おまけつきフェア3/31まで!小学生に手渡したい岩波少年文庫の名作10選!
おまけつきフェア、たくさんのお買い上げありがとうございました!
昨年12月より開催中の「2017 絵本ナビ×岩波少年文庫 名作フェア」。
岩波少年文庫どれでも5冊以上お買い上げの方に、「ドリトル先生」柄のマスキングテープと、「こいぬとこねこのおかしな話」柄のマスキングテープ2個セットをもれなくプレゼント!という企画で行っておりましたが、3/31がフェア最終日となります(※3/31 23:59までに確定したご注文が特典の対象となります。)
買おうかな~と思いつつ迷われていた方、またおまけつき企画を今知った!という方も、この機会にいつか読みたいと思っていた名作を手に取ってみませんか。
※キャンペーン対象は、単品でのお買い上げに限ります。セット商品は今回対象にはなりませんので、購入の際ご注意ください。
卒業・入学・進級のお祝いや記念に、岩波少年文庫の名作を贈ろう!
岩波少年文庫から5冊何を買おうか迷ってしまう…という方に、今回、卒業・入学・進級シーズンに合わせて、小学生(この春中学校に入学する子も含め)に手渡したいおすすめの名作を10作品選んでみました。本を選ぶにあたっては、子どもたちに伝えたいテーマ「友情」、「冒険」、「強い気持ち」、「勇気をもらう」、「想像する楽しさ」、「自分の頭で考える」、「ものの見方を養う」をキーワードに選んでみました。岩波少年文庫は低学年の子がひとりで読むにはまだ難しいので、贈る場合の対象学年は小学4年生ぐらいからが良いかと思います。
小学4、5、6年生の進級や、中学入学のお祝いの贈り物のご参考にぜひご活用下さい。
小学4年生ぐらいから読めるおすすめの名作
『長くつ下のピッピ』(キーワードは「強い気持ち」「勇気をもらう」)
「あしながおじさん」にヒントを得て,作者リンドグレーンの小さい娘が,「ねえ,長くつ下のピッピって女の子のお話を作って」と母に頼んだ.そこで生れたのがこの世界一つよい少女の物語だった.自由ほんぽうに生きるピッピに,子どもは自分の夢の理想像を発見し,大人は愛さずにはいられない野育ちの永遠な少女を見出す.
つづきも合わせてどうぞ!
『ナルニア国ものがたり1 ライオンと魔女』(「冒険」「想像する楽しさ」)
4人のきょうだいが,ある日大きな衣装だんすに入ると,雪のふりつもる別世界へとつづいていました.このナルニア国で,子どもたちは正義のライオンとともに悪い魔女の軍と戦います.
「ナルニア国ものがたり」シリーズは全部で7巻!
『ドリトル先生物語1 ドリトル先生アフリカゆき』(「友情」「冒険」「想像する楽しさ」)
「沼のほとりのパドルビー」に住む名医ドリトル先生は,オウムのポリネシアから動物語を習い,世界中の動物たちから敬愛されています.ある日アフリカのサルの国から,ひどい疫病が流行しているから救ってほしいという訴えを受けた先生は,犬のジップたちをひきつれて冒険の航海に出発します.ドリトル先生物語の第1作目.
「ドリトル先生」シリーズ、つづきも合わせてどうぞ!
