『ルピナスさん』が教えてくれた、毅然とし、凛とした美しい生き方
大人の心に響く絵本。何度もかみしめたい名作をご紹介
絵本ナビに日々寄せられてくるのは、ユーザーからのたくさんの生の声。実際に絵本を読んだ時の子どもたちの反応やエピソードからは、ストーリーを超えた魅力まで伝えてくれます。絵本ナビユーザーがおすすめする絵本をレビューとともにご紹介します。
今回ご紹介は『ルピナスさん』。大人の女性にぜひおすすめしたい絵本です。
その時の自分の気持ちを反映して、読んだ後の感じ方が変わってくる絵本ですよ。自分や周りの方々と、心で向き合いたいときに。
毅然とし、凛とした美しい生き方
読むたびに、読後感が変わる作品です。
ルピナスは、日本で昇藤といわれているとおり、綺麗な花びらが、すっくと天に向かい、毅然とした姿で生えているお花です。
ルピナスさんの生き方も、花と同様毅然とし、凛とした美しいものだったと思います。
おじいさんの「世の中を、もっと美しくするために、なにかしてもらいたいのだよ。」の一言には、ドキリとさせられます。
幼いお子さんは、お花をたくさん咲かせた事で理解し読み終えるかもしれません。
しかし、高学年から大人の方は、この台詞で必ず立ち止まるのではないでしょうか。
“世の中にもっと美しさを”は、良書との出会いを導く仕事に就くことも、海外に出かけ見聞を広めつつおこなう小さな国際交流かもしれません。
人が生まれてきた意味を考える時、必ず指折り忘れたくないのが、他者への行為だと思います。
小さな力でおこなおう小さな行為も、そこに他者への想いがあることが、やはり美しいことだと思います。
久々に読み、ルピナスさんのこのような生き方は素敵ですが、揺るぎない意思の頬を、そっと撫でる孤独という風が漂う日もあったのではないかしら、思いました。
(アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子11歳)
一番好きな絵本
友人に「一番好きな絵本は?」と問われて、考えに考え抜いてやはりこの絵本と思ったのがこの『ルピナスさん』です。
バーバラ・クーニーの繊細で美しい絵もさることながら、おじいさんに言われた「世の中を、もっとうつくしくするために、なにかしてもらたい」という言葉を大切に、生涯を通してその「なにか」を考え続ける姿にとても共感できるからです。
子どもの頃から、志を持って生きる強くて優しい女性に憧れる傾向のあった私。
ルピナスさんは、功成り遂げたとか目覚ましい功績を残したというわけではありませんが、
市井の片隅で、人知れず「世の中を、もっとうつくしくすめために」と行動している姿に、私もこんな生き方をしてみたいと思うのです。
『ルピナスさん』を出産祝いに贈られているというお話も聞いたことがあります。
ルピナスさんが、花のたねを植え続けたように、この絵本を読むことでルピナスさんの考えに共鳴し、自分にできる何かを探し続ける方も多いのではないかと思うのです。
良質な絵本は、人の心を耕し心に言葉の種をまき、いつか美しい花を咲かせようとする気がします。
そんな絵本の見本のような作品だと思います。
(はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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