【今週の今日の一冊】7月30日は「国際フレンドシップ・デー」。国や文化を超えて手をつなぐ絵本
言葉や暮らす場所、文化が違っても、心が通い合う瞬間があるー。今週7月30日は「国際フレンドシップ・デー」です。日本語では「国際友情デー」とも呼ばれ、国や文化を超えた友情が、世界平和を促進することを想起する日であるそうです。そこで今週は、さまざまな国の文化を知ったり、お互いの違いを受け入れながら友情や親愛を育む姿を描いた絵本を集めました。絵本を開いて、世界のさまざまな「ともだち」と出会う楽しさを体験してみませんか。
2026年7月27日から8月2日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
7月27日 「おすそわけ」から生まれる異文化の交流
月曜日は『どうぞめしあがれ!』
マリアは、モロッコという国でくらしています。ある日ドアをたたく音がして、友だちのアミンがおすそわけを持ってきてくれました。次の日曜日、マリアのお母さんはからあげをたくさん作って、「今日は私たちがおすそわけをしましょう」。そしてまた、次の日曜日??。人と人との距離が近いモロッコでは、美味しいものを作ったらシェアをするのはあたりまえのこと。友だちも近所の人も知らない人でも、美味しいものを囲んで話に花を咲かせます。
モロッコに暮らした経験のある作家が、「おすそわけ」をテーマに異文化の交流を描きます。
読者の声より
カラフルなイラストに惹かれ、手に取りました。
モロッコのおすそ分け文化を紹介したストーリー。
いろんなモロッコの料理と日本人のお母さんの作った唐揚げやのりまきが並んでいる様子を見て、食事で異文化交流ができるのって素敵だなと思いました。
ページの中からモロッコの明るく大らかな空気を感じることができて、気持ちよかったです。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)
7月28日 言葉も習慣も体の大きさも違う相手と仲良くなれる?
火曜日は『ライオンのくにのネズミ』
【第71回青少年読書感想文全国コンクール課題図書選定】
【第1回NIC書店絵本大賞入賞】
【第6回TSUTAYAえほん大賞6位】
【キノベス!キッズ2025 8位】
【書店員が選ぶ絵本新人賞2024大賞作品】
父親の転勤でライオンのくにに引っ越したねずみの家族。
ライオンが怖くて仕方がない子ねずみだったが、あることをきっかけにライオンと対決することに。
使う言葉も習慣も体の大きさも違う彼らはわかりあうことができるのか?
「優しさと勇気」についての絵本としても、「国際理解教育」の教材としても読める、幅広い層に届けたい1冊。
読者の声より
娘の学校の司書さんが読んでくれたと言っていて気になり、読んでみました。
私は小中学校を4回転校し、この本を読んでそのことを思い出しました。嫌で嫌で仕方ないネズミくんの気持ちに共感できました。
ねずみくんにリスさんがいてよかった。
そしてリスさんのシュートする場面、とってもカッコよかった。
最後の1ページで「そういうことなのね!」と納得と感動があり、2回読みました。
(maaruさん 40代・ママ 女の子11歳、女の子9歳)
2026年7月に発売されたばかりの続編もおすすめ。
7月29日 にほんの がっこうは わからないことだらけ
水曜日は『ランカ にほんにやってきたおんなのこ』
ちょっと想像してみてください。
全然知らない国の、知らない学校に、初めて向かい合う時のことを。
知らない言葉で話す、知らない子ばかりの教室の席にすわっている時間のことを。
ランカは遠い国から日本の小学校にやってきた10歳の女の子。
足がガクガク、息がとまりそう。
まるで、地球にひとりぼっちの気分……。
日本の小学校は不思議なことだらけ。
玄関で靴をはきかえたり、体育の時は同じ服に着替えたり、給食があったり。
一生懸命となりの席の子の真似をするけど、目がまわりそう。
ああ、自分の国にいた頃みたいに、木に登って遊びたいな。
ランカが学校の校庭にあった大きな木に登りはじめると、誰かが足を引っぱった!
どうしてそんなことするの!?