『みどりのゆび』(「自分の頭で考える」「ものの見方を養う」)
やさしい両親に愛され、何不自由なく育ったチト少年の指には、不思議な力がありました。彼は、どこかに触れるたび、そこに落ちていた種を芽吹かせ、花を咲かせることができる「みどりのゆび」を持っていたのです。それだけではなく、とてもかしこく、物事の本質を見抜いてしまう子どもです。しかし、決まりきった考えや古い考え方にとらわれた大人たちは、「ほかの子どもと同じじゃない」と心配するのです。
悲しみや貧しさ、苦しさを見るたびに、チト少年はなにかをせずにはいられません。気がめいるような刑務所に花を咲かせ、囚人たちに感動する心と、草木を育てる楽しさを呼び覚まします。病院で出会った病気の少女を花で包み、笑顔と生きる喜びをもたらします。動物園では動物たちのふるさとの植物で檻をいっぱいにします。やがて、自分の愛するお父さんが武器をつくっている商人だと知ったチト少年は……。
本書のタイトルになっている「みどりのゆび(Green fingers)」という言葉は、草木を上手に育てる人のことを言う時に使います。枯れかけた植物をよみがえらせたり、見事なお花を咲かせたり。みなさんの身近にも、みどりのゆびを持つ人がいるのではないでしょうか。花や緑は、人を幸せな気持ちにしますよね。だから、チト少年は、世の中をもっとよくするには、花を咲かせればいいと考えます。えっ、それだけ!? と思われるかもしれませんが、意外なところに花が咲くことによって、町の外観や制度、そして人の気持ちまでもが、いい方向に変わっていくのです。
チト少年が何かを知るたびに抱く疑問は、シンプルで根本的で、心を深く揺さぶります。自分の頭で考えること、行動すること、自分にできる方法で周囲に希望を与えつづけること……。チト少年の姿を通して、人間が生きていく上で、忘れがちだけれど、忘れてはならない大切なものがたくさんつまった物語です。
「どうしてこの規則があるの?」「どうしてみんな同じじゃないといけないの?」こんな疑問を抱いた子どもたちに、ぜひこの本を手にとってもらいたいです。そして、自分にとっての「みどりのゆび」ってなんだろう? と、ゆっくり考えてみるのも素敵なことではないでしょうか。
(光森優子 編集者・ライター)
小学5年生ぐらいから挑戦したいおすすめの名作
『モモ』(「自分の頭で考える」「ものの見方を養う」「冒険」)
赤ちゃんからお年寄りまで、すべての人間が平等に持っている24時間。自分の時間を自由に使えるのは当たり前? でも、もし、あなたの時間が、知らないあいだに盗まれていたとしたら……?
どこからともなくやって来て、町の円形劇場の廃墟に住みついたモモ。みすぼらしい服装に、ぼさぼさの巻き毛をした小さな女の子モモは、豊かな想像力と、特別な力を持っていました。モモに話を聞いてもらうと、ふしぎなことに悩みがたちどころに解決してしまうのです。
ある日、町に灰色の男たちが現われてから、すべてが変わりはじめます。「時間貯蓄銀行」からやって来た彼らの目的は、人間の時間を盗むこと。人々は時間を節約するため、せかせかと生活をするようになり、人生を楽しむことを忘れてしまいます。節約した時間は盗まれているとも知らず……。異変に気づいたモモは、みんなに注意をしようとしますが、灰色の男たちに狙われるはめになります。
不気味で恐ろしい灰色の男たちに、たったひとりで立ち向かうモモ。彼女をひとりぼっちにしようとする時間泥棒たちのずるがしこい作戦の数々! いったいどうなっちゃうの? と、予想できない展開にハラハラドキドキ、目が離せません。そんなモモに手を差しのべるのは、時間をつかさどる不思議な老人マイスター・ホラと、ちょっと先の未来を見通せるカメのカシオペイア。彼らとモモとの哲学的なやりとりは、私たちに対する問いかけであり、「時間とは日々の生活であり、その人自身である」という真理を教えてもくれます。そして疲れてしまったモモの心を、温かいもので満たしてくれるのが、黄金色のクロワッサンとホットチョコレート! この最高の組み合わせは絶対に忘れられません。
「モモのところに行ってごらん!」困ったことがあるとき、人々はこう言います。モモは、生きていく上で何が一番大切か、何を守るべきかを知っているのです――友だち、想像力、自由。遊ぶ時、モモと子どもたちは想像力を全開にして驚異の大冒険に乗り出します。その興奮を、みなさんもぜひ一緒に体感してください。「時間がない」「そんなの役にたたない」なんて口にしがちな、忙しがっているすべての子どもと大人に読んでもらいたい一冊です。この物語を読めば、時間に対する考え方が変わってしまうかもしれません。
(光森優子 編集者・ライター)
『冒険者たち』(「友情」「冒険」「強い気持ち」「勇気をもらう」)
イタチと戦う島ネズミを助けに,ガンバと15ひきの仲間は,船で夢見が島に向いました.しかし,白毛のノロイがひきいる,どうもうなイタチの群れに追いつめられ,海岸の岩山で最後の決戦の時をむかえます.
