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「2017 絵本ナビ×岩波少年文庫名作フェア」開催中!

カレル・チャペック紅茶店のおすすめ作品から選ぶ<岩波少年文庫5冊選ぶなら?>

「一生の付き合い、の岩波少年文庫」展に行ってきました!

9月の大阪での展覧会にはじまり、10月26日(木)から来年の1月16日(火)まで、吉祥寺にあるカレルチャペック紅茶店 吉祥寺本店TEA LIBRARYにて行われている、「一生の付き合い、の岩波少年文庫」展に行ってきました!
こちらは、カレルチャペックオーナーで絵本作家の山田詩子さんと長男の山田康平さんが、愛読の岩波少年文庫の物語世界を主題にした作品40点余りと、おすすめの岩波少年文庫を紹介した、本への愛に溢れた展覧会。かわいいイラストと、山田さん親子が描く岩波少年文庫の物語世界にすっかり魅了されてしまったのですが、今回はこちらの展覧会の様子をお伝えしながら、岩波少年文庫のおすすめをご紹介していきたいと思います。
 

絵本ナビでは、「2017 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」(岩波少年文庫5冊お買い上げの方にオリジナルマスキングテープ2個セットのおまけがつきます)を開催中です。

どうぞ岩波少年文庫5冊の作品選びのご参考にお役立て下さい!

岩波少年文庫への愛に溢れた作品とメッセージがたっぷり!

まず、展示室の入り口で、山田詩子さんによる、岩波少年文庫への愛に溢れたメッセージと、今回の展覧会名「一生の付き合い、の岩波少年文庫」展にかける思いに出会います。

以下、ご紹介です。

「本好き本読みの人間で岩波少年文庫から何かが始まったというのはよくあるケースだと思います。私もそう。小4の夏休みにはいるその日。担任のアサノ先生が本ばかり読んでいた私に<本の世界に閉じこもらないで>というメッセージと共にくれたのは……本でした。岩波少年文庫、カレル・チャペック『長い長いお医者さんの話』この本は、外の世界に出るドアでした。43年前のことです。楽しく機嫌よく勇敢な誰かがいる世界。読んだ後のくつろいだ気分をおぼえています。そしてそれがこのカレルチャペック紅茶店につながる私、自分で好きな世界を創る私のスタート地点でした。(中略)一生の付き合いができる本。つまり時々離れていったりも、時にふん、もう何とも思ってないからね!などといいつつ、やっぱりとか。そんな大好きな岩波少年文庫から20冊余をえらび、長男康平と絵で色々ありがとうを表してみました。

カレルチャペック紅茶店 山田詩子」

そういえば、「カレル・チャペック紅茶店」と何気なく認識していたけれど、「カレルチャペック」(※)というのは確かに作家名だった、とここで気づきました。作家名からお店の名前が決まり、由来もここにあったのか!と初めて知った瞬間でした。しかし、小学4年生の時の本との出会いが一生の仕事を決めるきっかけになるとは、名作の力って本当にすごい!そしてその本を手渡した先生に深く感動してしまったのでした(子どもたちにそんなとっておきの1冊を手渡せる大人になりたいものです)。

 

今回もう1つ驚いたのは、山田詩子さんだけでなく、息子の山田康平さんの想像力豊かに精巧に描かれた作品もたくさん展示されていたということ。これは相当その物語を好きでないと書けないだろうなあという愛に溢れた作品の数々に、山田詩子さんの岩波少年文庫への愛が、息子さんにもしっかりと引き継がれたのだなあと感じる展示でした。

 

※店名のカレルチャペックは、チェコの作家の名前です。カレルチャペックは鋭い時代認識に巧みなユーモアを織り交ぜながら、「ロボット」「ダーシェンカ」「長い長いお医者さんの話」「園芸家12ヶ月」などの作品を発表。戯曲・童話・エッセイをはじめ多彩な活動を展開したひとです。(カレルチャペック紅茶店HPより)

山田詩子さんが担任の先生に手渡されたという思い出の1冊『岩波少年文庫 長い長いお医者さんの話』も実際に展示されていました。先生のメッセージが本に力強くしたためられています。

このエピソードに感動し、即『長い長いお医者さんの話』を手に取り、買い求めた私でした。

(※ガラスケースの中での展示のため、写真が光を反射してしまい、見づらい点ご容赦下さい)

では、さっそく展覧会をのぞいてみましょう!

