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プラチナブック選定作品

【プラチナブック選定作品】スプーンだって、ひなぎくだって、雨だって、『たいせつなこと』はただひとつ。

プラチナブックメダルとは…?

絵本ナビに登録されている「絵本」ジャンルの作品(約2万4,000作品)のうち、
レビュー評価・レビュー数・販売実績などから算出された、TOP3%のとびきりの人気作品が「プラチナブック」です。
全国の書店店頭には、プラチナブックメダルの目印をつけて、並んでいます。

絵本ナビ1000万人ユーザーが選んだ”とびっきり”の人気作からご紹介するのはコチラ!

たいせつなこと

1949年にアメリカで出版されて以来、読みつがれてきた絵本です。「たいせつなこと」とはなにかを、やさしく詩的な文章で語りかけます。

70年以上に渡り愛される『たいせつなこと』の魅力をご紹介します。

ゆるぎない真実がただひとつあれば良いと気づかせてくれるストーリー

「りんご」と聞いたら、どんなことを思い浮かべますか?
「赤い」「美味しい」「秋の果物」などなど。
答える人によって、その回答はいろいろだと思います。
しかし、それは全て第三者から見た、りんごに対するイメージにすぎません。
この本は教えてくれます。

「りんごに とって たいせつなのは たっぷり まるい と いうこと」ということなのだそうです。

日常生活を過ごしていると、どうしても外からの声、第三者の視線を気にしがちになってしまう現代社会。
時には周りを遮断して、自分の心の声を聞き、主観に目を向けること、自分だけの「たいせつなこと」を見失わないことを、この絵本は気づかせてくれます。

稀代のストーリーテラー、マーガレット・ワイズ・ブラウンとコルデコット賞受賞画家レナード・ワイズガードの共著!

マーガレット・ワイズ・ブラウンという名前だけではピンとこない方も多いかもしれません。
しかし、おやすみ絵本の定番『おやすみなさい おつきさま GoodNight Moon』(絵:クレメント・ハード 訳:せた ていじ 出版社:評論社)や、小さなもみの木と男の子の交流を描いたクリスマス絵本『ちいさなもみのき』(絵:バーバラ・クーニー 訳:上條 由美子 出版社:福音館書店)を読んだことのある人は多いと思います。

マーガレット・ワイズ・ブラウンは、本名の「マーガレット・ワイズ・ブラウン」前以外にも、「ゴールデン・マクドナルド」など4つのペンネームを使い、100冊以上の作品を生み出してきました。
『たいせつなこと』の絵を担当したレナード・ワイズガードとコンビを組むことも多く、ふたりは1947年に出版した『ちいさな島』(童話館出版)で、その年に出版された最も優れた子ども向け絵本に授与されるコルデコット賞を受賞しました。

訳者は内田也哉子さん! あとがきのメッセージにも注目。

文筆家として数々のエッセイを発表している内田也哉子さん。
『たいせつなこと』は内田さんの初翻訳作品です。
飾らない、シンプルな言葉でありながら、それぞれのページに出てくる物たちの「たいせつなこと」をしっかりと印象付ける言葉たち。
最後の「あとがき」には、内田也哉子さんとこの作品の出会いが紹介されています。
心地良い読後感と共に、自分にとっての「たいせつなこと」に思いを馳せたくなる文章です。

あとがき
 この本に出会ったのは、絵本ばかりがぎっしり詰まった、外国の小さな本屋さんだった。
「さあ、どの星が好きですか?」
 なぜだか、澄みきった夜空に所せましと輝く星をひとつだけ選べ、と難題を出されたかのように、わたしは無数に並ぶ絵本たちを、身動きもできずただ茫然と眺めていた。どの本もそれぞれのひかりを煌々と放つなか、まるで本棚の隅でじっと時の経つ音に耳を傾けてきたような存在に、やがてわたしの視線はくぎづけになる。つつましやかに輝くその本は、すこしだけココロが疲れていたわたしに、ありのままのたいせつさをすんなりと流し込んでくれたのだ。
ー中略ー
 それからまた幾度も季節はめぐり、あのしずかなよろこびを、こんどは、わたしがことばをかえて運ぶ番になってしまった。うれしいような、ちょっと逃げだしたいような、とても微妙にゆらぐ想いがしてならない。
 さまざまなきもちを心の虫めがねでじっくりのぞきこむようにして、はじめての翻訳にたずさわった。
―後略―

絵本ナビユーザーの声をご紹介します。

本木雅弘さんの字にまた感動

スプーンにとってたいせつなのは、
ひなぎくにとってたいせつなのは、
 あめにとってたいせつなのは、

優しく美しい絵と、丁寧できれいな言葉が心地よく、読むほうもじっくり味わいながら読みたい絵本です。

でも、ここまでのモノは、最後のページの大切なことを促すためだったのですね。

あなたにとって
たいせつなのは

あなたがあなたであること
この最後の一文が手書きで、丁寧に丁寧に書かれています。
これに感動して、訳者の内田也哉子さんが書かれたのかなぁと思って調べてみると、旦那様の本木雅弘さんの御自筆だということ。

ご夫婦で、THE IMPORTANT BOOKを大切にされてきた想いが伝わってきました。
この絵本、思春期を迎えたとき、子どもの手元にあってほしい。
うちの子はまだ2歳ですが、これはそばに置いておきたい絵本ですね。
(nikoniko**さん)

巣立つあなたに贈りたい

一番始めはこおろぎです。小さい小さいこおろぎからはじまります。
こおろぎの大切なことってなんでしょうね??

きれいな声でなくこと?
はねること?

大切なことって本当にシンプルなんです。
こおろぎのたいせつなことは『くろい』ということ!!

いろいろ子どもたちに夢を持ってしまう私。
産まれた時は産まれてくれただけで嬉しかったのに・・・
『おかあさん』と呼ばれただけで幸せだったのに・・・
漢字を読む。計算をする・・できたら次は・・次は・・って
子どもに要求ばかりしました。

こおろぎは『くろい』ことが大切。
スプーンは『ものを口に運ぶこと』持ちやすいとか綺麗とかじゃないんです。

最後に『あなた』の一番大切なことは・・と出てきます。
今回6年生の読みました。
「卒業前にいい本を・・」と、担任の先生がおっしゃってくださいました。

これからどんどんおおきくなるあなた。この本を思い出して大切なこと・・忘れないでいてほしいです。
(とむままさん)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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