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未来の今日の一冊 ~今週はどんな1週間?~

【今週の今日の一冊】猫の日×絵本ナビ2024:うちに猫がやってきた!

2月22日の「猫の日」に向けて、連載「今週の今日の一冊」では2週にわたり、猫の絵本を大特集! 先週の黒猫の絵本につづく今週のテーマは、「うちに猫がやってきた!」。はじめて家に猫がやってきた日というのは、猫を飼っている方にとっては、それはもう特別な日だったのではないかと想像します。そんな、猫がやってきた日のこと、そこからの日々を描く絵本は、いつか猫を飼いたいと思っている方にとっても期待が高まったり、じんわりくるものがあるのではないでしょうか。

今週も、猫の魅力がたっぷりの「猫の絵本」を新刊も交えながらご紹介していきます。
 

2024年2月19日から2月25日までの絵本「今日の一冊」をご紹介

2月19日 どうすればねこが来てくれるかな?

月曜日は『わたし ねこが かいたいの』

わたし ねこが かいたいの

わたしねこがかいたいの。自分だけのこ。
どうすればねこが来るかな?

ねこのすきなものを集めて待ったけど、1ぴきも来なかった。あーあ。
しかたがないから、ねこの絵本をだきしめて寝たの。

そうしたら、あれ?だーれわたしを起こすのは?

読者の声より

大型絵本の魅力を最大に引き出したようなイラストが素敵です。
画面いっぱいにいろいろな種類の猫が、いろいろな所にいろいろな表情でうじゃうじゃいるのが圧巻。
猫好きでない私も、見とれる面白さ。
目つきの悪い猫がまた、猫らしくていい。
猫好きなら、ずっと眺めていたいことでしょう。
猫好きの子供はもちろん、すごく楽しんでいました。
「どの猫がいいと思う?」とページごとに、二人で聞きあって楽しかったです。

主人公の女の子の願いが叶って、よかったです。
「猫の気持ちを汲んであげよう」という姿勢が、なんだか人間らしさを強調しているようでもありました。
(だっこらっこさん 30代・ママ 女の子5歳)

2月20日 ゆっくりと時間をかけて、「うちの子」になるまで

火曜日は『うちのねこ』

うちのねこ

春の日に、うちにやってきた元野良の猫。
警戒心が強くて、臆病で。
そんな猫が、ゆっくりと時間をかけて、「うちの子」になるまでのおはなしが描かれています。

我が家にも猫がいますが、彼は野良の経験はありません。
それでも、やってきた初日はベッドの下に隠れたまま全く出て来ようとせず、「これは長期戦になるぞ」と覚悟しました。
しかし次の日、ごはんを差し出すと何のためらいもなくのそのそと出てきて、ガツガツと食べ始めたのです。
このとき私は「ああ、この子は食べ物に弱いんだな」と思った覚えがあります。そして現在も食いしん坊です。

人間と同じで、猫も1匹1匹性格が違います。
我が家の猫のような子もいれば、この絵本の猫のように、なかなか心を許してくれない子もいます。
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(近野明日花  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=167796
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読者の声より

私は、ねこを飼ったことがない。夫も、ねこを飼ったことがない。もちろん、3歳の子どもも。

のらねこだったねこ と心を通わせることの難しさをこの絵本を読んで初めて知った。

絵がとても印象的で、どんどんと引き込まれていき、3歳でも自然とわたし目線で聞いていたようだ。ねこがわたしを噛んだり引っ掻いたりするたび、子どもはわたしの気持ちになって、悲しそうな顔をする。夜、ねこが飛びかかってきて引っ掻いたときは、「ねこ、ひどいよ。」と言った。

そうだね。でも、突然 自分が知らないお家に連れてこられたら、どんな気持ちだろう?
やっぱり、ねこのように怖くて、不安でたまらないんじゃないかな。

子どもはじっと考える。何か心に響いた模様。

ねこに引っ掻かれて、噛まれて、そのたびに悲しい気持ちになるけれど、いつも ねこ のことを考え、諦めずに優しく寄り添い続ける わたし。
こんな わたし だから、ねこ も心を開いたんだなぁ。
(うさぎのタンタンさん 30代・ママ 男の子3歳)

2月21日  ひとりぼっちでも、私はちっとも退屈しない

水曜日は『ねこは わたしの まねばかり』

ねこは わたしの まねばかり

うちのねこは、おすましさん。呼んでもこないし、抱いてあげようとすると逃げる。でも、知らんぷりすると、こっそり近づいてきて、追いかけてきて、私のまねばかりする。

ドアのうしろにかくれても、クローゼットに中にかくれても、ねこは私のまねばかり。洗濯物を干すときも、花のにおいをかぐ時も、ねこはずっと私のそばにいて、いつも私のまねばかり。だから、うちに誰もいなくても、私はちっとも退屈しない。私の友だちはねこしかいないし、ねこの友だちは私しかいない。でも……。

でも、今日からは……。私がねこのまねをしなくては。

学校から帰ってきてもいつも一人ぼっち。そんな退屈していた女の子のところに、ねこがやってきたことで、あっという間に楽しい毎日を過ごすようになる愛らしい絵本。そっくりなポーズをとるねこの姿といったら! でも、女の子はまねをされるだけじゃ終わりません。今度はねこのまねをすることで、外へと一歩踏み出す、小さな勇気をもらうのです。

どこか懐かしくも新鮮に感じる、韓国を代表する絵本作家のひとりクォン・ユンドクの絵。私とねこ、ふたりだけの世界。そしてねこと一緒に踏み出す新しい世界。女の子のまねをするねこ、ねこのまねをする女の子。それぞれの景色を、表情を、それは魅力的に描き出してくれるのです。

