【ふわはね絵本のある時間】2021年12月におすすめの本
絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。
二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる
二十四節気とは…一年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。
12月では…
大雪だいせつ(12月7日)陽はどんどんと短くなり太陽の力はますます弱まる。冬が深まり雪が降り始める。
冬至とうじ(12月22日)一年で一番昼が短く、一番夜の長い日。太陽がよみがえる日とも言われ、昔からかぼちゃや小豆粥を食べたり、柚子湯に入ったり無病息災を願います。
12月。今年も一年終わろうとしています。大人は師走の忙しさとやり残したことに目がいきがちでなんだか焦ってしまいますが、子ども達はクリスマスに冬休みにお正月!楽しいことしか待ってない!
大人も気持ちを切り替え、今年のフィナーレと思って楽しんでいきたいですね。
【季節の歌絵本】
歌と絵本をまるっと楽しむ『ゆき』
さぁ、まずはみんなで歌絵本で体を暖めていきましょう。
皆さんもよく知っている童謡が一冊の絵本になりました。
耳で聞いていた歌を文字で見たときに、思ってた歌詞じゃなかった!という経験ありませんか?
私はまさにこの歌が、「ゆーきやこんこん あられやこんこん」と思っていたら…あれ?こんこんじゃない!!?
娘達に聞いたら「こんこんちゃうで、こんこやで」と!耳の記憶の頼りなさと面白さを感じます。
雪降る外を窓に張り付いて見る女の子と犬から始まるこの絵本。
ゆったりと歌にあわせて絵がちゃーーーーんと物語を紡いでいて、最後もほっこりと。
歌を絵本と楽しむ良さ。まるっと感じる一冊です。
<読み聞かせ時間目安 1分00秒>
【季節の絵本】
みんなでふ~、ふ~『かぼちゃのすーぷ うまうまううう!』
もう一冊、冬至のこの時期にはリズムも楽しいこちらのかぼちゃの絵本はいかがでしょうか。
こぶたのミントとはりねずみのバジルのおはなし。
それはこんな始まり
かぼちゃのすーぷ いただきまーす。
あっちっち〜。
あっちぃ あっちぃ あっちっち〜。
(p2−4本文引用)
どうやらあちちなようです。
二匹はふぅ〜ふぅ〜ふぅ〜ふぅ〜とかぼちゃのすーぷを冷まします。
絵本を読んでいると、子ども達みんなでふぅ〜ふぅ、ふぅ〜ふぅ〜と絵本に向かって大盛り上がり。
絵本を閉じて「おしまい」の後の子ども達の満足げな顔にこちらもにっこり。
今年の冬至は絵本と一緒にかぼちゃのスープはいかがでしょう。
<読み聞かせ時間目安 1分50秒>
【クリスマスの絵本】
クリスマスプレゼントにはぴったり!『さんかくサンタ』
一年で一番、街も華やかなこの季節。
クリスマスの絵本のおすすめもよく聞いていただきます。
クリスマス絵本もさまざまなジャンルがありひとつに絞るのはなかなか難しいですが、大好きな一冊を。
『さんかくサンタ』
さんさん さんさん さんかくサンタ
まんまる ふくろを せなかにしょって
しかくい おうちに はいっていった
楽しいリズムとアナログな手法で描かれるtupera tuperaさんの独特の世界観が大好きです。
少しおしゃれな雰囲気もクリスマスプレゼントにはぴったり!
しかく、さんかく、まんまる笑顔など工作やワークのヒントにもなるので、読み終わった後に工作意欲がむくむくと湧いてくるかもしれませんね。私がクリスマスの絵本の中で一番読んでいる絵本です。
<読み聞かせ時間目安 1分40秒>
さんさんさんかく さんかくサンタ
まんまるふくろを せなかにしょって
しかくいおうちに はいっていった
さんかく・まる・しかくで愛らしいクリスマスのおはなしができました。
この質感、手触り感。まるで織物のよう。
これぞ、tupera tuperaならではのあたたかさ。
シンプルな展開だからこそ、生きてくる味わいです。
ぜひ、手にとってご覧ください。
大切なひとへのプレゼントとしても最適です!
クリスマスまでのお楽しみ『メリークリスマス!えほんでたのしむアドベントカレンダー』
もう街はすっかりクリスマス。
アドベントカレンダーというものをご存知でしょうか。
クリスマスまでを楽しくカウントダウンするもので、一日ひとつずつめっくたり開いたりしながら、中にお菓子やおもちゃなどが入っているものが最近人気です。
今回ご紹介するのはなんと絵本のアドベントカレンダー。
24の扉の中にはなんと小さな絵本が24冊!
1日1冊ずつ、大きな楽しみの前の毎日の小さなお楽しみ。
大きな本の中の小さな24冊の絵本。
プレゼントにもおすすめ!明日が楽しみになる絵本です。
【年末年始に読みたい絵本】
子どもたちと伝統行事を楽しむ『しばわんこ和の行事絵本』
年末年始は一年の中でも最も日本の伝統行事が色濃く残っているのではないでしょうか。
全てのことに意味がある。ひとつずつ子ども達と確かめ伝えていきたいものです。
…と言いながら実際のところは絵本頼みの私。
この絵本はしばわんことねこのみけにゃんが和の行事や暮らしの作法、遊びを一年を通して教えてくれる絵本です。
その月に作りたい折り紙の作り方ものっていて、カレンダーのように毎月その月のページを開いて飾っておきたい一冊。
子ども達と一緒に新しい一年、行事を丁寧に重ねていきたいです。
柴犬のしばわんこと三毛猫のみけにゃんこが日本の季節の行事の由来や意味を分かりやすく教えてくれます。お正月、節分、夏まつり…季節にゆかりのある遊びに触れながら、親子で楽しめる日本の行事を学んでいきましょう。
【質問にお答えします】靴下を履いてくれない子におすすめの絵本は?
寒くなってきたので、子どもに靴下を履いてほしいのですがなかなか履いてくれません。
子どもが靴下を履いてくれるようになる絵本ってありますか?
答え:子どもの関心を上手に引きつけるおすすめ作品
幼い子ども達の関心は「動物」「乗り物」「食べ物」といわれます。
そしてその次に「生活」、暮らしの中に身近にあるものへの関心が出てきます。
靴下もそのひとつ。
寒くなってきても子どもは元気いっぱい裸足の子。でもちょっと今日は履いてほしいな。
なんていう時は絵本の出番。靴下と一緒に読むこんな絵本はいかがでしょう。
『くつしたくん』
小さな人たちの周りにある生活の仲間たちが動き出し、より身近に愛着を感じられます。
お母さんが手にはめて「『ほら、くつしたくんが〇〇くんの足に履いてほしいよー』って言ってるよ」なんて言いながら見せてあげてもいいかもしれませんね。
履いてくれるかどうかはわかりませんが(笑)。
絵本の力をぜひ試してみてください。
この絵本は幼い人たちの身近にあるものから広がる想像の世界を楽しむことができます。
私も大好きなシリーズなので、よければぜひ、他の絵本も手に取って見てくださいね。
<読み聞かせ時間目安 1分00秒>
【その他 12月の読み聞かせにおすすめの絵本】
絵本の読み聞かせについて思っていること
絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。
ふわはねプロフィール
ふわはね(内田 祐子)
大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、
【ふわはね絵本のある時間】では、読者のみなさんからの感想や質問を募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。
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