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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】待ち遠しい! 春の絵本

寒い日が続いたかと思ったら、ふいに暖かい日がやってきたり、でもまた寒さが戻ってきて……。三寒四温といわれる時期の今、気温の不安定さに振り回されながらも、確実に言えるのは、春が近づいているということ。今週は、私たちと同じように春が待ち遠しいと思っている主人公たちの思いが伝わってくるような絵本をご紹介します。

2024年2月26日から3月3日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

2月26日 「おきておきて」いいにおいの花束を友達の枕元に…

月曜日は『おねぼうさんはだあれ?』

おねぼうさんはだあれ?

森に春が来て、うさぎのミミナちゃんは冬ごもりからなかなか起きてこない友だちを起こしに行きます。
「おきて おきて もうはるよ」
「おねぼうさんはだあれ?」
くまのフワくん、ヤマネのクルリくん、とかげのスールちゃん、かえるのピョントくん……。
みんな気持ちよさそうに眠っています。
ミミナちゃんは、森で摘んだ、いいにおいの花をかごに入れて、ひとりひとり、友だちをたずね、花束を置いてまわるのです。

「おきて おきて もうはるよ」
「おねぼうさんはだあれ?」
繰り返されるやさしい調子に、自然に引きこまれます。
ミミナちゃんが「トントン」とたずねる、友だちのおうちもそれぞれ素敵。

でも……はやく一緒に遊びたいのに、誰も起きてくれない……。
おひさまがあたたかく照らす野原で、ミミナちゃんも眠くなってしまいますが……。
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(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=157991
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読者の声より

冬眠をしないうさぎさんが、冬眠中のお友達のところに「起きて~」と訪ねていきますが、まだまだ起きてくれません。
そこで、春のお花を置いていきます。

次々に訪問して、最後に日当たりのいい場所でゆっくりしていると、今度は自分がうとうと。。。

あずみ虫さんは、アルミ板の切り絵で味わい深い作品をたくさん出版されていますが、今回は可愛いがぎゅっとつまっていて「本当にこれがアルミ板?」と驚くような柔らかなイメージの絵になっています。春の花を見に行きたい、動物たちのように早くお友達と会いたいなと思いました。
(ロアルダールさん 40代・その他の方)

2月27日 ちょうちょがとまると、ぱっぱっぱっ

火曜日は『しろいちょうちょがとんでるよ』

しろいちょうちょがとんでるよ

真っ青な空にひらりひらりと飛んで来たのは・・・一匹の小さなしろいちょうちょ。
緑の野原の上を飛んで、お花のつぼみにとまります。
すると「くすぐったい」!
つぼみが花を開きます。ぱっ。
ちょうちょは、次々に花を咲かせますよ。
ぱっ ぱっ ぱっ。
なんて楽しい景色でしょう。
次にちょうちょがとまったのは、お昼寝中のこねこちゃん。
すると・・・?

自然派アーティスト・村上康成さんがあかちゃん向けの絵本をつくったら、春らしくとってもご機嫌なファーストブックが出来上がりました!
きまぐれなちょうちょがひらりと飛んでいる姿、ちょうちょにつられて花を咲かせちゃう色とりどりのお花たち、お昼寝から起こされたちょうちょを追いかけるこねこちゃん。言葉も絵もシンプルだけど、ページをめくるごとに、なんだか嬉しい気持ちが積み重なっていくみたい。
最後にこねこちゃんが見上げた空に見つけたものはなんだったのでしょう?

あかちゃんの頃から何年も、繰り返し読み続けてほしい1冊ですね。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=111073

読者の声より

表紙の青空の澄んだ色に惹かれて手に取りました。
その青空をバックにひらひらと飛ぶしろいちょうちょ。そのちょうちょを追っていくと、つぼみの花を咲かせたり、お昼寝している猫を起こしたりしながら進みます。
「ひらりひらり」「ぱっぱっぱっ」とシンプルでリズムの良い言葉が続いて、読んでいて気持ちが良かったです。
爽やかな絵と文章なので、小さい子が繰り返し楽しめる絵本ではないかと思います。
(クッチーナママさん 40代・ママ 東京都 女の子11歳、女の子9歳、男の子6歳)

2月28日  冬の終わりにふしぎな音がきこえてきたら……

水曜日は『はるのおとがきこえるよ』

はるのおとがきこえるよ

ふゆのおわりに
「コツン コトン コツコツ」
「ガリガリ バリバリ」
「パリン パクン パン」
こんなふしぎな音がきこえてきたら……きみはどうする?

ベッドからとびおりてそうっと外をみる。
玄関からひとあしふみだすと、そうさ。そこには、くまがいるんだ。
庭のまんなかに立って、こういうよ。
「もうすぐ くるよお」って。

なにがくるんだろう?
くまといっしょに出かけたきみは、いろんな植物や動物、風までもが
「もうすぐ きますよー」
「もうすぐ くるんだわ」
と、うたうのをきく。くりかえすのを、ついてくるのをきく。
きみがなにをきいても、くまは「もうすぐ くるよお」というだけ。
ふしぎな音は、ずっときこえてる。
なにかがきしんでくだける音。ひびがはいる音。
きみは、大きなくまと手をつないで、どんどん冬の森のおくへ歩いていく。
歩いて、ずうっと歩いて……
きみたちが見つけたものは……?