(磯崎園子  絵本ナビ編集長)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=209757
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読者の声より

かわいらしい表紙にひかれて読んでみました。韓国の絵本作家さんなんですね。韓国らしい色鮮やかな服装や背景がかわいくてとっても素敵です。女の子をまねる猫。でも途中から変化して……。予想していなかった展開で爽やかな読後感。この作家さんの他の絵本も読んでみたいと思います。
(あんじゅじゅさん 50代・その他の方)

2月22日 ねこのサビンカとぼくの、しあわせないちにち。

木曜日は『ぼくのサビンカ』(2023年6月刊)

ぼくのサビンカ

猫のサビンカと暮らす少年の日常。
その中で、読者に投げかけられるたくさんの質問。
「きみの あさごはんは なに?」
「きみは きょう なにができた?」
子どもに尋ねたり、時には大人が答えてみたり。ゆっくりと対話の時間を楽しみながら読んでみてくださいね。
猫がいるおうちなら、サビンカと比べてうちの猫はどうかな、なんて話すのも良さそうです。
そして、人間が知らない猫だけの世界もちょっとのぞいてみたり……?

絵と訳を担当されたのは、チェコ在住の出久根育さん。出久根さんは2匹の猫を飼っており、そのうちの1匹はその名もサビンカ。絵本に登場するサビンカの絵のモデルです。
(続きを読む>>>

(近野明日花  絵本ナビライター)

https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=220626
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読者の声より

飼いネコの生活、ネコの習性を、少年の生活と比較しながら描いた絵本です。
なるほどと思いながら、わが家のネコと比較しながら読みました。
どこを見ても愛らしくて、愛猫家にはスルーできない絵本かもしれません。
ほんわかした絵もいい感じです。
(ヒラPさん 70代以上・その他の方)

2月23日 目が離せない生き生きとした猫たちの一瞬一瞬

金曜日は『ねこの5ふんご』(2023年7月刊)

ねこの5ふんご

たいていの猫は、静かで素早い。あっちのソファで寝ていると思ったら、いつの間にか足元に来ていたり。ちょっと目を離したすきに、まったく違った状況になっていることが本当によくあります。

そんな猫たちの変わりっぷりを、ぞんぶんに味わえるのが『ねこの5ふんご』です。猫を飼ったことがある人なら、「わかるわかる!」だし、猫を飼ったことがない人も「わかる気がする!」と思うのではないでしょうか。

最初は変わりっぷりを楽しんで、次はどこが変わったか間違い探しのように見比べてみるのもおすすめです。きっと、同じ猫が何度も登場していることに気づくはず。なぜなら、実は3軒のおうちが舞台になっているからなのです。どの猫とどの猫が一緒に暮らしているかわかるでしょうか?

5分後だけではなく、もっと長いものも描かれています。さすがに年単位ともなると猫たちの成長が感じられて、なんだかしみじみ。そして、10年と言う長い時間の中で大きく変わってしまったものも、あるようです。

猫のいる生活は、穏やかさと賑やかさでいっぱい。寝ている時ですら目が離せない猫たちの一瞬一瞬を、これからも大切にしていきたいなと思う一冊です。

(近野明日花  絵本ナビライター)

読者の声より

図書館の新着コーナーで見つけました。
見開きページの左がわが「ねこの」、そして右側がその「5ふんご」なのです。ねこがいろいろとやらかしている様子がユーモラスに語られます。
「ねこの5ふんご」「ねこの1ねんご」「ねこの2ふんご」どれも可愛らしくて、ねこらしくて、思わずニヤニヤしてしまいます。
特に猫好きの方は、ねこあるあるで共感できる作品だと思います。
(クッチーナママさん 40代・ママ 女の子19歳、女の子16歳、男の子14歳)

2月24日 うちのねこは、家の外でいったい何をしているの?

土曜日は『ねこもおでかけ』(2023年12月刊、読み物)

ねこもおでかけ

うちのかわいいねこは、家の外でいったい何をしているの?

小学生の男の子、信ちゃんが公園で捨てねこを拾い、保護して、育てる。
ねこの秘密を探っていくまでの1年間の子ねこドキドキ成長物語。

野球帽にすっぽりはいるくらい小さい茶トラの子ねこは、「トラノスケ」と名づけられる。
ラブラドールのでっかいけれど気の弱い犬の「ダン」と、優しい男の子、信ちゃんと暮らすようになる。

ある日、信ちゃんは、子ネコのトラノスケの鳴き声が<まってたんだよー>ときこえた、ような気がした。
これって空耳? 不思議なことが起きるエブリディ・マジックな物語。

●他者の気持ちに寄り添う、あたたかい心を育てる物語。<小学3年生以上対象>
巻末に猫大好き作家&画家の「ねことなかよくなる」スペシャルガイド付き。

2月25日 いつもそばにいてくれてありがとう

日曜日は『わすれていいから』(2024年2月刊)

わすれていいから

あるひ、いえにやってきた おれ。
そこには、うまれたばかりの おまえ がいた。

ここは、おれたちのなわばり。

一緒に成長する猫と子ども。

二人とも隅っこが好きで、いつもくっついていたけど、
気がついたら隅っこに おまえ がいないことが多くなって――。

当たり前に過ごしている時間が愛しくなる、大切な人に贈りたい絵本です。

2週にわたる「猫の絵本」特集は、いかがでしたか。

絵本ナビにも猫を愛してやまないスタッフがたくさんいることもあり、さまざまな切り口で紹介する猫の絵本記事が充実しております。お気に入りの猫絵本を探しに、ぜひいろいろな記事をのぞいてみてくださいね。

選書・文:秋山朋恵(絵本ナビ副編集長)

 

掲載されている情報は公開当時のものです。
絵本ナビ編集部
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