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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【秋のおはなし会プログラムにおすすめ!】11月に読みたい季節の絵本と新刊(2023年最新)

西宮阪急子育てコミュニティでの季節の絵本と親子の時間

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本のおはなし会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに11月のおはなし会プログラムに取り入れたい絵本や、新刊絵本のおすすめを教えていただきました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

11月では…

立冬りっとう(11月8日)立つ冬と書いて立冬。読んで字のごとく冬の始まり。朝夕の日の力も弱まり、冬はもうすぐそこに。

小雪しょうせつ(11月22日)北国から雪の便りが届く頃。木々の葉も深く色づき散り始める。冷え込みが徐々に厳しくなる。

 

11月のおはなし会

冬の足音が聞こえてきた11月。

今月は少し欲張って多めのご紹介となってしまいました。

深まる秋を楽しみながら自然と仲良くなれるような絵本や、親子のふれあいを楽しむ絵本を集めてみました。

お話会の帰り道、秋を探しながら親子で心がほっこりとしてくれるといいなというラインナップです。

今月のわらべうた

今月よりわらべうたをひとつずつご紹介していきたいと思います。

お話会の合間に。親子で楽しめるものを。

今月はこちら

「ぎっこんばっこん」

ぎっこん ばっこん よいしょぶね 

おきは なみが たかいぞ

お子さんをお膝にのせてもらって

「ぎっこん ばっこん よいしょぶね 

おきは なみが たかいぞ」と歌いながら揺れる。

もう少し大きなお子さんになると、向かい合って手と手を取り合い引っ張り合いっこ。

お互い体を預け合うのが楽しい。

小さな声でゆっくりと、大きな声で激しくなんてバリエーションも楽しい。

さぁ、少し体をほぐして読む絵本はこちら。

【はじまりの絵本】お話の前に体をほぐそう

『ぎったんこ ばったんこ』

ねこの親子が公園に。ぎったんばったん ぎったんこばったんこ

シーソーで遊びます。

先月101歳を迎えた日本を代表する染色工芸家、柚木沙弥郎さんの絵本。

その世界は温かくユーモラスで優しい。

 

わらべうたを先にしてから読むと、参加の親子の皆さんは、絵本を聞きながら一緒に声をだして
体をゆらし「ぎったん ばったん」と楽しんでくださいます。

 

ボードブックの短い絵本ですが、裏表紙までゆっくりたっぷり味わって欲しい一冊。

読み終わった後、もう一度わらべうたをしてもいいですね。

読み聞かせ時間目安<45秒>

ぎったんこばったんこ

猫の親子が公園のシーソーで遊びます。シーソーの片側にお母さん猫、反対側に3匹の子猫がのって、ぎったん、ばったん。ぎったんこ、ばったんこ。猫たちはとても楽しそう!

【新刊絵本】思わず笑顔になるスキンシップ絵本

テンポ良く次の絵本へ。

こちらも軽やかに楽しめるものを。

子どもたちに大人気『とうもろこしぬぐぞう』のはらしままみさんの最新作。

『ピーちゃんとナッツくん』

それはこんな始まり

ピーちゃんとナッツくん

おなかと おなかで…

(p2本文引用)

仕掛け絵本になっていてページをめくると…。

 

楽しい仕掛けと愛らしいキャラクターに心をつかまれる。

リズムよくおなかや手、ほっぺたをくっつけるふれあい遊びも楽しめる一冊。

これまた人気の出そうな一冊です。

読み聞かせ時間目安<1分>

ピーちゃんとナッツくん

ピーちゃんと ナッツくん
おしりと おしりで 
ピーナッツ! ぷっぷー! 

なかよしふたりぐみ、ピーちゃんとナッツくんが、リズミカルな言葉と動きで、おててやおしり、体をぴたっとくっつけていく、思わず笑顔になるスキンシップ絵本。

デビュー作『とうもろこしぬぐぞう』のはらしままみによる、体も心もうれしくなる「くっつき絵本」。

【季節の絵本】いもほりの絵本

お話の絵本も。

お芋掘りの季節ですね。

講談社「季節と行事のよみきかせ絵本」から『いもいも ほりほり』

それはこんな始まり

ぶたの きようだいが、そらを みて いいました。

「ぶう〜 あの くも いもに みえるぞ〜。」

「ぶう〜 ほんとうだ〜 やさいもが とんで いる〜。」

「ぶう〜 はらへった~ やきいも たべたいな~。 でも いもが ないな…。」

「そうだ、いもほりに いこう!」

 

ぶたは いもほりに でかけました。

(p2本文引用)

いもいも ほりほり

いも ほりほり

3匹のぶたの兄弟が走ります。

いも畑を目指して

いもいも ほりほり

いも ほりほり

 

リズミカルにテンポ良く絵本は進みます。

何より西村敏雄さんの描く動物や虫たちが魅力的でどんどんお話に引き込まれます。

さぁ、ぶたの兄弟たち、無事いもほりはできるのでしょうか。

主人公の気持ちになっていっしょにドキドキしたりワクワクしたり。

おいも掘りやおいもを食べる前に後にと読んで楽しい一冊。

読み聞かせ時間目安<4分>

 

この後の手遊びはもちろん

「やきいもグーチーパー」をぜひ!!

