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もくもく、もくもく……雲をながめる人たちに贈る絵本

今日はどんな雲が浮かんでいるだろう。お天気が良い日も、曇りの日も、雨が降っている日はもちろん、大雪の日にも。空を見上げれば、見えてくるのは自分の好きな雲、お気に入りの雲、忘れられない雲。もし、その雲が自分だけのものになったとしたら……?

 

空を見上げるのが好きな人、ついつい雲をながめてしまう人、お気に入りの雲に名前をつけずにはいられない人。そんな方たちに贈る「雲の絵本」。小さな子どもから大人まで楽しめる、素敵なお話が揃いましたよ。

雲をながめる人たちに贈る絵本

リジーが選んだのは、ふつうのかたちの雲

リジーと雲

リジーと雲

おかあさんとおとうさんとおさんぽに出かけた公園で、リジーがまっすぐにかけよったのは、雲うりのおじさんのところ。まるくてほわほわだったり、オウムやウサギ、ゾウのかたちをした雲もありましたが、リジーが選んだのは、ふつうのかたちの雲。

雲とのくらしには、決まりが色々あります。リジーは名前をミロとつけ、毎日ていねいに水をかけ、お天気が良い日にはおさんぽに連れていき、いっしょうけんめいお世話をしました。季節はめぐり、もくもく、もくもく、ミロはどんどん大きくなっていきます。そして、とうとうリジーの部屋の天井をすっぽりと覆いつくすまでになり……。

ミロは大きいわけでも、おしゃれなわけでもない、ふつうの雲。でも、リジーにとっては最高のすてきな雲。その愛情のかけかたを見ていると、なんだかミロがとっても可愛く見えてくるから不思議です。どんな時でも一緒のリジーとミロ。だからこそ、リジーが好きなことも、機嫌が悪い理由もわかるのです。その手を離さなくてはならないタイミングも。

テリー・ファン&エリック・ファン兄弟が、雲をながめる人たちに贈る、ささやかで愛らしいファンタジー絵本。空を見上げるリジーの思い、きっと届いているはずですよね。曇りの日が好きになりそうです。

(磯崎園子 絵本ナビ編集長)

小さなくもが次々に姿をかえて…

ちいさなくも

ちいさなくも

空を漂う小さな雲が、羊になったり飛行機になったり…雲の移り変わる姿を子どもの視点で描いた、カールの美しいコラージュ絵本。

https://www.ehonnavi.net/ehon/1442/%E3%81%A1%E3%81%84%E3%81%95%E3%81%AA%E3%81%8F%E3%82%82/

みんなの声より

ちいさなくもが色々姿を変えて遊んでいるお話です。面白いのは、地面から子ども目線で「○○な形」とか空想してるのではなく、あくまでも雲目線で楽しんでいるのが新鮮でした。

空を見上げては雲になにかを重ねては空想にふけっていた事を思い出し、懐かしい気持ちになりました。先日初めて雲を見て「ぞうみたい」といいました。
(らずもねさん 30代・ママ 男の子2歳、男の子0歳)

雲って、こんなにおもしろい!

くもとそらのえほん

くもとそらのえほん

何気なく窓から外を見て、刻々と変わる雲の動きをジーっと見つめてしまったことがある人。
道を歩いていて、向こうからやってくる夕立の雲の切れ目に遭遇した人。
雨上がりに、虹が出ていないか空を確認してしまう人。
そんな方たちの心に、そっと寄り添ってくれるような作品です。

ページをめくる度に雲はその姿を変え、私たちの暮らしの上をゆったりと流れていきます。入道雲、わた雲、ひこうき雲にうろこ雲。
雲の下では、動物園や遊園地、電車を通る都会の街並み、大きな川にかかる橋……人々が日々の暮らしを営んでいることが分かります。
うろこ雲、おぼろ雲、雨雲にひつじ雲……。
読み進めていくと、雲にこんなに様々な形があり、そこにとてもユニークな名前がついていることに驚きを感じます。
読み終わった後、外へ出て、絵本に出てくる雲を探してみたくなる一冊です。

