話題の絵本!王子さまと王子さまが結婚?!
海外では、すでにひとつの絵本ジャンルとして認識されており、その数も年々増えているというLGBTをテーマにした絵本。
日本では、絵本のジャンルとしてはまだまだ馴染みのない方も多いかもしれませんね。
この絵本は、オランダでは2000年、アメリカでは2002年に発売され話題を呼び、現在では英語、ドイツ語、スペイン語9言語に翻訳されており、世界中で読まれている話題の絵本です。
このたび、日本語に翻訳され日本でも発売されました。
どんな絵本なのか、どのような目的で生まれた絵本なのか少しご紹介したいと思います。
王子さまとお姫さまじゃなきゃいけないの?
いろいろな素材をふんだんに使った楽しい貼り絵と美しい色使いのリンダ・ハーンさんとスターン・ナイランドさんのLGBTをテーマにした絵本。どんなおはなしなのでしょう。
「王子さま」と「王子さま」が出会って一目ぼれ!
ふたりは幸せに「王さまと王さま」になりました・・・。
んんん?
絵本はいつも「王子さま」と「お姫さま」が出会うんじゃなかったっけ?
いいえ、いつもそうだとは限らないみたいなのです。
あるところに、年をとった女王さまと若い王子さまとねこちゃんが住んでいました。年をとった女王さまは、もう長いことおつとめしていたのでそろそろ引退を考えていました。
「この地方の王子さまはもうみんな結婚しています。
それなのにあなたは!」
「結婚して王さまになりなさい!」
これまでいいお姫さまに出会ったことがなかった王子さま。夜にまで続いた女王さまの説得に負けて、とうとう世界中のお姫さまと会うことになりました。オーストラリアのお姫さまやグリーンランドのお姫さま、、いろいろなお姫さまが会いにきてくれました。みんなとてもユニークで素敵なお姫さまなのですがどうもしっくりきません。あきらめかけたそのとき、王子さまの胸がときめく人物と出会うのですが・・・。
ペンギンたちの実話から生まれた愛のおはなし
ロイとシロのおすペンギンは、いつからかお互いに気に入り、カップルになりました。一緒に泳いで一緒に巣づくりして、いつも一緒にいました。
ところが、他のカップルは、ただ一緒にいるだけでなく、どうやら巣の中で何かをあたためている模様。しかもそうこうしているうちにそのあたためたものがかえって赤ちゃんペンギンが誕生しているではありませんか。
ロイとシロは、近くにあった卵の形をした石を拾ってきて、さっそく毎日毎日交替であたためはじめました。でも石のたまごはちっともかえりません。
そんな様子を眺めていた飼育員がはたと思いつきます。
他のペンギンカップルが育てられなかったたまごをそっとふたりの巣においてやります。そして、ふたりにしっかりあたためられた卵から、タンゴが生まれたのです──。
LGBTは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーのこと
最近ニュースなどで耳にすることも増えたこの略語は、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの性的マイノリティーのひとたちのことをさします。いろいろなひとたちのいろいろな形の愛があります。でも、それを知らなければ、特別視してしまったり、なかなか理解をすることが難しいかもしれません。
心が柔軟な子どものころに多様性をまなぶことで、偏見や差別はへっていくのではないかと思います。絵本を手にした方は、あとがきにも目を通してくださいね。 いろいろな方の思いがつまったこの絵本が日本に紹介された経緯がわかります。
ひとを愛することは素敵なことだと思います。
少しずつでもいい、いろんなひとがいること、ひととの違いを受け入れることができる優しい心がたくさん育ってくれることを応援したいです。
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