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武蔵野市立吉祥寺美術館・きくちちき絵本展「しろ と くろ」&ワークショップレポート

この展覧会のために描き下ろされたバナー作品。猫の”しろ”と犬の”くろ”の姿が見えます。

大型作品から立体作品、ワークショップなど盛りだくさんの展覧会

2012年に「しろねこくろねこ」でデビューした絵本作家のきくちちきさん。そんなきくちさんの原画展が武蔵野市立吉祥寺美術館にて開催されています。代表的な絵本原画やデビュー前に自費出版していた手製本の原画などのほか、この展覧会のために制作された大型のバナー作品や白猫の「しろ」、黒い犬の「くろ」の立体作品など、約200点が展示されています。

プロフィール

きくち ちき


1975年北海道生まれ。絵本作家。繊細さと大胆さを併せ持つ作風が編集者の注目を集めるようになり、2012年『しろねこくろねこ』(学研)『やまねこのおはなし』(作・どいかや/イーストプレス)でデビュー。『ぼくだよぼくだよ』(理論社)など。2013年ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)にて『しろねこくろねこ』が金のりんご賞を受賞する。

きくちさんの絵本作家としての歩みをたどる展示

会場入口には「やまねこのおはなし」の原画や手製本「そらのたね」の原画作品など。

メインの展覧会場に入ると、絵本「しろとくろ」とふたつでひとつの物語となる絵本「くろ」の、さらに続きの物語を描いたバナー作品が壁一面に展示されています。
きくちさんによれば、あまりにも大きな作品なので並べて描くことがかなわず、自宅に2枚ずつ紙を広げて頭の中で物語がつながるように構成しながら描いたとのこと。武蔵野市立吉祥寺美術館刊行の絵本「くろ」は本展の図録掲載のために制作された作品。タイトルの通り、黒が画面を覆うように多用され印象的ですが、こちらのバナーは鮮やかな色彩で描かれた自然の中を猫の「しろ」と犬の「くろ」が生き生きと駆け回る様子をじっくり眺めることができます。

もちろん「くろ」の原画展示も。
ポーズがかわいい!今にも動き出しそうな「くろ」の立体作品。

展覧会場では「しろとくろ」と対をなす作品「くろ」も販売中

しろとくろ

なんで さみしいの
なんで ねむれないの
なんで なんで あいたいの

白と黒ののびやかな線と色で描かれる、出会いの喜び。
『しろねこくろねこ』のデビューから7年、たどりついた『しろとくろ』。

息子との日常を投影したカラフルな作品群

「パパのぼり」「パパおふろ」の原画。子どもと暮らす人ならニヤリとしてしまいそうです。
パパのぼり

「ぶううう ぶううう」くまちゃんなにしてるの?「のぼってるの」さて、くまちゃんがのぼっているところはどこ? あれあれ、もしかすると……。人気作家きくちちきさんの、「パパ」と子どものふれあいを描く絵本。

パパおふろ

「くまちゃん おふろはいろう」くまちゃんはパパといっしょにおふろに入ります。ぶくぶく ぶくぶく 体を洗って、仕上げはシャワー。うまくできるかな?人気作家きくちちきさんの、「パパ」と子どものふれあいを描く絵本。

こちらは「でんしゃ くるかな?」の原画。子どもたちの大好きな動物がいっぱい!

月刊絵本『こどものとも0.1.2』通巻281号「でんしゃ くるかな?」と月刊絵本『こどものとも年中向き』通巻281号「テオのりんご」は絵本の流れがわかりやすく原画が展示されています。それ以外の作品も絵本と合わせて展示されているので、原画と絵本の違いを見比べてみるとそれぞれの魅力を楽しめそうですね。

各種ワークショップやトークショーも開催中!

取材当日は「親子いっしょに“いきものモビール”を作ろう」というワークショップも開催されました。講師はもちろん、きくちちきさん。きくちさん自身による「しろとくろ」、そして「くろ」の読み聞かせからスタートです。

「僕が作ってきました」と「しろ」と「くろ」、そして蝶々のパーツを持つきくちさん。

その後、きくちさんからこの日のワークショップで制作するものの説明がありました。参加した子どもたちが作るのはきくちさんが制作した「しろ」と「くろ」のモビールといっしょに飾る、「しろ」と「くろ」の友達のモビール。猫や犬の形のパーツにテグスを通し、色を塗るところまでをみんなで作業します。

各テーブルを回り、制作状況をチェックするきくちさん。
しろとくろの友達、どんな色にしようかな?

この日にきくちさんと子どもたちが制作したモビールは、10/3(木)から11/5(火)まで武蔵野プレイス2階こどもライブラリーに展示されています。合わせてきくちさんの絵本特集も開催されていますので、お近くの方はぜひ足を運んでみてくださいね!

実際に展示されたきくちさんと子どもたちの制作したモビール。
「しろとくろ」の世界に迷い込んだよう。素敵ですね!

その他のワークショップ&イベントはこちら

★10/19(土)19:50~20:30

コンテンポラリーダンス&ライブペインティング『しろねこくろねこ』ときくちちき

出演:入手杏奈(ダンサー・振付家)/香取直登(ダンサー・振付家)/きくちちき

※申し込み受付は終了

 

★10/29(火)15:00~16:00

ワークショップ『ちきばんにゃー』で絵本みたいに行進しよう

定員:20名 ※対象は4・5・6歳の方。必ず保護者同伴でお願いします。

講師:良原リエ(音楽家)/加藤紗希(振付師・俳優)

参加費:500円

【申し込み方法】※10/10(木)必着

往復はがきにて、1)ワークショップ名、2)氏名、3)郵便番号、4)住所、5)電話番号、6)年齢を明記し、

〒180-0004

東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-16 コピス吉祥寺A館7階

武蔵野市立吉祥寺美術館「きくちちき絵本展 しろとくろ」ワークショップ係 まで。

 

★11/2(土)14:00~16:00

きくちちきと仲間たちによる『しろとくろ』と『くろ』の絵本ができるまで

出演:きくちちき/サイトヲヒデユキ(デザイナー)/長岡香織[講談社]/布施道[武蔵野市立吉祥寺美術館]

【申し込み方法】

10月5日(土)10:00より、TEL:0422-22-0385、または美術館窓口にて受付。

1回の申し込みにつき、2名まで受付可。先着順。

きくちちき絵本展 しろとくろ 開催概要

  • 会期:2019年9月21日(土)~11月10日(日)
  • 休館日:9月25日(水)・9月30日(月)・10月30日(水)
  • 開館時間:10:00~19:30
  • 入館料:300円(中高生100円、小学生以下・65歳以上・障がい者の方は無料)
  • 主催:武蔵野市立吉祥寺美術館
  • 協力:講談社/アリス館/イースト・プレス/学研プラス/佼成出版社/小峰書店/小学館/

    大日本図書/童心社/福音館書店/文溪堂/ほるぷ出版/理論社/WAVE出版

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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