「ガンバの冒険」シリーズ、他の2作も合わせてどうぞ
『クローディアの秘密』(「冒険」「自分の頭で考える」「ものの見方を養う」)
世の中があっと驚くような秘密を、あなただけが知っていたとしたら、どうしますか? それは、どんなにワクワクすることでしょう。
優等生でいることにも、家の中でがまんしてばかりなのも、うんざり! もうすぐ12歳になるクローディアは家出をすることにしました。相棒は弟のジェイミー。彼はお金をためる驚くべき才能があるのです。
家出したあとの隠れ場所にクローディアが選んだのは、なんと、ニューヨークにあるメトロポリタン美術館です! ふたりは守衛の目をごまかしながら、スリルに満ちた生活を始めます――。
想像してみてください。大きな美術館が自分の部屋になるなんて、まるで夢のよう。本の巻頭についているメトロポリタン美術館の見取り図を見ると、ワクワクします。国宝級の絵や展示品も見放題です。とは言っても、隠れ住んでいるふたりには、苦労がたくさんあります。常に守衛さんに見つからないように気をつけなくてはなりませんし、食べ物を手に入れるのも一苦労。おふろや洗濯も難題です。次々と降りかかってくる予想外のできごとを、ふたりはどうやって切り抜けていくのでしょうか?
そして、物語の最大の謎、美術館に展示された美しい天使の彫像は、ミケランジェロ作かそうでないか――大人の専門家がよってたかって調べてわからないことが、はたして子どもにわかるのでしょうか? 彫像に魅了されたクローディアは、真正面から謎に取り組み、調べはじめます。知らないことを学ぶって、すごく楽しくて、しんどいことなんですよね。この過程は、まるでミステリーを読んでいるみたいにスリリング。そして、彼女の行動力と努力に、大きな拍手をおくりたくなります。情熱と創造への心からの敬意は、時や年齢を超えて人の気持ちをつなげるのだなと思いました。
この本を読んだら、「クローディアみたいに夢中になって調べたい!」と心から思える謎を、探したくなるにちがいありません。とびっきりの謎と冒険が大好きなすべての少年少女たちに、ぜひ読んでもらいたい1冊です。
(光森優子 編集者・ライター)
『ホビットの冒険上・下』(「冒険」「想像する楽しさ」「勇気をもらう」)
ひっこみ思案で気のいいホビット小人が,思いがけない旅に出る雄大な冒険物語.魔法使いガンダルフのたくみな誘いにのせられ,13人のドワーフとともに旅立ったビルボは,けわしい山々や闇の森を越え,竜に奪われた宝を取り返しにゆく.古代北欧の伝承の影響を色濃く残すファンタジー.〔解説・斎藤惇夫〕
上巻
『とぶ船 上・下』(「冒険」「想像する楽しさ」)
ピーターがある日,うす暗い小さな店で手に入れた古い小船は,なんと魔法の「とぶ船」でした.この船に乗ったピーターたち4人きょうだいは,古代のエジプトやウィリアム征服王時代のイギリス,さらには北欧神話の世界アースガルドにまで冒険旅行をします.作者が幼い息子のために書いた空想物語の傑作.
