【今週の今日の一冊】大好きなパパと何して過ごす? 「父の日」に読みたい絵本特集
もうすぐ「父の日」。みんなのパパはどんなパパ? 遊んでくれたり、笑わせてくれたり、仕事を頑張っていたり、体が大きくて頼もしかったり……。それともちょっと頼りないこともある!? ママとは全然ちがうパパの魅力。パパだからこそ楽しくて、パパと一緒だったらこんな風に遊びたい! そんなパパと過ごす楽しい時間を描いた絵本を、今週はお届けします。
2024年6月10日から6月16日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
6月10日 パパなりのアイデアでドキドキわくわく!
月曜日は『ねずくんとパパのおるすばん』(2024年4月新刊)
ねずくんとパパは、ふたりっきりで初めてのお留守番。ママそっくりにはできないパパは、ねずくんの好きな服や嫌いな遊びを知らなくて、最初は失敗ばかり…。でも、パパはママと同じことをする必要はないんだと気が付き、パパなりのアイデアで、ねずくんのハートをキャッチしていく。そのアイデアとは…?
「子どもあるある」「パパあるある」から「パパ、がんばれ!」へ。
そしてラストは、「パパと一緒は楽しいぞ。」
パパにもママにも子どもたちにも、世界中の親子に読んでほしいハートフルストーリー。
ボローニャ国際イラストレーション賞 受賞作家・刀根里衣(とねさとえ)が細部まで緻密に描き込んだ美しい絵で綴る。
読者レビューより
とねさとえさんの新刊としり、楽しみによんでみました。今日はパパとおるすばんすることになったねずくん。でも、なかなかうまくいかなくて……。ねずくんの気持ちの変化が手に取るようにつたわってきて、ひきこまれました。パパとの楽しい一日に、よかったなと。とねさんのやさしい色合いの、かわいらしい絵がとても素敵でした! 父の日にもおすすめの絵本かと思います。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方 )
6月11日 そうだ ピートでピッツァをつくったら…
火曜日は『ピッツァぼうや』
友達と遊ぼうと思っていたのに雨が降ってきてしまったので、ピートはご機嫌ななめです。
お父さんはそんなピートを見ていいことを思いつきます。
「そうだ ピートでピッツァをつくったらたのしくなるかもしれないぞ」
お父さんはピートをテーブルの上に乗せ、こねたり、ひっぱったり、のばしたり。
油や小麦粉や、トマトの輪切りやチーズ(といってもほんとうは水やベビーパウダーやボードゲームのコマなんだけど)をかけて遊びます。
読者レビューより
オススメの本で、題名と表紙は何度か見たことがあるものの、読む機会がなかった本。はじめて読んでみての感想は、なんでもっと早くに読まなかったのだろう!
息子の反応もすごくいいし、雨の中、外に行けずに機嫌が悪い子供に対して両親がしたことが、あたたかくて楽しくて。最後の流れも最高で、こんな子育てができたら最高だなぁ、こどもはうれしいだろうなぁ、としみじみしてしまった。
息子は、あたたかさだのなんだのではなく、ひたすらストーリーの流れに爆笑。
明日からあたらしい遊びのレパートリーに追加されること間違いなしだなぁ。また、実際にまねして遊びやすいように、うまく文が書かれているんです。感心しっぱなしです。
(こりこりこさん 30代・ママ 男の子5歳、女の子3歳)
6月12日 お父さんの足の上に乗ると、目の前が飛行場に!
水曜日は『ぼくはひこうき』
いっしょに、たのしい空のぼうけん!
ある日、たろうくんは「ひこうきみたいにとんでみたいな」と、お父さんに話しました。すると、お父さんは「それなら、いっしょにとんでみようか。こっちへおいで」と、たろうくんをよびました。お父さんに言われるまま、たろうくんはあしの上にのり、うでを広げると、目の前はひこうじょうにへんしん。そして次のしゅんかん、たろうくんは、ひこうきのように空をとんでいたのです!
