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子どもと考えるSDGs

【目標7】エネルギー危機を乗り越える取り組み方法とは|子どもと絵本で考えるSDGs

【目標7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに】のターゲット

目標7では、すべての人々が安価に、電気やガスといった近代エネルギーを使用できるようになること。そして、環境破壊につながらない再生可能エネルギーの普及を目指しています。
現在、世界ではエネルギーに関するさまざまな課題を抱えています。どういった問題があり、目標達成のためにはどのような取り組みが必要なのでしょうか。子どもと学ぶのにおすすめの絵本も合わせてご紹介します。

そもそもエネルギーってなんのこと?

私たちの生活において、エネルギーは欠かせない存在です。暑い日や寒い日でも快適に過ごせたり、行きたいところへ移動したり、衣食住にまつわるほとんどのアクションはエネルギーのおかげで成り立っています。

 

私たちが使っている主なエネルギーは、“電気”・“ガス”・“石油”・“ガソリン”などです。
なかでも“電気”は、真っ暗な夜でも安心して過ごせるように明かりをつけたり、電車を動かしたりするためにも必要不可欠ですよね。

 

電気は日本各地にある発電所で作られており、そこから各家庭に送られています。そして、発電所で電気を作るためには、“火力”・“水力”・“原子力”といったエネルギーが必要です。エネルギーを作るためにもエネルギーが必要なのですね。

そして、発電するために世界中で最も多く使用されている資源が、“石油”・“石炭”・“天然ガス”といった「化石燃料」です。「化石燃料」とは、太古の動植物の死骸が長い年月をかけて変成してできた資源で、採取できる数に限りがあります。

 

天然ガスや石油に関しては、今のまま使い続けていると約50年で資源が尽きると言われており、これら化石燃料に代わる持続可能なエネルギーの普及を急がなくてはなりません。

発電の仕組みがわかる絵本

わたしのひかり

きらきら光る町のあかり、あのあかりも、もともとはわたし(太陽)のひかりなのですよ。―人間がどのようにして電気を手に入れているかを語る絵本。さまざまな発電方法の短所と長所も解説しています。

でんとうが つくまで

電灯が光る仕組みをわかりやすく解き明かす

電灯はなぜ光るのでしょう。電気が来ているからです。では、電気はどうやって作られるのでしょう。山に雨が降ってダムへ水がたまり、その水力で発電所の水車を回すと、電気が起こるのです。その電気が電線を使って家の中に届くと、電灯がつきます。一見すると難しいこの流れを、この絵本は親しみやすい絵でわかりやすく解き明かします。また、水だけでなく火、風、潮の満ち干など多くの力から電気が作られることも紹介します。

電気を使える国・使えない国

世界では、7億3300万人以上の人々が電気を使えない地域で暮らしています。電気やガスが使用できない生活を想像したことはありますか?彼らの多くは発展途上国に住む人々です。

 

地理的な問題でエネルギー供給ルートが確保できないエネルギー供給設備にかかるコストが賄えないなどさまざまな要因がありますが、目標7では低価格で安定したエネルギーを供給できるようにすることを課題としています。

 

<参考>国連広報センター ホームページ「持続可能な開発目標報告 2022」

日本が抱えているエネルギー問題とは?

出典:「日本のエネルギー 2022年版」(資源エネルギー庁)

私たちが住む日本では、エネルギー資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。2020年現在、日本のエネルギー自給率は11.3%

そして、2011年の東日本大震災以降、原子力発電所の稼働が減少したことから、火力発電所を動かすためにますます化石燃料への依存率が高まっている状態です。

 

このようなことから、日本ではエネルギー自給率を高めること、そして災害に強い安全なエネルギーシステムの構築が課題となっています。

エネルギー資源について知る絵本

地 球 その中をさぐろう

地球の中のようすを地表から中心部にわたって描いた、「海」の姉妹作です。地球内部の巨大なエネルギーが地球を変えていく過程は実に見事で、その雄大さは目を見はるものがあります。

