【今週の今日の一冊】水しぶきが気持ちいい! 水を楽しむ絵本特集

梅雨に入ったとはいえ、まるで真夏のような暑さが続いていますね。そんな中、学校ではプールの授業が始まったり、また小さな子どもたちも水遊びを始めたりしているでしょうか。今週は、雨や曇りの天気も少し増えそうではありますが、ジメジメした日も暑い日も、読んでいるだけで涼やかな気分になれる絵本はいかがでしょう。水浴びや水遊び、プールなど、“水”を楽しむ絵本を集めました。心地よい水しぶきの描写や、水の音まで聞こえてきそうな一冊を、ぜひお楽しみください。
2025年6月23日から6月29日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
6月23日 ザップーン!おひさまと水しぶきがまぶしい!
月曜日は『あわ あわ わあい!』
ザップーン! くちからごぽごぽ、はなからごぽごぽ。
ぶくぶく、ぼこぼこ、あわ あわ あわ わあい!
おひさまのひかりでいっぱいになる、夏の日のプール。わたしは泳ぐ、ちょうちょになったり、イルカになったり、ロケットになったり。弟はまだ泳げないからプールのそばでパシャパシャしてる。でも私は頭をぶんぶん、友だちとバッシャン、水の底までもぐって、ブグブググルンとちゅうがえり。
突然かみなりが鳴って大雨、どこもかしこもずぶぬれだ。あーあ、仕方ないから雨やどり。音も遠くなり、雨もやんだら……さあ、またお楽しみの時間!
それはそれは楽しそうにプールの中を泳ぐ女の子。画面中にあわと水しぶきがいっぱい。みんなで楽しんだり、ひとりの世界に入って陶酔したり、色々な泳ぎ方をためしてみたり、やることがいっぱいの大忙し。全身を使った自由なポーズ、大小様々なあわの形、どんどん広がる空想の世界。見ているだけでも気持ちのよくなる、プールの絵本。林木林さん翻訳による言葉の響きも心地よく。暑い夏の日にぴったりな1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
大画面でテレビをみているように
絵に迫力があります。
女の子がザッブーンと勢いよくもぐったり
泡がブクブクとたっていたり
光が差すプールがステキでした。
プールに遊びに行ったら
少しでもたくさんプールに入って
遊びたいという気持ちが
とても分かる絵本でした。
(ジョージ大好きさん 40代・ママ 男の子14歳)
6月24日 「ばっしゃーん!」今日のさんぽはお池の中…
火曜日は『ぞうくんのあめふりさんぽ』
人気絵本「ぞうくんのさんぽ」の続編が出ました!今日のぞうくんはあめふりの中をさんぽです。
かばくんをさんぽに誘うと「いけの中ならいいよ。」さて、ぞうくんはどうやって池の中をさんぽするのでしょう。
そしてわにくん、かめくんと次々やってきて・・・。前作を読んでいたら何となく想像はつきますね。それでもおかしいのがこのおはなし。
そして解っていても最後の場面で「ばっしゃーん!」大いに盛り上がってしまいます。
ほのぼの、ほんわかおっとりしたぞうくんと一緒にのんびり散歩している気分で進んでいくのが気持いい、そして最後の躍動感あふれる場面との対比が面白い。何回読んでも喜ばれる秘密がここにありそうですね。
読者の声より
今日はあめふり。ぞうくんはご機嫌に散歩に出かけます。
途中かばくんに出会い、散歩に誘うと・・・。
「おいけの なかなら いいよ」と、かばくん。
でもだんだん深くなる池の中、ぞうくんは泳げない
かばくんの提案で、かばくんの背中にぞうくんが乗ることに。
ありえないことなのですが、やっぱりおもしろいです!
