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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】6月6日は「カエルの日」。魅力的すぎるカエルの絵本大集合!

2022年6月6日から6月12日までの絵本「今日の1冊」をご紹介

「カエルの日」という記念日があることを知っていますか? カエルの鳴き声「けろ(6)けろ(6)」の語呂合せから、6月6日に制定されているのだそう。雨の日が増える6月は、現実の世界でもカエルたちが特に元気になりそうですが、絵本の世界では一年中さまざまなカエルが大活躍しています。教科書でおなじみのあのふたりから、本屋になったり医者になったり、さらには武士にまで……。絵も物語もそれぞれに生き生きとしていて、それはそれは楽しそうなんです。今週はそんな魅力的すぎるカエルの絵本をたっぷりお届けします。

6月6日 読んだり聞いたり作ったり… 本の魅力がいっぱい

月曜日は『かえるのほんや』(2022年5月発売)

かえるのほんや

みどころ

その本屋があるのは、町のはずれの古い本屋の裏庭とつながっている森の、池のほとりのやなぎの木の根元。葉っぱにかくされた入り口を入っていくと、そこにいるのは……たくさんのかえるたち! そう、そこは「かえるのほんや」なのです。

「かえるが本を読むの?」

いえいえ、そんなことで驚いている場合じゃありません。だって、この本屋で人気のある絵本は、みんなこのお店でつくっているんです。紙、絵の具、のりだって手作り。さらにお話だってここにいる作家たちが考えているのです。でも、今日はおはなしづくりが行き詰まっている様子。そんな時は草のハンモックで昼寝が一番。ところが……?

「ぼくたちって ほんとに すごい かえるじゃない?」

本当に、本当にそう思いますよ。かえるたちが最初から最後までずっと大活躍する様子は、何度読んでも飽きることがありません。かえるたちへの深い愛情を感じる作者やぎたみこさんの絵も素晴らしく、子どもたちはきっとかえるが好きになってしまうでしょう。

「ほんやが あって よかったな。」

深く深くうなずきながら、そっと絵本をとじるのです。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

6月7日 ふたりの友情の言葉と知恵と名場面が詰まった1冊!

火曜日は『ふたりはずっと かしこいちえの ことばしゅう』

ふたりはずっと かしこいちえの ことばしゅう

みどころ

教科書にも載っている「おてがみ」のおはなしでもおなじみ、「がまくんとかえるくん」シリーズ。
最新刊『ふたりは ずっと』では、既刊の『ふたりは ともだち』『ふたりは いっしょ』『ふたりは いつも』『ふたりは きょうも』の4冊から、がまくんとかえるくんの友情や知恵が感じられる名場面が集められています。
「がまくんとかえるくん」シリーズをしばらく読んでいない人でも、「こんなシーンあったかも!」と思い出せるところもきっとあるはず。
大人になったからこそ心に響く言葉もありますし、子どもの頃にこそ知っておいてほしい言葉もあります。

訳者の三木卓さんからのメッセージにもあるように、二人は仲良しですが一緒に暮らしているわけではなく、それぞれ自分の家を持っています。
一人の時間があるから、二人で遊ぶ時間が一段と楽しいんだろうと思います。
そして、心地よい距離感でお互いを尊重し合う二人の姿には、憧れすら感じます。

身近なところにおいて、時々読み返したくなる絵本です。

(近野明日花  絵本ナビライター)

6月8日 こんなお医者さんがいたら頼もしい!

水曜日は『キダマッチ先生!(1) 先生 かんじゃに のまれる』

キダマッチ先生!(1) 先生 かんじゃに のまれる

みどころ

仏さまがアグラをかいた形のアグラ山。
そのふもとの、小さな池のほとりにすむのは…カエルのキダマッチ先生です。
キダマッチ先生は、どんな病気やけがでもあっという間になおしてくれるという、評判の名医です。
きょうはどんな患者がやってくるでしょうか。

足をひきずるアリンコじいさん、息がくるしいトカゲのおくさん、そして牧場で倒れた子ウシ…!?
小さな患者から大きな患者まで、キダマッチ先生は引き受けます。

カエルの姿に、名医らしい風格がにじむキダマッチ先生。
白衣は着ないけれど(なぜかというと背中のせっかくの水玉もようがかくれてしまうから)、患者のいうことを鵜呑みにしないし、良心的な値段で診てくれるし、サブタイトルにあるとおり“かんじゃにのまれる”ほど我が身が危なくてもちゃんと治療をしてくれるし…。
本当にいいお医者さんです!
そんなキダマッチ先生にも気になることがひとつ。それは、出て行ってしまった派手好きの奥さんのことですが…?

児童文学作家、今井恭子さんの初めての絵本シリーズ、第1作目。
岡本順さんの挿絵は繊細で生き生きしたタッチがすばらしく、生き物たちの姿や、診察室の中など、いつまでもながめていたくなります。
個人的には、先生が黒い医者かばんを頭にのせてすいすいと泳ぐ絵に、すっかり心を奪われてしまいました。なんてのびやかに、気持ちよさそうに描かれているのでしょう!

