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【目標7】親子でできるエコアクションに挑戦!|子どもと絵本で考えるSDGs

【目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに】は、どのような課題なの?

目標7では、すべての人々が安価に、電気やガスといった近代エネルギーを使用できるようになること。そして、環境破壊につながらない再生可能エネルギーの普及を目指しています。

 

私たちが、日々暮らすうえでエネルギーはとても大切な存在です。

しかし、エネルギーを生み出すための資源が枯渇しており、このままだと約50年後には石油や天然ガスなど「化石燃料」と呼ばれる資源が尽きてしまうと言われています。

大切なエネルギーを守るために、私たちができることもたくさんあります。

 

この記事では、エネルギーを守るために親子でできる取り組みや、エネルギー問題について自分ごととして理解できるおすすめの体験についてご紹介します!

わが家のエネルギーを調べよう

SDGsについて親子で考えるうえで、まずなにより大切なのは「問題について知ること」です。日頃からエネルギーに支えられた生活を送っていても、その成り立ちについて知らないお子さんが多いのではないでしょうか。

 

「電気がつくのはなぜ?」お子さんがそんな疑問を抱いていたらチャンス!エネルギーの仕組みについて絵本で学んでみませんか?

電気の仕組みを知るのにおすすめの一冊

『からすのパンやさん』(偕成社)で知られる、かこさとしさんの科学絵本『でんとうがつくまで』(福音館書店)は電気の仕組みを知るのにおすすめの一冊です。電気がどこでどのようにつくられて、どのようにして家庭に届いているのかが細かく描かれています。小さなお子さんでも理解できるよう、簡単な言葉で書かれているので、エネルギーについて知る「はじめの一歩」となってくれるでしょう。

でんとうが つくまで

電灯が光る仕組みをわかりやすく解き明かす

電灯はなぜ光るのでしょう。電気が来ているからです。では、電気はどうやって作られるのでしょう。山に雨が降ってダムへ水がたまり、その水力で発電所の水車を回すと、電気が起こるのです。その電気が電線を使って家の中に届くと、電灯がつきます。一見すると難しいこの流れを、この絵本は親しみやすい絵でわかりやすく解き明かします。また、水だけでなく火、風、潮の満ち干など多くの力から電気が作られることも紹介します。

絵本の最後には、生活と電気のかかわりが描写されています。電気がどのようなところに使われているのか考えるヒントになりますよ。
ぜひ絵本を片手に、電気が使われている場所を探してみてください!まずはおうちのなかで、そして外に出たときにも探してみると面白いはず。私たちの生活がいかに電気、強いてはエネルギーに支えられているかが実感できるでしょう。そこから科学のいろいろな事柄に興味が広がるかもしれません!

エネルギー関連施設で学ぼう~自由研究にもおすすめ~

エネルギーについてもっと理解を深めたいときは、エネルギー関連施設に足を運んでみませんか?科学館次世代エネルギーパークなど、日本全国にエネルギーについて体感しながら学べる場所がたくさんあります。専用施設に行かなくても、風力発電機や送電鉄塔、スイカのような形をしたガスタンクを見に行くのもおすすめです。

 

筆者は、息子たちを連れて東京都江東区にある東京ガス運営の施設「がすてなーに ガスの科学館」に遊びに行きました!体験レポートを少しご紹介します。

東京ガスが運営する、「がすてなーに ガスの科学館」は“ガス”をメインとしたさまざまなエネルギーについて学べる施設です。

1階にある「エネルギー」の部屋では、ガス管が埋まっている地下に潜り込み、ガスが家に届くまでの仕組みを知ることができます。空気ポンプを使ってガスを送る擬似体験ができたり、天然ガスがどのようにして運ばれてくるかが模型と映像で説明されていたり、と楽しい展示がいっぱい!

人々がこれまで、ガスや電気などのエネルギーをどのように利用していたか、どんなところで活用されているかなどについても、タッチ操作付きのディスプレイで知ることができます。小学3年生の長男はもちろん、年少と2歳の次男・三男もたくさんの仕掛けに大喜びしていました。

ガスだけでなく、電気についてもさまざまな形で説明展示がされていました。巨大な磁石を回して電気を光らせる、発電の仕組みを体感できる展示もあり、多くの子どもたちが順番待ちをしていました。

また、「再生可能エネルギー」について体感的に理解できる展示もとても面白かったです。

太陽光・風力・水力・地熱発電の仕組みについて説明されているのですが、太陽光発電は目印に懐中電灯をうまくあてると住宅の電気がつき、風力発電ではうちわを仰いで風を送ると発電機が回り電気がつく仕掛けがありました。

 

