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絵本ナビ編集長イソザキ登壇、小平市立図書館講演会「赤ちゃん絵本のパワー」レポート

2019年10月5日、小平市中央図書館にて、絵本ナビ編集長・磯崎園子による講演「赤ちゃん絵本のパワー」が開催されました。

この日、会場にお集まりいただいた80名の方のうち、半数の40名がブックスタート事業でボランティアとして赤ちゃんとママに読み聞かせをされている方々。小さいお子さんの子育て中のママもいらっしゃり、普段から赤ちゃん絵本と向き合われている方が多く、メモを取りながら熱心に耳を傾けてくださいました。

赤ちゃん絵本は難しい? 面白い?

「赤ちゃん絵本は難しい」。これは、読者の方だけでなく、作り手の方(絵本の作家さんや編集者さん)も思っていることのようです。その理由は、赤ちゃんから感想を聞くことはできないし、成長しても赤ちゃん時代の記憶は残らないから。

研究者の方、作家さん、編集者さん、パパママや読み聞かせをされる方など、いろんな立場の方の違う視点、異なる意見があります。「難しい」からこそ、色々な立場の方がそれぞれの視点で赤ちゃん絵本について語ることは面白いとイソザキは話します。

赤ちゃんって絵本を読むの?

「6ケ月以内の赤ちゃんは、実は多くの絵本の絵が見えていない!?」絵本ナビで行った取材の中ででのエピソードに、会場がざわめきます。

2歳までは絵本の楽しみ方も、大人の感覚とは全く異なるそうなのです。科学的には、新生児から6ケ月までの赤ちゃんは、はっきりした色や、大きく形が変化するなど、わかりやすい「刺激」があるものが良いという結果が出ています。

このことをふまえ、イソザキが考えるのは「赤ちゃん絵本について色々な声を聞いたり、売れ筋などを見ているとやっぱりそれだけではないように思う。赤ちゃん絵本とは、絵本そのものだけで成り立つわけではないのではないか」ということ。

イソザキ: 絵本があって、赤ちゃんがいて、その間にパパやママ、大人の人がいる。その大人が絵本を通して話しかけてくれたり、笑っている。そのやり取り全てのことを含むんじゃないかなって思うんです。そうすると、絵本そのものが刺激を発しているものだけがいい、とは言い切れなくなってきますよね。やり取りの中でも楽しみ方がたくさんある。そういう部分まで含めると、やっぱり赤ちゃんは「絵本を読んでいる」って思うんですよね。

そもそも赤ちゃんに絵本は必要なの?

赤ちゃんに必要な刺激は、絵本以外にもありますし、成長に絵本が不可欠なわけでもありません。それでも赤ちゃんとの生活に絵本があった方がいいと思われている理由は何なのでしょう?

赤ちゃん時代に絵本ばなれがおこるって本当!?

実際に赤ちゃんと向き合っている真っ最中のママは、実際問題「今、絵本どころじゃない!」ということもままありますよね、という言葉に会場からも共感の苦笑が。

この赤ちゃん時代の「絵本ばなれ」は、知られていないけれど意外と多いのではないかと、イソザキは言います。

「だけど、ちょっと手渡してあげるきっかけがあると、実感することがあります」

ママ自身が助けられたり、子どもの成長を感じられたり。絵本の持ついろんな効果を強く感じられるのだと、絵本ナビに届いたエピソードや自身の子育ての経験をまじえて語られました。

良い赤ちゃん絵本ってあるの?

イソザキ監修のガイドブック『父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊』の巻頭には、読者アンケートの中でもっとも多く回答が寄せられた上位15冊が特集されています。

父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊

父母&保育園の先生おすすめの赤ちゃん絵本200冊

本書の監修は「子どもに絵本を選ぶための情報を集めた参加型絵本紹介サイト」をコンセプトに掲げる、絵本ナビ。赤ちゃんが夢中になる絵本は、どんな絵本なのでしょうか? その絵本は、どうして赤ちゃんがよろこぶのでしょうか? 赤ちゃんとふれあってきた絵本ナビユーザーと保育園の先生にアンケートを実施。およそ200名の声の中から「本当に良い」赤ちゃん絵本を厳選して紹介します。
 

ガイドブックに寄せられた声を読んでいると、赤ちゃんたちがうらやましいくらいに絵本に入り込んでいる様子が見えてきます。赤ちゃんがその絵本に夢中になるヒミツはなんなのか、作品のコメントとともに一冊ずつじっくり紹介されました。

堂々たるロングセラー絵本の登場に、会場の皆さんも大きくうなずきながら聞き入られていました。

どんな絵本を選べばいいの?

子どもたちがそれぞれのお気に入りを見つけるために、大人は手に取る絵本をどんな風に選んでいくのがよいのでしょうか。講演で取り上げられた絵本をタイプ別にピックアップしてご紹介します!

