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小学生におすすめの新刊

【小学生におすすめの新刊】『学校へ行こう ちゃんとりん』

どうして毎日学校へ行くのだろう?

毎日毎日、あたりまえのように学校へ行くことに疑問を持ったことはありますか?
大人がなんだか会社に行きたくないなあ、なんて思うのと同じで、子どもだって、今日は学校に行きたくないなって思うこともきっとありますよね。もし1度も思ったことがないぐらい学校が大好きという子がいたら、それはそれで素晴らしいこと。
でも、どうして毎日学校へ行くんだろうとふと疑問に感じたら、この本の女の子たちのように考えてみては?

きっと、いつもと同じ日がわくわくしてくるはず!

あたりまえの日常を、わくわくする日にする方法とは?

学校へ行こう ちゃんとりん

いつも一緒に学校へ行くちゃんとりん。今日も明日も一週間後も一年後も、ずっと同じように毎日学校に行くのかしら? 学校はきらいってわけじゃないけれど、このまま毎日毎日おなじように通うのもちょっとなあ......。そんな風に思った女の子ふたりが、朝、学校へ向かう道々考えた方法とは?

おすすめポイント!

この本のすごいところは、まず開いてびっくり。なんと、女の子がしゃべっている会話の「吹き出し」で始まるんです。出だしで本を読むのにつまづいてしまうことが多い子にはお話に入りやすくて良いかもと思いながら読み進めていくと、ずっと「吹き出し」が続いていき、まさか? と思って最後までペラペラめくってみると、なんと1冊まるごと「吹き出し」のページという大胆さ。そう、この本は、会話と絵だけで進行する絵童話作品! こんなタイプの本に出会うのははじめて、という子も多いかもしれません。「本って苦手」「文字の多い本はあまり読みたくない」と思っている子がいたら、この本は絶対におすすめですよ。最後まで読み通せる達成感も味わえるので、ぜひ手にとってみて下さいね。

こんなタイプの子に特におすすめ

この本をおすすめしたい対象年齢は、ずばり、小学生ならみんな! です。
絵童話なので、一見小学1、2年生向けなのかな? と思いがちですが、内容は、むしろ5、6年生ぐらいの方が共感できて面白く読めそうです。もちろん3、4年生も楽しく読めますよ。
 

どんなお話?

いつも一緒に学校へ行く「ちゃん」と「りん」という名前の二人の女の子。
でも、今日は学校へ行く途中でなんだか疑問が湧いてしまいます。
「どうして毎日、学校へ行くの。一週間に一度とか十日に一度でいいと思わない?」
「あたしもさっきかんがえてたの。明日もあさっても、一週間さきも、ひと月さきも
毎日学校にかよってるのかなあって。」
そこで二人は思いきるのです。今日は学校へは行かないと。
けれど、さぼるというのは違うし、うーん、すっごく大変な事件に巻き込まれて行けなくなっちゃうのはどうだろう?二人は想像を膨らませます。迷子になる? 宇宙人にさらわれる? それならまずUFOを呼ばなくっちゃ!
けれども話しているうちに学校に着いてしまい、学校には誰もいなくて……。もしかしてみんなUFOにさらわれた?
どこまでもどこまでも、果てしなく広がっていく「ちゃん」と「りん」の空想。そんな二人の会話を聞いているだけでとっても楽しくなってしまうお話です。

ここが面白い!

このお話を書いたのは、作家のいとうひろしさん。絵本「ルラルさん」シリーズや『だいじょうぶだいじょうぶ』で知られるれっきとした大人の作家さんですが、もしかしてこれって子どもが書いてるのでは? と思ってしまうほど、子どもの気持ちに寄り添って描かれているところに驚いてしまいます。
学校って、行くことに疑問を持たないほど好きな子もいれば、学校が嫌いな子もいる。けれども一番多いのは、学校が嫌いなわけじゃないけど、なんだか行く気がしないなあ、とか、何か特別なことが起こって行かなくて良くなればいいのに、なんてつい思ってしまう子たちではないでしょうか。そんな子どもたちのうまく言葉にできないもやもやに答えてくれるこの作品は、たちまち子どもたちの味方となっていくことでしょう。

「ちゃん」と「りん」の子どもらしい会話のやりとりは、まるで友達とおしゃべりしているかのよう。どんどん読めてしまいますよ。ときどき話が脱線するのも、分かる、分かると共感したり。大人は、子どもの頃の登下校のことを思い出したりして、なんだか懐かしくなってしまいそうです。


今日も明日も一週間後も一年後も、ずっと同じように学校に通って、同じような毎日が続くのかしら?って思ったとしても、「ちゃん」と「りん」のように、素晴らしい想像力と果てしない空想力があれば毎日はきっと楽しい。そして二人の関係のように何でも言い合える友達の存在も毎日を楽しくしてくれるのに大切ですよね。大人もちょっと「ちゃん」と「りん」の想像力のたくましさを見習わなきゃ、なんて思わせてくれる楽しい作品です。
 

合わせて読んでみよう!

いとうひろしさんが描くお話は、横書きだったり、吹き出しで進むなど、本自体が読みやすく工夫されている作品が多くあり、本が苦手と思っている子どもたちの本に対するイメージを変えてくれるのではないかと思います。お話の内容もどこかほっとしたり、あっという間に摩訶不思議な世界へ連れて行ってくれたりと、肩ひじはらずに楽しく読める作品がいっぱいです。ぜひいろいろ読んでみて下さいね。

いとうひろしさんの本(中学年から高学年向け)

秋山朋恵(絵本ナビ 児童書担当)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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