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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】夏休みに、心に残る一冊との出会いを。小学生におすすめの「夏の物語」特集

夏休みも中盤となりましたが、楽しい時間を過ごしていますか?
普段よりもまとまった時間のある夏休みは、少し長めの物語を開いて、本の世界へじっくり飛び込むのにぴったりの機会。

今週は、2026年の新刊を交えながら、小学生にぜひ届けたい「心に残る物語」をご紹介します。登場人物たちと一緒に悩んだり、ドキドキハラハラしたり心を動かしながら、とっておきの一冊を見つけてみませんか。

2026年8月10日から8月16日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

8月10日 くらげくんに出会って、ぼくの夏休みが輝き出す!

月曜日は『くらげくんの発明』(2026年7月の新刊からおすすめ)

くらげくんの発明

スイミングからの帰り道、海の近くの町に住んでいる「ぼく」が出会ったのは、まわりにぼんやりとした丸いものを漂わせた、ちょっとへんな子。 手渡された丸いものをつかむと――ぷにんとへこみ、ぷわんとおしかえしてきた。

「くらげなんだ」

手をひらくと、くらげはゆっくりうかんでいき、ぼくのまわりをとんだ。まるで、海のなかにいるみたい。

それからすぐ、このくらげをお店でよく見かけるようになった。商品の名前は「クラゲスケール」とか「クラゲメーター」とかいろいろな名前で呼ばれている。そのうち「クラゲスケール」はとても人気が出て、町では、子どもも大人も「くらげ」を連れて歩くようになる。なにかいいことをした日の夜には、くらげのハートの部分がこはく色にぼんやり光るらしく、それも人気のひみつのようだ。

その後も、ぼくが「くらげくん」と呼ぶようになったその子は、雨を吸い込む「くらげのかさ」や、空に浮かぶ「くらげ雲」など、いろいろなくらげを研究しては発明品を生み出し、ぼくのまわりにある暮らしを明るくしたり、楽しくしたり、救ったりするのだった。

著者は「うさぎとハリネズミ」シリーズで愛される、はらまさかずさん。作品全体を包むやさしく穏やかな空気感はそのままに、「くらげくん」の不思議な存在感と、ぼくとの特別な友情をちょっと切なさも交えながら、描き出します。また、さまざまなくらげや、くらげから生み出される発明品を魅力いっぱいに描くそねぽんさんの挿絵もお話にマッチしていて、一気に物語の世界へと誘ってくれます。

ページを開けばすぐに、ふわふわとくらげが漂う光景や、弾力のある感触、「ぽにょん、ぽわん、ぽにん」という音の楽しさに包まれ、五感全体に心地良さが沁みわたってきます。そんな物語世界の中で、時折はっとさせられる、ぼくの気づきや、くらげくんが発する言葉。それらは暗闇でぽっと光るくらげのように、読む人の心をそっと照らし、生きることを優しく励ましてくれるようです。

この夏はもちろん、これからもずっと、たくさんの子どもたちと大人の方に届けたい一冊。お話の心地良さにゆったりと身をまかせながら、ぼくとくらげくんの特別な夏の時間を一緒に体験してみませんか。

(秋山朋恵  絵本ナビ編集部)

8月11日 ぼくは、自分の力で、生きていけるようになりたい

火曜日は『魔女と家族になる方法』(2026年6月の新刊より)

魔女と家族になる方法

圧倒的おもしろさ!
今を生きるすべての人に贈る
ノンストップ・ファンタジー
「じゃ、契約を果たそうか」
 ーーぼくは、この世界で、自分の力で、生きていけるようになりたい。

家にも、学校にも居場所のない玲は、ある日家を出て、そのままどんどん歩いて山にたどりつき、迷いめんどりと出会う。それは、大鎌の魔女ヌイと暮らす金の卵を産むめんどり、コケコだった。ひょんなことから金の卵を手にした玲は、ヌイから取引を持ちかけられる。
金の卵と引き換えに、なんでも願いごとをかなえてあげましょう、と。
玲が考えた、願いごととは?

8月12日 狐島から帰るために少年が考えた驚きの方法とは!?

水曜日は『ラッキーボトル号の冒険』

ラッキーボトル号の冒険

絵本作家クリス・ウォーメルによる、
波乱万丈の大冒険物語!

10歳の少年ジャックは、
家出して乗組員として働いていた船が嵐にあい
沈没し、小さな島に流れ着いた。

その島には、巨大なカメと
ひとりの大男が住んでいた。
その男は、密航していた船が海賊に襲われ、
荷物と一緒に海に流されて、
19年半もこの島にひとりで住んでいるという。
男は島で、豪華な家具と大量の本、ラム酒のある
満足のいく暮らしを送っていた。

自分の名前は忘れてしまっていたという男は、
『ロビンソン・クルーソー』を読了したところで、自分のことを「ロビンソン」と
呼んでくれという。

ジャックはロビンソンから読み書きを教わり、
助けを求める手紙を書いて、
ビンに入れて流すことに。
本を読んで、読み終えたページを破り、余白の部分に手紙を書くのだ。

ふたりは毎日手紙を流した。
ある日骸骨を見つけたふたりは、
その手に残された紙きれから、
この島に海賊が宝を隠したのでは、
と考えるが…? 

