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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【寒い季節のおはなし会プログラムにおすすめ!】2月に読みたい絵本と新刊

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに2月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

2月では

立春りっしゅん(2月4日)二十四節気において春の始まりであり、1年の始まりとされる日。春の訪れと共にまた新たな一年が始まる。

雨水うすい(2月19日)雪が雨に変わり氷が解け出す頃。農作業を始める日の目安ともなる。

またひな人形は厄を移した人形を水に流していたことに由来するため、水が豊かになる雨水にひな人形を飾り始めると良縁に恵まれると言われている。

 

2月のおはなし会

節分、立春をこえて暦の上では春といわれながらも、一年で一番寒い季節でもある2月。

お話の世界で少しでもあたたまってもらえたら、そして春の訪れが楽しみになるようなラインナップにしました。
お話の時間は黙って静かに聞きなさい! なんて全く思っていなくて。

お母さん達が一緒になって絵本の短いフレーズを繰り返してくれたり、声を出して読んでくれたりすると嬉しくて。
一番はお母さん達が楽しんでくれること。読んでもらう心地よさを感じてもらうことだと私は思っています。
さぁ今月も楽しんでもらえますように。はじまりはじまり。

今月のわらべうた

今年もまずはわらべうたから

お話会のはじまりに。親子で楽しめるものを。

今月はこちら

「おしくらまんじゅう」

おしくらまんじゅう おされて なくな

おしくらまんじゅう おされて なくな

わらべうたなんて全然知らないという人でも、この歌では一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。

「おしくらまんじゅう おされて なくな」と歌いながらおしりをつけて押し合いへしあい。

寒い季節に体がぽかぽか温まるわらべうた遊びです。

小さなお子さんとはお膝の上で歌いながら、ぎゅぎゅぎゅぎゅ。
もう少し大きなお子さんとは、手と手を合わせて押し合いっこしてもいいですね。

しゃがんだ大人と立った子どもと、掛け声に合わせて押し合ったりもおすすめ。

踏ん張ること、押し合うということで運動感覚も育ち、何より楽しい。

さぁ、今月も絵本の時間のはじまりです。

そのままタイトルもずばり、『おしくらまんじゅう』の絵本から始めましょう。

 

【はじまりの絵本】わらべうたの絵本から

あかとしろ、紅白のまんじゅうが歌います。

 

♪そーれ
おしくらまんじゅう
おされて ぎゅー
おされて ぎゅー
ぎゅー ぎゅー ぎゅー
おされて〜

『だるまさんが』が大人気のかがくいひろしさんの絵本です。

わらべうた「おしくらまんじゅう」が、かがくいさんの手によると、そうきたかーと全く予想できない展開に。

おしくらまんじゅう
おしくらこんにゃく
おしくらなっとう??! いつもこれを読むと最後のところで、みんな、えっ?!と息をのみ、わぁーとしっかり落ちる。

ほんと良くできてるなぁと感動さえ覚える一冊。
これはぜひ手にとってその楽しさや驚きを体感してほしい。

わらべうたを先にしておくと、一緒に体をぎゅっぎゅっと押し合いながら楽しんでくれます。
みんな元気に楽しめるお話会の始まりにぴったりな一冊です。

 

読み聞かせ時間目安<1分15秒>

おしくら・まんじゅう

「だるまさん」シリーズ著者、かがくいひろし最新作!
今度の主人公は、紅白まんじゅう!
いたずら紅白まんじゅうが、あんな子からこんな子まで、おしくらまんじゅう。
こんにゃく、なっとう、ゆうれいまで登場!!
おされたみんなはどうなる~?!ページをひらいて ひゃあ びっくり!

登場する愉快なキャラクターや、予想外の展開に家族みんなで大笑い!

【写真絵本】小さな手をつなぎお散歩したくなる一冊

暦の上では春と言いながらまだまだ寒い日が続きます。

しかし春を待っているのは人間だけではないようです。

お次はこんな写真絵本はどうでしょう。

それはこんな始まり

 

みんなは
みんなは
きのめだよ

はるになれば
はがでで はながさく
パッパッパッパッ

落葉した葉の枝がついていた跡。
ウサギさんやコアラ君?帽子をかぶった子どもたち?
冬の木の芽たちが、表情豊かに歌います。
娘たちとも何度も何度も読んだ大好きな一冊。

 

長新太さんの言葉が本当によくて。
小さな子どもたちも無意識に私が読んだ言葉をくりかえす。
「パッパッパッパッ」
子どもはこうやって、豊かな言葉を耳で聞き、自分のものにしていくんだなあと身をもって体験した絵本。
写真絵本は、生活、科学、環境とつながり、学び深く私は大好きな分野。
我が家の娘たちも小さい頃、近所を「ふゆめちゃん♪ふゆめちゃん♪」と言いながら探していました。
絵本から広がる世界。その小さな手を繋ぎぶらぶらと歩く日々を楽しんでください。

 

