【今週の今日の1冊】新しい始まりの季節に読みたい詩の本
3月30日~4月5日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
いよいよ4月。小学校に入学する新一年生や1つ学年が上がる子たち、中学・高校・大学への入学や進級、入社一年目の社会人の皆さん、育休明けで仕事復帰するママたち、異動などで仕事や職場が変わる方々‥‥‥、それぞれに新しい始まりがやってきますね。新しい毎日にはドキドキや不安がつきもの。そんな時には言葉の力を借りて、深呼吸してみませんか。今週は、励まされたり、元気をもらったり、心が落ち着く詩の本をご紹介します。
3月30日 一度読んだら覚えてしまう楽しい詩
月曜日は『こども詩集わくわく』
出版社からの内容紹介
「ひとりでも多くの子どもたちに読書の喜びを! 」
小学生のみなさんにぜひ読んでもらいたい詩集です。収録は近現代詩の53篇。
一度読んだら覚えてしまう楽しい詩は、黙読だけでなく、
ぜひ声に出してあん唱し、五感を使って表現しましょう。全国学校図書館協議会・編。
読者の声より
よく知っている詩がたくさん選ばれています。
選者の“良い詩を届けたい”という気持ちがとても伝わってきました。
谷川俊太郎さんの「かっぱ(かっぱかっぱらった……)」を筆頭に、
童謡でもおなじみの「春が来た」「やぎさん ゆうびん」「靴が鳴る」の他、まどみちおさん、くどうなおこさんの「のはらうた」、草野心平さん、阪田寛夫さん、寺山修司さんなどよく聞く詩人(作家)の詩が多く掲載されていますが、それ以外に今まで知らなかったけれど、印象深い詩など合わせて、52作も載っています。
読み比べてみると、各詩人の個性も垣間見えて面白かったです。
1日1作でも、子どもたちに声に出して届けられたらいいなぁと思いました。
(てんぐざるさん 50代・ママ 女の子19歳)
3月31日 明日へのパワーをもらえる詩がここに
火曜日は『つたえたい美しい日本の詩(こころ)シリーズ 工藤直子詩集 てれるぜ』
出版社からの内容紹介
生命力あふれるしなやかな工藤直子の詩の世界と、日本を代表する絵本作家の一人であるいもとようこの作品世界が一つになった、工藤直子の詩絵本!季節ごとに読み返したい一作。
4月1日 今日、あなたは空を見上げましたか。
水曜日は『最初の質問』
みどころ
今日、あなたは空を見上げましたか。
空は遠かったですか、近かったですか。
こんな素敵な質問から始まるこの本は、詩人である長田弘さんの代表詩「最初の質問」の世界を、画家のいせひでこさんが、絵本というかたちにした一冊です。
ページを開くと、やわらかい言葉でゆったりと語りかけてくる質問に出会います。それは、毎日の生活の中で、いそがしさにかまけて忘れかけていること、見ることを忘れてしまっていることを、思い出させてくれるようなとぎすまされた質問ばかりです。
そして、いせひでこさんの、のびやかで美しい絵は、全身と五感を駆使して、その質問たちに精一杯こたえているようです。言葉と絵がたがいに響きあい、豊かで大きな物語世界をつくりだし、読んでいる私たちはぐっと引きこまれていきます。
空を見上げること、風を感じること、鳥の声に耳をすませること、雨粒でいっぱいのクモの巣に目を見はること……。
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読者の声より
特に思春期の子供や大人に手にとってもらいたい本です。
長田さんの、心のつぼをそっと押してくるような詩と
いせさんの、深呼吸したくなるような絵が見事にとけ合っています。
「今日、あなたは空を見上げましたか。
空は遠かったですか、近かったですか。」
と冒頭から最後まで質問が続きます。
数々の問いかけに作者の優しいぬくもりを感じ、
1ページ1ページ美しいこわれものを扱うかのようにめくっていきました。
読んでは目を閉じ、読んでは宙を見上げ…。
問いかけに対する自分の答えを探していました。
慌ただしい日常だからこそゆったりと自分の内面と向き合いたい。
そんなことに気づかせてもらえました。
(ricoさん 40代・その他の方)
4月2日 毎日がんばっているおかあさんたちへ
木曜日は『だんだん おかあさんになっていく』
出版社からの内容紹介
新しい命の誕生は、どんな時も私たちの心に希望を与えてくれます。小さな命を育む日々を豊かな感性にあふれる詩とイラストで描く本。
4月3日 教科書には書かれていない、ほんとうのこと
金曜日は『ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集』
出版社からの内容紹介
わからなくたって、好きになっていいんだよ
きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこみ、ランドセルをおろしながらこういった。「せんせいが、おまえは本を読めっていうんだ。ことばがなってないから」。ぼくは一冊の詩集をきみに手渡す。「ここんとこ、読んでみな」。詩は、おもしろい。そして、詩はことばを自由にし、ことばはわたしたちを自由にする。20篇の詩を通して、詩人斉藤倫と楽しみ、考える、詩のことそしてことばのこと。
読者の声より
長いタイトルに、不思議なシチュエーション。
詩集といいながら、物語?
