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世代交代の親子の愛情を描く絵本『あおいアヒル』~介護や認知症、後悔するその前に~

韓国の翻訳絵本『あおいアヒル』(リリア・作/前田まゆみ・訳)が、2019 年9月26日に株式会社主婦の友社から発売されました。

 

成長したワニがアヒルを抱えて回想する場面ではじまるこの絵本は、認知症の祖母と過ごす家族との時間の中で感じた、著者の体験をもとに描かれています。この絵本には、親から子、子から孫へ、世代を繋いでいく私たちの姿が描かれています。世代交代の親子の愛情を描く絵本、是非手に取ってみてください。

あおいアヒル

あおいアヒル

子が成長すると、いつの間にか親子の役割が変わる瞬間が訪れます。親がしてくれた多くのことをわが子にしている自分を発見したり、成長していくわが子を楽しみに生きていく両親の姿を介して、自分を発見する時などです。すべての瞬間の記憶の向こう側には、お互いが抱いてきた大切時間が重ねられています。この絵本は、そんな親から子へ子から孫へ、世代を越えていく私たちの姿を描いた絵本です。

『あおいアヒル』ストーリー

ある日、アヒルは青い池で赤ちゃんワニと出会い、ママになります。

やがてワニが大きく頼もしく成長したある日、アヒルの記憶が少しずつ消えはじめました…。

親の老い、介護に認知症…3世代で心の準備ができる絵本

子どもが成長すると、いつの間にか親子の役割が変わる瞬間が訪れます。

この絵本には、親から子、子から孫へ、世代を繋いでいく私たちの姿が描かれています。

やさしくなれない自分に腹を立てる前に…読者の声より

■最近、 親の老いに戸惑うことが多く、 やさしくなれない自分がいましたが、 世代交代。 受け入れていこうと思いました。 (50代女性)

■祖母の認知症がひどかったころに出会っていたら、 少しは接し方が変わっていたかもです。 (20代女性)

■介護する側、 される側…事件があると他人事とは思えずドキッとすることも。 根底には親子愛がなくてはと、 改めて伝えてくれた絵本。 (50代男性)

■あんまりイメージできてなかったけど…母さんも年をとるんだね。 (小学生男子)

■してあげることは全部、 お母さんが私に教えてくれてきたことでした!(30代女性)

■長い年月介護しましたが、 今は母に日々感謝しています。 この絵本から、 私は深い愛を感じました。 (女性)

■今の自分は、 親に支えられ、 子に支えられて生きていると実感!(女性)

■頭ではわかっていても、 心が置いてきぼりになることも。 この絵本が深い思いを抱えた多くの人の心の支えになることを願っています。 (50代女性)

 

著者プロフィール

リリア

ブエノスアイレスで生まれ育ったのち、韓国に渡り子どもの絵本にイラストを描く。本だけでなく、多方面で活躍している。絵本の中の世界を想像して描くのが幸せ。自分自身がウサギ、鳥、クマ、オオカミ、ワニ、ヘビ、リスだけでなく、時には山や川、木、春夏秋冬に変身できる絵本の世界が、いちばん楽しい。本作は、認知症の祖母を見守る家庭で育つ中で、将来の両親を想い、ワニのように強く優しく見守りたいと描いた。

前田 まゆみ

絵本作家。神戸市生まれ。神戸女学院大学英文科卒。 著書に「野の花えほん」「いきもの図鑑えほん」(あすなろ書房)「野の花ごはん」(白泉社)など、翻訳絵本に「ポーリーおはなのたねをまく」(PHP研究所)がある。京都市 在住。
掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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