入り口を入ると、温かみのある木の棚とシャンデリアが素敵なお部屋に、岩波少年文庫の物語世界を描いた作品がずらりと並びます
山田さん親子が描いた物語世界の作品の下に、主題となった岩波少年文庫が一緒に並びます
展覧会オリジナルグッズもたくさん販売されていました!こちらは山田康平さんの作品。

カレル・チャペック紅茶店のおすすめ作品から選ぶ岩波少年文庫

それでは、岩波少年文庫の物語世界の作品を味わいながら、岩波少年文庫のおすすめをご紹介していきます。

まずはこちら!カレル・チャペック作『岩波少年文庫 長い長いお医者さんの話』

岩波少年文庫 長い長いお医者さんの話

チェコの文豪カレル・チャペックの楽しい童話集.しんせつな町のお医者さんたちや,はたらき者の郵便屋さんが活躍するしゃれたおとぎ話9編を,兄ヨセフのゆかいな挿し絵が飾ります.

『長い長いお医者さんの話』
「犬の妖精」

犬にも妖精がいて月夜の林で静かにおどるんだって。何かいい気分で心がしずまってくる。小4の時、この岩波少年文庫を読んだ時、何かのドアが開いた。そこから出て、今居るところに来た。

こちらはカレル・チャペックのお兄さんヨゼフ・チャペックの作品『岩波少年文庫 こいぬとこねこのおかしな話』

岩波少年文庫 こいぬとこねこのおかしな話

こいぬとこねこはふたりぐらし.人間のおとなの生活にあこがれて,床のそうじをしたり,手紙を書いたり,ケーキを焼いたりしますが…….しっかりもののこねこと,気のいいこいぬのおしゃべりが思わず笑いをさそう,10のゆかいなお話.チャペック自身によるさし絵もたっぷり.チェコ児童文学の古典を新訳で.

『こいぬとこねこのおかしな話』

ー 本と紅茶のテイスターです えへへー

カレルの兄さんのヨゼフチャペックは、ふざけてる、何だがやりすぎてる。シリアスな生涯だったけども、心の中でいつもふふふと自由にしている

『岩波少年文庫 ナルニア国ものがたり1 ライオンと魔女』ビーバーさんとタムナスさん、いい味出してます

岩波少年文庫 ナルニア国ものがたり 1 ライオンと魔女

4人のきょうだいが,ある日大きな衣装だんすに入ると,雪のふりつもる別世界へとつづいていました.このナルニア国で,子どもたちは正義のライオンとともに悪い魔女の軍と戦います.

『ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり』

「ビーバーさんのマーマレード菓子」

白い魔女がおそいに来たり、家を全壊させたりするけど、おなかはふつうにすくわけですよ。あっつあつの蒸し菓子を楽しんでも問題ないか?

『ライオンと魔女 ナルニア国ものがたり』

「タムナスさんとティータイム」

いわしのかんづめのせのトースト、はちみつバタートースト、半熟卵(ひとりひとつ!)、アイシングのかかったケーキ、たっぷりの紅茶。〝冬のつづく時代”〝白い魔女が支配する世界”はかなりツラいのかも知れないけれどタムナスさん!!案外楽しくティータイムしてるじゃないの。

『岩波少年文庫 ふたりのロッテ』面白い設定に何度読んでもワクワクさせられる

岩波少年文庫 ふたりのロッテ(改訳)

おたがいを知らずに別々の町で育ったふたごの姉妹ルイーゼとロッテ。ある夏、スイスの林間学校で偶然に出会ったふたりは、別れた両親を仲直りさせるために、大胆な計画をたてるのですが……。待望の新訳。

『ふたりのロッテ』

「私ってあなたなの?!」

・生き別れのふたごが夏のキャンプで会う。

・ふたごだけど正反対、外見は同じ。

→何がおこるかわかるでしょ?

