【今週の今日の一冊】お父さんの愛情がたっぷり!「父の日」に向けて読みたい絵本
2022年6月13日から6月19日までの絵本「今日の1冊」をご紹介
お父さんってどんな存在? あったかい!? 大きくて頼もしい? それとも面白い? もしかしたら表現するのが難しいかもしれないけれど、絵本を読むと、子どもに向けられたお父さんの温かな眼差しや、存在そのものの安心感がじんわりと伝わってきます。
今週は、6月19日の父の日に向けて、お父さんの愛情がたっぷり伝わってくるような絵本をご紹介します。
6月13日 お父さんの大きさを体感するおとうさんのぼり!
月曜日は『おとうさんのぼり』(2022年4月発売)
出版社からの内容紹介
ぼくは、おとうさんにのぼるのがだいすきだ。
おとうさんの手をしっかりにぎって、しがみついて…。
おとうさんにのぼっていく。そして最後はいっしょにポーズを決めるんだ!
今しかできない、楽しくて愛おしい親子のふれ合いあそび。
幸せを体感させてくれる親子三世代の物語。
【出版社からのコメント】
ふと気づくと、子どもの靴や洋服のサイズが変わっていて、
抱き上げた時の重さが「あれ?結構ずっしり」。という経験はありませんか。
そんな子どもの成長を体感した時は、時間の流れの早さに驚き、うれしいような、
さみしいような気持ちになります。
この「おとうさん のぼり」は、子どもの成長が大きく変わらないうちに、
また、のぼられるお父さん・お母さん側の体力があるうちにしかできない限定あそびです。
お父さん・お母さんをひとり占めして、お父さん・お母さんを何かの乗り物や生き物などに
見立ててあそべる、とっても特別なあそびです。
子どもはこのあそびを通して、「よし!のぼるぞ!」「やってみるぞ!」という
やる気がぐんぐんあふれ、「できた!」という喜びや自信を味わうことができるでしょう。
ぜひ、親子のかけがえのないふれ合いあそびを
絵本の世界で、または現実の世界で味わってみませんか?
6月14日 娘のためにパパはながーいはしごを持ってきて‥‥‥
火曜日は『パパ、お月さまとって!』
みどころ
今夜はお月さまがとても近くに見える。お月さまと遊びたくなったモニカは、手をのばすけれど、とても届きません。そこで、言うのです。
「パパ、お月さま とって!」
さあ、愛する娘からこんなお願いをされたパパ。一体どうするのでしょう。子どもはワクワク、大人はちょっぴりドキドキしながらページをめくると……?
パパは、絵本を大きくはみ出すほどの(!?)ながーいながいはしごを持ってきて、たかーいたかい山へ運んでいき、またまた絵本を大きく突き抜けるほど(!?)上へ上へとのぼっていき、とうとう着いたのは、大きな大きなお月さまのところ。だけど、こんなに大きくては持って帰ることなんてできません。すると、お月さまは言います。
「わたしは、毎晩少しずつちいさくなっていくんですよ」
さて、パパは無事にお月さまを持って帰ることができたのでしょうか。モニカは思う存分お月さまと遊ぶことができたのでしょうか。
この、ユニークすぎる仕上がりの絵本の作者は『はらぺこあおむし』でお馴染みの絵本作家エリック・カール。なるほど納得ですよね。どうしてこんなに自由に大胆に絵本作りを楽しむことができるのでしょう。何回読んでも、ながーいはしごが登場する前の矢印にドキドキしてしまいますし、大きな大きなお月さまとの対面に驚いてしまうのです。大人になった今でも……です!
カールならではの素敵な色彩で描かれた夜空の絵や、アイデア満載のしかけを満喫しつつ、この絵本を読み終えた時に感じるのは父親としての深い愛情。どうやったら願いがかなえられるのか、どうしたらお月さまのその大きさを教えてあげられるのか。そんなところから生まれたこの解決策は、誰だって嬉しくなってしまいますよね。娘さんとの実際にあったやり取りも、この絵本の誕生の大きなきっかけとなっているのだそうですよ。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
6月15日 お父さんがメルシーちゃんにしてくれたのは?
