【今週の今日の一冊】涼しい夜風を感じながら。夏の夜を静かに照らす「夜空の絵本」
8月も後半。日中の暑さは続いていますが、朝晩は涼しい風が吹き、少しホッとする頃ですね。にぎやかに過ごした夏の疲れを癒やすように、夜の時間がだんだんと心地よく感じられる季節です。
今週は、一日の終わりに心静かにひらきたくなる「夜空の絵本」をお届けします。満天の星や、暗闇を彩る花火など、美しい夜空の情景を、ゆっくりと楽しんでみませんか。
2026年8月17日から8月23日までの絵本「今日の一冊」をご紹介
8月17日 見上げた先には、漆黒の夜空に輝く星々が…。
月曜日は『しずかな夏休み』
ある夏のこと。少年が家族とともに車で街を抜け、橋を渡り、向かったのは遠い田舎に住む祖父母の家。窓から見える庭の小道に誘われ、愛犬とともに大木の生い茂った深い森へと歩いていく。道が細くなっていき、ふと顔をあげると、目の前には美しい湖畔が広がっていた!
誰もいない広い湖に潜り、桟橋でひとり横になって日差しを浴び、静かに時間は過ぎていく。賑やかな夕食をすませると、すっかり暗くなった外へ出て、愛犬と一緒に空を見上げる。その漆黒の夜空に輝く星々は……。
雄大な景色に触れ合い、心の中からじわじわと湧き上がってくる静かな感動。それは、彼にとって間違いなく忘れられない景色であり、忘れられない時間となるのだろう。その記憶を刻み込むようにじっと佇む少年の姿を見ていると、いつしか読者も同じ経験を味わっているかのような気持ちになるのです。
その大切なひと時を、文字のないモノクロームの世界で描き出しているのは、韓国とイギリスでデザインを勉強し、現在イラストレーター、グラフィックデザイナーとして活躍されているキム・ジヒョンさん。初めて手掛けた創作絵本なのだそう。異国情緒がありながら、どこか懐かしい湿度を感じる魅力的な場面の数々。静けさに浸りたくなった時には、そっと一人で開いてみてほしい。そんな1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
韓国の作家さんによる字の無いほぼモノクロの絵本作品。
主人公の男の子は、どうやら、両親と一緒に、田舎の祖父母の家にやって来たようです。
町中から、山奥へ。
そして、犬と一緒に森を探検します。
ふと見つけたのは水辺。
え?飛び込むの?
まあ、なんて素敵な時間。
ほぼモノクロの絵ですが、それだけに、意外に色彩豊かに感じます。
そして、文章がないことで、無音が紡ぐ音を感じます。
圧巻は、満天の星空。
まさに絵本の醍醐味です。
小学生くらいから大人まで、感性を澄ませて感じてほしいです。
(レイラさん 50代・ママ)
8月18日 自然に知識が身に着く! 夜空観察入門
読者の声より
7歳の娘と読みました。
元々プラネタリウムが大好きな娘と読もうと借りてきた本ですが、
「夜空をみあげよう」という柔らかなタイトルとは裏腹に
中身はしっかりぎっしりと星に関する知識がふわーっと詰まっています!
難しくないので、本を読みながら自然に知識が身に着く、
まさに理想的な絵本です。
月の満ち欠けや流れ星の原理が、7歳の娘にわかるように
説明されていて、これほど有難い絵本はない!
二人でとーっても勉強になったし、
寝る前に読めて本当によかった一冊!
これは12歳の長男にも薦めたいくらい素晴らしい一冊です!
(ムスカンさん 30代・ママ 男の子11歳、女の子7歳)
8月19日 鉛筆画の精緻な夜空の風景も美しい一冊
読者の声より
汽車が 走っています 神秘的な 夜の星と満月
汽車の乗客は たくさんの動物たちです 男の子とお父さんも乗っています
動物たちはそれぞれ 大切なものや いろんな思いを持っています
動物好きの人には いい絵本ですかね
そして 汽車が停車しておりていくどうぶつたち そこには 駅の 暗号 1914 1938 1940など 数字が書かれています
不思議な駅です
後書きを見て それが 降りた動物たちが 絶滅した年号だったのです
ちょっと切ないです 動物の名前も書いてあります
不思議な 汽車は 未来へ向かって走っていきます
ゴトゴトゴト シュッシュッシュッ ピー
絶滅した動物もいます しかし 汽車が未来に向かって走っていくので 救われました 希望がありますね!