さて、気になる奥さんのその後は本書ではわかりません。シリーズははじまったばかりですから、きっと徐々にいろんな出来事が描かれていくのでしょうね。
はじめての1人読みにもぴったりのシリーズです。小さな名医、キダマッチ先生にご注目くださいね。

(大和田佳世  絵本ナビライター)

6月9日 リアルなイラストと2ひきのかけあいを楽しもう!

木曜日は『2ひきのカエル』(2022年5月発売)

2ひきのカエル

出版社からの内容紹介

大きな池のまんなかの、スイレンの葉の上に、
2ひきのカエルがいた。
かたほうのカエルはぼうきれを持っている。
「なんで、そんなぼうきれを持ってるのさ?」
「これは犬よけぼうだ。
犬がきたら、こいつでバンバーンって
やっつけるのさ」
「でも犬なんてどこにもいないよ」
「犬が池を泳いできたら、
おれたち、くわれちまうぞ!」
「でも、この池で犬が泳いでるのなんて、
見たことないだろ?」
「犬を散歩につれてきたやつが、
ボールを池に投げて、
『ボールをとっといで!』って
いうかもしれないだろ」

……2ひきがこんなやりとりをしている
あいだに、とんでもないことが…? 

リアルなイラストが不気味で楽しい、
読み聞かせで子どもたちが大喜びする絵本。
『かしこいさかなはかんがえた』など
、独特のユーモアで読者をひきつける
クリス・ウォーメルの代表作を、
絵本作家はたこうしろうが軽快に訳しました。

6月10日 静かにゆったりと流れるりすとかえるの時間

金曜日は『りすとかえるとかぜのうた』

りすとかえるとかぜのうた

みどころ

舞台は雨上がりの森の中。風たちはきげんよく歌い、木々がゆれ、川は穏やかに流れています。向こうの方にぽつんと見えるのは、小さな船を漕いでいる「りす」。手に入れたばかりの船です。

りすはかえるに会いにいくところ。なぜなら、二人はいつも旅に行く話をしているのですが、まだ一度も森を出たことがないのです。この船があれば、いろんなことができる。そんな想像をしながら浮島に着くと…「ぽちゃん」。かえるは入れ違いでどこかに行ってしまったのでした。さびしくなったりすは船の上で眠ってしまい……。

透き通るような淡い色で描かれた、波紋や光の広がる川面に、見失ってしまいそうなほど、小さくささやかに存在しているりすとかえる。広くて知らない世界に憧れている二人だけれど、彼らの一日は今日も何気なく過ぎていき。耳を澄ませば聞こえてくるのは風たちに吹かれて小さく波打つ水の音。

「たん たぷん
 たぷん たぷん たぽん」

ああ、なんて愛しい時間なのでしょう。なんて可愛らしい二人なのでしょう。こんな消えてしまいそうな世界を、作者の植田真さんは丁寧に美しく描き出します。そして、その背景には力強く見守ってくれている大きな自然の存在がしっかりと感じられるのです。
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

    6月に発売される新刊も待ち遠しい♪

    6月11日 食べるの、はねるの好き。踊るのも好き!

    土曜日は『いろいろかえる』

    いろいろかえる

    みどころ

    食べるの、はねるの好き。踊るのも好き!
    緑のかえる、黄色のかえる、桃色、青色のかえる……。
    のびやかに華やかに、躍動するかえるが描かれます。

    おひさまの光。ひんやりした水。
    そのあたたかさや冷たさが、絵から、読むこちらにも沁み渡るよう。
    好きな歌を歌い、大好きな父さん・母さんのもとへ帰り、星空をあおいで眠りにつくまで……。
    一日をめいっぱい生きるかえるたちが愛おしくなる、大判絵本です。

    2013年に『しろねこくろねこ』で、ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)・金のりんご賞を受賞以来、国際的に高く評価される、きくちちきさん。
    大胆な構図や色づかいで、多くの人を魅了しています。
    とりわけ、筆先から紡ぎ出される生き生きした線は、同じ絵を何枚も描きながら、生まれる線を探っているそうです。
    大きな見開きの中でかえるが生まれ、ページをめくるたびに1匹ずつ心に飛び込んでくる、その爽快感を味わってください。
    特色7色印刷の美しい、生への讃歌にあふれた絵本です。

    (大和田佳世  絵本ナビライター)

    6月12日 「げんじぬま」の主はトノサマガエルのサムライだ。

    日曜日は『かえるの平家ものがたり』

    かえるの平家ものがたり

    出版社からの内容紹介

    「げんじぬま」の主はトノサマガエルのサムライだ。ある日、目玉の光る化け物がアオガエルの背中に傷をつけた。平家ネコの仕業だと、「ともえ」が断定した。「合戦だ! 」「いくさだ! 」沼のサムライのカエルたちが集まった・・・・・・。豊かな想像力とユーモアあふれる文、繊細な筆致と壮大な場面の絵、『平家物語』を知らない子どもたちも存分に楽しめる一冊で、伝統と斬新さ、古典と創作をみごとに融合した傑作絵本である。

    いかがでしたか。

    ロングセラーから新刊までどんどん生み出されているカエルたちの物語。いったいどんなところが物語を呼び起こすのかしら……。そんなことを考えながら、私もカエルの絵本をたくさん楽しむ6月にしたいと思います。

     

    選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

    掲載されている情報は公開当時のものです。
    絵本ナビ編集部
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