松成真理子さんの描く、優しい色彩と表情で展開されていくこの絵本。ランカがどこの国の子かはわかりません。だけど、ランカの目線になってみると、その不安が痛いほどよく伝わってきます。言葉がわからないことはもちろん、気持ちを伝えられないっていうことが、どれだけ子どもたちを心細い気持ちにさせているのか。コミュニケーションを困難にしているのか。クラスメイトの男の子だって、実は同じ気持ちになっていたのです。
この物語を書いたのは、実際に日本語が母語ではない子どもたちの学校に出向き、25年も日本語を教えて続けられている野呂きくえさん。目的は、その子がクラスメイトと教室で一緒に学べるようになること。そして、一番大切にしているのは、その子が楽しんでいるかということなのだそう。そうやって、誰かが一人でも気にかけてくれていたなら、どれだけ心強いことでしょう。言葉を超えたところで通じ合う子どもたちの姿に大切なことを教えられるようです。
この絵本は、言葉のわからない子どもを受け入れる側である、日本の子どもたちに向けて描かれたもの。ですが、日本語を学び始めの子にも読めるよう、すべてひらがなの文章になっています。多くの子どもたちが、この絵本を通してクラスメイトと笑いあえる日がくることを願わずにはいられません。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
ランカは外国から日本にやってきた小学生の女の子です。
ランカが色んなことを思い、考え、葛藤しながらでも少しずつ前に進んでいくお話です。
言葉が通じなくても、文化がちがっても、共通する想いがあり、そういうものは時としてぶつかることで伝わることもある。
純粋な子どもたちが織りなす素敵な物語です!
こころが暖かくなる1冊、是非楽しみながら読んでみてください♪
(ポケモントレーナーみゆきさん 20代・その他の方)
7月30日 将来友だちになるかもしれない、だれかの毎日
木曜日は『世界のともだち(1) ルーマニア アナ・マリアの手づくり生活』
将来友だちになるかもしれない、だれかの毎日
ルーマニア・マラムレシュ県の小さな村に住むアナ・マリア。牛の世話をしたり、パンを作ったり、自給自足の暮らしをしています。
読者の声より
海外の子どもたちの生活がよくわかる「世界のともだち」シリーズを見るのが楽しくて、いろんな国バージョンを読んでいます。
こちらで紹介されるのは、ルーマニア北西部の小さな村に暮らす12歳の女の子の生活。
みんなで協力しながら、食材からほとんど全てを手作りして料理する様子が語られます。みんな笑顔で暮らしを楽しんでいる様子がよくわかりました。
民族衣装を着るアナ・マリアちゃんは、とてもキュートでした。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子18歳、女の子15歳、男の子12歳)
7月31日 世界のいろんな国の料理を、みんなで食べよう!
金曜日は『ライラックどおりのおひるごはん みんなでたべたい せかいのレシピ』
ライラック通り10番地の建物から、いいにおいが漂ってきます。
サルモレホ(トマトの冷製スープ)、ココナッツ・ダール(赤レンズ豆のカレー)、スパナコリゾ(ホウレンソウのリゾット)……世界各国出身の住人15人が、次々に料理作りを披露。登場する住人もお国柄豊かに描かれ、個性的です。
お料理紹介は見開きに1つずつ。
左のページには、住んでいる人の服装や部屋の様子でお国柄を表現。ここで「どこの国でしょう?」と当てっこするのも良いですね。次の右ページでは、簡単なレシピと食材の絵がのっていて、出来上がりの料理の大体のイメージがつかめます。バルミジャーノ・チーズ、アボカド、パクチー、七面鳥のひき肉など、珍しい食材も多いので、食べたことがない場合は、どんな味が想像してみるのも楽しいかも!