あちこちの書評で取り上げられていて気になっていました。
表紙の絵も意味深です。
ランドセルの少年がどこかの家に上がり込んでいるようですね。
物語は唐突に始まります。
ぼくの家に上がり込んだきみ。
会話のやり取りから、おじさんと近所の小学生の会話のよう。
カップ麺や焼きそば、枝豆などを食べようとした時にやってくるタイミング自体、
なんだかおもしろいシチュエーション。
会話の中から、二人は、家の中の本の詩を読んでいくのです。
そのラインナップは千差万別。
その中で、詩とは何か、ということがなんとなく感じられる構成なのです。
そしてそれ以上に、だんだんとほどけていく、ぼくときみの関係性。
二人を繋ぐ詩の立ち位置が明らかになります。
不思議な読後感です。
小学校中学年くらいから大人まで、言葉考としても。
(レイラさん 50代・ママ)
4月4日 期待と不安でいっぱいの新1年生に!
土曜日は『いちねんせい』
みどころ
一年生になった時って、どんな気持ちだったかな。
どんなことを考えていたっけ。
この絵本は、谷川俊太郎さんの詩と和田誠さんの絵で、初めての学校生活にふみ出す新一年生の期待と不安と感動が入り交じった日常を生き生きと描き出します。
「せんせいが わたしの なまえを よびました
せんせいは わたしの なまえを しってるんだね」
「わたしは たかしくんが すき
でも どうすればいいか わからない」
「ぼく このやろと いったら
あいつ ばかやろと いった」
一つ一つの詩から聞こえてくるのは、子どもたちのささいなつぶやき。
でも、声に出して読んでみると、豊かな言葉の世界が広がっていきます。
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読者の声より
我が家にはちょうど一年生の息子がいます。
私が一年生の時、どんな事を考えてかしら?
もうすっかり忘れてしまいました。
でも、この絵本は一年生にタイムスリップしたみたいに、あの時、こんなこと考えたなあ~と思い起こさせてくれる絵本です。
息子もそれぞれの詩にえら頷いていたので、きっと共感する部分があったんだと思います。
一年生らしい、純粋な、それでいてしっかり周りの事を見ている、鋭いところもある素敵な詩です。
私は「そら」が好きですが、息子は言い回しが気に入って「わるぐち」が好きだと言っていました。
(ススワタリさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子4歳)
4月5日 声に出して読みたい言葉遊びも楽しい詩
日曜日は『あしたのあたしはあたらしいあたし』
出版社からの内容紹介
アナグラム(つづり換え)や早口言葉、少女の気持ちをときに元気に、ときにナイーブにうたった詩など、著者の第一詩集。全28編。
いかがでしたか。
もしお気に入りの詩を見つけたら、まわりの大切なあの子やあの人にも贈ってあげて下さいね。
秋山朋恵(絵本ナビ)
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