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【おはなし会】絵本講師ふわはねによる季節の絵本とお話

【季節の絵本選びとプログラム作り】2023年10月、空を見上げたくなる絵本、おにぎりの絵本、昔話の絵本、『窓ぎわのトットちゃん』続編

枚方蔦屋書店でふわはねさんと舘野鴻さんのトークショー

絵本講師として10年以上ご活躍中のふわはねさん。絵本講座や絵本コンサル、絵本の読み聞かせ会などを年に200回以上こなしています。そんなふわはねさんに季節にあった絵本と読み聞かせ会の流れについて語ってもらいました。

二十四節気(にじゅうしせっき)を感じる

二十四節気とは… 1年を12か月さらにその半分、24個に分けた季節を表す名称です。

 

10月では…

寒露かんろ(10月8日)秋分を超え日ごと秋が深まる頃。朝晩の冷え込みを肌で感じるようになる頃。

霜降そうこう(10月24日)気温がぐっとさがり、朝露が霜に変わる頃。冬の足音が近づき始める。

 

10月のおはなし会

やっと過ごしやすくなってきた10月。

スポーツの秋、芸術の秋、読書の秋ということで、今月もはりきって絵本のご紹介。

わらべうたの絵本、空の絵本、食欲の秋おにぎりの絵本に昔話に児童書も。

気になるものがあれば、ぜひ手に取って見てください。

 

 

【はじまりの絵本】

まずは秋のわらべうたをご一緒に。

だあれかな?

葉っぱの影にかくれているのは…


どんぐり ころちゃん
あたまは とんがって
おしりは ぺったんこ
どんぐり はちくり しょ

ぽーん!

 

わらべうたが丸ごと一冊の絵本に。

巻末には楽譜と遊び方が書いてあるので、お歌を知らなくても大丈夫。

もともとはまりつき歌ですが、お子さんをお膝の上にのせて触れ合いながら歌ったり、

どっちの手に入ってるか遊びや、じゃんけん遊びにも!

子どもたちも大好きな一冊。

読み聞かせ時間目安<1分20秒>

どんぐりころちゃん

保育園・幼稚園で子どもたちに大人気! の、わらべうたが絵本になりました!
わらべうた「どんぐりころちゃん」にのって、どんぐりたちが可愛く歌って踊ります。
みんなで歌って遊ぼう♪
巻末に、赤ちゃんとお母さんが楽しく歌って遊べる楽譜・遊び方付き。

どんぐりが木から大地に降り立つと、木は葉を揺らし、寒い冬や動物たちからどんぐりたちを隠し、守るそうです。
その様子が、まるで「子を育む親の思い」のようだと感じ、
「木の大きな愛に包まれているどんぐりたちの安心感を表現してみたくなった」という、
みなみじゅんこさんのあたたかい気持ちから生まれた絵本です。

【季節の絵本】空を見上げたくなる絵本

空もすっかり秋の空。

空の高さ、雲の形もまた季節の移り変わりを教えてくれます。

次の絵本は雲が浮かぶ青空の表紙が印象的なこちらの絵本。

『きょうのそらはどんなそら』

 

それはこんなお話。

ゆっくりと夜が明け、日が昇り街も静かに動き出す。
灰色のネコが空を見上げます。
きょうのそらはどんなそら?

灰色のネコは空を見上げのんびりと歩きだす。
風に揺れる花、ひらひらと舞うちょう、流れる雲…。
あっきこえる?の先に黒い雲。雨だ!
絵本は静かに穏やかに五感を刺激する。

短い言葉と美しい空。
声に出して読みたい絵本。
1ページの文字数は多くなくリズムよく絵本は進みます。

読み終えた後、空を見上げたくなる一冊です。
読み聞かせ時間目安<1分30秒>

きょうのそらはどんなそら

おひさまが顔をだしたら、さぁ1日のはじまり!朝のまぶしい空気、すずめたちのおしゃべり、どこまでもつづく青い空、
流れる雲・・・。毎日見ている空は、いつも違う顔を見せてくれます。
子どもと一緒に広い空を見上げて、ゆっくりとした時間を過ごしてみませんか?

【おいしい絵本】おにぎりの絵本

お次は新米の季節にぴったりの美味しい絵本。

『まほうのわくわくおにぎり』

それはこんな始まり

ここは まほうの おにぎりやさん。

まいにち おきゃくさんが

たくさん くる にんきの おみせです。

おみせが あくまえに 

なかから なにやら こえが します。

(p2本文引用)

その声の主は冷蔵庫の中の食べ物たち。

今日はざくざくおにぎりからのようです。

 

さくらえびにしらすにチーズ、てんかすにごまをたっぷり。

ご飯に混ぜて「おいしくなあれ」と魔法をかけてにぎったら、

さくらえびとしらすのざくざくおにぎりのできあがり!

 

なんとこの絵本を読み進めると、おいしいおにぎりが作りたくなる、作れるようになるとというまさにまほうの絵本。

とうもろこしとウインナーのぱくぱくおにぎりに、ピーマンとツナのなかよしおにぎり…。

「ちょっとの工夫で毎日楽しく!」をモットーにイラストレシピをSNSに投稿しているまいのおやつさんの初めての絵本。

 

巻末のQRコードを開くとまほうのわくわくおにぎりスペシャルコンテンツが!

