=220864

新刊読み物部門第5位 さかさまがっこう

こんながっこうがあったら面白い? それとも困っちゃう?

さかさまがっこう

学校で忘れ物をしてしまっただいくん。先生に怒られるのが嫌で、「さかさまになあれ…」と呪文をとなえたら、あれあれ、先生に忘れ物をほめられた! さらにテストの点数が悪い人がほめられて、百点の人は残念なんて言われてる? まさか呪文が効いたのかな。さかさまになると学校はやりたい放題、自由で楽しい。でも困ったことが起きて‥‥‥。

新刊読み物部門第6位 けんかのたね

2023年課題図書【小学校低学年の部】選定。2022年に引きつづき、ベスト10にランク入りです。

けんかのたね

忙しい一日を終えたお父さんが家に帰ると、家の中は大さわぎ! いぬは、ねこをおいまわし、4人のきょうだいは大げんか。「いったい、だれをしかっていいのやら……」と途方にくれるお母さん。

「わたしは、わるくない!」と、いちばん上のおねえちゃんのドラ。
「ちがう! ぼくのせいじゃない」と弟のフランク。
「あたしのせいじゃない」と妹のエミリー。

つぎつぎに自分のせいじゃない! といいわけする子どもたち。
一方、いぬのボンゾーとねこのプッスはいいわけができません。

結局すえっ子のミーナの言い分から、もめごとのはじまりはねこのプッスということに。そのプッスが向かったのは、ねずみのところ。「もとはといえば、おまえがわるいんだよ!」とねずみに襲いかかろうとするプッスに対して、ねずみは意外な行動をとって……。ここからお話は意外な方向へ(続きを読む>>>

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

新刊読み物部門第7位 しごとへの道(1) パン職人 新幹線運転士 研究者

「しごとへの道はひとつじゃない!」迷って、悩んで、失敗して、自分のしごとをみつけるまでを描いたリアルヒストリー。

しごとへの道(1) パン職人 新幹線運転士 研究者

朝早くから準備を始め、てきぱきと仕事をこなし、開店と同時に毎日楽しみにしているお客さんにパンを届ける「パン職人」。ビシッと制服に身を包み、約1300人の乗客を乗せ、時速285㎞のスピードで東海道新幹線を走らせる「新幹線運転士」。大学のキャンパスの一室で、自分の打ち出すテーマについて実験や分析を続け、論文にまとめていく「研究者」。

颯爽と仕事に打ち込むその姿には、誰もが憧れてしまいます。でも、彼らはいったいどうやって「自分のしごと」を見つけていったのでしょう。

大人気「しごとば」シリーズの作者鈴木のりたけさんが、新たに取り組んだ読み物シリーズ「しごとへの道」。さまざまな職業の人を取材し、その職業を紹介する内容からさらに一歩深く進み、子ども時代から現在まで、どのような人生を歩んできたのかを、コマ割りのコミック仕立てで描き出します。

読み始めると、どの人のストーリーにもあっという間に引きこまれてしまうのは、その道のりが決してまっすぐきれいな一本道にはなっていないから。大きなまわり道をしたり、前が見えなくて悩み続けていたり、挫折を味わったり、紆余曲折、十人十色。人生を変えてくれた言葉や人と出会いの中で、働くことの面白さや喜びを見つけていく様子には、子どもから大人まで、どんな立場の人の心にも大きく響くものがあるのです。

「しごとへの道はひとつじゃない!」

自分の夢を見つけることや、自分の道を進んでいくことは、簡単なことではありませんよね。でも、だからこそ、こんな風にリアルで魅了的に描かれた人たちのストーリーが、読む人の背中を押してくれるはず。熱くて濃密な、鈴木のりたけさんの新境地。また続きが楽しみになるシリーズの誕生です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=178760
https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents.asp?id=1520 『しごとへの道』 鈴木のりたけさんインタビュー

新刊読み物部門第8位 いちじくのはなし

おはなしかいを舞台に、ほらふきいちじくが大かつやく! 不思議な絵童話『たまごのはなし』第2弾。

いちじくのはなし

「どうかな、おもしろいのかな?」

たまごがキッチンで見つけたのは、おはなし会のはりがみ。そこには、いちじくが「手に汗にぎる大冒険」の話をすると書いてあるのです。マシュマロと相談した結果、二人とも参加してみることにします。暗くなったキッチンのくだものかごの前は、すでにおおにぎわい。そこへ、いちじくがあらわれ……

