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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】どの魔女が好き? 小学生におすすめしたい魔女のお話

魔女になりたい! もしも魔法が使えたら……? おそろしい魔女や個性的な魔女から、やさしい魔女やちょっぴりドジな魔女の女の子まで、物語にはいろいろな魔女が登場します。読んでいるうちに、なんだか身近に感じられて、友だちになりたくなるかも? 
今週は、とくに小学生に読んでほしい魔女のお話を集めました。さあ、本の中で、魔女の世界を体験しながら、お気に入りの魔女を見つけてみませんか。
 

2025年10月13日から10月19日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

10月13日 あまくて、とろ~り。でもとってもこわい魔女のお話

月曜日は『魔女のシュークリーム』

魔女のシュークリーム

『二分間の冒険』はじめ、小学校中高学年向けに読みごたえのある物語をたくさん出されている岡田淳さんから、このたび低学年向けのお話が届きました。1、2年生から岡田淳さんの世界が味わえるなんて、これは朗報です。

主人公は、シュークリームが大好きな男の子、ダイスケ。どのぐらい好きかといったら、
将来シュークリーム屋さんになりたいと考えるほど。ある日、おねえちゃんの分にまで手をつけようとしておかあさんに怒られ、家を飛び出し公園へ。こかげに座りこみながら、「百倍の大きさのシュークリーム」を食べることができたら、どんなにいいだろうと考えます。百倍ってどのぐらいの大きさになるのでしょう?ちょっと想像つきませんね。

そんなダイスケの前に現われたのがカラスと黒ネコ。2匹はダイスケにいきなり話しかけてきて、お願いがあるというのです。そのお願いというのが、巨大なシュークリームを食べること。シュークリームに目がないダイスケにとってはなんておいしい話!しかしおいしい話にはかならず裏が?いったいどんな理由が隠されているのでしょう?本のタイトルが『魔女のシュークリーム』ですから、何か魔女がらみの不穏な話なのでは…?

ドキドキハラハラしたい子、甘いものが大好きな子におすすめしたいとろーりあまーいファンタジー。読んだ後たっぷり満たされてしまうのは、お話の面白さはもちろん、巨大なシュークリームを食べたような気になるからかもしれません。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=89442

読者の声より

【子どもレビュー】(小3・女の子)
私がこの本をえらんだ理由はシュークリームがすきだからです。
おもしろいなぁ~と思ったところはカラスが円をかくと
その中にいる人はみえなくなるというのです。
さいごの方でまじょにダイスケがみつかって
ハラハラドキドキのお話でした。
さあダイスケはこのあとどうするのでしょうか!

10月14日 マーガレット・マーヒーの魔女の名作短編集

火曜日は『魔女がやってきた!』

魔女がやってきた!

男の子とおかあさんが
ケーキをやいていると、
魔女がまいおりてきて、
庭のサクラの木の枝に
すわりました…
(「サクラの木の上の魔女」)。

女の子が新しい家に
ひっこしてくると、
ほうき入れの戸だなの中から、
小さな声がしました。
じぶんは王さまで、わるい魔女に、
とじこめられている、というのです…
(「ほうき入れの王さま」)。

イジワルおばさんは、魔女。
魔女の集会があるので、
家にとめてほしい、といって、
トビーとクレアの家に
やってきました。
おばさんは、思いがけず、
親切な魔女で…?
(「イジワルおばさん」)

国際アンデルセン賞作家賞、
カーネギー賞を2回など、
数々の賞を受賞した
ファンタジー作家、
マーガレット・マーヒ―の、
魔女が登場する短編を
5つ集めたお話集。

小学校中学年の朝読・読書に
ぴったりの1冊。

10月15日 みんなに愛されている魔女の女の子といえば…

水曜日は『魔女の宅急便』

魔女の宅急便

魔法が使えて、ほうきに乗って空を飛べる……。子どもの頃、一度は憧れたことがあるでしょうか。
でも魔女ってなんだか遠い存在? いえいえ、とっても親しみやすくてかわいい魔女がここにいます。

