絵本ナビスタイル トップ  >  絵本・本・よみきかせ   >   子どもと絵本のエピソード   >   【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!絵本の読み聞かせ4つのポイント
子どもと絵本のエピソード

【子どもと絵本のエピソード】保育士がっちょに聞く!絵本の読み聞かせ4つのポイント

現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務しています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。

がっちょが教える読み聞かせの大切な4つのポイント

みなさん!新年度がスタートし、いかかがお過ごしでしょうか?

楽しそうに遊んでいる子、先生にべったりの子、泣いている子、様々な子どもたちがいて、先生たちも創意工夫を凝らしながらクラス運営に励んでいることかと思います。4月の気持ち新たなところで、がっちょが思う絵本の読み聞かせの大切ポイントについてお伝えしたいと思います。新卒の先生はもちろん、中堅の先生やベテランの先生も、再確認の意味で読んでいただけたらと思います。

【1】子どもたちに合った絵本を選ぶ

まず大切なのは、「子どもに合った絵本を選ぶ」ということです。では、子どもに合った絵本を選ぶというのはどういうことでしょう?絵本に記載されている対象年齢に合った絵本を選ぶことも大切ですが、それだけではありません。子どもたちの興味・関心はどんなところにあるのか。子どもの実態はどうなのか。といったところに目を向けていく必要があります。

今の時期、子どもたちはどんなことに興味を持っていますか?私の勤める園では、虫探しや草花を使って遊ぶといった春の自然を取り入れた遊びに夢中になる子が多くいます。その中でも人気なのがダンゴムシ探し!草の茂みや園庭の端っこなどに子どもたちが群がり、一生懸命ダンゴムシを探しています。そんな時は、ダンゴムシの絵本を読んであげると子どもたちは食い入るように見てくれます。それは、子どもたちがダンゴムシに興味・関心があるからです。また、ダンゴムシの絵本でも、年齢やクラスの雰囲気によって楽しめる絵本も変わってきます。

 

同じ3歳児でも、昨年度のクラスで楽しめたから、今年度のクラスでも同じように楽しめるということではありません。今担当している子どもたちがどんな実態かをよく見極め、絵本を選んでいきましょう!

ころちゃんはだんごむし

子ども達に大人気のダンゴムシを主人公にした冒険ストーリー。虫の生態もおさえた楽しいお話絵本。

【2】下準備をする

絵本を選んだら、読む前には下準備が必要です。お恥ずかしながら私自身、下準備をせずに失敗したことがたくさんあります。例えば、新しい絵本だからとワクワクして読み始めたら、途中で絵本に入っている広告などがドサッと落ちたり、内容がよく分からず読み始めたら、季節が全く違ったなどなど、数々の失敗をしてきました。だからこそ、下準備の大切さを身に染みて感じています。では、下準備としてどんなことをすれば良いのかお伝えします。

下準備でやること

  1. おりぐせをつける
  2. 下読みをする
  3. 絵本の特徴を理解する

まずは、しっかり1ページ、1ページ開いておりぐせがついているか確認をしましょう。

特に新しい絵本は、念入りにおりぐせをつけておかないと読みづらかったり、うまくページをめくれないということにも繋がってきますので、よく確認しておくと良いでしょう!

下読みをするということに関しては、絵本の特徴を理解するということにも繋がってきます。例えば福音館書店から出版されている『でんしゃ くるかな?』という絵本は、電車が来るのを繰り返し楽しむシンプルな絵本です。そのシンプルな繰り返しが楽しいのに内容を把握していなければ、子どもたちと電車が来るドキドキ感を楽しんだり、電車が来た喜びを100%味わえないかもしれません。また、アリス館から出版されている『どうぶつしんちょうそくてい』では、動物の身長を測り、その大きさを楽しむ絵本です。横開きで始まるお話ですが、動物の大きさをより大きく表現するために途中で縦開きになるページがあります。見所でもあるページも内容を知らなければ、戸惑ってしまい絵本の良さを発揮することはできません。

でんしゃ くるかな?

「くるかな? くるかな?」動物たちが電車を待っていると、「きたー!」ホームに滑りこんできた電車にみんな大喜び。動物たちは「くるかな? また くるかな?」と次の電車を待ちます。「きた きた-!」やってきた電車にまた大喜び。最後にやってきた電車に、みんなで「のりまーす のりまーす」。電車がくる喜びを動物たちと分かちあう絵本です。

どうぶつしんちょうそくてい

今日は動物園の身長測定。ちょっとでも大きくなりたい動物たち。
ワニはズルするし、コアラは寝ちゃう、カンガルーなんて飛び跳ねちゃう!
さて…キリンはどう計る?