ひこうきのように空をとぶことができたたろうくんは、町をとおりぬけ、山をこえ、雲のなかもどんどん進んでいきます。はたして、進んだ先には、なにが待っていたのでしょうか。
子どもがあこがれる、空のたのしいぼうけんを、講談社絵本新人賞受賞作家のはっとりひろきさんが、たのしく、力強く描きます。
《作者はっとりひろきさんからのメッセージ》
あの時、あの瞬間、確かに僕は空を飛んでいたのです。子どもの頃の、そんな時間 、そんな気持ちを思い出しながら作りました。ぜひ「たろうごう」と一緒に感じていただければと 思います。
読者レビューより
この絵本のたろうくんと同じく、息子も私の足を使って飛行機ごっこをするのが大好きです。
今よりも息子が小さかったときから、この遊びをしていますが、だんだん息子が大きくなり、持ち上げるのもひと苦労です。
「もう一回!」と言われると、なかなかツライのですが、そのうちこんなふうに遊んでくれなくなるのかなと思うと、「よっこらしょ」と頑張ってしまう親心です笑。
(ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
6月13日 道具は何も必要なし。いつでもできる親子遊び!
木曜日は『おとうさんのぼり』
転んでケガをして、元気のないじいちゃんに会いに行った、こうたろう。じいちゃんを励まそうと、学校で“昔の遊び”を調べた話をします。するとじいちゃんも、お父さんも、こうたろうと同じ遊びをしていたことがわかるんです。それは……「お父さんのぼり」!
お父さんの足から肩まで、子どもが手足をつかってよじ登る遊びで、なかなかスリルがあります。
じいちゃんの前で、お父さんによじ登るこうたろうを見ていたじいちゃんは、「わしも やってみるか」と言い出します。じいちゃんに背中にしがみつかれた、お父さんの複雑な表情。じいちゃんの笑顔。そして、こうたろうがじいちゃんと交わした約束は……?
おはなしを書いたのは、子どもの気持ちをテーマにした作品を多数手がけるくすのきしげのりさん。絵は『てのりにんじゃ』(ひさかたチャイルド)や『ゴリラさんは』(講談社)で子どもたちに人気の北村裕花さんです。本作品には、親子三代のふれあいが描かれています。
前後の見返しのページには、「お父さんのぼり」や「お母さんのぼり」を楽しむための参考ポーズや、注意点が描かれています。絵本を読んだあとは、親子でやってみるのもよいですね。
道具は何も必要なし。お互いの体と体だけで、いつでもできる。時代や世代を超えて、同じ親子遊びを楽しめるっていいなあと思える絵本です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者レビューより
親子遊びの参考に、と手に取りましたが、
意外にも三世代の思いのいっぱい詰まったハートフルな展開に感動しました。
じいちゃんのけがをきっかけに、「おとうさんのぼり」が話題に。
こうすけは、じいちゃんを励ますために、「おとうさんのぼり」を披露したり、
東京タワーバージョンを練習したりするのですね。
「おとうさんのぼり」は、あまり本格的に知らなかったので、参考になりました。
なるほど、素敵なふれあい遊びですね。
もちろん、見返しに遊ぶ上の注意事項も完備されていて、嬉しいです。
じいちゃんとお父さんのエピソードも、よくある光景だけにジーンときました。
東京タワーとスカイツリーの世代間の感じ方の違いもいい塩梅です。
(レイラさん 50代・ママ 男の子29歳、男の子26歳)
6月14日 お父さんの背に乗った子どもが、 次に乗ったのは?
読者レビューより
パパにおうまさんしてもらうのが好きな息子に。
テンポよくお話が進んでいきます。
また、おうまさんしてもらう時の
音が小気味良いです。
絵と文の相乗効果なのでしょうか、
パパはパッカパッカ、
くまさんはノッシノッシ、
おうまさんはパッカパッカパッカパッカ・・・・
ただこれだけなのに、読んでいると自然に、
それぞれのおうまさんのスピード感がでてきます。
三浦太郎さんの飾らない父親としての声が
あとがきに書かれていて、思わず微笑んでしまいました。
(空色のかわうそさん 30代・ママ 1歳)
6月15日 とうさんの声は魔法の声。ステッキは、魔法のつえ?
