75歳の新人絵本作家誕生へ! 第1 回「書店員が選ぶ絵本新人賞」大賞受賞作決定
「 求む『 文字好きを育てる絵本 』!」 をコンセプトに読売新聞東京本社と中央公論新社によって創設された「書店員が選ぶ絵本新人賞」。その第1回の大賞および特別賞受賞作が決定しました。
第1 回「書店員が選ぶ絵本新人賞」応募総数561 作品から 絵本の目利き書店員が選んだ 大賞受賞作が決定!
◆大 賞
『はるさんのユートピア 』 ただ のぶこ (75 歳、兵庫県在住)
◆特別賞( 2 作品)
『ゆき』おな のりえ (東京都 在住)
『うちゅういちの たかいたかい』 ホッシーナッキー( 42 歳) ・ にいた 8 歳 )(兵庫県 在住)(敬称略)
「書店員が選ぶ絵本新人賞」は「求む『文学好きを育てる絵本』!」をコンセプトに、2022年11月に創設されました。一般書店に流通する商業出版をした経験がない書き手による未発表作品を対象に、全国の書店員が選考して新たな本作家を発掘する、これまでにない絵本賞の形です。第1回の今回は国内外から561作品の応募があり、1次選考で10作品に絞られた後、全国の書店員408人によるオンライン投票で大賞が決まりました。大賞受賞作は2023年11月に刊行予定、贈賞式は11月15日に東京會舘(東京都千代田区)で行われます。
大賞受賞作品のご紹介
作品名:『はるさんのユートピア』
あらすじ:はるさんは、村で一番若いおばあさん。山あいの谷の小さな村にはもう、十人のおばあさんしか住んでいません。「わたしたちに何ができる?」おばあさんたちは話し合って、みんなで千本の桜を植えることにします。
それから百年。村と町を隔てていた山にトンネルが開通しました。新しい街をつくる場所を探しに「桜の谷」へやってきた建築技師は、ある廃屋で、壁一面に貼られた大きな絵を見つけ、心を動かされます。それは、はるさんが遺した「理想の街の地図」でした……。限りある命と、繋がれる想い。過疎の村が時を経て生まれ変わるまでを、大きな視点で優しく描いた物語。
作者名:ただ のぶこ
プロフィール:1947年大分県生まれ。大阪教育大学卒業後、小学校教諭として勤務し、いったん退職。18 年を経て、再度小学校臨時講師として復帰 し、定年退職後、絵本制作に取り組む。
受賞のことば:はじめは驚き、つぎに嬉しさと涙が湧いてきました。部屋の隅に置いていた作品が、皆様に読んでもらえて、好きになっていただけたということが、信じられない思いです。すばらしい賞をありがとうございました。
■投票書店員のコメントより
好きです。最近読んだ本の中でも一番かもしれません。この絵本ほしいです。(KaBoSイオンモール新小松店 中西 若葉さん )
これはちょっと泣けてしまう。「これから」のことを考えて何ができるのか考えさせられる。(TSUTAYA南古谷店 石木戸 美穗子さん)
この話から子どもたちが何かを受け取れる気がします。だから読んでもらいたいと思いました 。(文苑堂書店富山豊田店 奥井 将さん)
特別賞受賞作品のご紹介
特別賞作品名:『ゆき』
あらすじ:雪が降る前の日は、いつもと少し違う。日常生活の中で、だんだんと降り積もる雪を待つ人々。少しドキドキ、少しわくわく、そんな静かな高揚を感じる作品。
作者名:おな のりえ
プロフィール:東京都在住 。多摩美術大学グラフィックデザイン学科を卒業し、広告デザイン会社でデザイナーとして勤務ののち、イラストレーターとして活動中。
■投票書店員のコメントより
絵の雰囲気もお話も私の中ではナンバーワンでした。白い雪の描き方がとてもきれいで、いつまでも眺めていたいと思いました。(紀伊國屋書店加古川店 吉田 奈津子さん)
雪国で生まれ育ちました。雪が降る前の空気のにおいや、教室のそとの空の色、雪が積もった朝のしん、とした気配……とてもリアルで懐かしく、何度も読んでしまいました。(明屋書店中野ブロードウェイ店 宮田 弥生さん)
特別賞作品名:『うちゅういちの たかいたかい』
あらすじ:ぼくは「たかいたかい」が大好き。お父さんはわが子のリクエストに応えて、腕を目一杯鍛えます。どんどん”たかく“なるお父さんの腕。ビルを越え、山を越え、ついには宇宙に飛び出す「たかいたかい」に立ちふさがるのは――巨大な隕石!
作者名:ホッシーナッキー/にいた
プロフィール:
ホッシーナッキー(文と絵)
1981 年東京都生まれ。兵庫県在住。グラフィックデザイナーを経て、2015 年より、フリーランスのイラストレーターとして活動開始。雑誌や書籍のイラストレーション、オリジナルキャラクター制作などを手がける。こどもが生まれてから、毎日毎日絵本の読み聞かせをするうち に、絵本作りを志す。
にいた(原案)
ホッシーナッキーさんの長男。 2015 年兵庫県生まれ(小学 3 年生)。兵庫県在住。本が大好き。「本は、お兄ちゃんであり先生。いろいろ教えてくれるから」
■投票書店員のコメントより
こうなったらいいなと子どもなら一度は考えそうな題材で想像力をかきたてる視点が見事でした。読後もクセになりそうな作品と感じました。(コーチャンフォーミュンヘン大橋店 小林 和茂 さん)
シンプルで面白い! 読み聞かせると盛り上がりそう!(ブックエース
TSUTAYA 下館店 大島 恵さん)
「書店員が選ぶ絵本新人賞」について
子どもたちに「読む」ことの楽しさを伝え、将来にわたって読書を好きになってもらいたい。そんな願いを込めて読売新聞東京本社と中央公論新社が創設した新しい絵本の新人賞。応募資格はたったひとつ、「一般の書店に流通する商業出版をした経験がないこと」。「読む」体験を楽しめる絵本作品を募集し、選考は絵本を「読む・届ける」プロフェッショナルである全国の書店員の投票によって行われます。日々、店頭で読者と接している書店員の目を通して、読み手の気持ちに寄り添う「新たな才能」を発掘することが狙いです。大賞受賞者には賞金 5 0 万円が贈られ、受賞作は中央公論新社より出版いたします。特別賞受賞者には賞金 1 0 万円が贈られます。 詳細は 公式 HP をご覧ください。
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