【保育士がっちょに聞く】保育園・幼稚園で読みたい年越し・お正月絵本
現役保育士で絵本専門士の大河原悠哉(がっちょ)です。私は公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験したのち、現在は株式会社が運営する保育園にて施設長を務めています。また、子育て支援のイベントを主催・運営したり、保護者向け・保育士向けの絵本講座をしています。子どもとの絵本エピソードや活用方法についてお話しします。
保育園・幼稚園で読みたい年越し・お正月絵本
1月が始まったと思ったのが、つい最近のように感じますが、気付けば今年も残りわずかとなりました。皆さんは今年一年いかがお過ごしでしたでしょうか?
子どもたちも保育園や幼稚園が休みとなり、家庭で過ごす時間が多くなります。冬休み前や休み後に読みたい年越し・お正月絵本をご紹介致します。年の締めくくりや新年初めの1冊として楽しんでいただけたらと思います。
【1】お正月を迎える前の年越し絵本
『くまのこの としこし』こちらの絵本は冬休みに入る前に読みたい絵本の1冊です。
「らいねん」が気になるくまのこのお話。来年のために大掃除をしたり、年賀状を書いたり、買い物に行ったり…来年を迎えるにあたって、やることを知るきっかけになります。
保育園や幼稚園で伝えたことを、実践してみたりするのが乳幼児期の可愛らしさでもあり、面白いところでもあります。年越し前の家庭での過ごし方を伝えるためにも活用してみてはいかがでしょうか?
12月も終わりに近づき、「もうすぐ来年がくるよ」とお母さんから教えてもらったくまのこ。「『来年』ってどんなものなのかな?」ととっても気になります。お父さんやお母さんは、「来年」のために、大掃除をしたり、お節料理を作ったり、お正月飾りをつけたり、大忙し。さあ、大晦日。「来年」はどんなふうに来るのでしょう?
【2】年末からお正月までの過ごし方を知れる絵本
こちらの2冊は、年末からお正月までの過ごし方を知れる絵本です。
物語で楽しみながら知りたければ福音館書店の『もうすぐおしょうがつ』。より詳しく細かく知りたければポプラ社の『お正月がやってくる』。
それぞれ楽しみ方が異なりますので、子どもの年齢や様子によって使い分けたら良いかと思います。年末からお正月は家庭で過ごすことになりますが、1年を通して大切な行事の1つです。絵本を通して、意味や過ごし方など伝えていきたいですね。
冬休み、おじいさん、おばあさんの家でお正月を迎える、ある家族のおはなしです。
久しぶりに訪れた、おじいさん、おばあさんの家で、家族はお正月を迎える準備を手伝います。まずは、ガラス磨きに、障子張り、大掃除と大忙しです。翌日はおじさん、おばさん、いとこもやってきて、みんなでお餅つきをします。つきたてのお餅のおいしいこと! 大晦日は、朝から市場へ買い出しにでかけます。お正月料理の材料や、お正月ならではのおもちゃも売っていて、市場は大賑わいです。家に帰ってからも、お餅をお供えしたり、しめかざりを飾ったり・・・・・・。終い湯に入ってからは、年越しそばを食べて、お寺におまいりに出かけます。
お正月を迎える前の、日本ならではの年末のせわしない様子、こまごまとした準備の様子、新しい年を心待ちにしている家族の様子が楽しく描かれた絵本です。絵本に書いてある文章以外のドラマもいっぱい。絵の隅々までじっくり見て、楽しんでもらいたい一冊です。
なおこさんの家に今年も年末がやってきました。
浅草の雷門をくぐり、ガサ市でしめなわ・お正月飾りの材料の買い付けがはじまりました。
商店街の一角で、かねこさんは毎年正月飾りを売るのです。
無事に販売を終え、今度はなおこさんの家族も大忙しで年越しの準備にかかります。おおそうじをして、おせちの買出しをして、、、
「あけましておめでとう」。
1月2日は、近所を獅子舞で練り歩き、ようやく忙しいお正月が終わるのです。
都会にのこる、日本の年末年始の行事を、実在するモデル・なおこさんの家族を通してユーモラスかつ細密な筆致で描きます。
【3】新年の始めに読んであげたい絵本
年明けの登園時に「どんなお正月だった?」「どんな風に過ごしたの?」と聞きたくなりますよね?
子どもたちからは様々な答えが返ってくるかと思います。ぜひ子どもたちのありのままの思い出を受け止めてあげてくださいね。
そんな話の後には、ぜひこの2冊の絵本をオススメします!講談社の『おもちのきもち』では、食べたおもちの気持ちに感情移入したり、大日本図書の『おしょうがつのかみさま』では、かみさまののんびりとしたやりとりにクスッと笑ってしまうのではないでしょうか?
実際にお正月を過ごした子どもたちと読んで欲しいと思います。
【4】小さい子から楽しめる十二支絵本
十二支の絵本も新年には読みたい絵本の1つかと思います。
十二支の絵本は、たくさんあって迷ってしまいます。
絵本選びは、「これが読みたい!」という直観も大切なので、それぞれの直観や見立てで選んで欲しいと思います。ですが、オススメが知りたいという方も少なからずいるはずです。その際は、小さい子からも分かりやすく楽しめるほるぷ出版の『じゅうにしどこいくの?』をオススメします。十二支の絵本だと、幼児クラスから楽しめる絵本が多い印象ですが、ほるぷ出版の絵本は小さい子でも分かりやすくシンプルです。また、行事の解説も載っているので、保育園・幼稚園でも大活躍間違いなしです!
まよなかです。ね、うし、とら、う……と十二支たちは、山をのぼりはじめました。どんどんのぼって、まにあいました! 十二支たちは、ならんで初日の出に祈ります。
日本の伝統行事を、2~3歳児の発達に合わせて、シンプルな物語絵本にしました。巻末には、ミニ解説がついています。
年末年始をどう過ごすかで、次の1年が決まる。
年末年始は少し長い休みとなります。
1年の疲れをしっかりと落とし、新たな気持ちで新年を迎えられるようにしましょう。
保育園や幼稚園に通っている保護者の方は、生活リズムを崩し過ぎず、早寝早起きを意識しながら生活するようにしてみてください。
子どもも保育者も、年末年始をどう過ごすかで、良いスタートが切れるのか大きく変わってくるかと思います。良いスタートが切れるように、素敵な年末年始をお過ごしください。
今年も記事を読んでくださり、ありがとうございました。良いお年をお迎えください。
大河原悠哉(がっちょ)
公立保育士・幼稚園教諭を計10年経験ののち退職。現在は、株式会社が運営する保育園にて施設長を務める。 平成29年6月に独立行政法人国立青少年教育振興機構による「絵本専門士」を取得。子育て支援センターや図書館、本屋などでおはなし会や保育者・親子向けの絵本講座や研修を行っている。 現在は、保育士・ライター・子育て支援イベントの主催、運営・講師など様々な顔を持つ。 『がっちょの絵本ブログ』を運営。
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