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2019年8月選定 絵本ナビNEXTプラチナブック 書店員の“署名運動”から生まれた絵本『あまがえるのかくれんぼ』

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絵本ナビが自信を持ってお薦めするNEXTプラチナブック(2019年8月選定)から、ご紹介する一冊はこちら!

繊細でリアルに描かれたカエルたちの、なんといきいきと表情豊かなことでしょう。『あまがえるのかくれんぼ』は、子どもたちが夢中になる姿がはっきり浮かぶ! そんなところから、絵本ナビのNEXTプラチナブックに選定された作品です。さらに、作品が発売されるまでの、ある特別な経緯も、この絵本の引力を表しているように感じます。

2019年8月選定、絵本ナビNEXTプラチナブック『あまがえるのかくれんぼ』の魅力を、じっくりご紹介します。

NEXTプラチナブックとは…?

絵本ナビのレビュー評価・レビュー数・販売実績などから算出された、とびきりの人気作品の証、絵本ナビ「プラチナブック」。ロングセラー作品や話題作など、1000万人の絵本ナビユーザーに選ばれた作品たちが揃います。
そして「NEXTプラチナブック」とは、新しく出版された作品の中から、絵本ナビが次のプラチナブックとして推薦する作品です。
絵本ナビの選書会議を通過し、編集長の磯崎が選定した絵本だけがNEXTプラチナブックに認定されます。いわば、絵本ナビ大推薦の作品です!

小学館児童出版文化賞受賞作家 舘野鴻と生物画家かわしまはるこが初めて描く “会話するカエル”

あまがえるのかくれんぼ

池のそばの草むらで仲良く遊んでいるのは、ラッタ、チモ、アルノー。小さなアマガエルです。今日も大好きなかくれんぼをしているようですよ。

「もう いいかい?」
「まあだだよー」

ぴょんぴょん飛んでいきながら、ラッタが見つけた場所は木のくぼみ。あまりにも上手に隠れて見つからないので、アルノーもチモも心配になって声をかけると、アルノーはふたりの前にぴょんと現れた。ところが……なんだかへん! 体の色が変な色になっていたのです。一体どうしてしまったのでしょう。

「もし、わたしが陸に上がったばかりのアマガエルだったら…」と想定して書かれたというこのお話。確かに、突然自分の体の色が変わったとしたら。そんな変化を知らない「子ども」だったとしたら。驚くに違いありません。不安で怖くなるでしょうね。

だけど、作者の舘野鴻さんは教えてくれます。アマガエルというのは、実は大きくなるにつれ、周りの色に合わせて体の色を変えられるようになるんですって! つまり、自分の身を守るために体が「成長」するのです。この絵本に登場するラッタ、チモ、アルノー。彼らも、共に不安になりながら、鳥に食べられそうになる危機を乗り越えたことで、自らの「成長」に気づき、喜びを3匹で共有します。

だからでしょうか、このリアルに描かれた「アマガエル」の生態の物語が、なぜか自分のことのように、あるいは我が子の身に起きた事のように共感してしまうのです。その不安や驚き、そして喜びを一緒に味わってしまうのです。

こうして入り込める理由は、お話だけではありません。生物画家かわしまはるこさんが描くカエルです。擬人化しているわけでも、キャラクター化しているわけでもないのに、表情から感情が伝わってきますし、なにより愛らしい! これは不思議です。よく観察され瑞々しく描かれた背景に溶け込みながら、強烈な個性を放ち、アマガエルを好きにさせてしまう。子どもたちがこの絵本に夢中になってしまうのは、きっと自然なことなのでしょうね。(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

磯崎編集長 選定コメント

アマガエルって、こんなに愛らしいの!? 子どもたちがこの絵本に夢中になってしまうのは自然なことですね。

このリアルに描かれた「アマガエル」の生態の物語が、なぜか自分のことのように、あるいは我が子の身に起きた事のように共感してしまう、これは不思議です。擬人化しているわけでもないのに、表情から感情が伝わってきますし、なにより愛らしい!よく観察され瑞々しく描かれた背景に溶け込みながら、強烈な個性を放ち、アマガエルを好きにさせてしまう。子どもたちがこの絵本に夢中になってしまうのは、きっと自然なことなのでしょうね。

8歳の少年が手から離さなかった本

『あまがえるのかくれんぼ』は当初、 幼稚園・保育園向けのソフトカバーの絵本で、一般の書店で流通している絵本ではありませんでした。 しかし、 非売品として置いていた丸善飯能店でのあまりの人気ぶりから書店員さんの署名運動がはじまり、 ハードカバー版として出版することになったのだそうです。 

そこには、書店員さんを動かしたこんなエピソードがありました。

る日、 一人の少年(8)が「あまがえるのかくれんぼ」をレジに持ってきて、 「この本が欲しい!」と離しません。 お母さんが非売品だからほかの本をと言ってもダメです。 
ふと見ると、 その子のTシャツにも靴にもかえるの絵が…… うちの本屋には約21万冊の本があるのに、 少年にはその1冊しか目に入らない様子です。 私は、 かわしまさんから自分用にと頂いた1冊を、 かえる好きの少年にあげることにしました。 
その後、 何人ものお客さまが手にされ、 少年と同じことを言いました。 そんなに心惹かれる魅力的な本ならば、 是非、 ハードカバーにして皆さまの手にという気持ちが、 署名運動に繋がり、 形となることになったのです。

  (丸善 丸広百貨店飯能店 福島亮子さんの談話より)

この、子どもたちの願いから生まれた特別な絵本は、新聞書評・ラジオ・テレビなど各メディアでも話題となりました。これからもたくさんの子どもの心をとらえ続けるだろう、愛しき小さな者たちの物語。ぜひ、手に取って楽しんでみてください。

NEXTプラチナブック8月選定作品

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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