その名はキキ。キキは魔女のお母さんと、人間のお父さんの間に生まれた女の子。
“13歳になったら、魔女としてひとり立ちするために、家を離れて知らない町で1年間暮らす”というきまりに従って、キキは満月の夜、ほうきに乗って相棒の黒猫ジジと一緒に新しい町へと旅立ちます。辿り着いたのは、きれいな海に囲まれたコリコの町。想像していたよりも大きな町ではあったけれど、ひと目で気に入ったキキはこの町で修行することにします。幸運にもグーチョキパン屋のおソノさんと出会い、下宿させてもらいながら、持っているたったひとつの魔法“ほうきで空を飛ぶこと”を生かして、お届けもの屋さんをはじめるのです。

ここでは魔法はたったひとつということが重要なポイント。ひとつだからこそ、自信をなくした時の落ち込みは相当なものですが、ひとつだからこそ、それを生かせたときの喜びが大きく伝わってくるのです。

お話のお楽しみは、なんといってもキキが運ぶもののさまざまなエピソード! 中でも、わんぱく坊主のお誕生日プレゼントに黒猫のぬいぐるみを運ぶエピソードはユーモアたっぷり。途中で大事なぬいぐるみを空から落としてしまったキキはいったいどうしたのでしょう? 知らない町での魔女修行はうまくいくことばかりではないけれど、つまずきながらも前に進んでいくキキからはたくさんの勇気をもらえます。

スタジオジブリのアニメやミュージカル、さらに2014年春には実写映画にもなりました。魔女のキキは子どもから大人まで日本で一番有名な魔女かもしれませんね。「魔女の宅急便」シリーズは全部で6巻。自立や、進む道への悩み、自身のこと、恋愛、結婚など、さまざまな事に悩んだり、傷つきながらも、何度も立ち上がり成長していくキキの姿は、読む人に大きな共感をもって愛されています。
キキと同年齢の子どもたちだけでなく、大人になってから、また子育て中の親御さんなど、読む時期によって共感する部分や気づきが変わっていくところも、長く読み継がれている所以でしょう。親から子へ、またその子どもへ、と世代を超えて丁寧に読み継いでいきたいお話です。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

読者の声より

アニメの方も大好きで繰り返し数えきれないくらい見ていますが、原作は初めて読みました。

小学2年生の娘に、夜寝る前に少しずつ。
もう、一人でも読める年ですが、私も読みたかったので親子で楽しみました。

キキが親元を離れて、知らない町で過ごす一年間が描かれています。
魔女についてのことが詳しく書いてあったり、アニメとはまた違った一面を見られたり、キキやジジのこと、色々と知ることが出来ました。
今までも大好きでしたが、さらにキキやジジに愛着が湧いた気がします。

シリーズで沢山でているので、娘と一緒に少しずつ読んでいきたいと思います。
(*どんぐりさん* 30代・ママ 女の子7歳)

10月16日 名前をつけると動物も植物も道具も話せるように!

木曜日は『にわか魔女のタマユラさん』

にわか魔女のタマユラさん

「喫茶たまゆら」は、並木通り商店街にある、町でひょうばんの喫茶店です。
ある日、店主のタマユラさんは、お客のヨルさんというおばあさんから黒いカバンをあずかりました。おそるおそる開けてみると、はいっていたのは、なんと “魔女の持ちものセット”。 しかもタマユラさんは、気づかないうちに、魔女のふしぎな能力をみにつけていました。相手が動物でも植物でも道具でも、名前をつけただけで、たちまち話せるようになっていたのです!
とつぜん “にわか魔女”になってしまったタマユラさんと、カバンからとびだしてきたなかまたちとの、にぎやかな毎日がはじまりました。

タマユラさんは魔女初心者ですが、町のひとや動物たちの悩みを解決するために、つかい魔や魔法道具たちと協力して一生けんめいがんばります。わたしになんか無理! と思うようなことでも、やってみないとわかりません。
ちょっとなつかしい喫茶店を舞台にくりひろげられる、心あたたまるおはなしです。

