親子で“温育”チャレンジ!「『おやすみロジャー』で学ぶ快眠のひけつ」潜入レポート
2017年2月24日(金)、青空の広がる柏の葉キャンパス(千葉県柏市)にて、温育チャレンジが主催する親子のための特別セミナー「おやすみ、ロジャーに学ぶ 快眠のひけつ」が開催されました。
子どもがぐずって夜寝つきが悪い、お昼寝をしてくれないなど、ママからのリアルなお悩みも飛び出した本セミナー。「快眠のひけつ」を知りたい!という、ママたちの関心も高く、さんさんと明るい陽射しが降り注ぐ「柏の葉のたからばこ」に、平日にもかかわらず大勢の親子が集まりました。
当選された親子2組の絵本ナビユーザーさんと共に潜入!今スグ実践できるコツやヒントがたくさんつまったセミナーの様子をレポートします。
ママ必読!おやすみロジャーで学ぶ快眠のひけつと眠りのしくみ
教えてくれたのは、
快眠セラピスト【三橋美穂先生】
寝具メーカーの研究開発部門長を経て独立。わかりやすく実践的なメソッドが多くの指示を集め、睡眠セラピストとして多方面で活躍。講演や執筆、個人相談などを通して、眠りの大切さや快眠の工夫、寝具の選び方などをアドバイス。ホテルや旅館のコーディネイトも手がける。
85万部の大ヒット、眠りの教科書『おやすみロジャー』を知ってますか?
「柏の葉がこんなに大きな街になっていたとは!子育てするにはとてもいい環境ですね。」
三橋先生の呼びかけに、小さなお子さんを抱いているママたちもうなづきます。
「さて、この中に『おやすみロジャー』をもう読んだことがあるという方、いらっしゃいますか。」
先生の問いに手を挙げたママたちはほんの数名。ほとんどの方が未経験者。「それでは、『おやすみロジャー』がどんな絵本なのか簡単にご紹介しますね。」と、三橋先生のセミナーがスタートしました。
眠りの教科書と言われる話題の絵本
なかなか眠れない子どものうさぎロジャーが、眠りの達人のあくびおじさんに会いに行くストーリー。読むだけでお子さんがすぐ眠る、心理学的効果が実証済みのまったく新しい絵本です。米英仏スペインでアマゾン総合ランキング1位の世界的ベストセラー!
『おやすみ、ロジャー』の特徴
●「眠りの教科書」。著者は、スウェーデンの行動科学者で、眠り方を身体の感覚で覚えることができる絵本。
●太文字は強調して読む、青字はゆっくり静かに読む、あくびをする、子どもの名前を入れるなど読み方の指示がある。
「実は、『おやすみ、ロジャー』の著者は、スウェーデン人の行動科学者の方。行動科学ですから、物語の中に、「眠る」という行動を引き起こすために、意図的に組み込まれたメソッドが自然と入っています。」と、三橋先生。お子さんが瞬く間に寝てしまうと評判になったこの絵本の特徴は、読み方の指示があること。
「私たちはみな、眠り方を教わったことがないですよね。」『おやすみ、ロジャー』は、眠り方を具体的に体の感覚を使って覚える、いわば眠りの教科書。「絵本の中にある『頭の中の考え事は外の箱にいれて』や『手足が重くなって』というフレーズが、私たちの呼吸をゆっくりできるよう手助けし、だんだんと体がリラックスしゆるんでいく。その先に眠りがやってくるという仕掛けなのです。」
第2弾は、可愛いぞうの女の子が主役『おやすみ、エレン』
85万部のベストセラー、『おやすみ、ロジャー』待望の第2弾! 今度はかわいいゾウが、たった10分で寝かしつけ。イラストがかわいいので、ロジャーの絵がちょっと苦手だったという方にもおすすめです。「心理学的効果」にもとづく眠りの手法が「ロジャーで寝ない子」向けにパワーアップ!
