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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【クリスマスと冬のおはなし会プログラムにおすすめ!】12月に読みたい季節の絵本と新刊(2023年最新)

代官山蔦屋書店えほん博にて

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに12月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

12月では…

大雪たいせつ(12月7日)陽は短くなり太陽の力はますます弱まる。冬が深まり、雪がしっかりと降り始める。

冬至とうじ(12月22日)一年で一番昼が短く、一番夜の長い日。太陽が蘇る日とも言われ、この日を境に昼の時間が伸びていく。

この日にユズを浮かべた柚子湯に入り、かぼちゃを食べると風邪を引かないと言われている。

 

12月のおはなし会

街はすっかりクリスマス。寒くて暗い冬の季節の到来をかき消すような華やかなイルミネーション。

いくつになってもクリスマスは心躍ります。

そんな今月はクリスマスの絵本を中心に集めてみました。

最初のわらべうたで手の中に小さなサンタさんやトナカイさん、赤いスカーフなんていうのもいいですね。

隠してみんなで当てっこ。そこからクリスマスのお話なんていうのはどうでしょう。

少し気忙しい12月。お話会で心も体もほっこりとしてもらえたら嬉しいです。

今月のわらべうた

まずはわらべうたをひとつ

お話会のはじまりに。親子で楽しめるものを。

今月はこちら

「おてぶし てぶし」

おてぶし てぶし

てぶしのなかに

へびのなまやけ

かえるのさしみ

いっちょばこ

やるから

まるめておくれ

いーや

どちらかの手に何かを隠し、どっちの手に入ってるか遊びをしながら歌います。

子どもたちは手に集中。だんだんと心を落ち着かせお話を楽しめる空気へと変わっていきます。

さぁ、最初の絵本はこちらから

【はじまりの絵本】絵本と一緒に手遊びを楽しむクリスマス絵本

もともとはハンガリーのわらべうたで、輪になって遊ぶ歌がクリスマスの楽しいお歌に。

人差し指をろうそくにみたて、あかりを灯すクリスマス。そしてそのろうそくをふっと息を吹きかけ消すと、お空にはきらきらとお星さまが。

絵本と一緒に手遊びを楽しむ静かなクリスマスの絵本です。

巻末には楽譜と遊び方のイラスト付き。ぜひお家でも楽しんで欲しいクリスマスのお歌の絵本。

 

読み聞かせ時間目安<55秒>

ろうそく ぱっ

「ろうそく ぱっ♪」あかりを灯して、「ろうそく ふっ♪」消したら広がる美しい星空……。楽譜・遊び方付きのわらべうた絵本。

【クリスマス絵本】思わず手が伸びるクリスマスの美味しい絵本

さぁクリスマス絵本を続けましょう。

思わず手が伸びる食べ物絵本を描かせたら右に出るものはいないんじゃないかという夫婦ユニット

はらぺこめがねさんが手がけるクリスマス絵本はこちら。

 

それはこんな始まり

いよいよ あしたは クリスマス
サンタクロースの おうちでは…(p1本文引用)

なんとリズムのよい声に出して心地いい絵本でしょう。


急げ急げ時間がない!
サンクロースは大忙し。
食事はあきらめプレゼント配りに出発です!

 

ジングルベルの すずが なる
サンタクロースは おなか なる

 

はらぺこめがねさんといえば美味しいごはん。
クリスマスのご馳走がわんさかわんさか出て来ます。

クリスマスの不思議な、でも幸せな空気が絵本全体をまとっていて、ほっこりとあたたかい気持ちに。

たのしー!!最後まで読んだらもう一回。今度はじっくりゆっくり楽しみたい。

クリスマス絵本の新定番。おすすめの一冊です。

読み聞かせ時間目安<3分30秒>

はらぺこサンタのクリスマス

クリスマスイブの日、サンタクロースはおおあわて。いそいでプレゼントをつめて、なにも食べずに飛び出します。ジングルベルのすずがなる、サンタクロースはおなかなる。はらぺこサンタ、見るもの見るもの、なにもかもが食べ物に見えてきて……。食と人をテーマに創作活動を続けるはらぺこめがねのふたりがえがく、おなかのすくクリスマス絵本。

【新刊の絵本】はじめてサンタのそりをひいたトナカイのお話

お話の絵本も。今年出たばかりの新刊です。

みなさん。トナカイがなぜサンタのそりをひいているかご存じでしょうか。

そして実は最初はその役目は一頭の馬だったことも…。

この絵本ははじめてサンタのそりをひいたトナカイのお話です。

 

それはこんな始まり

みなさんは、トナカイがサンタのそりをひいているのを知っていますか?
じつは、ずっとむかしは、シルバーベルという名前の馬が、たった一頭でそりをひいていました。ところが、年をおうごとに、クリスマスのまほうをしんじる子どもがふえて、そりにのせるおもちゃもふえていきました。そりがだんだん重くなっていくので、サンタは心配でした。いつまでも、年おいたシルバーベルに、たよっていていいんだろうかー。
(p1本文引用)