エネルギーと地球環境の関係性

エネルギー問題と切っても切り離せないことが「環境問題」です。日本では、2011年3月に起きた東日本大震災以降、原子力発電所の稼働が激減しました。代わりに稼働が増えたのが火力発電所です。


火力発電所を稼働するためには化石燃料が多く使われているのですが、化石燃料を燃やすと「温室効果ガス」を排出してしまいます。この温室効果ガスは地球温暖化の大きな要因です。

出典:「日本のエネルギー 2022年版」(資源エネルギー庁)

2011年以降日本国内での温室効果ガス排出量が増大しましたが、2014年からは年々減少しています。

しかし、それでもまだまだ削減が必要な温室効果ガス。世界におけるエネルギー格差、そしてエネルギーによる環境問題を改善するための鍵となるのが「再生可能エネルギー」です。

再生可能エネルギーって?

「再生可能エネルギー」とは、化石燃料のような有限の資源ではなく、自然由来で枯渇することのない資源を利用するエネルギーのことで、温室効果ガスを排出しません。

再生可能エネルギーには、以下のようなものがあります。

 

  • 風力発電(風の力を利用し風車を回し、その回転エネルギーを利用する発電方法)
  • 水力発電(高いところから低いところへ水を流す際に生じるエネルギーを利用する発電方法)
  • 太陽光発電(太陽電池に集めた太陽光エネルギーを利用する発電方法)
  • 地熱発電(地下にあるマグマから生じた高温の蒸気を熱源とした発電方法)
  • 波力発電(海水などの波の運動エネルギーを利用した発電方法)
  • バイオマス発電(糞尿や木クズなど、動植物からうまれた生物資源を燃料にする発電方法)

これらの再生可能エネルギーは場所を問わずエネルギーの供給が可能であることから、豊富な資源を持たない国でも導入が推進されています。


目標7では、資源が枯渇せず永久にエネルギーを生み出し、環境にもやさしい再生可能エネルギーの割合を増やすことを課題としています。

しかし、再生可能エネルギーにはデメリットも。

 

それは、「天候など条件が整わないと発電量に影響を及ぼすこと」や、「発電量が不安定のため、設備費のほうが多くなりコストパフォーマンスが悪いこと」などです。乗り越えなければいけない課題も多いのですね。

持続可能なエネルギーについて知る絵本

風の島へようこそ くりかえし つかえる エネルギー

デンマークのサムス島で、暮らしにつかうエネルギーを島でつくりだす計画がはじまりました。目指すは、自然エネルギーによる100%自給。小さな島の大きな夢の行方は…。

生ごみからエネルギーをつくろう!

家庭や学校で、ペットボトルを使って、生ごみからバイオガスと液肥をつくるノウハウを紹介。できたガスでお湯をわかしてお茶をいれ、液肥は野菜栽培に。手づくりトーチで再生可能エネルギーの炎を運動会に燃やそう!

エネルギーを大切に!できることから始めよう

あと50年ほどで私たちが大きく頼っている化石燃料がつきてしまう、というのは本当に危機的状況ですよね。限りある資源を大切にしながら、環境にもやさしく持続可能なエネルギーが普及していくことが大切だということがわかりました。

 

まず私たちの地球は現在どのような状況に置かれているのかを知ることが、SDGsについて考える第一歩!絵本を活用しながら、親子で楽しく考えてみるといいですね。

秋音ゆう

東京都在住。

3人の男の子(6歳と2歳と0歳)を育てるWEBライター。

「絵本」「幼児教育」「子どもの発達」「多様性」を得意とし、子育てメディアで執筆。

自身も絵本育児で育ち、母になってからは子どもたちと絵本のある時間を大切に過ごしている。

「生きる力の育み」をモットーに、幅広い視野で子育て・教育に奮闘中!

掲載されている情報は公開当時のものです。
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