『おやすみ、ロジャー』の第2弾も2月に発売されたばかり。本日のセミナーでは、実際に『おやすみ、ロジャー』のCDブックを使って読み聞かせを親子で体験します。子どもたちがどう反応するのか興味津々ですが、その前に「眠りのしくみ」について三橋先生がわかりやすく解説してくださいました。
ノンレム睡眠とレム睡眠による「眠り」のしくみ
睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」が存在します。
レム睡眠・・・大人で例えると、夢を見ながら記憶の整理をしている。
ノンレム睡眠・・・うとうと状態から熟睡している状態まで4段階の睡眠レベルがある。
ノンレム睡眠の3段階と4段階は深い睡眠(徐波睡眠)と言われ、その時に体を育てる成長ホルモンが分泌されます。この2種類の睡眠がバランスよく上手にとれていることがとても大切なのです。
「体と脳を育てる」子どもの睡眠に欠かせない2種類の睡眠
「お子さんの睡眠をグラフに表したものがあります。浅いノンレム睡眠がグレイ。深いノンレム睡眠がブルー。レム睡眠が緑。お子さんの睡眠時間は長いのですが、大人と比較すると、浅いノンレム睡眠の長さは変わらないけれど、深いノンレム睡眠とレム睡眠が長いのがわかりますか。」
三橋先生は言います。「深いノンレム睡眠は体を育て、レム睡眠は脳を育てる睡眠なのです。そのため、脳を育てるにはレム睡眠がとても大切。レム睡眠は眠りの後半に生じるので、お子さんが適度に長く寝ることがとても重要になってきます。」
●子どもの睡眠不足による影響
睡眠時間の短い子どもは、学力の低下や、疲労感を常に感じ、意欲がわかず、友人とのトラブルが多いと言われています。最近、キレやすい子どもが多いというのも、睡眠不足がその原因の一つだと報告されています。また、朝、食欲がわかず、低体温やアレルギーの原因にもなっていると言われているのです。
●子どもの理想の睡眠時間
4か月から12か月のお子さんは昼寝も含めて12時間~16時間、1~2歳で、11時間~14時間。意外とたくさん寝ないといけないように感じますが、日本人は睡眠時間が短いことで世界的にも有名なのだそうです。
快眠のための5つの条件と眠気のメカニズム
「では、どのように眠気が高まってくるかには、5つの条件があります。」
子どもの睡眠の大切さがよくわかると、ママたちはそれぞれメモをとり、先生のお話に熱心に耳を傾けます。
「まず1つ目は、夜暗くなったら眠る。2つ目は疲れがたまると、比例して眠気も強くなります。3つ目は、深部体温が下がると眠くなるという仕組み。4番目はリラックス。この4つが重なると眠気が強くなります。『おやすみ、ロジャー』の効果は4番目の効果がありますね。」その4つの条件に加え、寝室が快適だと朝までぐっすりと眠ることができます。
子どもがぐっすり眠るヒント10
「眠気がおきる5つのポイントをさらに細かくみていきましょう。」
1.寝る時間と起きる時間は一定に
起床、就寝、食事、昼寝、入浴、遊びなど毎日の生活の時間を決めると、体内時計が整います。生きる根幹の脳を育てるためには、5歳までの睡眠習慣と五感を育む体験が大切。
2.セロトニンを意識する
心を安定させるセロトニンというの脳内物質は、太陽光を浴びたり、リズミカルな運動で活性化。セロトニンは、暗くなるとメラトニンという睡眠ホルモンに変わるので、たくさん太陽の光を浴びましょう。夜型の人は太陽をあびる時間が少ないので眠りが浅いと言われています。
3.朝起きたら、太陽光を浴びて朝食をとる
全身にある体内時計をリセットする必要があります。太陽光は、脳にある親時計をリセット、朝食をとって胃腸を動かすことで全身にある子時計をリセットしてくれます。朝食には、セロトニンの原料となる成分を含んだ、乳製品や大豆、卵、赤身魚、肉などがおススメ。
4.夕方以降に昼寝はしない
昼寝は、午後の2時か3時まで。日中の疲れをためておくことが、睡眠の必要性を高めます。
5.夜は部屋を暗くする
夕方からは夕陽のような暖色系の照明を暗めに灯し、くつろぎモードへ。水晶体がクリアな子どもは光の影響を強く受けるので、青白い蛍光灯などの光はNG。なかなか寝なくなります。
6.入浴で体温を上げる。
就寝1~2時間前の入浴(湯温は38~40℃)で体温を上げ、急激に下がると眠気が強くなります。入浴後、放熱ができるよう手足は自由に。
7.静かで安心できる環境をつくる
就寝1時間前からテレビを消し、音と光の刺激を減らします。温度と湿度にも気を付け吸湿性のよい肌着やパジャマを。
8.やさしく体をさする
お子さんの背中や頭、足、腕を、やさしくさすって、肌の温もりを感じあいましょう。安新して緊張がほぐれると、ぐっすり眠れます。
9.ママとパパがリラックスする
10.パパは静かに帰宅する
お子さんの健やかな成長のためにスキンシップは朝や休日に楽しんで。
『おやすみ、ロジャー』朗読CDを聴く
2歳と5歳のお子さんがいる『おやすみ、ロジャー』の編集者の方は、寝る前に何回も読み聞かせをしているうちに、自分も子どもたちと一緒に早く寝るようになり、睡眠時間をしっかりとれるようになったとのこと。三橋先生は読み聞かせのコツをママたちに伝授。実際にお手本となるCDを聴きます。「目元をあたためながら、耳をすまして体験してみてください。」
CDで聴く『おやすみ、ロジャー』
お子さんがたった10分で寝ると話題の75万部のベストセラー、『おやすみ、ロジャー』の朗読CDが待望の発売です。大人気の男女声優ふたりが、贅沢にまるまる1話ずつを朗読!