『アヤカシ薬局閉店セール』で産経児童出版文化賞・JR賞を受賞した著者の、おみせやさんシリーズ最新作。

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=177062
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=177062

読者の声より

9歳の息子が気に入った感想です。

たまゆらさんがヨルさんにもらったいくつかの
アイテムに名前を付けたら
急にしゃべれるようになったり、
ハトなどの動物につけても
しゃべれるようになって
ちいさな事件を解決していくお話が
おもしろかった。

最後には、ちゃんとアイテムを返したと思ったら
ヨルさんも店員になっていて、
すっごいびっくりした。
(まことあつさん 30代・ママ 男の子11歳、男の子9歳)

10月17日 「学校一の落ちこぼれ魔女」のゆかいな物語

金曜日は『ミルドレッドの魔女学校 魔女学校の一年生』

ミルドレッドの魔女学校 魔女学校の一年生

カックル先生の魔女学校に、とんでもない生徒が入学しました。何事にも一生けんめいなのに、なぜか失敗ばかりしてしまうミルドレッド・ハブル。入学そうそう、「学校一の落ちこぼれ魔女」と言われてしまいます。ほうきは折るし、まじない薬はめちゃくちゃ。大切な行事もだいなしにしてしまい、とうとう学校を逃げ出しますが……。テレビドラマにもなった人気作が、新装版で登場です。

10月18日 出会ったのは魔法がへたくそで情けない魔女!?

土曜日は『魔女が相棒?(1) ねぐせのヤマネ姫』

魔女が相棒?(1)  ねぐせのヤマネ姫

ある日、異世界に引き込まれたサヤ。呼んだのは頼りない落ちこぼれ魔女だった。一日だけ姫の身代わりを務めれば帰してくれるという。その城では、ケモノの呪いによって人間が皆ケモノに変えられていた。毎年チェックされるその人数が、今年は一人増えている。なぜ? サヤがその謎を解くことになるのだが……。

10月19日 ちっちゃなちっちゃな女の子ミニーが、事件を解決!

日曜日は『ブロッケンの森のちっちゃな魔女』

ブロッケンの森のちっちゃな魔女

「ブロッケン」というのは、ドイツにある山の名前。毎年4月30日の夜に、悪魔と魔女が大集合するといわれる「ヴァルプルギスの夜祭り」で有名な山なんだ。この物語では、そんな山の森にすむ、ちっちゃなちっちゃな女の子ミニーが、どうぶつたちと力をあわせて、いろんな出来事をかいけつしていくよ。ミニーはちっちゃいけれど、とってもたよりになる子なんだ!

読者の声より

両親から炭作りや料理などを学んだミニー。ミニーは両親亡き後、1人で森の中の小さな家に住んでいる、子ネコくらいのちっちゃな女の子。ミニーは1人だけど、森や自然のことをとてもよく知っている。
雪が深く積もった冬のある晩。ミニーは道に迷った旅人、詩人のハイネを家に招き入れ、彼から読み書きを習う。そして友達のウサギが見つけた「ブロッケンの魔女の魔法の本」を読めるようになる。春になり、雪解けが始まる頃には、ミニーは本に書いてある魔法をほとんど覚えることができた。
それからちっちゃな魔女、ミニーの活躍が始まる。
魔女資格試験の試験官の老ゲーテやアルプスの小さな魔女、小さなヤマネコとの出会い。
そして明日には春が来るというブロッケン山の大ヴァルプルギスの夜祭りが始まる。ミニーはそこでも新しい男の子の友達ができた。
このおはなしを翻案、翻訳した西村佑子さんは、原作のアレクサンダー.リースケさんの本と出会い、その中から五つのお話を日本の読者にも親しみやすいようにアレンジして、翻訳したという。
ももろさんの絵も可愛らしく、お話のイメージが一層ふくらんだと思う。
(わさんぼんさん 60代・その他の方)

いかがでしたか。

今年のハロウィンも魔女の仮装をした子どもたちをあちこちで見ることができるでしょうか。お気に入りの魔女を見つけたら、仮装の参考にもしてみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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