聞かせ屋。けいたろう&高畠純が描く、元気一杯の動物たちの絵本。


著者の聞かせ屋。けいたろうさんからのメッセージです。

園では、毎月恒例の身長測定。
時々、いやがって泣く子がいるのだよなぁ…(笑)
そんな、わたる君(3才)を見て、思いついたお話です。
「動物は、身長測定をいやがるのかなぁ?」
上野動物園へ取材に出かけ、動物達をメジャーで計らせてもらいました。
ウサギは抱っこしながらで可愛かったけれど、ワニはガラス越しでも怖かったです。
キリンは高すぎて、本当に大変でした。
子ども達の「おおきくなったかな?」が、
もっと楽しくなったらいいなぁ!!

【3】環境を整える

ここまで来たらいよいよ読み聞かせですが、絵本を読む前に絵本に集中できる環境なのかを焦らず確認してくださいね。落ち着いて絵本を楽しめる環境なのか。みんなが見えるように配慮ができているのか。ちょっとしたことかもしれませんが、そのちょっとした配慮で絵本を楽しめる空間作りを行うことができます。みんなの前で一斉で読むシーンもあるでしょうし、好きな時間に先生の周りに集まって自由に楽しむシーンもあるかと思います。どのシチュエーションでも、絵本を楽しめる環境かな?みんなが絵本見えているかな?を考えることで、読み聞かせの時間が充実したものになるでしょう。

【4】子どもの目線を考えて読む

読む際に大切にして欲しいことは「子どもの目線」を考えるということです。子どもの目線とは、子どもから見える視点(高さ)も重要ですが、子どもたちが何を見ているのかということです。読み手の先生は文章を読みますが、子どもたちは絵を読みます。絵から様々な情報を得て楽しむのです。

小学館から出版されている『大名行列』という絵本をご存じですか?一見、かしこまった絵本のようにも見えますが、子どもたちには大人気の1冊です。作者のシゲリカツヒコさんは、非常にリアルな絵を描きつつも遊び心を詰め込んだ作品が多く、私自身好きな作家さんの一人です。シゲリさんは、「絵を描き込む」ことが好きなようで、1ページにたくさんの情報が描き込まれています。文章はさほど多くないものの絵の情報量が多いので、こういった絵本は子どもたちが1ページ1ページじっくり見たがります。なので、文章を読み終えたからと言って次のページに行ってしまっては、子どもたちとしては「見足りない」ということが起きるのです。子どもたちの目線とは、子どもたちがどんなところを見ているのかということを配慮して読むことが大切になってきます。ぜひ子どもたちのペースに合わせて読んであげてくださいね。

大名行列

びっくりの行列がどんどん続く!

「したに~、したに~」の声が響く大名行列。いかめしいお侍さんの行列・・・と思いきや、
馬が巨大化? あら、団子屋さんで休憩? 
いやいや、妖怪、マンモス、恐竜に宇宙人まで出てくるよ!?
いったいこの行列はどうなって、どこに行くの?

詳細な武士の姿は超リアルなだけに、変化していく姿もリアルで何とも不思議。
ただ眺めているだけで飽きない、おもしろ不思議絵本。

絵本の魅力を子どもたちに伝えるには・・・

私が読み聞かせをするにあたって大切だと思うポイントを4つお伝えさせていただきました。これに加えて、絵本の魅力を子どもたちに伝えていくためには、「先生自身が楽しむこと」です。先生が楽しそうに読んでくれる絵本は楽しい時間になりますし、先生が楽しくなければ子どもたちに楽しさは伝わりません。最後は、先生という人的環境が大切になってきます。絵本を選ぶ際も自分が好きな絵本、楽しめる絵本という視点も忘れずに絵本を選んで欲しいと思います。

 

ここで私が昨年出会った絵本で大好きな1冊をご紹介しますね。すずき出版から出版されている『あたまとんとんたたいたら』です。奇想天外な絵本で、初見は毎ページに驚かされました。この絵本は読みながら私のモチベーションを挙げてくれる1冊です。読みながらついつい動きたくなってしまう絵本です。(実際、動いてしまいます。)ぜひ手にとってみてください。

 

また、子どもたちは「知っている=安心感」となります。繰り返し読んであげることも忘れずに!子どもたちの「もう1かい!」は先生の読み聞かせに対する誉め言葉と捉え、時間が許す限り何度も何度も読んであげてくださいね。私自身も子どもたちの「もう1かい!」に答え続けられる保育者でありたいと思います。

あたま とんとん たたいたら

頭をとんとんたたいたら、ハトが出た! ほっぺをとんとんたたいたら、ホットドック! じゃあ、胸をとんとんしたら? おなかをとんとんしたら? あんよをとんとんしたら?… ページをめくって、おっと驚く、元気いっぱいの変わった絵本です。

大河原悠哉(がっちょ)

公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社SHUHARIが運営する認可保育園元気キッズにて勤務。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『【絵本専門士】がっちょの絵本ブログ』を運営。

現役保育士がっちょ先生に質問してみませんか。読者のみなさんからの今回の記事の感想や育児の悩みなどを募集しております。アンケートよりご意見をお寄せください。

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
この記事の関連キーワード
人気連載
JavaScriptをOnにしてください