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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【ふわはね絵本のある時間】2022年4月におすすめの本

「今年も4月はじまりの日めくりカレンダーを作りました」と、ふわはねさん。

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。

ふわはねさんの日めくりカレンダーご購入はこちら!

ふわはね日めくりカレンダー2022

絵本作家さんと 絵本のつなぎ手と  小さな絵本屋がつくった日めくりカレンダー

毎日の始まりにめくる一枚の紙。そこに記される暦。月の満ち欠けと共に季節を彩るイラスト。365日毎日の暮らしを豊かにする絵本や書籍、ゲーム。そして言葉の種まきをさせてください。
時間は誰にも平等にやってきます。一日は24時間、一週間は7日、一か月、一年・・・。毎日をめくり開くとともに一日が始まります。夜に見上げるお月さまとの出会いを楽しみにしてもらえるような日めくりのカレンダーを今年も作りました。
どうぞ2022年の春からの新しい一年。その積み重ねをご一緒させてください!

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

4月では…

清明せいめい(4月5日)全てのものが清らかで、明るく生き生きとする頃。草木は芽吹き、花が咲く。

          体を通り抜ける風が、春の訪れを教えてくれる。

穀雨こくう(4月20日)種まきや田植えの時期に、あらゆる穀物を潤し育てる春の雨が降る頃。

          どんなことにも意味や役割がある。この雨もまた。

 

4月。はじまりの4月。草木は芽吹き、花が咲く。

生きるエネルギーが満ち溢れ、その力をもらい私もがんばろうと思える…ようになったのは最近の話(笑)。

春はいつも落ち着かない。入園、入学、進級…。自分の居場所を探して子どもたちの心も不安定になりがちです。

でも、そんな時こそ絵本の出番。大好きな人の声と温もりは最高のエネルギーチャージなのではないかと思います。

【はじまりのうた絵本】

『いちといちで』

まずはお歌の絵本から。世界文化社の手遊び歌絵本シリーズより『いちといちで』文はもぎあきこさん、絵は森あさ子さん。
おふたりのコンビといえば、2020年8月にご紹介した『りんごごろごろ』も大好きな一冊。

そして待っていましたシリーズ続編。
今回もまたみんなの大好きな手遊びが絵本になりました。
さぁ、10人のインディアンのメロディで始まるよー!

まずは人差し指を立てながら…

いちと いちで
もにょ もにょ だれかな?
あおむしさん ぺこり

にと にで
わはっ わはっ だれかな…

と、森あさ子さんの優しい色合いの楽しい切り絵に沿ってお歌と共に進みます。

 

挨拶をして
一緒に笑って
転んでも助け合い
羽ばたき
手をつなぎ…
読み歌いながら「みんなこうあれば世界は平和だな」と、ふとつながる空の向こうの平和を思ったり「みんなが青空の下、緑の中で思いっきり何の気兼ねもなく遊べるように早くなるといいなぁ」と思ったり。

改めてこの絵本を読むと、絵本のラストともつながって…。

 

表紙カバー袖にはQRコードがついていて、もぎあきこさんが手遊びとお歌を教えてくれます。
歌や手遊びの絵本は子どもたちと一緒に楽しめるので大好き!

 

少し長くなりましたが、さぁ今月はこんなところから始めましょう。

<読み聞かせ時間目安1分10秒>

いちと いちで

・『さかながはねて』『りんごごろごろ』に続く、
 待望の森あさ子の手あそび歌絵本シリーズ最新作。
・全国の園で親しまれている、
 大人気のかぞえ歌「いちといちで」が初の絵本に!
・アメリカ民謡「10人にインディアン」のメロディーにのせて、
 かぞえ歌を楽しみながら、手あそびしよう!
・1・2・3歳の読み聞かせにぴったりの絵本。
・手遊びのやり方がわかる【公式動画】QRコード・楽譜を掲載。 

全国の幼稚園や保育園で親しまれている、大人気のかぞえ歌「いちといちで」
(「いっぽんといっぽんで」)が初の絵本になりました。

♪いちと いちで あおむしさん ぺこり

ページをめくるたびに 子どもたちの大好きな動物たちがいっぱい登場。
いち、に、さん……と 数に親しみながら、歌って、手あそびしよう!
「もにょ もにょ だれかな?」とシルエットから形を想像したり、
擬音のリズムを楽しんだり、親子のコミュニケーションが弾みます。
巻末に、楽譜とあそび方をくわしく紹介。1・2・3歳から。