『岩波少年文庫 ムギと王さま』美しいおとぎ話に空想がどんどん広がります

岩波少年文庫 ムギと王さま 本の小べや1

幼い日,本のぎっしりつまった古い小べやでひねもす読みふけった本の思い出―それはエリナー・ファージョンに幻想ゆたかな現代のおとぎ話を生みださせる母胎となりました.みずみずしい感性と空想力で紡ぎだされた,国際アンデルセン賞作家の美しい自選短篇集.

『ムギと王さま』

「七ばんめの王女」

王さまに愛されているジプシー出身の王女(女王か?)の悩みは外に行けないこと。

上は娘たちと塀の外の世界を眺める女王。下は〝世界の王子”が結婚相手を探すところ。

丸い額の中のニコニコ少女が今回タイトルにもなってる「七ばんめの王女」。

『岩波少年文庫 よりぬきマザーグース』おなじみの「きらきら星」の歌もこの中に。

岩波少年文庫 68 よりぬきマザーグース

英語圏では幼いときから親しむ童謡「マザーグース」。文学や映画、新聞雑誌などにしばしば引用されています。定評のある谷川俊太郎訳から有名な50編を選りすぐりました。原詩・解説付。

『よりぬきマザーグース』

「きらきら星」

おなじみ〝きらきら星”も実はマザーグース。
星たちはどうやって生まれて光りだすのか、ごく初期段階の光坊主みたいな星も右上の消えてしまってトホホな顔をして第2の人生にトライする星も。

おまけ

今回、岩波少年文庫の作品とは別に飾られていた作品で、ぐっときてしまったのがこちら。

「本のない部屋なんて魂のない身体みたい」

 

たくさんの本に囲まれた部屋で、ゆっくりと美味しい紅茶を飲みながら物語世界に浸る…。

私が一番過ごしたい時間と空間がここにある!と絵を見ただけで幸せな気持ちになってしまった1枚です。

展覧会概要

場所:カレルチャペック紅茶店 吉祥寺本店(東京都武蔵野市吉祥寺本町2-17-5)
 

期間:2017/10/26(木)~2018/1/16(火)

時間:11:00~20:00
 

<展覧会内容> 特別企画盛りだくさん!

a : 山田詩子、山田康平の愛読の岩波少年文庫が主題の、作品40点余りを展示
b : 展覧会オリジナルのブックカバー、ブックバッグ・クリアファイルなど販売予定
c : カレルチャペック紅茶店の由来となる山田詩子の蔵書も展示
 

山田詩子・山田康平展とは…カレルチャペック紅茶店オーナーで絵本作家の山田詩子と、長男山田康平が、親子で物語の世界を主題にした展覧会。5年前にはじまり今回2回目。

絵本ナビでは「2017 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」を開催中♪

http://www.ehonnavi.net/special.asp?n=608

岩波少年文庫の中から 5冊 以上をお買い上げいただくと、先着100名様に「特製マスキングテープ2個セット」をプレゼント!

※キャンペーン対象は、単品でのお買い上げに限ります。セット商品は今回対象にはなりませんので、購入の際ご注意ください。

いかがでしたか?
展覧会は来年の1月16日まで。こちらで紹介した作品以外にも、見応えのある作品の原画がたくさん展示されていますので、岩波少年文庫との新たな出会いに、ぜひ足を運んでみて下さいね。

 

絵本ナビ 児童書担当 秋山朋恵

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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