先がどうなるのか気になって、
ページをめくる手がとまらない冒険物語。

乱万丈な物語が、〈ボトルシップ〉
ービンに入った帆船模型が、
どうして作られるようになったのかという話に
つながります。
著者によるイラストも魅力。

※『ラッキーボトル号の冒険』は絵本定期購読サービス「絵本クラブ」小学6年生コースの選定作品です。

8月13日 勝つことよりも大切なのは…!?

木曜日は『5番レーン』

5番レーン

常勝を誇る小6女子カン・ナルは、水泳部のエース。でも、最近はライバルに負け続け、悩んでいた。ライバルの不正を疑ったことから引き起こしてしまった事件をきっかけに、大きく成長する姿を描く、瑞々しくさわやかな青春ストーリー。
第21回文学トンネ児童文学賞大賞受賞。

読者の声より

2023年読書感想文コンクール課題図書、小学校高学年の部の選定図書です。舞台は韓国。水泳に打ち込む女の子の話。スポ根と一口には言えない深さがあった。誠実に生きること、自分に胸をはれる生き方をすることの大切さを考えさせられた。恋愛模様もあり爽やかだった。挿入されている1ページ全面のイラストも含め、紙の柔らかさなど装丁も素敵。
(宝島さん 30代・ママ 男の子8歳)

※『5番レーン』は、絵本定期購読サービス「絵本クラブ」小学5年生コースの選定作品です。

8月14日 ぼくたちが生きていけるのはたくさんの命のおかげ?t

金曜日は『いのちの食べかた だれも教えてくれない、世界のヒミツ』(2026年7月につばさ文庫版が発売に!)

いのちの食べかた だれも教えてくれない、世界のヒミツ

牛や豚のお肉はどこから、どうやって、やってくるの? お肉がぼくらのご飯になるまでをくわしくレポート。
おいしいものを食べられるのは、数えきれない「だれか」がいるから。だから、ぼくらの生活は続いている。
差別の歴史や、戦争がなくならない理由など、だれも教えてくれない「世界のヒミツ」をやさしく教えてくれる本。
ウクライナ戦争、ガザ、イランについてや、戦争をなくすためにできることを知ることができる。
だれもが自分らしく生きるため、ぼくたちが平和に生きるため、力と知恵が、この本につまっている。
“知って自ら考える”ことの大切さを伝える、ベストセラー&ロングセラーの名作。
単行本、角川文庫版から大はばに加筆。子どもから大人まで読んでほしい一冊。
小学校高学年から中学生向け。読書感想文にイチオシの本。
【ヨシタケシンスケさん書き下ろしカバーイラスト、多数の挿絵を掲載】

8月15日 マヤの一生から知る戦争の惨さ。終戦の日に。

土曜日は『ぼくのとなりにマヤがいた』(2026年4月の新刊より)

ぼくのとなりにマヤがいた

日本のシートンと呼ばれる作家、椋鳩十の「マヤの一生」は、児童文学・動物文学の名作として長く読み継がれてきた。椋家で実際に起こった出来事をもとに、愛犬マヤが戦争にまきこまれていく様子を描いている。
「ぼくのとなりにマヤがいた」は、この物語を、マヤが一番なついていた椋鳩十の次男ヨウジの視点で描いている。「マヤの一生」では語られなかった側面にもまっすぐに触れ、戦争がどんなふうに人を変え、声なきものを犠牲にしていくのかを、リアルに伝えていく。

8月16日 さまざまなルーツをもつ子どもたちの夏休み

日曜日は『エントラーダの子どもたち』(2026年6月の新刊より)

エントラーダの子どもたち

様々なルーツをもつ家族が暮らす6階建ての黄色いアパート〈エントラーダ〉。そこに住む11歳から13歳の子どもたちの日常を描く12編の連作短編集です。

特筆すべきは、世界中の国や地域にルーツをもつ12人のアメリカ人作家が物語を分担して書いている点(日本語訳も、12人の訳者が担当しています)。この作品を企画した団体の「すべての読者が、1冊の本の中に自分を見つけることができる世界をめざす」という理念がこの1冊に反映されています。
また、登場人物たちのルーツと切っても切りはなせない世界中の料理がたくさん登場するのも、この小説の魅力の一つ。人と人とをつなぐ大事なエッセンスになっています。

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いかがでしたか。今回ご紹介した本は大人の方が読んでも読みごたえのあるぐっとくる作品ばかりです。ぜひ大人の方も夏の読書に、手にとってみませんか。

 

選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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