読者の声より
おはなをどうぞで出てきたメルシーちゃんが主人公だと知って嬉しくなりました。
雨が降ってきたのでかさを持ってお父さんをお迎えに行きます。
お父さんのかさをさして行くのですが、大きなかさにいろんな動物たちが入れて入れてとやってきます。
ぎゅうぎゅうになってきたところで、大きなぶたさんに入れてと言われて…
という繰り返していく可愛いお話です。
ラストにはダンディなメルシーちゃんのパパ登場です。雨の日の仲の良い親子の様子がほほえましい1冊です。
(えりこママさん 20代・ママ 女の子0歳)
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6月16日 おとうさんの存在が、冒険の一歩を踏み出す勇気に
木曜日は『はるのひ』(第27回日本絵本賞大賞受賞作)
6月17日 いろんなパパの子育て、のぞいてみよう
金曜日は『やせいのパパ』
出版社からの内容紹介
ホッキョクグマにタツノオトシゴ、ハクチョウ…、16種のパパが登場。かしこく、たくましく育ってほしいから、パパは毎日おおいそがし! 野生動物のおどろきに満ちた子育て方法を、ユーモラスに描きます。
ママ版もあります。
6月18日 毎日頑張るお父さんへの温かな応援メッセージ!
土曜日は『パパのかえりがおそいわけ』(2022年5月発売)
出版社からの内容紹介
今日は早く帰ると約束したのに、夜遅く帰ってきたお父さん。
「どうしてこんなに遅かったの?」
眠い目でたずねる子どもたちに、パパは奇想天外な言い訳を聞かせてくれます。
世界のすべてのお父さんに代わる愉快な言い訳、世界のすべてのお父さんに向けたあたたかい応援のメッセージがこもった絵本。
6月19日 今日はそれぞれの特別な夜が待っている!
日曜日は『3人のパパと3つのはなたば』
みどころ
OK宅配のキム運転手、トゥントゥン小児科のキム先生、タンタン建設のキム課長。3人のパパの長い一日が今日もはじまります。いつもと違うのは、今日はそれぞれの特別な夜が待っているということ。でも、仕事はたんまり。
キム運転手は次々に荷物を配達。15個、99個、100個…まだまだ終わりません。キム先生の病院には風邪をひいた子どもたちの泣き声でいっぱい。診察はいつまでも続きます。キム課長は今日にかぎって書類がどっさり。電話もなりっぱなし。3人のパパは、仕事の合間に花束を買います。
どんなに仕事が忙しくても、いつも通り焦らず丁寧に、でもただひたすらに一生懸命こなしていくパパ3人。なぜなら今日は特別な夜だから。仕事を終えた3人が、花束を手に、それぞれ急いで向かったのはハナ幼稚園。今日はクリスマスの音楽会、可愛いわが子が歌っているのです……!
主役は働き盛りのパパ3人。それぞれの仕事の一日の様子が描かれているのですが、彼らががんばっている目的を知れば、もうそれだけで目が離せなくなるのです。パパから見ても、ママから見ても、あるいは子どもたちから見ても。どんな立場の人が読んだとしても、共感できる3人の姿。そして、彼らがもらった愛しい愛しい贈りもの。読者はほっと胸をなでおろすのです。
作者は『3人のママと3つのおべんとう』のクク・スチンさん。今の韓国の日常の様子や、ソウルの町並みを楽しめるのも大きな魅力のひとつ。2冊揃えば、毎日を忙しく過ごしているママやパパへのエールにもなりますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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いかがでしたか。
ぜひお父さん自身も、いろいろなお父さんが登場する絵本を読んでみてくださいね。
今週末は、素敵な父の日となりますように。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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