いもいもほりほり

「季節と行事のよみきかせ絵本」シリーズ9巻めです。
こぶたが3匹、「焼き芋したい!」と出かけた芋ほり。ねずみが1匹ついてきました。芋ほりができるのは、やぎじいさんの畑。じろーり冷たい目をした、やぎじいさんに、勇気を出してねずみが談判に。「手伝ってくれたら、大助かりじゃ。」 予想に反し、やぎじいはウエルカム。
いもいも ほりほり いもほりほり。
どんどんほり続ける4匹。
わーい、どろだらけ、どろだらけ、どろだらけ。
いろんなかたちのお芋がたくさん掘れて、いよいよ焼き芋です。焼芋食べたら……、あれれ~。


・ 作/西村敏雄さんからのメッセージ

「いもほりのこと」

僕が芋掘りで思い出すのは、子供たちが小さかったころ、
千葉県の体験農園でさつまいも堀りをやったことです。
広い畑に、さつまいもの蔓と葉っぱが元気いっぱい伸びていているのを見ると、
「さあ いもをほるぞ!」と言う気持ちにさせてくれます。
体験農園では、係のおじさんが芋の掘り方を親切に教えてくれるので
だれでもすぐに芋が掘れるようになります。
掘れた芋はお店で売っているような、まっすぐできれいな形の芋だけでなく、
曲がっていたり、くびれていたり、いろんな形の芋がたくさん掘れました。
子供たちは変わった形の芋が掘れると歓声を上げて自慢そうに見せてくれました。
僕も一緒になって大きくて変わった形の芋を探して掘りました。
子供たちが「おとうさん すごいね!」といって感心してくれるとうれしくなって
また、大きくて変わった形の芋はないか探しました。
普段子供たちと一緒に土をいじる機会はなかなかありませんが、このときは汚れても
いい格好をして行ったので、泥んこになることを気にせず夢中になって掘りました。
芋掘りの楽しみは大きな芋が掘れた時のワクワク感もいいのですが、それと同時に土を
手で触っている時の心地よい解放感がたまりません。
また、芋掘りに行こうかな。
 

【写真絵本】落ち葉と木の実の絵本

秋は自然と仲良くなれる季節。

こんな絵本はどうでしょう。

ひさかたチャイルドより『はやしでひろったよ』

タイトル通り秋の林で拾ったいろいろなものが写真で紹介されています。

まずは落ち葉。葉が紅葉する過程や、落ちる瞬間、そしていろいろな木の落ち葉が写真で載っています。

お次はどんぐり、まつぼっくりに、種まで。

どれも実物大なのがうれしい。

名前や特徴なども書いてあり、図鑑的要素がありながらもお話として読めるというのが、このしぜんにタッチシリーズのいいところ。

 

ぜひこの絵本を片手に、林へ秋拾いしにいってみませんか?

読み聞かせ時間目安<3分15秒>

 

はやしでひろったよ しぜんにタッチ!

秋の林にいくと、色とりどりの落ち葉やいろいろな木の実を拾うことができます。それらがどこからきたのか、どうやってできたかを美しい写真で探っていきます。さまざまな木の実、ドングリ、マツボックリ、風で運ばれる種などの形にも着目! 拾った落ち葉や木の実を使った遊びも掲載。自然と触れ合う楽しみがふくらんでくる絵本です。

【昔話絵本】読み継がれるイギリスの昔話

最後は有名な昔話を。

『3びきのくま』

それはこんなお話

ひとりの おんなのこが、もりへ あそびに いきました。

おんなのこは、まよってしまって、うちへ かえる みちをさがしましたが、

どうしても みつかりません。

ふと きがつくと、もりの なかに ちいさな いえが ありました。

とが あいています。

のぞいてみると だれもいませんので、なかへ はいりました。

(p2本文引用)

この家は3びきのクマの家。

1匹のくまは、おとうさんぐま。名前はミハイル・イワノビッチ、

もう1匹のくまはおかあさんぐま。名前をナスターシャ・ペトローブナと言います。

そして3匹目は小さなくまの子で、名前をミシュートカといいます。

3匹が散歩に出かけている時に、くまのお家に入った女の子のお話というとピンとくる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

いろいろな出版社からさまざまな文や絵で出ています。

私はこの始まりが大好きで。絵ももちろんなのですが外国の雰囲気を感じてワクワクします。

海外の絵本は、他の国を知る入り口だと思っています。

肌の色が違っても、目や髪の色が違っても、言葉が違ってもかわいい子どもたちにお話をする文化は一緒だなと嬉しくなります。

 

少し長いように感じるかもしれませんが繰り返しが楽しく、舌を噛みそうなくまたちの名前もだんだんと慣れてスラスラと読めている自分におかしくなります。

お話会の最後に少しチャレンジかもしれませんが、みんなで楽しんで欲しい一冊です。

読み聞かせ時間目安<6分>

3びきのくま

大きいお父さんぐま、中ぐらいのお母さんぐま、小さな子どものくまの3びきが森にでかけた間に、女の子がくまの家にはいりこんで……。芸術性豊かな文章と絵で作られた絵本です。

【歌絵本】有名な童謡が一冊の絵本に

最後におまけの一冊。

『3びきのくま』を読んだなら、この歌絵本で終わりたい。

『もりのくまさん』

あの有名な童謡が一冊の絵本に。

いりやまさとしさんの優しく温かい絵と共に、お話を読むように絵本をめくりながら歌います。

読み聞かせ時間目安<2分>

もりのくまさん

歌いながら楽しめる、うたの絵本シリーズ。歌詞に合わせて場面が展開しているので、ページをめくりながら歌えて、親子の楽しいひとときが過ごせます。巻末には楽譜も掲載。

【その他 11月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学3回生と高校3年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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