一生懸命やらないとなかなか電気がつかないので、エネルギーを作ることがどれだけ大変かがよく理解できたようです。

食糧輸送のために必要な燃料やCO2排出量といった「フードマイレージ」について学ぶコーナーは小さいお子さんに大人気でした!親子丼やパフェ、おにぎりなどさまざまな食品サンプルが置いてあり、それをスキャンさせると使われている食材の移動距離が表示される仕掛けになっています。

わが家の次男・三男もおままごと感覚で楽しかったのか、しばらくここで遊んでいました。長男はフードマイレージについて初めて知り脅威を持ったのか、コミュニケーター(案内スタッフ)の方にいろいろと質問していました。

2階には、チームラボのプロジェクションマッピングで遊べる部屋や、暮らしや社会について学べる展示がたくさんありました。

 

ほかにも、バリアフリーで楽しめる対戦ゲームのコーナーや、ガスの実験ができるコーナーなど盛りだくさん。そんな「がすてなーに」は、なんと無料の施設なんです!わが家は3時間弱たっぷり楽しみ、エネルギーについて理解も深まり充実した時間を過ごせました。

お家でできるエコ活動にチャレンジ!

エネルギーの仕組みや、生活とエネルギーのかかわりについて学んだら、エコ活動に取り組んでみませんか?
私たちの生活を支えるエネルギーが危機状態にある今、限りある資源を大切に使うために一人一人が無駄遣いをしないことが大切です。ここではすぐに始められるエコ活動例をご紹介します。

・電気をこまめに消す

とっても簡単なエコ活動のひとつは、電気をこまめに消すことです。知らず知らずのうちに部屋の電気をつけっぱなしにしていませんか?特に洗面所やトイレなどは電気の消し忘れが多い場所。「またあとで入るし……」とつい電気をつけっぱなしになりがちです。

 

少々面倒ではありますが、節電のために使っていない部屋の電気はこまめに消すことを心がけたいですね。最近は人感センサー搭載の照明も発売されています。消し忘れが多い場合や、お子さんがスイッチに届かず困っているご家庭では取り入れてみてはいかがでしょうか?

・体温・室温調整の工夫
みなさんはいつも、どのタイミングで冷暖房設備を使用し始めますか?急に寒くなったり暑くなったりすると、稼働し始めるエアコンや床暖房。すぐに快適な温度にしてくれて、生活に欠かせない存在ですよね。しかし、昨今の原油価格高騰の影響で電気料金やガス料金など光熱費が年々上がっています。

 

少しでも光熱費を抑え、エネルギー節約につなげるために一工夫してみましょう!衣服の脱ぎ着で体温を調整したり、湯たんぽやネッククーラーなどの便利アイテムを使用するという方法もあります。

 

また、寒い季節は暖かい空気が逃げることを防ぎ外気を遮断し室温を保つ「窓用断熱シート」を活用するのもおすすめです。100均やホームセンターで手に入り、取り付けも簡単なので試してみてくださいね。お子さんと一緒に貼るのもおすすめです。

・お風呂はすぐに入る

お子さんも取り組みやすいエコ活動のひとつが、入浴の工夫です。いつも、お風呂が沸いてからどれくらいの時間で入浴していますか?あるあるなのが、「お風呂入ってきて〜」と呼びかけても「ちょっと待ってー」とずるずる入る時間が遅くなること。筆者の息子たちも、毎晩なかなかスムーズに入ってくれません。

 

給湯器のタイプにもよりますが、「ふろ自動」機能を使ってお風呂を沸かした場合、お湯の温度が少し下がってくると自動で追い焚きし温度を一定に保ちます。そのため、入るまでに時間がかかると、その間に何度も追い焚きをするのでガス代がかかってしまいます。

 

なるべく、お風呂が沸いたらすぐに入るようにするとエコにつながりますよ!また、家族みんなで一気に入る、順番に入る場合は間を空けずに入るようにするのもいいですね。

エコやSDGsに興味が出てきているお子さんには「お風呂が沸いたらすぐ入るとエコだよ!」と声かけするのもおすすめです!

エネルギーを大切に!できることから始めよう

エネルギーに関するSDGsアクションは、お家でできること・親子でできることがたくさんあります。まずは絵本や関連施設でエネルギーについて学び、自分たちにはなにができるか、ぜひ考えてみてくださいね!

秋音ゆう

東京都在住。

3人の男の子(6歳と2歳と0歳)を育てるWEBライター。

「絵本」「幼児教育」「子どもの発達」「多様性」を得意とし、子育てメディアで執筆。

自身も絵本育児で育ち、母になってからは子どもたちと絵本のある時間を大切に過ごしている。

「生きる力の育み」をモットーに、幅広い視野で子育て・教育に奮闘中!

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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