【季節の絵本】

『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』

お次は言葉遊びの絵本はいかがでしょうか。

お馴染みのこぶた、たぬき、きつね、ねこたちが春の野原を楽しみます。

こぶた→たんぽぽ→ぽけっと→とんぼと始まるこの絵本。

しりとりでお話は進みます。最後の終わりかたもいいんですよねえ。

 

子どもたちが小さい頃はよくしりとり遊びをしました。

幼稚園までの道や、車の中、退屈な順番待ち、お風呂でも。道具も何もいらないしりとりは手ぶらで楽しめる最強の遊びでした。

子どもたちは小さな頭をフル回転させて、自分の持つ言葉の引き出しを開きます。

そこには親もびっくりするような言葉もあったりと、子の成長を見せてくれる遊びでもあります。

 

たんぽぽが咲き始めると本棚から出したくなる一冊です。

<読み聞かせ時間目安 1分10秒>

こぶたたんぽぽぽけっととんぼ

おなじみのぶた、たぬき、きつね、ねこの子どもたちが自然の中でのびのびと遊びます。おにごっこ、シャボン玉など、子どもの好きな遊びが満載。しりとり絵本の年少版。

【ポケット図鑑】

散歩のお供に『散歩しながら子どもに教えてあげられる草花図鑑』

道端に咲く花の名前をさらりと言える人になりたいと思っていました。

雑草と呼ばれる草花たちも名前を知ると身近になり、その存在を知らせてくれます。

この図鑑は草花を季節と花の色で分けられているので探しやすく、草花遊びの紹介も。ポケットサイズでどこへでも持ち運びが可能です。

 

ぜひこの本と一緒にお散歩してみませんか。

少し大袈裟かもしれませんが、道草をして身近な草花と触れ合う体験をすることで、より豊かな人生につながる気がします。

散歩しながら子どもに教えてあげられる草花図鑑

散歩しながら子どもに草花について教えてあげられるハンディサイズのカラー図鑑。「子どもをもっと自然と触れ合わせたい! でも、自分自身に草花の知識がないから、教える自信がない」というママ&パパも、この一冊があれば大丈夫! 道端の植物の名前がすぐにわかるだけでなく、子どもと一緒に観察するときのポイントや見た目が似ている仲間の植物、生える場所、子どもが楽しめるような名前の由来、花の香り、レア度…などを、ポケットサイズに凝縮してわかりやすく解説しています。親子で楽しめる【草花をつかった遊び】のいくつも紹介もしているので、散歩中の親子のふれあいももっと増えるはず。また、季節ごと、花の色ごとに分類されているので、子どもの「これなに?」にすぐに答えてあげられます。子どもは「知りたい!不思議!面白い!」が散歩をしながら満たされて、草花や自然への興味がもっと広がるはず。

【季節のお話絵本】

小学校の読み聞かせにもオススメ『おかえし』

最後は大好きなお話を。

タヌキの家の隣へキツネの奥さんが引っ越してくるところから物語は始まります。


引越しの荷物が片付くと、キツネの奥さんはタヌキの家へいちごを持ってごあいさつに。
喜んだタヌキの奥さんは、おかえしにタケノコを。
キツネの奥さんはタケノコのおかえしに花と花瓶を。

「おかえしのおかえしのおかえしです。」 おかえし合戦に。 


大人目線で見ると、意地なのか迷惑になってないのかとか、なんだかドキドキしてしまうんですが、どうやらキツネの奥さんもタヌキの奥さんも喜んで受け取っている。
最後はあんなものまで!!

 

小学生の子どもたちはこの絵本、どう思うんだろうと楽しみに読み聞かせへ向かいました。
聞いてくれたのは三年生の子どもたち。この反応がまたよくて!

「えーーー!!!それはあかん!お母さんひどい!」とみんな口々に。


最後はみんなでおかえししたものを最初から言い合い、おしまいにしました。
あー。楽しかった。
<読み聞かせ時間目安 8分30秒>

おかえし

タヌキの家の隣に引っ越してきたキツネの奥さんは、引越のあいさつにかごいっぱいのいちごをもってタヌキの家にいきました。タヌキの奥さんは喜んでいちごを受けとると、おかえしに筍をキツネの家にもっていきました。そこでキツネの奥さんはおかえしのおかえしに花と花びんをもって……。よろこんでもらえてよかったわ、と次から次へとおかえしの連続で、とうとう家の中のものは……。

【その他 4月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

大学2回生と高校2年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

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絵本ナビ編集部
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