前作は、会うたびにお友達がぞうくんの背中に乗っていったのですが、
今回は、会うたびにぞうくんの下に。。。
最後はやっぱり決めゼリフのように「うわーっ」
ワンパターンなんですが、わが子はすっかりはまっています。
「うわーっ」のページが楽しみで、楽しみで。
(motomotoさん 30代・ママ 男の子2歳)
合わせて読みたい「ぞうくんのさんぽ」シリーズ
6月25日 おもしろい おもしろい つめたい つめたい
水曜日は『こぐまちゃんのみずあそび』
お花に水をあげるのは、こぐまちゃんの仕事です。じょうろに水がいっぱい、面白いね。きんぎょさんにも、ありさんにも。ほらほら、みんな驚いてるよ。
やってきたのは、しろくまちゃん。手に持っているのは、ホースです。これは大変、だってホースで水のかけあいっこしたら楽しいに決まってます。案の定、ふたりの遊びはどんどんエスカレート。とうとうどろんこに!
実際に目の前で起これば、大人は声をあげてしまいそうな出来事です。でも、次から次へ思いつくままに遊びが広がっていく快感は、小さい子どもたちにこそ体験させてあげたいもの。この絵本は、「もっとやりたい」「もっともっとやりたい」という気持ちを、大事に育ててくれるのです。「こぐまちゃんえほん」シリーズの中でも、子どもたちに大人気の1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
こぐまちゃんの絵本はたくさん出ていますが、娘は、この本が一番好きです。
とくに気に入っているのが、こぐまちゃんとしろくまちゃんがホースで水をかけあう場面。
見開きのイラストの水滴が飛び交う様子が、とても目をひきます。
「おもしろい おもしろい つめたい つめたい」という文に合わせて、
本を上下に振ると、それはそれは大喜びします。
物置にあるじょうろを初めて見つけたときは、
「こぐまちゃんと同じ!」と思ったらしく、
教えていないのに、絵本の真似をして花に水をあげていました。
この本がきっかけで、水遊びに興味を持ったように思います。
(れいらたろさん 40代・ママ 男の子9歳、女の子1歳)
6月26日 やさいたちがつぎつぎとプールに入ったら…!?
木曜日は『食べるのだいすき よみきかせ絵本 やさいのプールびらき』
やさい畑にプールができました! プール・ドッジボール大会をしようと、きゅうり、なす、きゃべつ……やさいたちがつぎつぎとプールに入るのですが、にんじんさんとじゃがいもさんはしずんでしまいました! さあ、ふたりを助けなくては。でもどうやって?
野菜の育つ場所や、水の浮き沈みなど、科学的な要素をちりばめられた、野菜たちがかわいらしく奮闘するお話を楽しみながら、自然に野菜と仲良くなれる、そんな一冊です。巻末には、東京理科大の川村康文先生監修の、野菜の浮き沈みに関するやさしい解説つき。子どもたちに、野菜や食べものにもっともっと親しんで、たくさん食べて元気に育ってほしいという願いをこめて送ります。
読者の声より
とってもかわいいお話ですが、ちょっと学ぶところもあって、いい絵本だと思いました。
プール・ドッジボール大会が開かれる中、次々と野菜たちがプールに飛び込んでいきます。
重くて沈んでしまうのではと思われた、キャベツやかぼさは水に浮き、浮きそうに思われたじゃがいもやニンジンは水に沈んでしまいます。
その謎の答えも教えてくれる、おもしろい絵本でした。
(ちびっこおばちゃまさん 40代・その他の方 男の子4歳)
6月27日 こわがりやの小鳥が水浴びをしていると…?
金曜日は『ことりのみずあび』
『ぎょうれつぎょうれつ』のマリサビーナ・ルッソ、待望の新作!こわがりやの小鳥が水浴びをしていると・・・?子どもたちが大好きな、楽しい擬音語がいっぱいの傑作絵本!