女性ナレーター編:水樹奈々さん、男性ナレーター編:中村悠一さん
寝かしつけはもちろん、ママ・パパの読み方のご参考に、さらには、寝つきが悪い大人の方にもお使いいただけます。
*本CDには、絵本および、絵本の文章のテキストは付属しておりません。
●『おやすみ、ロジャー』の眠りのコツとリラックス法
ふつうに読み聞かせをすると、30分以上もかかるので、その中で自分のお気に入りのフレーズを見つけるのがポイントと、三橋先生。先生の好きなフレーズは、4の「木の葉が枝から落ちるように、おちていく、おちていく・・・」 というもの。眠りに落ちていくイメージがあり、効果的なのだそう。
朗読CDが流れると、子どもたちの賑やかな声が徐々に止み、会場が一気に静かに。20分の間、会場を見回すと、さっきまで元気に遊んでいた子どもたちも眠気に誘われる子が続出。うとうとしている親子が目立ちました。
●リラックスするには体を温めること
さらに、眠りを深めるために大切な「リラックス」している状態を作りだすには、今回のイベントテーマでもある「温育」、つまり体を温めることが大切とのこと。リラックスしているときは手足がポカポカしています。おなかが手よりも冷えているときは、体が冷えている証拠なのだそうです。
しっかりと「冷え」対策をして、快眠につなげましょう!
●自分にピッタリの即席バスタオル枕を作る
快適な睡眠には枕も重要。前職の寝具メーカーで枕のコンサルティングをしていたという三橋先生。自分にピッタリの枕というのは、高すぎず低すぎず、枕の存在を感じない高さだと教えてくれました。案外試してみると想像以上に低いことに驚きます。
セミナ―では、参加者のママにモデルになっていただき、先生がバスタオルで簡単につくる枕を実演してくださいました。「バスタオルが薄い場合は2枚重ねてくださいね。お子さんの場合はフェイスタオルを4つ折りに。」
みなさんも是非、今晩から実践してみてくださいね。
最後にみなさんから三橋先生への質問コーナーがありました。Q&Aをご紹介します。
三橋先生へQ&A
Q1. お昼寝でロジャーを使ってもいいでしょうか。
「お昼寝でも使えます。ママも一緒になって寝ちゃうつもりで、CDの方が楽かもしれないですね。夜よりは明るめですが、室内にカーテンを引くなど少し暗めにした方がいいいですね。」
Q2. 外遊びはしているが、テンションが高く寝つきが悪いです。
「時間帯に合わせて照明をどんどん暗くしていきましょう。暗くなると睡眠ホルモンのメラトニンが分泌されます。お子さんを観察しながら、遊び足りないのかエネルギーを発散させましょう。また、おやすみツアーをするのもおススメ。いろいろなものに、おやすみなさいと言って回る。体の感覚で覚えていくことが大切ですね。」
Q3. 寝る前の食事は、どのくらい時間をあけた方がいいでしょうか。
「就寝2~3時間はあける。寝る前だと内臓の温度がさがりにくくなっているので、食べてすぐは避けましょう。」
連載企画『ママのためのやさしい「未病」予防レッスン~養命酒「すこやか塾」~』では、ご家庭ですぐに実践できる、ご家族の健康に役立つ情報をイベント・セミナー、そしてレポートを通して、今後もお伝えしていきます。お楽しみに。
今回の温育イベントが開催された場所は?
「柏の葉 本のたからばこ」とは・・・
「柏の葉に図書館をつくりたい」という思いからスタートしたプロジェクト。
企画・制作・運営・維持は全て地域のママさんたちよるボランティアで成り立っています。多くの親子が利用する地域に密着した施設です。
温育チャレンジとは・・・?
親子が楽しく学べる温育イベントを開催
「温育」に賛同するパートナー企業が、体験プログラムを取り入れながらヘルスケアの実践や温育ライフスタイルなどの提案を行っています。
「冷え」という社会課題に対して、"温めて育む"という観点から、衣・食・住関連を中心とした複数企業と共同で取り組んでいるプロジェクトです。温育イベントは、温育チャレンジに賛同する砂山靴下株式会社、養命酒製造株式会社、セルフドクタークラブが協賛しています。
■ ウェブサイト「温育じかん」
冷えに関する知識を学び、温育ライフスタイルの情報を受発信するサイト。
養命酒製造では、経営理念の『生活者の信頼に応え、豊かな健康生活に貢献する』のもと、日々のよくある体の不調の解決に向けて、健康支援活動を行っています。
ライスタイルや環境の変化により、“病気とまではいえないが健康を保てず、病気に向かいつつある状態”東洋医学でいう「未病」にあたる人が増えています。東洋医学の知見から、この「未病」の予防と対策、衣食住や運動、心身も含め健やかなライフスタイルの提案と普及活動をセミナー、イベント、ウェブサイトを通し、生活者の皆さまへ日々、健康情報を発信しています。
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