「こよいはなすは、まことの冒険の物語。
 どうぞごゆるりとお楽しみください」

様子のおかしい町の問題を、賢い知恵と勇敢な立ち回りであっという間に解決していくお話や、宝を手に入れるあと一歩のところで大変な危機に遭遇する話、さらにその続きのお話まで、いちじくが大活躍する壮大な話が3つ。果たしてこれは、本当の話なのかどうか。ビスケットはいちじくの活躍に感心し、はっかあめは最前列で目をキラキラさせ、マシュマロは冷静な疑問を投げかけつつ、なんだか少し疑っているみたい? そんなみんなの様子を見ながら、いちじくはある言葉を投げかけます。

大人も子どもも虜にした不思議な絵童話『たまごのはなし』で衝撃を受けた皆さんにとって、待望だった第2弾の登場です。今回の主役はほらふきのいちじく。絶妙なリアル感を演出しながら紡いでいく彼の話術は、かなりの腕前。見事に心を振りまわされ、頭から離れなくなるのです。前作でクセになってしまった、たまごとマシュマロの味わい深い会話も健在。注目の絵本作家・しおたにまみこさんの世界はどこまで深まっていくのでしょう。楽しみで仕方がありませんね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

第1弾『たまごのはなし』もおすすめ。

新刊読み物部門第9位 おてがみほしいぞ

生まれてはじめての手紙をもらうために、オオカミのギロンが考えた驚きの方法とは!?

おてがみほしいぞ

ヤギの郵便屋さんがせっせとお仕事、お手紙もらったリスやウサギは、みんなうれしくておおよろこび!そんな様子をうかがうオオカミのギロン、うらやましくってしかたない。

おれだって、おてがみほしいぞ!

でもギロンには、ともだちがいない。オオカミのギロンを見るだけで、ウサギもヤギもガクガク、ブルブル。だからギロンはいままで一度も、手紙をもらったことがない……。

機嫌が悪いとキバをむきだし、おおきな声でどなったかと思えば、手紙をもらえないさみしさに、シュンと弱々しくうなだれる。みんなから怖がられているけど、とてもすなおで、ちょっぴりさみしがりなギロンの、愛らしいキャラクターがみどころです。

そんなギロンが、生まれてはじめての手紙をもらうために奮闘!

自分から手紙を書けば返事がもらえると知ったギロンは、さっそくペンを手に取ります。ところが、ともだちも、家族も、親戚もいないギロンには、手紙を書く相手がだれもいません。そこでギロンは、すごいアイデアを思いつきます!

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(堀井拓馬  小説家)

新刊読み物部門第10位 ラベンダーとソプラノ

「頑張る気持ち」に正面から向き合う全ての人へのエール

ラベンダーとソプラノ

「楽しくやるってことを、頑張らなくていいってことだと思ってるよね。」
「二十四時間、毎日毎日、合唱コンクールのことだけを考えていたら、うまくなれるの?」
「まわりと競争して一番をめざすことだけが、えらいってわけじゃないじゃん。」

どのセリフも心の真ん中にささるような、ドキッとするやりとり。
クラスメイトや仲間と何か一緒に取り組んだことがある小学生、中学生の皆さんは、似たような場を体験したことがあるでしょうか。

中心となる舞台は、学校の合唱クラブ。合唱コンクールに向けて「今年こそ金賞を」と力の入る張りつめた空気の中で、「頑張る」ことに対して、さまざまな立場や考え方の人が登場します。部長としての責任感から部員や下級生への指導に厳しさが増していく部長の穂乃花、合唱クラブの厳しさに耐えられなくなり不登校になってしまった優里、合唱部の雰囲気と優里のことでもやもやしながらもなかなか自分の意見が言えない、このお話の主人公、真子。合唱クラブには所属していないけれど美しいボーイ・ソプラノの歌声をもつ朔(はじめ)、そして朔が参加する商店街の「半地下合唱団」の個性的なメンバー。

朔に誘われて「半地下合唱団」の練習に参加するようになった真子は(続きを読む>>>

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=176828

2023年の新刊読み物部門売上ランキング 第11位から20位は?

子ども実用部門(既刊と新刊を合わせた総合ランキング)

2023年も、子どもたちにあらゆる知識を伝える実用書が次々に刊行されました。2023年は、どんなテーマの本に注目が集まったのでしょうか。

子ども実用部門第1位 だいじ だいじ どーこだ?

だいじ だいじ どーこだ?