読者の声より
「ほら、見て~」と 小さな子どもさんの目の前に そっと差し出してあげたくなる絵本です。小鳥の表情が可愛いです。穏やかで優しい気持ちになれる色づかいもステキだと思いました。
雨ふりは大きらいだけれど、水浴びは大好きな小鳥くん。雨降りの次の日、水浴びができる水たまりを探しに出かけます。でも、大きすぎたり小さすぎたり、先客がいたり闖入者がいたり・・・、あーあ。でも、しょんぼりして帰る途中、いいものを見つけちゃった! それは、噴水。これなら、いつでも水浴びできますね。
水浴び場を求めての、小鳥の一日。大きなドキドキやハラハラは ないけれど、小鳥の気持ちに きっちりと寄り添えば、小さな冒険をした気分になれるでしょう。
題字、それから 文章の中の擬音語などが、色や表現を工夫して描かれていて楽しかったです。そして、お話が始まる前の見返しと、終わった後の後ろの見返しの絵に変化があります。ストーリーと同じで、雨が降る夜から、晴れてお月さまがでる夜へと変わったのですね。
(なみ@えほんさん 50代・その他の方)
6月28日 じゃぐちをあけて、さあ、はじまりはじまり。
読者の声より
蛇口から出る水の柔軟性を描いたお話です。
指やコップ等を使って、水の動きがどう変化するのかが、短い言葉で分かりやすく表現されていました。
2歳児クラスの子ども達に読み聞かせをしましたが、十分に楽しんで見ることが出来た絵本でした。
水遊びの季節にはもってこいの1冊だと思います☆
(さくら嵐♪さん 20代・せんせい)
6月29日 シャッと水しぶきをあげて飛び出てきたのは?
日曜日は『みずたまりぼっこ』
雨上がりの公園で、かんちゃんは大きな水たまりを見つけました。
のぞきこむと、水たまりの中から、くりっとした目がこっちを見ています。
シャッと水しぶきをあげて飛び出てきたのは「みずたまり ぼっこ」。
かんちゃんとみずたまりぼっこのふたりは、公園でえんそくごっこをします。
ばった、ありんこ、あじさい、あさがお、かたつむり、ねこ、すずめ、たんぽぽ・・、
雨のあとは、何もかもがキラキラしているみたい。公園の生き物たちもなんだかうれしそう。
ふたりは並んで歩きます。かんちゃんはぐんぐん、みずたまりぼっこは、はだしでぴたぴた。
すべりだいをのぼっておりて、ジャングルジムをくぐって、ぐんぐん、ぴたぴた。
みずたまりをぴょん。ありんこのぎょうれつをぴょんぴょん。
楽しく遊んでいると、ぼっこが慌てはじめて・・・?
むかし話に出てくるちょっと不思議な子ども、「ぼっこ」。
この絵本に出てくる、おくはらゆめさんの描くみずたまりぼっこの可愛いこと!いたずらっ子そうな目、跳ねると水しぶきがあがる綿菓子みたいな体。ぼっことつないだ手はどんな感触なんでしょう?想像すると胸がキュンとします。
作者のすずきはつえさんの言葉です。
「『なまえはなあに?』『いっしょにあそぼ』
手をさしだせば、もうお友達。どんな垣根もぴょんと越えて、かけていきましょう。」
どんな「ぼっこ」とだって仲良くなれる、子どもたちの特権ですね。
雨上がり、水たまりが消えてしまうまでの、つかの間。
可愛いぼっこと、たからもののような時間に会いに、くりかえし開きたくなる絵本です。
(掛川晶子 絵本ナビ編集部)
読者の声より
子どもの世界ってなんて素晴らしいんでしょう。
近くの公園の、しかも水たまりの中から
お友達を見つけて、楽しく過ごせるんだから。
ぐんぐん、ぴたぴた
の繰り返しがかわいらしく、
息子たちもノリノリで聞いていました。
子どもの世界を壊さず、
そっと見守っていきたいなと思えるようなお話でした。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子6歳、男の子3歳)
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選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)
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