読み聞かせ時間目安<1分15秒>

ふゆめがっしょうだん

木の冬芽たちが歌う春を待つ歌の写真絵本

「みんなは みんなは きのめだよ」と合唱団が歌います。春を待ちわびるように「パッパッパッパッ」と、木の芽たちが個性的な顔で歌います。冬の公園や雑木林で、木の芽を見てみると動物や帽子をかぶった子どもの顔のように見えます。目や口に見えるところは、おにぐるみ、えのき、ねむのき、くわなどの落葉した葉の柄がついていた跡です。木の芽の冬姿を拡大して撮影した愉快な写真絵本です。

【季節の絵本】五感で感じる春の訪れの絵本

ある日、くまの楽器やさんに一匹の寒がりのうさぎがやって来ました。

寒くて寒くてたまらないといううさぎにくまは、大きなたいこを叩くようにいいました。
 「これを、どーんと たたいて ごらんなさい。それから、めを、つぶって ごらんなさい。すぐに あったかく なるから…」 

 

安房直子さんの優しく穏やかな文章。葉祥明さんの、柔らかく暖かい絵。

読んでいて、本当に春風や菜の花の香りを感じるような。陽の暖かさを感じる。

音や温もり、香りを絵と言葉で感じることが出来ることを、教えてくれた絵本です。

菜の花を見ると「うさぎさんたいこたたいたのかな」と言っていた幼い頃の娘を思い出します。
絵本は読んだ後もずっと心に残りその光景を思い出させてくれます

 

読み聞かせ時間目安<3分>

はるかぜのたいこ

秋のおわりのある日、野原のくまのお店を訪ねたのは、寒がりうさぎさんでした。くまのもってきた“大だいこ”をドーンとたたくと、ふしぎふしぎ。あたりは一面、春の野原に…。あたたかな春のイメージがふくらむ絵本。

【昔話の絵本】昔話初心者さんにもぜひ

それはこんな始まり

あるところに、にんじんと だいこんと ごぼうがくらしていました。


さんにんの からだは もともと しろかったんですって。

 

それがねぇ……。

有名なにんじんさんとだいこんさんとごぼうさんのお話です。
いろいろな出版社からも出ていますが植垣歩子さんの描く擬人化された野菜たちが味があっていい。
その表情や動きから、野菜たちの性格まで見事に描かれ、見ていて飽きません。

日本の昔話よりとはありますが、お家の中もだいこんさんたちの服装も現代っぽい設定。

お部屋も細部まで書き込まれているのに、お話を邪魔しない。

昔話の本筋をしっかり残しながら現代の子ども達にも親しみやすくしている新しい昔話絵本なのかもしれません。

そして何より言葉がいい。昔話をそろそろ一緒に楽しみたいなというお子さんにもぜひ。

 

読み聞かせ時間目安<2分5秒>



にんじん だいこん ごぼう

赤いにんじんも、黒いごぼうも、昔はだいこんみたいに真っ白でした。それが今のような色になったわけとはいったい……? 昔話をもとにした楽しい絵本です。

【新刊・お話の絵本】昔話を大好きな人の声で聞く

最後は出たばかりのお話の本をご紹介します。

2017年に出版された瀬田貞二さんによって再話・訳の『さてさて、きょうのおはなしは……日本と世界のむかしばなし』に続く姉妹編が7年ぶりに出版されました。

 

グリムの昔話からロシアやノルウェー、リトアニア、アイルランドまで。日本の子ども達に、世界の楽しい昔話や創作児童文学を紹介し続けてきた大塚勇三さんがこれまでに雑誌や単行本で発表した昔話の数々から選りすぐりの20話を収録。

ひとつのお話は見開き1ページ半から5ページ弱。リズム良く進みます。

 

『赤ずきんちゃん』や『小びとのくつ屋』のような有名なおはなしから、はじめましてお話まで。

大好きな人の声で聞く昔話。そこには人々の生きる知恵がつまっています。
PEIACOさんの各扉の挿絵もとても可愛くて。お話に彩りをくれます。

一日一話。毎日のお楽しみにいかがでしょうか。

ねえねえ、きょうのおはなしは…… 世界の楽しいむかしばなし

字を読めるようになっても、「読み聞かせ」をしてもらうのはうれしいもの。たとえば、おやすみ前に5分、短いお話を子どもに読んでみませんか? 『スーホの白い馬』でおなじみの大塚勇三さんが紹介してきたたくさんの昔話から、20話を収録したお話集ができました。「赤ずきん」「小舟にのったロバ」など、どれも面白く読み聞かせにおすすめのラインナップ。各話の扉には昔話の世界への導入になるようなイラストを添えています。

  

【その他 2月の読み聞かせにおすすめの絵本】

新連載のお知らせ

絵本ナビスタイルにて、新たに「絵本講師ふわはねが案内する展覧会レポート」の連載が始まりました。この連載では、絵本にまつわる展覧会や原画展にふわはねが出かけて、その様子をご案内するものです。レポートを読んだ後、気になった展覧会があったら実際に足を運んでいただけるよう、会期中に記事をお届けしていく予定でおります。

今年もまたいろいろな絵本屋さんや美術館に行けるといいなあ……!

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学3回生と高校3年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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