近年、幼少期から正しい性の知識を身につけることの大切さを医師や専門家たちが啓蒙し、徐々に子どもを持つ親たちが「性教育」に関心を持ち始めています。幼いころから自分の「からだ」を知ること、また「プライベートパーツ(口や胸、性器)」を理解し、自分も他人も大切な存在だということを認識することが大切です。著者の遠見才希子医師が自身のお子さんとのエピソードを交え、からだの大切さだけではなく、一人ひとりが大切な存在ということを伝える”いちばん最初に読む「からだ」と「性」の絵本”です。

子ども実用部門第2位 ふわふわとちくちく ことばえらびえほん

ふわふわとちくちく ことばえらびえほん

齋藤孝先生が教えてくれる
【ことばをえらぶチカラ】が身につくえほん

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「よかったね」「だいじょうぶ」など、
相手の心が元気になったり、楽しくなったりする
「ふわふわことば」

「うるさい」「あっちいって」など、
相手の心が痛くなったり、せつなくなったりする
「ちくちくことば」

あなたはどっちを使っている?

子ども実用部門第3位 いちねんせいえほん はじめての「よのなかルールブック」

いちねんせいえほん はじめての「よのなかルールブック」

学校・友だち・生活・安全……
楽しい小学校生活を送るために、
入学前後に身につけたい
42の習慣を紹介!

「小学校という小さな【よのなか】に出ていくわが子に、
どんなことを、どう伝えたらいい?」
……そんなお父さん・お母さんを応援する
入学準備の絵本です!


●●●●● こんな「いちねんせいルール」が載っています ●●●●●

・しょうがっこうの いきかえりは よりみちを しない
・「テストは ちからだめし」と おぼえておく
・てきぱき うごく
・ひとの はなしは きちんと きく
・じぶんの「すき」を だいじに する
・どんな ひとにも いじわるを しない
・えんぴつは ただしく もつ
・やくそくや じゅんばんは まもる
・「じぶんのことは じぶんで やる」を こころがける
・ひとりで トイレを つかえるように しておく
・うまくいかないことが あったときは、がんばったことを おもいうかべる

子ども実用部門の第4位から第10位の作品は下記になります。

図鑑部門(既刊と新刊を合わせた総合ランキング))

2023年もさまざまな図鑑が発売されました。なんといっても大人気だったのは、鈴木のりたけさんの『大ピンチずかん』。また小学館の図鑑NEOから刊行された、『小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画』『小学館の図鑑NEO 音楽 DVDつき』は、これまでになかった画期的なテーマの図鑑として話題をよびました。

図鑑部門第1位 大ピンチずかん

大ピンチずかん

「ああ、もうダメだ。おわった。これは大ピンチだ!」

きみがそう思うのはどんな時?飲もうと思って注いだ牛乳がこぼれた。ガムをのんだ。テープのはしが見つからない。ゲームの充電ができてない……。

大ピンチというのは、日常生活を送る中で、いつだって突然にやってくる。大人になってみれば小さなピンチに見えることだって、子どもたちから見れば、それは立派な「大ピンチ」。どうのりきればいい?

鈴木のりたけさんの最新作は、そんな大ピンチを徹底解説してくれる「大ピンチの図鑑」。そんなの見たことも聞いたこともない。でもすごく面白いのだ。よくあるピンチ、笑っちゃうピンチ、冷や汗のでるピンチからなぜか哀愁を感じるピンチまで。それぞれに「大ピンチレベル」や「なりやすさの5段階分類」、ちょっとした対処法までついている。この1冊で、もういつピンチが来ても大丈夫だ。……って、本当かな。笑っちゃうけど、意外と役に立つかも!?

きみたちが大きくなれば、大ピンチもどんどんやってくる。でも、きみならきっと乗り越えられる。どーんと背中を押してくれる1冊です。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=173219
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=173219

図鑑部門第2位 大ピンチずかん(2)

大ピンチずかん(2)

ピンチはまだまだ終わらない!? 鈴木のりたけさんによる大人気絵本『大ピンチずかん』の続編は、『大ピンチずかん2』。日常の中のふとした拍子に、子どもたちが陥りやすい大ピンチがさらにパワーアップして登場です。

「せっかくの誕生日ケーキが倒れそう」から始まり、「落ちた消しゴムが見つからない」や「ごはんつぶをふんだ」、「冷凍庫があかない」、「先生におかあさんといってしまった」など、大ピンチレベルをどんどん上げていきながら続きます。

今回からは「大ピンチグラフ」なるものが採用され、ピンチの理由をわかりやすく解明。その原因を「イライラ」「ドキドキ」「ふあん」「はずかしい」など、6つの要素で示すことにより、対処方法も進化していきます。さらに「そっくり大ピンチ」や「大ピンチクイズ」など、おまけの情報も盛りだくさん。共感してうなずいたり、爆笑したり、ひやっとしたり、読んでいるだけでも、その感情が目まぐるしく揺さぶられていくことでしょう。

けれど段々と気がついていくのです。ピンチって、もしかしたら自分の気持ちと大きく関係している? それさえわかれば、乗り越えられるのかも?さあ、きみも。この絵本を読んで、突然の大ピンチに備えてみよう!