読み終えるのに8分半以上! 語はしっかりとしっとりと進みます。

クリスマスの魔法にかかったように子どもたちはぐっと物語の世界へ。

イギリス、イタリア、クロアチアなどで翻訳出版され、全世界35万部を突破し、NYタイムズやUSA Todayなどのベストセラーに選ばれ続けている作品。美しい絵がその豊かな世界への扉を開きます。

目に見えないものを信じる力は生きる力となります。

クリスマスには、少しじっくりとこんな絵本もいいですね。

読み聞かせ時間目安<8分45秒>

まほうのよるに はじめてサンタのそりをひいたトナカイのおはなし

トナカイとサンタの始まりを、美しいイマジネーションで紡いだ作品。

●毎年サンタのそりをひくトナカイたち。そのうちの1頭、“ダッシャー”が主人公の物語。
美しいイマジネーションとドラマチックな絵で紡ぐ、トナカイとサンタの始まりのおはなし。

●全世界35万部! NYタイムズベストセラーに選ばれ続けているクリスマス絵本。
イギリス、イタリア、クロアチアなどで翻訳出版され、世界中の子どもたちに愛されています。

●自分の気持ちに正直に生きる勇気が、きらりと輝く物語。
子どもたちへはもちろん、大切な人や自分への贈り物にもおすすめです。

●クリスマスシーズンが纏う不思議なよるのムードを、
深く鮮やかに描かれたドラマチックな絵で、ぜひたっぷりとご堪能ください。

〈あらすじ〉
「いつかここを出て、ママとパパの生まれた北極にいけますように」
トナカイのダッシャーがいつものように北極星にねがいをかけたよる、
白い馬のひく大きなそりとサンタがあらわれて……

【アドベント絵本】クリスマスのその日まで1日1冊の名作を

ミニ絵本が出てくるアドベントカレンダーです。

12月1日から1日1冊、小さな扉を開けていきます。

中には誰もがよく知る名作が小さな絵本になって出てきます。

これからの季節、クリスマスプレゼントにもぴったり。

クリスマスのその日まで明日の楽しみを重ねてみませんか。

 

 

メリークリスマス!せかいのめいさくえほん★アドベントカレンダー

クリスマスまでの日数をカウントダウンするアドベントカレンダー。24の窓を開ければ、誰もが知っている名作のミニ絵本が一冊ずつ入っています。

【季節や行事の絵本】絵本と共に日本の伝統行事を子どもたちへ

最後は年の瀬に向けて。今年最後のこの一冊を。

『14ひきのもちつき』

それはこんな始まり

かーん こーん、もりに ひびく おとうさんの まきわりの おと。

かまどに ひを いれた おじいさん。

おはよう、いっくんも おきてきた。

(p2-3本文引用)


30年以上続く「14ひきのシリーズ」より今年最後の1冊を。

14ひきの魅力は何より、日本の原風景でしょうか。


自然と共存し家族が助け合い自分の役割を持ち、生きるための生活をしている。

14ひきの世界そのままの里山で暮らすいわむらかずおさんだからこそ描ける世界。

 

薪割りをするお父さん、かまどに火をいれたおじいさん、お米の水をきるおばあさん、せいろにいれてるさっちゃん、杵を運んできたごうくんたち。臼を転がしてきたお父さん。
おじいさんが藁で座布団を作り準備OK!

さぁ、おもちつきの始まりです。

 

家族総出でぺったん とったん ぺったん とったん。

「14ひきのシリーズ」ならではの、ページいっぱいに広がる絵の大きさと迫力が、更に絵本の世界へと引き込んでくれるように感じます。

小さな虫を見つけたり、14ひきの兄弟間の関係や微妙な心の動きを読み取ったりと隅々まで見逃しせません。

そしてやっぱり忘れてはならない食事のシーン。
家族みんなで、ついたおもちを囲むページは、私も子どもたちに混じってつい手を伸ばしたくなります。

静かに穏やかに過ぎる14ひきたちの年の瀬の一日。
 
ゆきが ふってきた。

かたづけも おわった しずかな もり。

もうすぐ おしょうがつ うれしいな。
…と終わるこの絵本。

 

今年もこんなふうに穏やかに心静かに一年が終われることを願わずにはいられません(笑)

年末の風物詩でもあったおもちつきも最近ではあまり見かけなくなりました。

そんな時こそ絵本の出番。絵本と一緒にもちつきを楽しみ、その伝統を繋いでください。

読み聞かせ時間目安<3分>

 

14ひきのもちつき

薪をわるおとうさん。かまどに火を入れたおじいさん。おばあさんとおかあさんは、お米の準備。子どもたちも起きてきて、お手伝いします。さあ、いよいよおもちつき。ぺったんとったん、どんなおもちができたかな?

【その他 12月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学3回生と高校3年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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