【クリスマス】クリスマスってなあに? どうやって楽しむの? 「2019年 新刊クリスマス絵本」(3)
そもそもクリスマスってなんだっけ? それって楽しいの?
クリスマスを待っている子もいれば、クリスマスっていうものを知らなかった人たちもいます。どうやって楽しんでいるのか、どんな過ごし方をしているのか。それぞれ見ることができるのも、絵本の魅力の一つかもしれませんよね。
定番絵本も好きだけれど、新しいクリスマスの絵本も知りたい!そんな方のために、2019年に発売されたばかりの絵本をテーマに分けてご紹介していきたいと思います。例えばこんな絵本……。
どうやって過ごすのが楽しい? 最新クリスマス絵本3冊
クリスマス、ってこわい人……?
クラシック・ムーミン絵本 ムーミン谷のクリスマス
「ママ、起きて。なんかおそろしいものがやってくるんだって!
『クリスマス』っていう名前らしいよ」
ムーミントロールがママを慌てて起こしにいきます。
そう、ムーミン一家は毎年冬の間はぐっすりと冬眠をするので、「クリスマス」なんて言葉は知らないのです。
それなのに、今年はおせっかいなヘムレンさんがムーミン屋敷に来て、
「クリスマスがくるのに、ねむってるなんて!」
と言って、一家を起こして行ってしまったのです。
「まずは、落ち着いて、よく調べてみようじゃないか」
一家は、まず家の外に出てみて驚きます。
ムーミンパパは、ムーミン谷に覆われている雪だって初めて見るのです。
クリスマスの準備に追われて、時々通りすがるほかの人たちに聞いているうちに、一家は思うのです。
「どうやら、クリスマス、というのは、とてもこわい人みたいだ」
もみの木やら、ごちそうやら、プレゼントやらを準備しして、さてどう過ごしたらいいのでしょう…。
ムーミンのクリスマスのお話といえば、トーベ・ヤンソンの短編集『ムーミン谷の仲間たち』所収の「もみの木」ですよね。今回、ムーミンの版権を管理するムーミン・キャラクターズ社の公認画家の手で、そのお話が一冊の絵本になったのです。小さな子どもも楽しめる「クラシック・ムーミン絵本」シリーズの記念すべき第一巻が、この『ムーミン谷のクリスマス』です。
お話の面白さや、ムーミン一家、仲間たちのユニークなキャラクターはそのままに、あのちょっと変わったクリスマスツリーを美しい大きな画面でしっかりと堪能できます。ムーミンを愛する方へのクリスマスプレゼントに、そして親子で楽しむクリスマス絵本として、おすすめの1冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
短編集『ムーミン谷の仲間たち』も合わせてオススメ!
クリスマスイブだというのに、ねずみちゃんはつまらなそう…どうして?
ねずみちゃんとなかまたちのキラキラクリスマス
「あーあ、ぜんぜんクリスマスっぽくないわ」
今日はクリスマスイブだというのに、ねずみちゃんはつまらなそう。
何が足りないのでしょう。
そこでもぐらくんは言います。
「そうだ! キラキラをさがしにいこうよ!」
ねずみくんともぐらくんは、キラキラを探しに森を歩いていきます。
すると、最初に見つけたのは、うさぎさんのおうち。
キラキラが3つもあります。
「まあ、すてき!」
ねずみちゃんは嬉しそう。さらに進んでいくと、そこにはもっと沢山の……。
確かにキラキラって魅力的。ねずみちゃんと一緒に増えていくキラキラを眺めながら、大人も改めてそう感じてしまうのは、この絵本が本当にキラキラと光るから!
絵本に組み込まれた電球がともり、ページをめくるたびにどんどん輝きを増していきます。最後に登場するのは、もちろん大きくて立派な「クリスマスツリー」。表紙のタイトルがキラキラしているのも大きなポイントですね。クリスマスを待つ時のワクワク感を盛り上げるために、大いに役に立ってくれることは間違いなしのクリスマスしかけ絵本です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
クリスマスに大事にしているのは「おじいちゃんの手紙の時間」
おじいちゃんが のこしたものは…
クリスマスの日、ミアにとって、クリスマスケーキやジングルベルと同じくらい大事にしていること。それは…「おじいちゃんの手紙の時間」。ミアが子どもの頃、クリスマスプレゼントとしておじいちゃんからもらった手紙を、プレゼントを全部あけおわったら読むのです。子どもたちも、時々声を合わせて読みます。
ミアのために、地球に生きるすべての子どもたちのために、願うこと。
それは……
戦争で荒れ果てることがない新しい世界。
きれいな空気を胸いっぱいすって、
思い切り水を飲むことができる、そんな世界。
ひもじい人などどこにもいない、そんな新しい時代。
宇宙をめぐる、かけがえのない地球。
おじいちゃんとミアが大好きなもの全部を、大切にして欲しい…・。
そこに書いてあるのは、ミアの幸せを願うおじいちゃんからの宝物の言葉。
今でも毎年、家族全員で読んでいます。
そして、読み終わると言うのです。
「メリークリスマス、おじいちゃん、
メリークリスマス、みんな」
イギリスの児童文学の巨匠マイケル・モーパーゴが全世界の子どもたちに贈るメッセージを、同じくイギリスの人気イラストレータージム・フィールドの絵によって完成した、美しく壮大なクリスマスの絵本。クリスマスの日をどんな風に過ごすのか。それぞれの家族で大切にしているものが違うのって、とっても素敵なんだということが伝わってきますよね。
あなたにとってのサンタクロースは、誰なのでしょう。家族とそんな話をしたくなってくる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
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