【受賞レビュー3選】秋を読んでますか。じっくり味わう秋の絵本
読書の秋、木々が彩を添える美しい絵本の中で秋を感じてみませんか。
イチョウの木が黄色に染まり、山が赤々と色づきはじめました。見えないところで冬の準備も着々とはじまっています。あっという間に終わりを告げる短い紅葉の時間。いつもよりしんとした、この静かな時間に、秋をたっぷり堪能できる絵本をご紹介いたします。まだ読んでいないという方は、是非この機会に秋の読書とレビュー投稿をお子さんの読み聞かせの記録と一緒にいかがですか。
いのちはどこへいくの?葉っぱになって絵本の中を旅する絵本
チェコの美しい風景を旅する、ある葉っぱの物語。
葉っぱが感じることを先入観なしに感じてください。魂が解き放たれ自由になる、大人にも読んでほしい美しい絵本です。
【受賞レビュー】『かえでの葉っぱ』から
優しい気持ちになれる
優しい気持ちになれる本でした。
大人になると、歳をとって昔よりも見た目も体力も衰えてくることを実感します。
まだまだ若いと思っていても、このお話の主人公のカエデのように、
気がつくと、見た目の美しさが失われており、ビックリすることがあります。そんな中でも、自分は自由でいたい、こうありたいと、
気持ちに素直に強く生きようとするカエデがとても美しく感じました。時が経つことの不安、身動きがとれないことの不安、
そんなものに、長く生きているとぶつかることが、
これからも沢山出てくると思います。でも、そんな中でも自分が体験したもの、
見聞きしたものが、自分の経験として、
美しく自分の人生を彩ってくれる変わりゆく自分を、そのときそのときを、
貴重な体験として、受け入れることで、人生の不安がなくなり、ものの見方が豊かになっていくことを
教えてくれた絵本でした。もちろんですが、絵本の挿絵もとても美しく、
子供にも、人生の流れを優しく教えられる素敵な絵本だと思います。
みどりぶたさん 30代 その他の方 東京都
秋の主役といったらドングリ!壮大でドラマチックな物語が待っている絵本
秋といえば、道端に転がるドングリを拾い集めて、秋を楽しむお子さんたちも多いと思います。
そんなドングリたちが活躍する面白い絵本です。絵本に登場するドングリたちは、ヒーローさながらの戦闘シーンをくりひろげます!ドングリの種族の違いや細かいところまで楽しめるユーモアたっぷりの絵本、読んでいない方は是非お子さんと一緒に楽しんでくださいね。
最高!
もう…おもしろすぎです。どんぐりがある目的のためにある島へと旅するお話です。あんなどんぐり見たことない!絵本に描かれているどんぐりはたいていかわいらしいものなのに、この本のどんぐりたちは…。実際に読んでみてほしいです。
リスとの戦いや荒波の航海などなど、どんぐりたちには次々にピンチが襲い掛かるのですが、どのシーンからも目が離せません。リスとの戦いは映画の戦闘シーン並みの壮大さ。どんぐりから見たリスってあんなに怖いんですね(笑)。また、どんぐりが、途中で目が出てしまったと無念そうに謝るシーンには本気で笑いました。絵も美しく細かいところまで描かれています。子どもって何度も何度も絵本を読むし、大人よりも細部まで絵を見ているものなので、すごく楽しいと思います。
このストーリーが人間だとしたらハリウッド映画並みの感動巨編だと思います。でもどんぐりが主人公になると…なんでおもしろさも加わるんでしょうね。でもラストには感動しました。あの島の未来を夢見ました。友人への贈り物にしてもセンスがいいし、自宅にも絶対に欲しい一冊です。
じっこさん 30代 ママ 東京都 女の子5歳、男の子1歳
宮沢賢治の世界から秋を感じる、幻想的な絵本
秋はしっかり読書をするのにもピッタリな季節。少し文字が多めの絵本に挑戦するいい機会でもあります。絵本ナビでは、過去に「秋に読みたい宮沢賢治の絵本」と題して、「宮沢賢治の絵本」シリーズから秋を連想させる絵本を選び、レビューコンテストを開催したことがあります。宮沢賢治の絵本には秋にピッタリの絵本がたくさんあります。シリーズを通して、豪華な作家陣が表現する圧倒的な宮沢賢治の世界観に酔いしれます。なかでも、文章がそのまま視覚化されたような『月夜のでんしんばしら』。絵本を開いた先の異世界に心が揺らぎます。その他の絵本も気になる面白いおすすめのものばかり。どの絵本が一番のお気に入り?親子で読んで、感想を話し合ってみてくださいね。
【受賞レビュー】『宮沢賢治の絵本 月夜のでんしんばしらから
迫力!!
4歳の息子と読みました。
直感的な絵本。
夜なのに鮮やかな色彩でダイナミックに描かれた、電信柱が羅列されたイラストは、迫力があり印象的。恭一の黒目の描写がちょっと不気味で、物語の雰囲気がよく表れています。リアルすぎない描き方が読み手へ余白を残します。宮沢賢治の「ドッテテ~」などの言葉のリズム、不思議で独特でちょっと怖いストーリーと、絵がとてもよくマッチしています。
読み手の想像力がかきたてられ、頭の中にその迫力のある光景が再現され、音まで聞こえてくるよう。昔の言葉が多く、息子には内容が難しいかなと思ったのですが、そんな心配は杞憂でした。「わからない言葉があっても、ママに説明してもらうから大丈夫」と言って、息子は集中して聞き入って絵に見入っていました。
身体でいろいろ感じていたようです。
「ちょっと怖かったけれど…すごかった」と言っていました。電信柱の表情もおもしろかったようです。電気のないころにも話が広がり、彼にとって当たり前のものがなかった時代を考えることもできました。彼の興味は図鑑的な絵本に多いですが、実物をリアルに描いたものだけでなく、このような身体で感じる絵本も読んで、相続力を膨らませ、感受性豊かに育って行ってほしいと感じました。
トゥリーハウスさん 40代 ママ 東京都 男の子4歳
いかがでしたでしょうか。
綺麗な絵本がたくさんありましたね。少しばかり物悲しいものもありますが、秋を思う存分に感じることができる絵本です。
絵本ナビでは、現在、レビューコンテストが絶賛開催中です。みなさんの実体験にまつわるレビューをお待ちしております。絵本で感じた素直な気持ちを自分の言葉で表現する楽しさや、親子でのちょっとした思い出エピソードを残していく面白さを体験してくださいね。
秋に読みたい宮沢賢治の本
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