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

図鑑部門第3位 マップス 新・世界図絵 愛蔵版

マップス 新・世界図絵 愛蔵版

地図と、たくさんのイラストで
世界各国を紹介する
ポーランド発の大判絵本。
食べ物、歴史的な建物、
有名な人物、動物、植物……
すべてのページに、
数えきれないほどのイラストが
ぎっしりつまっています。

地理、植物、動物、歴史――
さまざまな分野がひと目でわかる、
現代版「世界図絵」。

『マップス 新・世界図絵』に
掲載国を20プラスし、
1.5倍のボリュームになった「愛蔵版」で、
世界62か国をたっぷりご案内します。

図鑑部門第4位 小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画

小学館の図鑑NEOアート 図解 はじめての絵画

NEOから生まれた、絵の見方が分かる図鑑

「小学館の図鑑NEO」から新シリーズ「小学館の図鑑NEOアート」が登場!
絵画にはじめて触れる子どもたちに向けて、絵の見方をわかりやすく、楽しくひもときます。

【世界の名画約360点掲載】
子どものうちに見ておきたい、日本と世界の名画約360点を掲載。世界トップ水準の印刷技術で、名画がもたらす感動を伝えます。

【子どもが興味をもつテーマで鑑賞】
見開きごとに、動物、モンスター、クイズ形式など、子どもの興味をひくテーマで名画を紹介。時代や作者にとらわれない、自由で楽しい絵画の見方を学べます。

【鑑賞ポイントがひと目でわかる】
注目すべき部分を拡大したり、イラストで図解したり。解説を読まなくても、鑑賞のポイントがひと目でわかります。

【絵を見るのが楽しくなる全5章立て】
第1章「「何が描かれているか」、第2章「どのように表現されているか」では、絵に何が、どのように描かれているのか探ります。第3章「絵画をもっとよく知ろう」では、絵を描くとき、見るときの約束事をわかりやすく伝えます。さらに第4章「素材と技法」では画材や技法について、第5章「美術館に行こう」では美術館の役割を紹介します。

図鑑部門第5位 さわって学べる算数図鑑

さわって学べる算数図鑑

足し算、掛け算、分数から、図形や立体まで、算数に関する様々なことを、しかけを通して体感できる図鑑です。説明を読んだり、計算したりするだけではわからなかったことも、いろいろな種類のしかけを使って直感的に理解できます。

算数が大好きになる体感型算数本!

算数って難しい、数や図形だけを見てもよくわからない。そう思ったことはありませんか? そんなときにぴったりなのが、『さわって学べる算数図鑑』です。

算数が得意な子どもは、数や図形を、文字としてではなく、実感できる量や重さで感じています。この本は、動かす・開ける・組み立てるなどの行動を通して、数や図形がどのようなものなのか、実感できる本です。

例えば、立体のページでは、展開図を組み立てるとどんな形になるか、実際にやってみることができます。また、分数のページではどの分数とどの分数が同じ大きさなのかが分かるしかけにより、通分や約分などの計算が、単に計算方法を覚えるのではなく、実感として理解できます。そのほか、かけ算とわり算の関係や、いろいろな形の特徴も、さわって遊びながら学べます。

すべての文字にルビがついているので、小学校1年生でも一人で読めます。親子で読むなら幼児でも楽しめます。親子で一緒にしかけを動かしたりクイズを出しあったりして、算数をおもいっきり楽しんでください。

http://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=106520

図鑑部門の第6位から第10位の作品は下記になります。

2023年、部門別の1年間のランキングいかがでしたか。

なにか面白い本はないかな、と思ったら、参考にしてみてくださいね。

秋山朋恵(あきやま ともえ) 

絵本ナビ 副編集長・児童書主担当

書店の本部児童書仕入れ担当を経て、私立和光小学校の図書室で8年間勤務。現在は絵本ナビ児童書主担当として、ロングセラーから新刊までさまざまな切り口で児童書を紹介。子どもたちが本に苦手意識を持たずに、まず本って楽しい!と感じられるように、子どもたち目線で本を選ぶことを1番大切にしている。著書に「つぎ、なにをよむ?」シリーズ(全3冊)(偕成社)がある。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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