4人きょうだいは、とぶ船で時間旅行を続ける。ウィリアム征服王時代のマチルダを現代に連れてきたり、古代エジプトやロビン・フッドの時代ではどきどきの大冒険。歴史の舞台を駆け回るタイム・ファンタジーの傑作。
小学6年生から中学生で挑戦したいおすすめの名作
『王への手紙上・下』(「友情」「冒険」「強い気持ち」「自分の頭で考える」)
新米騎士に叙任されることがほぼ決まっていた、16歳の見習い騎士ティウリ。
しかし最後の条件となる、礼拝堂で一夜をすごす義務の途中で、年老いた男に助けを求められる。切羽詰まったその声にこたえて礼拝堂を抜け出したティウリは、森で謎の騎士が殺され死にかけているところに出くわす。騎士に託された「王への手紙」を携え、たった一人、行ったこともない遠い隣国の王のもとへの旅がはじまった…。
オランダの作家トンケ・ドラフトによる、手に汗握る冒険小説。少年ティウリが、そのときどきで迷いながらも、自ら信じたことをやりとげようと困難に立ち向かう姿に、何とも言えない緊張感とドキドキする面白さが伝わってきます。
前半、ティウリが敵の赤い騎士だけではなく、謎の灰色の騎士の一団にも追いかけられ、追いつめられる場面は、緊張の最高潮です。塔に閉じ込められた絶望的な一夜、自分の身に何が起こっているのかわからない不安のなかで、ティウリが為した精一杯の抵抗。そこに手をさしのべるひとの存在があり、少年は一夜を乗り越え、新たな道を切り開きます。だんだん謎の騎士の正体がわかり、下巻へと物語はつながっていきます。
『王への手紙』初版が出版されたのは1962年。翌年にオランダで子どもの本の賞(「金の石筆賞」の前身)を受賞。それ以来この本がオランダの書店の児童書コーナーに見られなかったことはないそうです。
1930年、当時オランダの植民地だったインドネシアのジャカルタで生まれたトンケ・ドラフトは、第二次世界大戦最中の1942年に占領した日本軍によって、母親と妹たちとともに日本軍収容所で過ごすことになります。苦しい日々の中で、作者は想像のお話を作ることの楽しみを知り、その才能の喜びを知ったのだそうです。
トンケ・ドラフトは『王への手紙』の挿絵も自ら描きました。その絵は岩波少年文庫版でも見ることができます。お話を作り、語り、挿絵を描く。トンケ・ドラフトが生み出した物語の一体感が、生き生きした会話やさりげない挿絵からそのまま伝わってきます。
隣国の実情をくわしく知らないままに、旅への一歩を踏み出し、次第に身をもって世界を知っていく、16歳のティウリの姿に勇気づけられる作品です。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
『王への手紙』上巻で、瀕死の騎士に手紙を託され、隣国の王へそれを密かに届けるため、たった1人で隣国をめざす16歳の見習い騎士、ティウリ。敵に追われながら何とかたどりついた隠者の住まいで、山の少年ピアックに出会います。
山をよく知るピアックのおかげでティウリは国境を越えますが、下巻では、山を下りてすぐの都市で市長に捕まりそうになります。山越えの間にティウリの心からの友人となったピアックは、手紙とティウリを守るため、一計を案じて代わりに捕まります。ティウリは都市の人たちに助けを求めますが……?
オランダの作家トンケ・ドラフトによる、手に汗握る冒険小説。ティウリが負った任務は、二つの国の未来を左右する重大なものであり、それを知る執念深いスパイに命を狙われつづけます。王の元へたどり着くまで、分厚い壁に囲まれた都市や、大きな川にかかる橋の関所があります。ぞっとするような出来事が起こり、ついにはスパイと対決する場面がやってきます。
しかし本書の本当のみどころは、剣の闘い以外のところにあります。それは、敵に追われるティウリの旅が、世界を知り友人を得る旅となっていることです。
『王への手紙』初版が出版されたのは1962年。翌年にオランダで子どもの本の賞(「金の石筆賞」の前身)を受賞。それ以来、この物語がオランダの書店の児童書コーナーに見られなかったことはなく、愛され続けています。
手紙を託された旅をとおしてティウリが得たものは、何だったのでしょうか。任務が終わろうとするとき、何を思うのでしょうか。読者は「きみだったらどうしただろう?」といつも心で問いかけられているように思います。終盤で描かれるティウリの思慮と決意はすがすがしく、“児童文学の名作”と呼ばれるにふさわしいものです。
『王への手紙』は、『白い盾の少年騎士』上下巻へ続いていきます。物語を読み終え、ティウリと一緒にもっと旅を続けたくなったら、続編にも手をのばしてみてください。新しい物語にまた出会えるはずです。
(大和田佳世 絵本ナビライター)
発売になったばかりの、トンケ・ドラフトの新刊も合わせてどうぞ!
いかがでしたか? 他にもたくさんの名作が揃っていますので、ぜひ「岩波少年文庫」シリーズページからも、いろいろ選んでみて下さいね。
また、今回のおまけのマスキングテープ2個セットは、こちらになります。
フェアは3/31までとなりますので、この機会をどうぞご利用下さい!
絵本ナビ児童書担当 秋山朋恵
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