土曜日は『「えいっ」』
くまの親子が、まちへポップコーンを買いにいきました。
道路の横断歩道のところまでくると、信号は、赤。車がどんどんとおっていきます。
くまのとうさんは、ころあいを見はからって手にしていたステッキをふりあげ、信号をさして「えいっ。」といいます。
すると、どうでしょう! 信号が青にかわったのです。
くまの子は心のなかで感心しました。
(ふうん。うちのとうさん、すごいんだ。「えいっ。」ていえば、しんごう、かわっちゃうんだものな。)
とうさんが「えいっ。」というたびに、こんどは信号が黄色になったり、夕暮れの空に星が出たり。
とうさんの声は魔法の声。ステッキは、魔法のつえみたい……?
子どもはわくわくしてきちゃいますよね。
でもね、くまの子はだんだんわかってきたみたいですよ。
家にかえる電車のなかで、だまってなにか考えていたくまの子は、とうさんに「ぼくのいちばんすきなひとをだすよ。」と宣言します。
「えいっ。」というかけ声と同時に、くまの子がうちの玄関のベルをおすと、中から出てきたのは……?
父と子ども、ふたりでお出かけする、たのしい時間のお話。
作者、三木卓さんのみじかく詩的な文章は、ほのぼのした父子のようすや、会話のやりとりに効果抜群。
思わず頬がゆるみ、にやっとしてしまいます。
「こくご」教科書に掲載された名作が、高畠純さんの絵で描きおろしの絵本になりました。
高畠純さんのイラストレーションによって生まれた、黄色いシャツにオーバーオール、ハンチング帽をかぶったチャーミングな「とうさん」をお見逃しなく。
とうさんそっくりの仕草でポップコーンを口に放り込み、おどろきのまなざしでとうさんを見つめる、くまの子の表情にも注目ですよ。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
読者レビューより
いつのまにか、子どもにもどって、父親のことを思い出しながら読んでいました。
この絵本の紹介文にも書かれているように、私の父親も仕事であまりいず、たまにいても、あまり話をしない人でした。
が、この絵本のように、二人で出かけた日、ポツポツ話しだした父のはなしは、なんだかとっても新鮮でした。
いつも一緒にいる母の話しとは、またちがう。なんだか、いろんなものが飛び出してくる。まるで、知らない箱を開けた気分になりました。
そこのみえない楽しい箱を。
すっかり、くまの子と自分を重ね合わせて読んでいましたが、ラストにきて、はたと気づきました。くまの子は、わたしの子どもの時よりずっとするどい、と(笑) 思わずほほえんでしまう、あたたかいラストです。
子どもにもどって、父親をおもいだしたいとき、また、この絵本を読みたいと思います。
(あんじゅじゅさん 40代・その他の方)
6月16日 まじめで不器用なウルトラ・パパの子育て絵日記。
日曜日は『おとうさんはウルトラマン』
もしみんなのヒーロー、ウルトラマンがお父さんになっていたら…。全てのウルトラマンファンへ贈る、お父さん賛歌。一生懸命まじめで不器用なウルトラ・パパの子育て絵日記。お父さんと読みたい絵本。父の日のプレゼントにも最適。
読者レビューより
どんなに仕事がハードでも子供と遊ぶエネルギーだけは残しておく、強くて心優しいウルトラマンパパ。
最高にいかしています。
子どもの頃、ウルトラマンが大好きだったという主人にこの絵本を見せたところ
「よしよし、俺が読んでやるよ」と息子を膝に座らせ、最初のうちは快調に読み聞かせていたのですが、
途中から声が聞こえなくなったと思ったら、ポロポロ涙をこぼして泣いていました。
子どもが描いた「パパの絵」をみて涙ぐむウルトラマンパパに共感してしまったそうです。
日々懸命に、精一杯の愛情を注いで子どもを育てているお父さん、お母さんなら、みんなぐっときてしまう本だと思います。
(あまぢゅんさん 30代・ママ 男の子3歳)
「ウルトラマンえほん」シリーズ(2024年に新装版となりました!)
いかがでしたか。
パパも子どもたちもみんな笑顔がいっぱい。あったかい気持ちになりますね。パパと子どもたちが楽しく遊んでいると一番うれしいのは実はママかもしれない? なんてそんなことを思ったり。
毎日頑張っているパパに感謝を込めて、素敵な「父の日」をお迎えくださいね。
選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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