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(大和田佳世  絵本ナビライター)

読者の声より

タイトルにある「はるのおと」。一体、この音はなんだろう?と想像しつつ、よみすすめると、思ってもいなかった「はる」の正体におどろきました。今までにないような、はるの表現が素敵だなあ、と。
まだまだ寒い冬。春をまちながら読むのにぴったりだと思いました。
(あんじゅじゅさん 40代・その他の方 )

2月29日 「はるに なって もりに すみれが さいたら…」

木曜日は『もりのてがみ』

もりのてがみ

寒い冬の日、ひろこさんは、森の友だちに手紙を書きます。りす、とかげ、ことり、のうさぎ、そしてもみの木に。カラーペンとクレヨンを握りしめ、一字一字、ことばを考えて、書き、楽しい絵をそえてできた5通の絵手紙。ひろこさんは書き終えると、一通ずつ、森のもみの木につるしに行きます。もみの木は雪をかぶりクリスマスの飾りのようにひろこさんの手紙をつるしてたっていました。風の強い日、手紙がみんななくなっていてがっかりしていると、何日かたってみんなから返事が届きます。りすからはくるみ、とかげからは石、のうさぎからは木の実、ことりたちからは木の実。スミレが咲いて春が来たよというお知らせの手紙でした!

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=7403
https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=7403

読者の声より

さむーい冬は、ついつい身も心も縮こまってしまいがちですが、ひろこさんは素敵なことを思いつきました。お友達の動物さんたちに、すみれが咲くころになったら会いましょうってお手紙を書いて、もみの木につるしておくのです。
このひろこさんの書くお手紙がとても可愛らしい。文章も可愛いし、それに添えられたカラフルな絵がまた可愛くて、一枚一枚ほっこりしながら読みました。
やっとひらがなが書けるようになってきた娘は、自分もお友達にこんな手紙が書きたい!と憧れの気持ちを抱いたようです。
(オバーサンさん 30代・ママ 女の子4歳、女の子1歳)

3月1日 「ぼくたちで春をつくっちゃおうよ!」

金曜日は『はるがきた』

はるがきた

すぐそこに来ているはずなのに、なかなか訪れない春。
街は灰色、人々も同じ様に暗くてしずんだ気持ちに……そんな時。

「ねえ、どうして春を待ってなきゃいけないの?
 待ってなんかいないでさ、ぼくたちでまちを春にしようよ」

男の子の素敵なアイディアと人々の素晴らしい行動力で、あっという間に街が輝きはじめた! こんな風に、何かのきっかけをはじまりに、世界は少しずつ変わっていくものなのかもしれません。絵本の中を駆け巡る躍動感と明るさは、読んでいる私達の心にも喜びと力を与えてくれますよね。

「はるがきた!」
(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

読者の声より(旧版のレビューより)

『どろんこハリー』の、ジーン・ジオンの作品です。
春が待ち遠しくて仕方のない、町の人たち。
ある男の子が、素敵な提案をします。みんなは、それに共感して、さっそく市長さんに相談して…
こんな町があればいいなと思います。だんだん春になっていく絵が素敵です。
(水仙の丘さん 50代・その他の方)

3月2日 「今日はみんなでピクニックにいこう!」

土曜日は『わかくさのおかで』

わかくさのおかで

窓から遠くに、雪が残る山々が見えるラビッタちゃんのおうち。
ラビッタちゃん一家は朝からそわそわしています。
なぜって、ようやく春が来て、みんなで外に行けるから。
「きょうはピクニックにいこう!」とパパ。
「おべんとう、いそいでつくるわね」とママ。
ラビッタちゃんも、妹のピョコラッタちゃんも大喜びです。

おいしそうなお弁当をリュックサックにつめて、「ラッタ ラッタ ラビッタ ラッタ♪」と歌をうたいながらピクニックに出発!
春の緑は、なんてまぶしいのでしょう。
川がうつくしく流れ、若草のにおいがします。
丘の上でお弁当を食べ、パパとママはひとやすみ。
ラビッタちゃんとピョコラッタちゃんは探検に出かけますが……。
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(大和田佳世  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=123416
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読者の声より

若草色の表紙と、お花が綺麗なのでうっとりとしてしまいます。うさぎの家族が、ピクニックに行くので、お弁当のこけももジュースや、にんじんサンドイッチやライ麦パイ(これは美味しそう!)を持ってお出かけです。
「お花が きれいねえ。」とママが言うと、パパがそっとママにお花をさりげなく飾ってあげる場面が、すごくいいなあと思いました。ママは、嬉しくなって、ラビッタちゃんとピッコラッタちゃん二人にも花飾りをつけてくれました。素敵な家族だなあと思いました。
ピッコラッタちゃんが、迷子になるハプニングもありましたが、無事解決できたのでほっとしました。丘の上の景色が素敵に描けていて、見惚れてしまいました。
(押し寿司さん  60代 じいじ・ばあば)

3月3日 おひなさまたちが おでまし おでまし

日曜日は『ひなだん とんとことーん』(2024年1月の新刊より)

ひなだん とんとことーん

ひなかざりの はこのふたが ちょこりとあいて、おひなさまたちの おでまし。じゅんびができたら、ひなだんに とんとことーん!

いかがでしたか。

春が待ち遠しくなったら、ゆっくり絵本のページをめくりながら春を感じてみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
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