(にぎりすしさん 70代以上・その他の方)
※『ある星の汽車』は、2026年5月に第31回日本絵本賞大賞を受賞した作品です。
8月20日 目を凝らせば、何もかもがしっかり見えてきて…
木曜日は『夜をあるく』
ママが真夜中にぼくたちの部屋のドアを開け、ささやく。
「やくそく、おぼえてる?」
ぼくたちは、おしゃべりもせず着がえ、家族4人で玄関を出る。夏の夜は静かで、アヤメとスイカズラのにおいがする。窓のあかりが輝く大きなホテルの横や、ぼんやりと灯る町はずれの家の前を通りすぎ、どんどん歩いていけば、やがてそこは山のふもと。暗さに目が慣れてくると、感覚がどんどん研ぎすまされていくよう。木の皮のにおい、枯れ枝がぽきりと折れる音、さわさわと揺れる大きな木々の葉っぱ。
家族4人で訪れる夜の森。そこにあるのは、特別な体験。湖に映る月。草むらに寝っころがって見上げる星空。険しい山道。そして……。
深く美しい、青い景色で始まるこのお話。照らされているのはほんの一部。その暗さはずっと続く。それでも目を凝らしていけば、何もかもがしっかり見えてくる。家族と一緒だからこそ、わくわくできる真夜中の時間。こんな冒険ならしてみたい!
フランスから来たこの絵本。たとえ冬だとしても、昼間だとしても、こんな景色が身近になかったとしても。読み終われば、まるで一緒に体験したかのような清々しい気分に。最後のページのまぶしさを味わいながら、少し計画を立ててみようかと考えてしまいますね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
読者の声より
日の出前に出かけ
暗い森を抜け、山を登って、夜明けを見る。
その行程が丁寧に描かれています。
夜の色が絶妙です。
またそこに描かれる夜の風景も・・。
月や星、部屋や街や列車の明かりが効果的にちりばめられ、
暗闇だからこそ浮かび上がる、ある種ありふれた景色が
輝いて見えます。
とうとう到着した夜明け前の山頂から見えた日の光は
それはそれはまばゆく
まるでかがやく希望のよう。
素敵な一冊に出会えました。
(やこちんさん 50代・ママ 女の子17歳)
8月21日 星がきれいな夜、ばばばあちゃんが思いついたのは?
読者の声より
ばばばあちゃんシリーズの中でもお気に入りの一冊です。星を見ながら寝るなんてとってもいい考え…のはずでしたが、その後、本末転倒になってしまうラストまでの展開がおもしろかったです。ばばばあちゃんのめちゃくちゃな行動に、大人もフフフと笑ってしまいます。タイトルの通りの「いそがしいよる」。でもばばばあちゃんはそれさえも楽しんでいて、逆にのんびりとゆったりとした気持ちにさせられました。
(ouchijikanさん 40代・ママ 女の子8歳)
8月22日 みんな、おんなじ星の上で生きている。
土曜日は『星空キャンプ』
読者の声より
一週間、家族で大自然のなかでのキャンプする様子がえがかれています。村上康成さんの絵がとても素敵で、ながめていると、ゆったりした気持ちになりました。キャンプにはなかなか行けませんが、行った気持ちになりました。癒されます。大自然の美しさが伝わってくる、とっても心地のいい絵本なので、手元において、時々、読みたいです。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)
8月23日 夏のまほうをとじこめて。大切な夏の思い出。
日曜日は『はなび』(2026年7月の新刊より)
花火の日。とくべつな、たいせつな夏の思い出。
ひびいている、きこえている、なつが、そばにいる。せかいでいちばんやさしい どどーん。
コルデコット賞をはじめ、主要な賞を軒並み受賞!夏のまほうをとじこめた、花火の絵本 決定版!
* 2026年コルデコット賞受賞
* ニューヨーク・タイムズ/ニューヨーク公共図書館選出「年間最優秀絵本」
* 主要書評誌 7誌にて「星付き(最高評価)」獲得?
* 全米イラストレーター協会(The Society of Illustrators)金賞受賞
* シャーロット・ゾロトウ賞 優秀賞受賞?
* カーカス・レビュー「年間ベスト・ブック」選出?
* ブックリスト「エディターズ・チョイス(編集者が選ぶ一冊)」選出
* スクール・ライブラリー・ジャーナル「年間ベスト・ブック」選出
* パブリッシャーズ・ウィークリー「年間ベスト・ブック」選出?
* ホーン・ブック誌選出「ファンファーレ(年間推奨図書)」?
* ニューヨーク公共図書館「年間ベスト・ブック」選出
* シカゴ公共図書館「年間ベスト・ブック」選出
* NPR(公共ラジオ放送)「年間ベスト・ブック」選出
合わせてこちらの記事もどうぞ
- 2023.09.12夏の終わりに思うのは…。「夏」を振りかえりたくなる絵本5選

選書・文:秋山 朋恵(絵本ナビ副編集長)
|
この記事が気に入ったらいいね!しよう ※最近の情報をお届けします |
絵本・本・よみきかせ 


