赤ちゃんが反応する新しいしかけ絵本

まずは、赤ちゃんが反応するしかけが詰まった話題のしかけ絵本シリーズ。

『お? かお!』は、目がきょろきょろ動くしかけに、赤ちゃんが一目で夢中になります。

シリーズの新作『ころりん・ぱ!』も、小さなまるいしかけに赤ちゃんがぱっと見て手をのばすと評判です。視覚・触覚・聴覚のすべてに楽しくはたらきかける。発売と同時に書店さんですごく売れている新しい赤ちゃん絵本です。

「あかちゃんがよろこぶ しかけえほん」シリーズ

お?かお!

口を動かすと目がキョロキョロ。ベロをひっぱり、あっかんべえ。鼻を動かすと目が閉じて「おやすみなさい」。顔の一部を動かすと、表情がかわる、これまでになかった「顔のしかけ絵本」。

ころりん・ぱ!

わっかのころりんを、「かくかく」や「ぐるぐる」などの言葉が体感できるコースで、ころがして遊ぼう。あかちゃんが喜ぶ色、くるくるまわる手触り、楽しい擬音語と、視覚・触覚・聴覚のすべてに楽しくはたらきかける、今までなかったまったく新しいしかけ絵本。

ママがいやされたい時は、とにかくスキンシップ絵本!

『ぎゅう ぎゅう ぎゅう』は読めばそのまま「ぎゅう」ってできる絵本。『こちょこちょさん』は「くるよ くるよ こちょこちょさん」「あしを のぼって とこ とこ とこ とこ」ときて、お約束の「こちょこちょこちょーーー」。これは、赤ちゃんは何度でも喜びますよね。

「おーなり由子・はたこうしろうのあかちゃんとのあそびえほん」シリーズ

はたさん・おーなりさんの子育て体験から生まれたのが、「あかちゃんとのあそびえほん」シリーズです。親とあかちゃんのスキンシップの楽しさと大切さを伝えたいという願いがこめられています。
一作めの『ぶう ぶう ぶう』は擬音と息をふきかけるくりかえしのおもしろさをテーマに、二作めは、「ぎゅう」というタイトルどおり、おかあさんとの「ぎゅう」や、だいすきなぬいぐるみへの「ぎゅう」、おふとんへの「ぎゅう」などあかちゃんの身近なものとの「ぎゅう」の楽しさを描いています。待望の三作めは、おててをテーマにこちょこちょしながら、あかちゃんと遊ぶ絵本です。

イソザキ: とにかくこの頃は、どんどんためしてみて、反応を見るっていうのが大事かなと思います。思っている反応と違うことも多いし、こういう絵本がいいと思っていたものと全然違うタイプの絵本にすごく反応することもある。どうしてだろう、どこに反応しているんだろうって観察するんです。赤ちゃんの反応が少しずつ、確実に月齢によって変化していくのがわかると思います。それに気が付いたらもうやめられませんよね。その反応を記していくだけで、育児日記の代わりになるくらい。

そして、その変化こそ、成長を感じられることこそ、ママにとって一番の励みになるんです。赤ちゃん絵本っていうのは、ママにとっても、とても大きな存在になってくれるっていうことですよね。

ママやパパが赤ちゃん絵本を楽しむには?

「そのまま絵本を好きな子になってほしい」そんな願いに対して、イソザキは、絵本を読む時間が生活の一部、習慣になると、ほかに興味があることが増えても「特別な時間」となって続いていくのではないか、と答えます。

そして、大人が絵本を楽しむことについても、以下のように語られました。

イソザキ:大人が絵本を楽しんでいる世界が大事だと心から思うんです。積極的にきちんと読む。そういう姿を見ていて子ども達がもっと自然に絵本を手に取るようになるんじゃないかな、という大きな願いがあります。

紹介されたのは「いっこ」と「さんこ」の繰り返しのリズムが楽しい、ユニークな赤ちゃん絵本『いっこさんこ』。

絵本を実際に読みながら、この絵本を題材にイソザキが執筆したコラムが紹介されました。

大人だってリズムに乗って日常を楽しんじゃう。そんな軽やかな視点に会場も笑顔に。

紹介されたコラムはこちら

大人が楽しむ赤ちゃん絵本の例として、『いっこさんこ』が紹介されました。

続けて、いくつかのコラムと絵本が紹介されました。

自分の幼い頃の記憶と重ね合わせて味わったり、今の自分に気合をいれてくれたり。日常の出来事とともに紹介される絵本はなんともみずみずしく、大人にも新しい視点や発見をくれることを教えてくれます。

紹介されたコラムはこちら

連載はこちら

https://style.ehonnavi.net/post-series/1365
https://style.ehonnavi.net/post-series/1051

赤ちゃんが喜ぶ絵本、大人が楽しむ絵本がじっくり紹介された講演。

質疑応答の後、講演内で紹介された絵本が会場に並び、皆さん気になった絵本を手に取って楽しまれていました。

講演後は、たくさんの感想をいただき、絵本ナビとしても貴重な経験となりました。

講演を受講してくださった皆様、小平市立図書館の皆様、ありがとうございました!

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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