(木村春子  絵本ナビ編集部)

https://www.ehonnavi.net/ehon/123653/%E3%81%8F%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%88%E3%81%BB%E3%82%93/
https://www.ehonnavi.net/ehon/123653/%E3%81%8F%E3%82%82%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%82%89%E3%81%AE%E3%81%88%E3%81%BB%E3%82%93/

こねこが空を見上げます

きょうのそらはどんなそら

きょうのそらはどんなそら

こねこが空を見上げふと思います。
「きょうのそらはどんなそら?」
一日の中で刻々と変化する空の表情の数々。清々しい空気を感じたかと思えば、のんびりと雲が浮かび、今度は夕立ちのくる気配、そして美しくも切ない夕焼けの空……。知っているつもりでも、改めてその表情の豊かさに驚かされるのです。そして、油絵で表現されたそれらはとても味わい深く、どこか懐かくて。
何気なく見ていた空の記憶というのは、案外ずっと残っているものなのかもしれませんね。そう思うと、こんな風に空の変化を感じながら一日を過ごすこねこの生活というのが、とても豊かなものに感じられてくるのです。
子ども達はこの本を読んだ後、大人が思っている以上にたくさんの事を受け止めるのではないでしょうか。そして何も言わなくとも「ただ空を見上げている時間」の素晴らしさを体感していくのだと思います。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon/29586/%E3%81%8D%E3%82%87%E3%81%86%E3%81%AE%E3%81%9D%E3%82%89%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%82%93%E3%81%AA%E3%81%9D%E3%82%89/

天高くのびるいえにくらすのは、くもさん、あめさん、にじさん…

そらの100かいだてのいえ

ある寒い雪の日のこと。
おなかをすかせたシジュウカラのツピくんがみつけたのは、ひとつぶのひまわりのたねでした。「これじゃ、おなかいっぱいにはならないや……そうだ! はなをさかせて、たねをふやそう!」ツピくんは、植える場所を探しに、空へと飛びたちました。

大人気「100かいだてのいえ」シリーズ第4弾。今回の舞台は空のうえ!
天高くのびるいえにくらすのは、くもさん、あめさん、にじさん……今までとはちょっとちがう、素敵ななかまたちがツピくんをむかえます。

こちらもおすすめ!「雲の絵本」

くもくん

くもくん

いつも空をたびしている、くもくん。いろんなかたちになってみるけれど、本当の自分のかたちは……? やさしいタッチの絵本。

あのくも なあに?

あのくも なあに?

空には毎日、いろんな雲が浮かんでいます。あのくもなあに? なんだろね。うっすらと空をおおうあの雲は、きっと、朝日がまぶしくて、ねぼすけ巨人が閉めたカーテン雲。ぽっかり浮かんだあの楕円形の雲は、天狗が休むざぶとん雲。ムクムクふくらむ入道雲は、竜の親子のすみかだよ……雲の形から、どんどん想像を広げていく絵本です。今日はどんな雲が出ているかな、と空を見上げるのが楽しみになります。

かぶしきがいしゃ くも

かぶしきがいしゃ くも

おとしものをひろった、こうたくんとりこちゃんは、「かぶしきがいしゃ くも」のなかへ。
そうむぶ、えいぎょうぶ、くもせいさくぶ…
おとしぬしは、みつかるでしょうか。

雲は近くで見ると、どんな風に見えるのでしょう。触ってみたら、どんな感触なのでしょう。雲にはどんな種類があるのでしょう。雲が雲らしくいるためには、どんな場所にいるのがいいのでしょう……。雲が好きになったら、雲のことをもっと色々知りたくなってしまいますね。絵本の中の雲の姿も、本物の雲の姿も、どちらも眺めて楽しんでくださいね。

 

磯崎 園子(絵本ナビ編集長)

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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