【ふわはね絵本のある時間】2022年1月におすすめの本
絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。
二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる
二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。
1月では…
小寒しょうかん(1月5日)小さく寒いと書いて小寒。本格的に寒さが厳しくなる頃。寒の入りを迎え、この日より節分までの約ひと月が寒の内。寒中見舞いが出される頃です。
大寒だいかん(1月20日)大きく寒いと書いて大寒。一年で最も寒さの厳しい頃。二十四節気最後の節気。もう春はすぐそこに。
1月。新しい一年の始まりです。いつの世もどこの国もみな、幸せな一年を願い祈る。
それは伝統的な行事としてまた次の世代へとつながっていきます。そんなことを教えてくれるのもやはり絵本。
今年もぜひ暮らしの中に絵本を取り入れ、一緒に過ごしてみてください。
【季節の絵本】
親子をつなぐ『だるまさんが』
まずはお正月にぴったり「泣く子も笑う」がキャッチフレーズのこちらの絵本から。
『だるまさんが』。
2008年の出版以来瞬く間に子ども達に大人気となったこの絵本。
だ る ま さ ん が どてっ
きゃっきゃっと声をあげて笑う子どもたち。
「絵本は黙って静かに聞きなさい」というものではなく、コミュニケーションツールだと私は思っています。
絵本が親と子をつないでくれる、まさにそんな一冊です。
<読み聞かせ時間目安>55秒
絵本は世界を教えてくれる『せかいのくにでおめでとう!』
お次はおめでとうがあふれるこちらを!
『せかいのくにでおめでとう!』。
日本では「あけましておめでとう」と初詣から始まる新しい年の初めの日。
他の国の子供たちはどんなお正月を過ごしているのでしょう。
この絵本はページをめくるごとに世界14か国のお正月が描かれています。
スペインではぶどうを12つぶ、新年の幸運を祈って鐘に合わせて食べていたり、凍えるような海に飛び込んだりする国も‼︎?
本を読む良さのひとつは知らないことを知ることができることだと思います。
1月ついたち、特別な日。世界中、それぞれの言葉でこの一年の幸運を願い祈っている。
そんなことを教えてくれた絵本です。
<読み聞かせ時間目安>5分30秒
せかいのお正月は おもしろ、びっくり!!
世界14か国のお正月行事がたのしくわかる絵本!
日本では、初詣からはじまる日本のお正月。
では、世界の国々ではどんなお正月を過ごしているのでしょう?
新しい年を新たな気持ちで迎える世界の子どもたちの
過ごし方はさまざまです。
凍えるような海に飛び込んだり、熊の毛皮を被ったお祭りがあったり、
はたまた、ぶどうを12個も急いで食べたり……。
でも、それらに共通しているのは、新しい年を新たな気持ちで
明るく元気に迎えたいという「願い」です。
世界じゅうの「あけましておめでとう!」の元気な声が
聞こえてくる絵本です!
【新刊絵本】
読んでいて楽しい、心地いい『あいたいあいたいあいうえお』
年末年始。会いたい人には会えましたか?
あいたいあいたい、そんな想いが重なって新しい絵本が出ました。
『あいたいあいたいあいうえお』
読み聞かせのプロ、聞かせ屋。けいたろうさんによるこの絵本。
あめ あめ あめ きょうもあめ あのこに あえない あいうえお
(p2−4本文引用)
読んでいると言葉のリズムが本当によくて。
そこにおくはらゆめさんの絵。
「あいたいあいたい」という気持ちも悲しさや深刻になり過ぎず、会えない時間さえも楽しみ、会いたい気持ちを育んでいるよう。
これはぜひ声に出して親子で、教室で、楽しんでほしい絵本です。
<読み聞かせ時間目安>2分15秒
あめ、あめ、あめ。きょうも雨。明日はきっと雨があがる。晴れたら山の上で待ち合わせ。あのこに会いたいあいうえお。
アナグマちゃん、イベリコブタくん、ウンピョウくん、エゾリスばあば……。みんなが会いたい相手はだれかな?
大人気ロングセラー絵本『まいごのたまご』訳者の《聞かせ屋。けいたろう》さんのリズミカルで、シンプルだけど染み入る文章と、受賞作多数のおくはらゆめさんのカラフルでかわいい絵がベストマッチ!
「会いたい」といういつの時代もみんなが心に抱いている普遍的な気持ち。そんな「会いたい」にやさしく寄り添う心温まる絵本です。
【行事の絵本】
親子で作るお正月ごはん『おしょうがつパーティめでたいめでたい』
こちらも新刊なのですが、おいしい行事のえほんシリーズの最新作!出ました!
『おしょうがつパーティーめでたいめでたい』。
待ってましたの新シリーズはお正月ごはんでした。
お馴染みの本屋のままこさんとあっくんとかよちゃんが登場して、幸せな一年になるようにめでたい料理を作ります。
にこにこのりまきに、めでたいハンバーグ!ぜひ挑戦してみたくなるハレの日ごはん。
冬休みは絵本を見ながら親子で楽しくお料理はいかがでしょう。
わかりやすいイラストで丁寧に描かれるこのシリーズは私も頼りにさせてもらっています。
本屋のままこさんはお料理が大好き。きょうはお正月のおめでたい日。「にこにこのりまき」「めでたいハンバーグ」「はつひのでちゃわんむし」など、元気になれるごちそうを、子どもたちと一緒につくります。
親子で簡単に作れるハレのお料理の絵本です。
【日本の伝統的な遊びを子どもたちと】
『たべものかるたあっちゃんあがつく』
年末年始は日本の伝統的な行事が色濃く残る時期。
かるたや羽子板、こま回し、凧揚げ…。
文化を守るという意味も込めて日本の伝統的な遊びも次の世代へ伝えたい、楽しんでほしいと思っています。
そこで、絵本から生まれたこんなかるたはいかがでしょう。
絵本と同じように50音のほかに濁点、半濁点、ほかにも「を」や「ん」もあって、とてもボリューミー。
その多さがまた楽しくて。我が家の子どもたちはこのかるたで平仮名を覚えたくらいです。
「たべものあいうえお」絵本、『あっちゃんあがつく』のカルタ版です。
取り札も読み札もカラーで、各69枚ずつ、予備の札もそれぞれ3枚ずつ、ついています。お菓子の箱のようなしっかりした箱をあけると、ユーモラスなたべものが、どんどんでてきます。好きなたべものは、自分でとれるよう、ぜひ、がんばってみてください。
こちらのかるたは、絵本『あっちゃんあがつく』と一緒にあると楽しさ増し増しです。
うたって、あそべて、たのしめる、愉快な「たべものあいうえお」。「あ」から「ん」まで、濁音、半濁音も含めて69音すべてが登場。名前の頭文字で「ことばあそび」もできます。
【その他 1月の読み聞かせにおすすめの絵本】
絵本の読み聞かせについて思っていること
絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。
ふわはねプロフィール
ふわはね(内田 祐子)
大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、
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