スペシャル動画に、ぬりえのダウンロード、そして最後のおにぎりやさんに並ぶ20のおにぎりのレシピもダウンロードできます。

お米のおいしい季節!絵本と一緒にまほうのおにぎり握ってみませんか。

読み聞かせ時間目安<2分45秒>

まほうのわくわくおにぎり

おいしく あたたかい おにぎりが主役の物語。
出てくるおにぎりは20種類以上!
見ているだけで、わくわくしちゃう絵本です♪

絵本に出てくるおにぎりのイラストレシピ付き!
読んで 作って 楽しめる!
食べ物に興味が湧く【食育】にもなる絵本です。

【あらすじ】
ここは まほうの おにぎりやさん。
まいにち おきゃくさんが
たくさん くる にんきの おみせです。
おみせが あくまえに
なかから なにやら こえが します―。

※しかけ絵本・飛び出す絵本ではありませんのでご了承ください。めくって楽しむ絵本になります。

【昔話の絵本】山形に伝わる大根のおはなし

最後は山形に伝わるこんな昔話を。

『だいこんどのむかし』

それはこんな始まり

とんとん むかし ある むらで、かぶやら なんやら うんと

まいたんだって。

(P2本文引用)

もうこの始まりから、惹きつけられる言葉のリズムの心地よさ。

たくさん蒔いたはずの種でしたが、どうしたことかひとつも芽がでない。

困ったと村人たち心配で毎日畑を見ていたら、たったひとつ大根が芽を出した。

みんな大喜びで、村じゅうで世話をやいた。

そうするとこの大根はずーんと大きくなって村中でひっぱっても抜けやしない。

そんな時いきなり雷が!

 

昔話らしいスケールの大きなお話ですが、渡邉節子さんの言葉のリズム良さ、二俣英五郎さんの絵の力で、ぐいぐいとお話の世界へ引き込まれます。わらべうたも昔話も伝承の文化です。

絵本の力を借りながら声に出して届けていきたいお話です。

読み聞かせ時間目安<4分30秒>

【児童書】『窓ぎわのトットちゃん』42年ぶりの続編が発売

最後は話題の児童書をご紹介。

女優黒柳徹子さんが自身の幼少期を描いた自伝的小説「窓ぎわのトットちゃん

1981年に講談社より出版され、現在までに全世界累計2500万部超、20以上の言語で翻訳され、日本を越え、まさに世界中で愛されている大ベストセラー作品。

 

落ち着きがないことを理由に一年生で小学校を退学になってしまったトットちゃん。

そんなトットちゃんが新しく通うことになったトモエ学園での日々が描かれるこの本。

私の手元にあるのは、小学生の頃の読んだ『窓ぎわのトットちゃん』

改めて大人になって親になって読んだその物語は、見える世界が違いました。

この冬に映画化。

そして42年ぶりの続編が発売になるそうです。

とても楽しみです。

 

講談社文庫 窓ぎわのトットちゃん 新組版

戦後最大のベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』。単行本、文庫、絵本の累計は800万部!35カ国以上で愛読されています。本書はその新組版。字が大きく絵も鮮やかになりました!トットちゃんがユニークな教育のトモエ学園で、友達とのびのび成長していく自伝的物語。深い愛情で子どもたちの個性を伸ばしていった校長先生が、トットちゃんに言い続けた言葉「きみは、本当は、いい子なんだよ」は、今も黒柳徹子さんの宝物です。

続 窓ぎわのトットちゃん

国民的ベストセラー、42年ぶり、待望の続編!
国内で800万部、全世界で2500万部を突破した『窓ぎわのトットちゃん』。
世界中で愛されている、あのトットちゃんが帰ってくる!
泣いたり、笑ったり……トットの青春記。

【本書の内容】
・東京大空襲の数日後、青森を目指して、ひとり夜行列車に乗ったトットを待ち受けていた試練とは?
・「おめえのジンジョッコ、描いてみろ」。疎開先の学校で、みんなとなかよくなりたいトットが、考えついた方法とは?
・「咲くはわが身のつとめなり」の言葉を胸に、トットが通った女学校や音楽学校の思い出は、映画、オペラ、ラーメン、それから?
・「そのままでいいんです」。NHKの専属女優になりたての、トットが救われた一言とは?
・アルバムからお借りした写真や、いわさきちひろさんの絵もたっぷり。

【黒柳徹子さんからのメッセージ】
私は、どう考えても『窓ぎわのトットちゃん』よりおもしろいことは書けない、と思っていました。私の人生でトモエ学園時代ほど、毎日が楽しいことはなかったから。だけど、私のようなものの「それから」を知りたいと思ってくださる方が多いのなら、書いてみようかなと、だんだん思うようになったのです。よし!と思うまで、なんと42年もかかってしまったけど、書きはじめると、笑っちゃうこと、泣いちゃうこと、それから戦争のことも次々に思い出されて……。

【その他 10月の読み聞かせにおすすめの絵本】

絵本の読み聞かせについて思っていること

絵本はコミュニケーションツールです。 絵本は子ども達の歩みを助け、その成長を促してくれるかもしれません。 しかしそこには読んでくれる人の温もりを通した生きた声が不可欠です。 人と人とが向かい合い、片手間にはできない読み聞かせだからこそ愛情が注がれるのです。 子どもの持つその心のコップを絵本を使って愛情で満たしてあげてください。大好きな人の声で温もりの中聞く美しく豊かなお話。それはあっという間の子育ての濃密な時間を助け、後にその子どもたちの長い人生の心の支えとなるでしょう。 

ふわはねプロフィール

ふわはね(内田 祐子)

絵本講師・子育てアドバイザー・ふわはねえほん 主宰
 

大学で児童文学を学ぶ。2005年絵本講師1期生として絵本講師資格取得。関西を中心に企業での定期教室をはじめ、幼児教育に携わる先生や書店員への研修。絵本講座、研修、絵本コンサルなどを行っている。

絵本のつなぎてとして、絵本の作り手と読み手を。親と子を。人と人を繋いでいる。

子育てアドバイザー・JPIC読書アドバイザー

大学3回生と高校3年生の娘をもつ。インスタグラム @fuwahane 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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