【訃報】イギリスの絵本作家 ジュディス・カーさん
ジュディス・カーさんが2019年5月22日にお亡くなりになりました
ジュディス・カーさんが2019年5月22日にイギリスの自宅でお亡くなりになりました。95歳でした。
ジュディスさんは、40代で作家活動をしはじめ『おちゃのじかんにきたとら』は1968年の初版以来、世界で300万部を売り上げ大ベストセラーになりました。また、『わすれんぼうのねこ モグ』などのモグシリーズは、イギリスで35年以上も読み継がれる絵本になっています。
英国の家庭風景も垣間見ることができるジュディス・カーさんの作品をご紹介します。
【世界的大ベストセラー】おちゃのじかんにきたとら
【みどころ】
ある日突然、オレンジ色と黒の縞模様のとらが家にやって来たらどうします? それも礼儀正しく丁寧に「お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」なんてお願いしてきたら……。ソフィーとお母さんは慌てることなく、お客様としてとらをもてなし、一緒にお茶を楽しみました。とらが、作りかけの夕ご飯や冷蔵庫の食料、棚の缶詰めもみんな食べてしまったにもかかわらず、ソフィーたちはとらと和やかに別れ、まるで何もなかったかのよう。一大事であるはずのできごとが、このお話では平穏の中に終結する――その異常の平常さが状況のおかしさを誘っています。
お父さんが帰宅し、ちゃんと問題を解決してくれる場面に心が温まります。ごく日常的な英国の家庭風景を垣間見ることができるのも、この作品の魅力。うちにもとらが来るかもしれない……、そんな期待を抱かせてくれる終わり方には広がりがあり、想像力をかきたてられます。
1968年の初版以来、世界で300万部を売り上げ、もっとも人気のある絵本作品のひとつと言われています。
――(ブラウンあすか)
【ベストレビュー】
日本にはない発想です
お茶の時間にチャイムがなったら?礼儀正しく挨拶をしたのは、なんとトラでした。マナーは良いけど食べること、食べること・・でも誰も怒らなくて、なんだか楽しい。のんびりとした午後のティータイム、こんな事件があったら楽しいかな、って思えるあなたはステキな大人です。この本を読んだ後は、チャイムがなると、もしかしたらって思って子供と顔を見合わせてしまいました。
(サンサンさん 40代・東京都足立区 女18歳、女17歳、男15歳)
「わすれんぼうのねこモグ」シリーズ
うっかり屋で忘れんぼう、おばかなところがかわいい、でぶねこモグの物語。
わすれんぼうのねこモグ
<プロフィール>
ジュディス・カー
1923年、ベルリン生まれ。ナチスの迫害をのがれ、スイス、フランスに移住したのち、1936年渡英。ロンドンの美術工芸学校に学ぶ。テキスタイル・デザインの仕事やBBC放送の脚本担当などを経て、絵本を手がけるようになる。1970年に刊行された『わすれんぼうのねこ モグ』にはじまるモグのシリーズは今も愛され、読みつがれている。他の作品に『おちゃのじかんにきたとら』(童話館)、『もう一羽のがちょう』(評論社)などがある。
素敵な絵本を残していたただいたジュディス・カーさんありがとうございました。ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
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