もちろん日本人も登場します。みりんやしょうゆ、鶏肉や卵、そしてお米も使って、どんな料理ができあがるのか、読んでのお楽しみです。
最後はみんなで庭に集まって、あなたも一緒に「いただきます!」。
(中村康子 子どもの本コーディネーター)
読者の声より
子供だけでなく大人も楽しめる絵本でした。
ライラックどおりの建物に住む世界各国の住人たちのお昼ご飯作りの様子が描かれている1冊です。
こんな材料でこんな料理が作れる、こんな部屋でこんな服装、など異文化を感じられる1冊でとても面白いです。
(まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子12歳)
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8月1日 自分を認め他者を認め、支えあいながら…
土曜日は『すきなこと にがてなこと』
ぼくはスポーツが大好き。ボールを使うと大活躍できる。でも……みんなの前で発表するのが苦手なんだ。そんな時は話すのが大好きなりんちゃんが一緒に発表してくれる。
そのりんちゃんは、動物が苦手。飼育係の時には、動物大好きけんちゃんが手伝ってくれる。歌が大好きなソフィアちゃんは、工作が苦手。工作が得意なこうくんは、じっとしているのが苦手。
誰だって好きなことがあれば、苦手なこともあるよね。
それは大人だって同じ。料理が好きなお父さんに、運転が好きなお母さん。小さい子どもが苦手な郵便屋さんに、早起きが苦手な保育士さん。さらに「すき」「にがて」は国境だって越えていく。英語の得意なマリーちゃんはパソコンが苦手。ミンジュンはパソコンが得意だけれど……。
苦手な事は克服するべきだと、前向きな気持ちで頑張ることは、もちろん大切だけれど。「にがて」が個性になり、どこかの誰かとつながっていき、「すき」が隣にいる人を助けることがある。そんな素敵な考え方もあるんだということを、この絵本は丁寧に優しく伝えてくれています。
多様な人々が共生していける社会になるには「自分を認め、他者と支えあう」ということが不可欠です。こんなにも身近なところからスタートできるのだという発見は、大人になった私たちも含めて、見失ってはいけないことかもしれませんよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
誰にだって「好きなこと」「苦手なこと」があってそれをお互いに助け合いながら支え合うことの大切さを教えてくれます。苦手なことを克服するという考え方と、それを一度受け止めた上で「得意な誰かに手伝ってもらう」という考え方、両方あっていいと思います。その視点はとても大事なことですよね。
誰もが全てのことを得意にする必要なんてありません。様々な個性を認め合いながら子どもたちはこれからの未来を作っていく。多様性が幅広く受け入れられる世の中になるといいなと思います。多くの子どもたちに読んでもらいたい一冊です☆
(ouchijikanさん 40代・ママ)
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8月2日 「違いは違いとして大切にしていくこと」
日曜日は『ブラディとトマ ふたりのおとこのこ ふたつの国 それぞれの目にうつるもの』
一軒の家の玄関で、ぎこちなくあいさつをかわす二つの家族。大きな荷物をかかえ、遠い国からやってきたブラディの家族と、もとからこの家に住むトマの家族。ブラディたちは、この家の地下室に住むことになったのです。
ブラディはぎゅっと身をかたくしたまま、出された夕食を一口も食べません。トマの大好きなチーズオムレツです。トマには、どうしてブラディがオムレツを食べないのか、どうして普段物置きだった部屋に彼らが住むのか、どうしてお気に入りだったカバンをブラディにあげなくてはいけないのか、全くわかりません。
一方ブラディは、初めて目にする食べ物を“くさい”と感じ、地下室に住むことにも、おさがりのカバンをもらうことにも腹を立てています。ブラディの家族は、戦火を逃れ、この国に“難民”としてやってきたのです。
「まえのほうがずうーっとよかった。家だって…」
育った国の暮らしを思い出し悲しむブラディ、その様子をじっと見ていたトマ。どう声をかけていいのかわからなくて、大きな声を出しながらひとりで海賊ごっこを始めます。やがて、ふたりは遊びながら少しずつ心を通わせていき……。
「たたかい」や「ふね」、同じ言葉でも二人が思いうかべるのは、まったく違う世界。トマは戦場など見たことがないのです。わかりあえなかった二人が、それでも少しずつ共感していく様子を、和らいでいく表情や絵の中で丁寧に描き出していくこの絵本。「難民」という言葉に対してフラットな子どもの目線だからこそ、相手の言葉に耳をかたむけ、想像し、理解を深めていくことの大切さがまっすぐに伝わってきます。
「違いは違いとして大切にしていくこと」。巻末には、フォトジャーナリストの安田菜津紀さん、訳者のふしみみさをさんの言葉が寄せられています。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
タイトルに惹かれ手に取りました。
遠い国から戦火を逃れてきたブラディ家族。そして彼らを迎えるトマの家族。
言葉も育った環境も違う二人が、やがて心を通わせて、相手を理解していくストーリーです。
難民とその難民を受け入れる側の思いが子ども目線で語られていて、お互いの思いを身近に感じることができました。
難民について、自分ごととして考えるきっかけになりそうです。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)
「国際フレンドシップ・デー」に向けて読みたい絵本、合わせておすすめ。
選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
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